街乗りライダーこそサーキットを走ろう
「趣味はバイクや車」、と言ってもそれ自体に欲情するメカフェチとは違う。
ゴルフが趣味というオジサンがゴルフクラブが趣味、とは言わないように、
「バイクや車を使って遊ぶ」これが本当の趣味。乗物はそのための
道具に過ぎない。
自分の場合、バイクに乗って遊ぶのが第一、エンジニアの端くれとして
機械弄りの対象として弄るのが第二、自分を変身させてくれる一種の
「衣装」としての愛着が、第三、そして戦闘機や兵器にも似た、走るために
生まれた研ぎ澄まされた意匠が第四、・・・・うーん、結局カッコイイその
デザインに欲情してるのかも<ばき
でも、あくまでもその主目的は「遊ぶ」事だ。その遊びの例をいくつか
挙げると、オフローダーで河原で飛んだり跳ねたり、ビッグバイクで
高速道路を一気に走って地方を旅したり、セパレートハンドルのバイクで
峠道を走ったりする事かな?その全てがすげぇ楽しい(^^)♪
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そういった目的を果たす道具としてそれに最適なモノを探し用途が
ダブらないように集めたら・・・結果8台ものバイクになってしまった
、というわけだ(苦笑)
余談だが結婚生活時はあと2台持っていたし元カミさんもバイクを
2台持っていたから実に合計12台ものバイクが当時住んでいた一戸
建ての庭に並び、近所や大家からバイク屋と間違えられた。これ、
嘘じゃない、実話だ(^^;)
一人暮らしに戻ってからは10台も持っている意味が無くなり少し
整理した。今あるバイクは次の通り。これらは全てナンバーを取得、
公道を走れる状態だ。
ヤマハ TDM850 97年式 黄銀黒 UK逆輸入車
ヤマハ XT600Z-TENERE 83年式 白赤 国内仕様、300台限定
ヤマハ SRX600 90年式 黒 セル付、改造多数
ヤマハ TY250ZS 95年式 白紫 ナンバー付きトライアル車
ヤマハ TZR250RS 92年式 白赤黄 1000台限定モデル
ヤマハ TW200 87年式 白青 最初期、完全ノーマル
ヤマハ BW'S100 00年式 青白 台湾ヤマハ製、輸入車
ホンダ CRM80 88年式 赤 最初期モデル、完全ノーマル
あとナンバーが無いのと用途が限定されるためここに挙げてないが
お子様モトクロッサーのホンダQR50もオモチャとして持っている(^^;)
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この通り、ヤマハのバイクが好きだ。またデザインも一癖あるものが
好きで、エンジンも2気筒、単気筒、2stとヒトクセのあるキャラクターが
大好きで、大きいのから小さいのまで、つまりゴルフクラブにおける
ドライバーからパターまでを熟考した上で取り揃えている(つもり)。
脱線するが、バイクを沢山持っていると言うと、じゃあ浮気性でしょ?
と言われる事がある。一台で満足出来ないから次々と…って事は
女もそうなんでしょ?と。
それは違う。バイクというジャンルが恋人、女房なのだ、十代の頃に
惚れてからずっと一途に思い続けて、今もその思いに揺らぎは無い。
そしてこのバイク達はその「女房」と自分との言わば子供、実際の
子供と同じで一人より二人、二人より沢山いるほうがカネはかかるが
毎日の生活が楽しいに決まってるじゃん(^^)
それに、色々なキャラクターのバイクに乗ることで、自分自身の変身
願望と言うか、一人でゴレンジャーを気取れるというか、乗るバイクに
よって自分の能力が変わる、つまりレインボーマンのように
色々な能力を足した、違う自分になれる、という少年時代の夢も
叶えているわけだ(笑)
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先週の土曜日、仲間内でミニサーキットを一日借り切る走行会があり
参加した。今までその走行会にはSRX600改を持ち込んでいたのだが
今回は違う。最近入手したばかりのオンロードレーサーレプリカ、
TZR250RSを使う事にした。
そのTZR250RS(3XV8)は12年前に作られた峠小僧ご用達なマシンと
言うのに、なんと今に至るまで無事故無転倒!、ある意味で奇跡の
コンディションの個体だ。そんな訳で転倒の危険性があるコース走行会
で綺麗なカウルをギタギタにするのが忍びなく、ボロ外装をヤフオクで
落札しそれに交換した。それ以外はタンデムステップやウィンカーや
ランプ類、ミラーなどの保安部品を外し、スピードメーターを殺し、180km
で作動する速度リミッターも解除、最後にカウルゼッケン部に適当な
数字シール張って、ハイ、これで立派なサンデーレーサーの完成♪
それ以外は大枚をはたいて前後足回りをバイク屋でフルレストア済み。
エンジンは完全ノーマル、チャンバーもノーマルだから馬力は公道走行
時と同じ。タイヤは入手した時から付いている何年前のか分からない
ツーリングラジアル、フロントは亀裂すら入っている。公道走行用でも
もう交換したほうがいい状態だ。ましてサーキットを走るタイヤじゃない。
・・・でもそれでいい、走行会は闘って勝つことが目的の「レース」じゃない。
路面とバイクと自分との対話、そして攻める自分と自制する自分との
内面の心理戦なのだ。だから足回りのセッティングも、過剰な馬力も、
レースで勝てるタイヤも要らない。
入手したてのマシンを「調教」する前にはその「素性」を確かめるのが
一番大切、それが分からずに弄ったり闇雲にパーツをゴテゴテつけても
カネと労力の無駄だ。それに自分の股関節痛もまだ完治してないので、
身体をバイクに慣らすのも大事な目的だ。
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完成したサンデーレーサー仕様のTZRを自分のトランポたるアトレーに
積み込む。ついでにパドックの足としてQR50も積んでゆく。軽1BOX車は
舐めてはいけない、このアトレー(S120V)、旧規格ゆえ幅は狭いが荷物
室が長いのでバイクが積めるのだ。
スクーターや80ccのミニモトは当然積み込めるし、250ccのフルサイズの
OFF車やトライアル車だってちょっと工夫すれば積める。走行会仕様にした
SRX600とAR80を二台同時に積みサーキットに行った事もある。
たった660ccとはいえ5MTでキビキビ走る。しかも自主規制一杯の64PSを
誇るインタークーラーターボだ、バイクを2台とその他も積み、さらに大人が
二人が乗っても高速道路で120?140km/Hでクルージングが出来るほど
パワフル!、荷物を降ろせば荷室で大人二人が余裕で寝れるからキャンプ
などにも最適!、遊ぶという用途でコレほど使える車は無い。
もし事故ったら運転席がつぶれて身を持って荷物を守ったり、積んだ
バイクに自分が轢かれるハメになる事は間違いないだろうが(苦笑)
軽1BOX賛歌はいずれ別の日に改めて書こう、魅力一杯だからね(^^)
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途中で友人を拾い、茨城の外れにあるトミンサーキットという教習所に
併設されたカートコースのような所に行く。集合したバイク仲間はニ十数名、
これを自己申告で4つのクラスに分けて、一回20分*4set走るのだ。
追い越しは厳禁、ただし速度差がある場合はコース脇のオフィシャルが
前走車に「抜かせろ」サインを出す仕組みだ。
自分の走るクラスの出走前に、教習所にある様な8の字コースでTZRを
走らせてみた。バンク角は深いがタイヤが古いためか硬い。本番では
無理は出来そうにないな。
ついにコース走行の時は来た。マーシャルが先導し、数周走り、コースに
慣れるまでゆっくり走る。その後マーシャルがコースを出て、そこから
各自が各々のペースで走る。走り続けると速い人、遅い人が段々分離
して、追い越しさせろ、の指示が頻繁に出る。
初めてコースを走るTZRは、公道で走っている時と違い、水を得た魚の
ように気持ちよくバンキングして曲がり、2ストサウンドを吐きながら素早く
立ち上がる。タイヤが劣化してるので立ち上がりでアクセルをワイド
オープンにするとリヤがズルズル滑る。
段々、この車体のクセが分かってきた。そして今のタイヤの限界点も。
その状態のまま、段々ペースを上げて行く、自分より上手い人が前を
走っているのでその人のライン取りと、ブレーキングポイントを参考に
追うが結局追いつけなかった。
集中して走っていると20分はあっという間に終わる。その次のクラスに
走る友人にTZRを託し、自分はアトレーで作った快適ピットで涼みながら
今の走りを考える。そのイメージを持って、次の走行時に色々試して
さらにペースアップを試みる。
そのうちバンクセンサーをがりがり擦るようになり、タイヤが持たずに
滑り始めてペースアップの限界を感じたのであとは淡々と流した。
で、この日は一度も転倒もせず無事終了。
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コース走行というのは。レースの為の練習でもあるけれど、実はそれ
だけじゃない。公道では不可能な自分やバイクの限界に近い走りを
試せる事で、バイクを操る基本技術の練習が出来る、それにより公道
走行時の危険回避能力を養う事が出来るのだ。
ここで限界走行を練習したからといって、決して公道でレースまがいの
無謀運転をするためではないのだ。
コーナーに入る前に速度を落しきれるか、どんな速度ならコーナーに
進入出来るか、コーナーリング中の速度やバンク角はどこまで攻めたら
バイクは転倒するのか、ラインはどう走ればいいのか、その時タイヤが
スリップしたらどうすれば良いのか、
そんな限界を試せる訓練は公道では無理だ、法に触れるしヘタすれば
死んでしまう。だがそういった現状把握により自分の限界を知るのは
自分の能力を過信しない為にもの凄く重要な事だ。
こういった練習が出来るのはサーキット走行会やジムカーナ、安全
講習会、他にはオフロード走行など限られたシチュエーションしかない。
峠は絶対に、それとは違う。勘違いしないように>All rider
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バイクは新聞配達のような実用用途でも、練習して上手くなるという
「スポーツ」の要素がある乗物だ。車の運転も確かにそうだが単車は
常に一瞬の判断ミスで転倒、そして最悪の危険性を秘めた真剣での
打ち合いのようなもの。対し車は完全防備して竹刀で打ち合っている
ような、バイクに比べれば数段緊迫感と真剣味に欠ける乗物だと思う。
この「上手」「下手」、というのは「速く走れる」「遅くしか走れない」、
とは違う。その乗り物の能力、今の自分の能力、これから走る道路の
状態、時には天候さえも瞬時に把握して、その中で無事に走りきる、
極めて高度な能力の「上手」「下手」だ。
しかも「下手」なライダーは交通戦争の中で淘汰される危険性もある。
#どんなに「上手」でも、避けられない事故もあるんだけど…ね。
多くのライダーは経験を重ねる事でこの能力を徐々に身に着けてゆく。
だが経験以上に積極的に練習を重ねる事で、この能力はより高める事が
出来る。サーキット走行や安全講習会、オフロード走行は、そんな公道
という戦場をより長く安全に生き残るためのノウハウを自分なりに訓練
出来る良い機会だと思うのだ。
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もしバイク乗りで今までにこういった走行会や練習会に参加した事が
無かったら、是非チャンスを見つけ参加してみよう。バイクを操る楽しさを
実感出来る事は勿論、練習して上手くなるという「スポーツする喜び」を
感じる事が出来るだろう
スポーツ走行ってのは本当に身体も使うから筋肉痛になることウケアイ(^^;)
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