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2004.12.09

備え有ったんで憂い無し

先日の事故で、右膝の関節内骨折で松葉杖での生活が始まった。
左手も骨折しているので、松葉杖は右に一本だけだ。でも頼りになる。

松葉杖さえあれば日常生活がそつなくこなせる・・・なんて事は当然無くて
色々と大変だ。それでもどうにか生活しなくてはいけない。
独立(≒孤立)した大人の男としては、どんな身体の状態だろうと、
自己責任で日々の生活を乗り切らねばならないのだ。

事故直後の一週間、殆ど寝たきりの暮らしではあったが、その中で色々な
試行錯誤を繰り返しどうにか生きてこれた。今回はその中の食について語ろう。

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折れてる左手が猛烈な痛みで使えず、両膝も曲がらず布団から起き上がる事すら
一苦労という状態では、布団とTVとPCの前の椅子と便所と台所への移動、
つまり半径3m内が、自分の全ての世界となる。

だから最初期の頃はとりあえず生きるための養分を取って命を繋ぐ事を最優先した。
だが当然そんな状態だから食料の買い出しに外出するわけにもいかない。
カセットガスコンロを調理の主な熱源としているのでボンベも必要になる。

でも、そんなことはしなくてもいい。何故なら、常に食料と燃料の備蓄をしてるから。

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自分には子供の頃から大人の今に至るまで、もはや数え切れないくらいに
何度も何度も読み返している大好きな文学のジャンルがある。
それはダニエル・デフォーの「ロビンソンクルーソー」に代表され、
近代SFの巨匠ジュール・ヴェルヌの「神秘の島」で極められた「漂流物」だ。
ちょっと脱線するが「神秘の島」はあの有名な「海底二万里」の完結編でもある。
その後のノーチラス号も出てくるし、ネモ艦長も重要キーマンとして登場する。

基本的にこれらの話は何らかの事情により無人島に漂着した主人公らが、
乗っていた難破船や本人のポケットの中にあるだけのごくわずかなリソースを元に
知恵と工夫と勇気を駆使してサバイバル生活をする、という話。
小学生の頃からこの手の話に夢中になった。そしてずっと思っていた。
自分もこんな事態になっても生き残れるような男になりたい、ってね。

就職して一人暮らしを始める前から、そのためのノウハウを着々と習得した。
そして男の一人暮らし、アウトドア、単車野宿旅でそれを確実に実践し身に付けた。
ここで公開しているような各種貧乏節約生活も、実はその延長上にある。

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・・・な、もんで、自分の生活には常にある程度の食料と飲料水と燃料の備蓄、
自然エネルギーを有効利用するための各種アイテムと、常用とするには不自由な
それを使って楽しむ精神、使い込んで手になじんだ手入れの行き届いたナイフ、
タバコを吸わないのに愛用のZIPPOライター、そして丈夫なロープ類も常備してる。
さすがにナイフやライターやロープは日々の生活では使わずキャンプ用品として
押入れに眠っているが、何かあればすぐに取り出せる位置にある。

それには二つの理由があって、一つは今回のように自分自身がピンチになったときに
生き延びるため、もう一つは自分が被災しないような箇所で災害が起きた時、
その食料や物品を単車に積んで近隣の家族や親戚に届けるため。

災害が自分を直撃したら食料と一緒に自分も潰れてしまって何の役にも立たないけど、
もし別の場所で壊滅的な被害が出たら、単車にそれらを積んで救援に行くのだ。
ダテにOFF車に乗っているんじゃない、こういう時に機動力を生かせる乗り物として
OFF車を持っているのだ。

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さて、話を戻そう。

LPガス屋と契約していない自分にとっての主たる熱源はカセットコンロガスだが、
カセットガスは常時20本以上、キャンプ用ガスボンベも10本ほどの備蓄があるので
当分大丈夫だ。安いカセットコンロガスを高価なEPIやプリムスのボンベに
詰め替える技も専用のバルブセット無しで既存のガスストーブを分解してそこに
(危険な行為なので自主規制)とするだけで出来る術を習得しているので遠慮なく
キャンプ用器具も使える。木炭も20kg以上備蓄してるので煮炊きをしても1ヶ月は持つ。

水は水道が出るからそれを使えばいい。もし断水したら水の備蓄は20L*3+約150Lしか
ないから、限界に節約しても2~3週間って所だ。飲料水をポリタンクに、生活用水は
使っていないフロ桶に常に溜めてある。

電気は普通に電力会社から買えばいい。もし停電したら車用バッテリー*3と
DCACコンバーターを使って最低限の家電製品が使えるようにはなっている。
バッテリーには太陽電池パネルを使って充電できる仕組みも完成している。

つまり、怪我して身体が不自由になっていても、天災等でインフラが遮断されても
一定期間内なら普通に生活出来るように必要なインフラは常時確保してある。

あと生きるのに必要なのは食料だ。だがこれもそれなりに備蓄があるので心配ない。

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そこで調べてみたら主食級の備蓄として庭で取れたサツマイモ20kg、ジャガイモ2kg、
無洗米15kg、麦2kg、スパゲッティ3kg、うどん乾麺1kg、ソバ乾麺1kg、冷麦乾麺0.5kg、
インスタントラーメン類20食以上、小麦粉、お好み焼き粉、ホットケーキ粉が各約1kg、
おかず類として各種レトルト多数、各種缶詰類多数、野菜ジュース8L(内半分は保存用缶)、
各種調味料類多数、各種乾物多数、各種ジャム類、緑茶、中国茶、紅茶、コーヒーも多々。
あと、貰い物だがネスレのビスケット類が各種あわせて4kgほどあった。

・・・自分で言うのもなんだが、こんなにも沢山の食料を溜め込んでいたのか(^^;)
もしこのまま引きこもりになっても細々食えば2ヶ月くらいは生きていけるぞ。

これは殆ど毎月の食費でコツコツ買い集めたものなので、身動き取れない今こそ
コレを食って生きればいい。古いものから食えば在庫整理にもなるし<ばき
余計な食料を買わないから金を使わずに済むので今月の食費も削れて一石三鳥ぉ♪<ばき

冷蔵庫には事故る前までに購入しておいた一通りの生鮮食料品もあるので、
まず最初にこれから食って行かねばならない。怪我した時点での生鮮食料を列挙すると

  生鮭切身    *3切 (粗塩振ってから冷凍保存)
  鯖味噌漬    *2切 (個別に冷凍保存)
  豚ひき肉    *300g (100gに小分けし冷凍保存)
  塩タレ味付鶏肉 *200g (100gに小分けし冷凍保存)

  肉餃子     *20個 (10個ずつ小分けにし冷蔵)
  ザーサイ    *沢山 (唐辛子粉付いたままの未洗浄状態)
  キムチ     *1Pack(見切り品)
  納豆      *3Pack
  ベーコン    *1Pack(見切り品)
  玉子      *13個
  マーガリン   *400g
  バター     *250g
  スライスチーズ *8枚
  食パン     *8枚
  牛乳      *1L

・・・緑黄色野菜も淡色野菜も含めて菜っ葉系の野菜が無いな、イモはあるのに(^^;)
まあ、ビタミン類はイモでも取れるし、野菜ジュースもたっぷりあるからそれで凌ごう。

そう、怪我で身動き取れなくたって当然自炊して生きてゆくのだ。

これだけある生鮮食料を無駄にしたくないし、自分を無駄に甘やかしたくない。
それに緊急事態でピンチ!ってのは、実はまたとない絶好のチャンスでもあるのだ。
必要に迫られると、日常では思いつかないような色々な事を考えつくからね。

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健常な日々では一人で食う「」はある程度の手間と創意工夫を入れて作る、
『バツイチ3分クッキング』が殆どなのだが、立ってるだけでもやっと、という状態では
『松葉杖1分クッキング』な調理方法が求められる。例えば上記食材でそれをやると…

  1)あらかじめ米を1.5合電気釜で炊く。無洗米なので米も水も計るだけ片手でOK
  2)片手なべに肉餃子を並べ、バター、醤油、料理酒、ダシ汁大匙一+水を加え加熱
  3)水が飛んだらフライ返しで焦げ付いた餃子をバリバリ剥がして裏も焼く
  4)餃子の原型をとどめなくなっても気にしない。かえって具に火が通りやすくなる
  5)「餃子だったもの」を片手なべの片隅に寄せて空いた空間に炊き上がった飯を盛る
  6)キムチを一摘み添えて『元餃子丼・醤油バター風味キムチ添え』の完成

…ってな具合になる。恐ろしく雑な料理(?)ではあるがそれなりに結構美味かった♪
ちなみになんで調理に使った片手なべに直接ご飯を盛ってしまうのかというと

  a)顔面を縫った生傷のせいで口が大きく開かず食うのが遅いが鍋のままだと冷め難い
  b)手が不自由だと取っ手のある器の方が何かと扱いやすく食いやすい
  c)ご飯で片手鍋の内壁をふき取るようにして食うと鍋を洗う際に汚れが少なくて楽
  d)洗う食器の数が減るので楽。なにせ片手しか使えないと洗い物が一番大変なんで

という、一応それなりの理由があるのだ、決して行儀が悪いわけじゃないよ<ばき

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こんな感じで食パンやイモやラーメンや米をベースとした自炊で最初の一週間を過した。
家の中での移動も不自由なりに慣れてきて、洗濯も布団干しすら出来るようになって、
その後後輩からATの四輪車を借りて外出も出来るようになり、その後も通院、出社と
事故で失っていたものを徐々に徐々に、一つずつ確実に取り戻して、今に至る。
今も松葉杖が手放せないがそれでも借りていたAT車を返し自分のB4に乗れるまでになった。
このあたりの話は近日中にUP予定。

そんなこんなでチャレンジした『松葉杖で過ごす自炊生活』、それなりに食材があったので
殆ど同じ物を食わずに済んだし、手持ちの材料を使って色々挑戦したので飽きなかった。
中にはとんでもない出来のシロモノもあったけど、それはナイショ(^^;)

痛みやすい生鮮食料が確実に食い減らせたので何も無駄にせずに済んだし、
高価で貴重なサバ缶やレトルトカレーには一切手をつけずに済んだし<ばき
主食級の備蓄食材はそれなりに減ったけど、コレがもし無かったら大変だったろう。
ヘタすれば毎日ピザの宅配とか、そういう食生活になっていたかもしれない。
もう栄養バランスもヘッタクレもない。上記自炊生活はちゃんとそのあたりを考慮してた。
でも一度友人が見舞いに来てくれた時に出前ピザをゴチになったが美味かったなぁ・・

いやいや、出前で生きていたら今月の食費が恐ろしい事になっちゃうよ(-◇-;)<べき!
備蓄食材ベースの自炊生活のおかげで、11/25から今日までの15日間の食費は
なんと2108円しかかかってないけど出前ピザは一枚でそれ以上するしね。
    ↑
  外出出来るようになってから不足した生鮮食料品を仕入れた

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コメント

すごーい。
節約生活って趣味になり得るんですね。
ここまでいくと趣味より特技?の範囲かも。
でも、めちゃ楽しそう。
ケガして本当に不便になっても
メゲナイinoさんの強さだわ。

便利・快適・清潔・贅沢・豪華なものに
ついつい惹かれてしまう自分の
心の貧しさが浮き彫りになった気がします。。。

投稿: なお | 2004.12.10 17:13

確かに自分自身楽しみつつやってます(^^;)

別にここまでしなくても普通に生きていけるのに
今は普通の暮らしをする必要が無い状況なんで
ある意味、意図してやってますから。

おかげでいつリストラされて無収入になっても
ホームレス生活が、しかも今と大差無い生活レベルで
快適に出来ます(自爆)

でもこれは自分が「奇人変人」レベルって事で
なおさんの方がごく普通なんですよ(^^;)

生活をあえて不便や貧粗にしておくと
たまに便利や贅沢を感じると、それがより
ありがたく感じられ、嬉しく楽しい♪
…もしかすると自分は変態なのかも(-_-;)<ばき


投稿: ino | 2004.12.10 22:12

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