複数台持ってる単車乗りの引越し
バイクを沢山持つと、維持するのもそれなりに大変だが、一番大変なのは引越しだ。
通常、バイクを持っていると引越しがしにくい。たった一台だって置き場所が無くて
泣く泣く手放す、という友人もいた。それはバイクの社会的な立場の弱さが効いている。
暴走族等によるダーティーイメージ、事故などによる「危ない」代名詞にもなってるし。
交通事故のニュースや、身体障害を負った人の紹介などで、「バイクで事故に…」
という表現は良く見聞きするが「四輪車で事故に…」や「4トン車で事故に…」と
紹介される例は皆無だ。大体は「交通事故で…」となるはずだ。
バイクだけがいつもネガティブなイメージの時にだけ特別にクローズアップされる。
でも、これがすでに出来上がっているイメージだから、それは変えられないだろう。
それに、かれこれ20年近く乗り続けて、散々痛い目にあった自分も分かる。
バイクは、五月蝿くて、排ガスが汚くて、不安定で、とても危ない乗り物だ。
危ない乗り物を知恵と技を駆使して操るからこそ、その面白さは抜群なのだ(^~^)
だがそういった言葉は同じ単車乗りには通じる共通語だが、他の人種には通じない。
そして往々にして自分の大家や隣家は単車乗りでない事が多い。だからバイクを持って
しかも複数台を持って引っ越すには、それなりのノウハウが必要になる。
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自分は実家を出て今に至るまで、4回引越しをしているが、それによってバイクは
どうなったか、と言うと大体こんな感じで推移している。
実家 → 独身寮 引越し時:バイク3台
独身寮 → アパート 引越し時:バイク4台
アパート → 一軒家 引越し時:バイク8台+車1台
一軒家 → 今の家 引越し時:バイク9台+車2台
ドンドン増えてるじゃねぇか(^^;)<ばき!
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独身寮に行った時は、空いている置けそうな場所に置けたので不自由はなかった。
年齢制限で寮を追い出された時にはバイクが4台あったので、バイクを置ける事を
最優先で探したら、駅から徒歩45秒のアパートの1階の角部屋、しかも駐車場付きを
借りれた。最初駐車場にバイクを並べていたが、車を入手したのでバイクは部屋の
周りに置いた。最終的には南のガラス戸のタタキに3台、東側の階段下に2台、
北側の玄関側には3台のバイクを置いた。
大家は農家の老人で、アパートの駐車場で平気で立ちションをする人だったが(^^;)
「おめぇよっぽどオートバイ好きなんだなぁ」と笑って許してくれていた。感謝。
そこから結婚して引っ越した先は庭付き一軒家、敷地に対し、「コ」の字状の庭があり
玄関前には軽自動車一台分くらいのコンクリートの敷地もあった。ここに夫婦あわせて
最大で12台のバイクを置いていた。当然入居する際には事前に「庭にバイクを置くよ」
と断り、了承を得ていたが、まさかここまで置くとは思って居なかったのだろうか?
ある日大家が直接電話してきて、「息子がバイクに乗らなくなったのでお宅で引き取って」
と言われた。・・・・バイク屋だと間違われていたのだ(笑)
離婚して引っ越す際には時間もなく沢山のバイクを抱えてどうするか迷ったが、
2週間ほど探しまくったら偶然出物の物件があって、バイクを殆ど手放す事無く引っ越せた。
ただ仕事が忙しいのに一人で10台あっても乗れないので一台だけ引越し前に手放した。
車は近所の月極駐車場を2台分並べて借りた。
…こうやって振り返ってみると、ある意味で「奇跡の引越し」を繰り返したのか?(大笑)
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じゃあ自分なりのバイクを持って引っ越すためのノウハウを少しだけ紹介しようか。
こんな悩みと、ノウハウを必要としてる人間はあまり居ないと思うけど(自爆)
部屋探し編
1)他の条件をあまり重視しない
自分の場合駅から歩いて行ければそれでいい、ただバスを使うのは嫌だったので、
「徒歩30分以内」で探した。便所も水洗とか、風呂は追炊きがなきゃ、とか、
部屋はフローリングとかには全然こだわらなかった。結果そんなに劣悪な条件の
(便所が汲み取りとか)部屋には当たらなかった。家賃も安めを狙った。
ただし、風通しと日当たりだけは絶対譲れない条件として最初から宣言していた。
2)部屋の周りにバイクが置ける所を選ぶ
広大な屋内ガレージがあればそれに越した事はないがそんなところはまずない。
あってもべらぼうに家賃が高い。それならボロい一軒家を借りたほうが安い。
一軒家だったら駐車場か庭があって、道路から高低差なくアクセス出来る事が必須。
アパートだったら部屋は1階で、バイクを部屋のすぐ脇に置ける事が望ましい。
もし置けなければ最低でも敷地内に置ける事。そのためには敷地内の月極駐車場を
借りてもいい。敷地外の月極駐車場や、敷地内に置けても二階の部屋は眼中無しだ。
3)人口密度があまり高くないところを選ぶ
周りがアパートだらけだったり幼稚園があったりすると、その中の一人が
クレーム付けるだけで敷地内でエンジンすら掛けるのが難しくなる可能性が有る。
そこそこ広くて人がそれほど高密度で住んでいない所がいい。
不動産屋編
4)最初からバカ正直にバイクの台数を言うな
自分の場合、アパート探しの際に4台ある、と言ったら門前払いされた事が有る。
次の不動産屋で同じ物件を見つけ「バイクを持っている」とだけ言ったら
ちゃんと現地に連れて行ってくれた。バイクは前述のようにネガティブイメージが
付きまとうから、正直にカミングアウトすると仰天して部屋を探してくれない事も有る。
間取図やその他の情報では置けそうになくても現地に行けば置ける場所が有ったり
交渉次第で置けるようになる事があるから、ともかく現地を見ないと始まらないのだ。
ちなみに1台だけとか嘘は言ってはいけない。後でトラブルになる可能性があるからだ。
つまり最初から全てをさらけ出す必要はない。少しずつ、カードを切って行くのだ。
5)現地でバイクを置ける場所を探して必ず確認しろ
不動産屋や場合によっては大家と共に現地に行って、バイクが置けそうな場所があれば
躊躇わず「こことか、こことかってバイクを置いてもいいですかね?」と聞いてみる事。
その時に置いてはダメだといわれたら絶対に置かない事。置いてもいい、と言われたら
その場所には置いていい。自分の場合、アパートの契約時に、こことか、こことか、
・・を繰り返して指差して了承を得た場所に、最終的には全てバイクを置いたぜ(笑)
不動産屋や大家は普通「ここか、またはここ」だと思っていたかもしれんが、
こっちは最初から「ここ&ここ&あそこ&あっち&…」のつもりだったのさ:-p
契約編
6)契約書にはバイクを置いていい事を明記させろ
口約束だけだと後になってウダウダ言われる可能性もあるから、可能であれば
契約時には「バイクを持っているんですけどそれを置いてもいいですか」と
聞いて、大家に確認を入れてもらい、了承してもらったらそれを契約書に一筆
入れてもらおう。そうすれば安心だ。ただし、台数は書かせない方がいい(笑)
そのために駐輪代が必要とかになれば、正々堂々と払い、その権利を得よう。
必要経費はケチってはいけない。
7)「普通の人」である事をアピールしろ(たとえ実際は奇人変人だとしても)
バイク=暴走族というイメージがある不動産屋や大家の場合は自分がいかに
普通の人で、あくまで趣味としてバイクを楽しんでいる、という事をアピールする。
ツーリング話や、スポーツとしての楽しみ方などを話せればしめたものだ。
引越し編
8)引越し中に出会った近隣住民には必ず大きな声で挨拶をしろ
そして引っ越し後には面倒でも必ず周りの家に行き、一言挨拶をする事。
そしてその会話で仕事を持った一般人であること、バイクが好きであること、
極力配慮するけどもし五月蝿かったら遠慮なく直接言って下さい、と頭を下げる事。
…大家や不動産屋や警察に苦情を言われたらたまったもんじゃないから<ばき
9)バイクは目立たないように運べ
しょっぱなからブイブイと音を立てながら乗り付けたり家の前に並べたりすると
第一印象が悪くなる。マフラーはノーマルのままか、変えても極力静かなのを選ぼう。
そして常時近隣に配慮する事、それが廻り回って自分の為になる。極力静かにしよう。
そして運び込んだらそそくさとカバーをかけて目立たないようにするのだ。
些細な事ではあるが、バイク盗難防止の観点からしてもそのほうがいい。
日々の生活編
10)近隣住民や大家と常に良好な関係を保て
お隣さんは見かけたら必ず挨拶をしよう。気楽に立ち話が出来るような関係が
築ければしめたもんだ。大家にも一歩譲った立場で対応しよう。家賃の滞納は論外、
近隣からの苦情とかが出なければ、大家対策は大丈夫だ。・・・増車Goゥ!<ばき
台数が増えている事に気が付かれたら、「いや~道楽者なもんでして」とかわす。
人から預かっているとか、その場しのぎの嘘はつかない方がいいぞ。
近隣の人々と仲良くなっておけばバイクの盗難対策や家の防犯対策にもなる。
中年バツイチ男が偏屈生活や半裸で庭先農作業をしていたり、毎日違うバイクに
乗っていても、人となりがちゃんと知れていれば大丈夫だ。つまり、そういう人間関係を
作る事が、バイクを沢山持つのには一番重要だと思う。
と、言うよりそれを考慮するのが、単車乗りとして、いや一社会人としての、
当然にして最低限の「マナー」だと思うのだ。でもバイクが関わらずとも、
「近所付き合い」ってのは普通こういうもんだろ?
実家にいるときからバイクを弄りながら近所のおばちゃんと世間話をしてたし
寮にいるときは会社の同期の連中と一緒にバイクを弄ってたし、アパートにいる時は
同じアパートのおじさんや隣の敷地に住むご夫婦と良く話したし、一軒家にいた時も
隣のご主人と植物談義をしたり、町内会のゴミ当番のおばさんとゴミを荒らす
カラス対策を相談したりしてた。それが当たり前だと思って疑った事はない。
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家庭内のそれは壊してしまった身の上だからこんな事を言うのもなんだけど、
やっぱり 人と人との関係は常に円滑で良好でありたい。その方が万事上手く行く。
今はそのために庭で取れた農作物をおすそ分けしたり、子供と仲良くなったり
おじさんの自転車が壊れて困ってたら直したり、と地道な「ご近所付き合い」を
欠かさない。そのおかげかどうか分からないが庭でCRキャブのセッティングを
していても大丈夫だ。
当然、極力騒音は静かにするように工夫しているし、最短で作業を終わるように
努力しているけどね。つまり、他人同士が同じ地域で気持ちよく生活するためには
お互いが相手に配慮しつつ暮らせばいいのだ。似たような事を以前も書いたけど
夫婦関係を保てなかったダメ男でも、そんなご近所付き合いはわりかし得意なんよ(^^ゞ
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