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2004.12.21

顔の傷痕・心の傷痕

先日の事故では両足と左手以外に左顔面挫傷も負った。

この時被っていたメットがチンガード無しのOFF用ヘルメットだった
ので衝突で飛ばされた時にアスファルトで顔面を少々削ったのだ。
それ以外の場所は一応ちゃんとした規格のメットだったので頭部や
耳に損傷は無かった。

チャチぃ帽子のようなペナペナの被り物で走るビッグスクーターの
若者よ、顔面をキズモノにしたくなかったら(=死にたくなければ)
悪い事は言わんからフルフェイス、せめてちゃんとしたジェットで
走った方がいいぞ。自分はもう中年だし、一応は結婚もしてみたし、
ブサイクに拍車かかってもさほど実害は無いが、それでも毎朝鏡を
見るたびにこう思うぜ、

「あー、この程度で済んでよかった」

顔面の傷跡は負傷時から赤味が引くまで2〜3ヶ月かかるらしいから
生傷が塞がった直後の今が世間様に晒す状況で一番醜い(はず)だ。

---------------

このような顔面の傷跡は表に晒すようなモノでないかもしれないが、
これは間違いなく自分が今まで生きてきた証、つまり履歴の一つだ、
これから死ぬまでずっと付き合って行くのだからセコセコ隠しても
仕方ないわな(^◇^)

どうせ元々のツラも人様に自慢できるモンでないから、元々こんな
顔だったと思えばいい、それだけさ。

形ある物はいつかは壊れる。どんな絶世の美人も、微笑みの何とか
様も、寄る年波(=経年劣化)は避けられない。小じわや、たるみ、
シミ、白髪、脱毛は必ずやってくる、そう必ず!だ<ばき

だが、それは悪い、悲しい事か、と言うと決してそんな事は無いぞ。
使い込まれた古道具にプラスチック製の新品に絶対に醸し出せない
何とも言えない風格があるように、人間もまた、年月と共に若さと
それを徐々に引き換えて行くのだ。

これに逆い、抗っても無駄だ。エントロピーは増大する方向にしか
進まない。つまり、無傷、無劣化、無変化のままで生きる事は誰も
出来ないのだ。

10代にしかない瑞々しさ、20代にしかない美しさ、30代にしかない
充実感、40代にしかない熟成、50代だけしか無い渋み、60代だけに
見出せる落ち着き、

…そう、人間(に限らず命ある物)は日々変化しながら生きるのだ。

昨日の自分と今日の自分は一日の経験分だけ影響を受けて変わって
いるし今日の自分がそのまま明日の自分ではない。一見変化が無い
ようでもね。

その過程で少しぐらい顔面に傷が付いた位では人間の本質は変わら
ない。だが、もし自分が無鉄砲な10代や、目先の事に囚われていた
20代では、そうは思えなかっただろうけど今や中年なんで老人斑が
早めに出たと思<ばき

よってこの傷跡が顔面に残っても今後を生きるのにさしたる影響は
無い、…と本人だけは思っていた。

------------

松葉杖で動けて、後輩のAT車を借りて自力で外出出来るようになり、
職場復帰を果たしたちょうどその日だ。自宅の備蓄食材を補充する
ために会社帰りに行き着けの格安スーパーに出向いた。

健常な頃は距離を感じたことのない近所なのだが10分以上かかった。
かなり辛いし相当痛い、でも自力で動ける喜びの方が大きかった(^^)

途中の歩道で自転車を押した二人連れのイマドキの女子高生がいた。
ゲラゲラ笑いながら訳の分からない言葉の会話をしながら近寄って
きた彼女らはすれ違いざま、自分に履き捨てるようにこう言った。

  女子高生A:「キショイ顔してヨタヨタ歩いてんじゃねーよ」
  女子高生B:「マジキモイ、死んだほうが良かったんじゃない?」

自分は振り向きもせず、足も止めずそのままヨタヨタと歩いてた。
別にショックを受けた訳でなく、その時は結構冷静にこう考えてた。

 ino :『うーんなるほど、このツラや松葉は女にはそう見えるか、
     ちゅーことは再婚はもう無理って事なのか…』 <ばき

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まあ確かにそのイマドキのねーちゃんの言う事も一理はある(苦笑)
その時は目の周りの内出血が引いていなくて真紫で生々しかったし
実際ブサイクなツラになったし、健常者からして見れば動きの遅い
松葉な自分は相当じれったい存在だっただろう。それでも本人は
必死だったんだけどねぇ(^^;)

でもなぁ、ねーちゃんよ。もしアンタらが仮に自分のようなツラに
なっても、松葉杖を突いて歩いていても、自分はアンタらに決して
そうは言わないよ。どこにどんな傷があってもアンタらはアンタら、
一人の尊厳ある人間だし、松葉杖で歩いていれば、守りたくなるし、
応援したくなるし、今は辛くともそれでも生きていてよかったね、
と思うよ(^^)

多分あなたらはまだ「傷」を負ってないから、それが分からない
だけなんだ。

 不自由となる身体の傷、
   一生晒し続ける顔の傷、
     外から見えない心の傷、

その痛みがどんな物か本物を経験してないから理解出来ないだけ。
自身が同じ痛みを経験せずとも、きっといつかそれが分かるように
なるだろうさ(^^)

今は不思議なくらいポジティブシンキング出来る精神状態なんで
そう言われても心は痛くなかったけど、人によってはショックを
受けちゃうぜ。

---------------

いつでも表に晒す顔面の傷と違って、心の傷ってのは外観からは
分からない。でも多くの人が、いや殆どの人がその傷を抱えつつ、
毎日を生きている。彼女らだって十数年生きていれば無傷無垢の
ままではきっと無いはず、でもそれは他人には分からない。

自分はそんな隠して誰にも明かさず墓場に持ってゆくべき心傷を
ダラダラこうやって表に流出させてしまう弱いダメ人間だ(^^;)
以前はそれをせず一人で頑張ろうとして心で身体を壊しかけた。
抱えるだけ抱え込み、堪え切れず、溢れるとさらに苦しく辛く…
パキシルとホリゾンとレンドルミンを処方されるに至るまで追い
詰められて、自分がどれだけ弱い人間であるか自覚するに至った。

その苦悩から開放されてから頑張り過ぎず正直に生きる事にした。
そうする事でやっと弱い人間である自分を許せるようにもなった。

顔の傷、心の傷、弱音や本音をBlogに吐くのも全部ひっくるめた
のが「今まで生きてきた結果、到達した現在の自分」だ、それを
覆い隠したり、化粧したりせず、弱く醜い自分を晒して、叩かれ
ながらこれからも生きよう。

踏まれた麦が成長し、叩いた鉄が鋼になるよう、自分も…ね(^^)♪


 

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「心と体」カテゴリの記事

コメント

 僕ももう9年くらい前ですがバイクで転倒してケガしたことを思い出しました。大学一年のときでしたが、買って三日目くらいのときにいきなり派手に転倒しました。骨まで行くケガではなかったですが、今でも数箇所に傷跡は残っています。そのときに周りの友人、先輩などが病院に運んでくれたり、外に出れないだろうからと食料を買って来てくれたりなど、友人の大切さに感動した覚えがあります。

 しかしその女子高生はひどいですね。特殊な部類の人間かとは思いますが、
「その痛みがどんなものか、本物を経験してないから理解出来ないだけ」
 これには同感します。でも本物を経験せずともそれを鑑みた発言くらいできるように成長してほしいものです。

 早く傷、治るといいですね。

投稿: 青い海 | 2004.12.26 00:23

青い海さん:

コメントありがとうございます(^^)
交通事故や人生の事故(苦笑)、挫折に遭遇するたびに、
それを糧に自分は一歩一歩成長しているんだと思います。
逆に言えば「未熟だから事故る」とも言えますが(^^;)

イマドキ女子高生って種族はある意味「素直」なんですよ。
ハイティーンの女性って「一番怖い物が無い」人達ですし。

それに別に特殊な反応ではなくて、内心では多くの人は
そう思うでしょう。今は男もルックス重視の時代ですし(^^;)
ただ、それをわざわざ当人に聞こえるように口に出すのは
「素直」ではなく「愚直」だなぁと思います(苦笑)


自分も小学生の頃、盆休みに墓参りに行った時などに
様々な傷痍軍人が義手義足で路上に座っているのを見て
好奇心と「気味悪い」という感で見ていました。
今から思うと申し訳ない気持ちで一杯ですm(_ _)m

腕や足を失ってはいませんから彼らと同じ痛みは
わかりませんが、そう思えるのは自分が色々経験を
積んであの頃より少しは成長したからだと思います。

顔は画像の通りの状態で生傷は塞がりました♪
左手は骨折を固定する金属ピン貫通部が化膿気味(TT)
両足は平地なら松葉杖無しでヨタヨタ歩けるように♪
緩やかですが「日進月歩」が体感出来て嬉しいです(^^ゞ

投稿: ino | 2004.12.26 13:42

孔子さんがこう言ってます。
「最大の名誉は決して倒れないことではない。
倒れるたびに起き上がることである。」

inoさんは強い人です。
とても強い人です。
そして、とてもとても優しい人。

投稿: なお | 2004.12.27 18:20

なおさん、いつも来てくれてありがとう(^^ゞ

さすがマスオさんの同僚のアナゴさんは良いことを言いま<ばき!
…いやいや、ちゃんと理解してます。自分もそうありたいです。

自分は「誰よりも弱くてみっともない情けない男」なんですよ(^^)
だからこれからも頑張ってもっと強くならないとp(^◇^)q

投稿: ino | 2004.12.27 20:47

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