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2005.01.25

私的ビジネスホテル生活法

自分の仕事柄、滞在型長期出張に行く場所は特定の県の
某設備の近郊に限られる。こういう現場は規模が大きく多くの
人が働いているので特定の地域には会社の寮が完備され、
通常はそこに入り、そこから通う。

寮はボロい6畳の冷暖房付きの個室で、銭湯のような大きな
フロと、安くて腹いっぱい食える食堂があり、出張暮らしが
「第二の日常」と化している自分はそこで「生活」するノウハウが
ほぼ完成の域に達している。

今の現場にも何度も入った事のある寮があり、自分は今回も
そこに入るつもりで事前手配をかけていたが、今回は大規模
工事が重なり、寮が満員で入れなかった。

仕方ないので、町にある普通のビジネスホテルに入った。

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世の中にあるビジネスホテルとは、普通の観光地のホテルや
無駄にゴージャスなラブホテルと違い、部屋でくつろいだり、
愛を交わしたりするためのラグジュアリーな感じが全然無くて
サラリーマンが出張のときに使う宿泊のみを目的とした設備、
言い方は悪いが平たく言えば「簡易宿泊所」だ。

その設備は4.5畳(以下)のワンルームマンションから玄関まわりと
台所まわり、そしてベランダを含む洗濯空間を取っ払い、部屋の
1/3以上を埋め尽くす分厚いベッドを入れて、窓際にエッチな
映像が有料オプションで見られるテレビと、缶ビールを冷やす
だけの小さい冷蔵庫、そして椅子があるだけ。

つまり、仕事を終えて部屋に入り、狭いユニットバスでシャワーを
浴びてTVを見ながらビールを飲んで、後は寝る、というシナリオを
演じるしかない、狭い舞台だ。

だから、そこで連泊して、「生活」しようとすると、これがかなり辛い。

そんなビジホには生臭い生活臭が無い。毎日清掃されるユニット
バスは狭いだけ、小奇麗なベッドも邪魔なだけ、オシャレな間接
照明も薄暗いだけでメリット無し。

洗濯物を窓の外に干すことも出来なければ屋内に洗濯紐を張り
巡らすことも出来ないし、狭いので何をするにもベッドの上に座り、
または寝転がったりしながらせざるを得ない。だからそこでメシを
食うのも面倒で、普通の人は外食産業のお世話にならざるを
得ないだろう。よくある旅館の卓袱台、窓際の向かい合ったニ脚の
椅子が、いかにラグジュアリーなものなのか、狭いビジホに泊まると
それが良く分かる。

もし選択の余地があるのならば、同じ部屋に何泊も滞在する場合は
ビジホでなく短期契約アパート(俗に言うウィー○リーマ○ション)の
方が自分はいい。

そっちのほうが腰をすえて「生活」するには適している。例えば海外
旅行でも滞在型ならホテルよりコンドミニアムの方が気楽なように。

だが、今回はビジホで生きる事になった。そう決まったからには
そこで生きる。当然ただ生きるのではなく、ちゃんと自分なりに
楽しんで生きてやるのだ(^~^)

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具体的に「楽しんで生きる」というと、何らかの娯楽を追及する事を示す、
と思われるだろうが、ビジホの中の娯楽なんてエッチな有料放送くらい。
ウブな中学生ならいざ知らず、中年男はこんなもん見ても面白くない。
やっぱ生身じゃないと<ばき!

だからと言って怪しい所に電話をして、見ず知らずのねーちゃんを
部屋に呼んで(以下自主規制)なんて事はしない。何の思いも無い女を
遊びで抱けるほど器用な男じゃないんだな、残念だけどさ(;_;)

ちゅーことで、自分の出張中の楽しみとはどこでも自分なりの生活を
する事だ。自分なりの生活、とはここを読んでいる人なら大体想像が
つくだろうけど、部屋を耕してサツマイモを植えて育てるのだ<ばき
#うそっす

…じゃなくて、節約自炊生活だ(笑)

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ビジホ暮らしの食生活、自分も最初は「普通の人」だったので下記の
Level0から始まったが、今の自分のビジホ暮らしはLevel5だ(笑)


 Level0:外食のみですごす
  ビジホ併設のレストランや、外の食堂、ファーストフード店などで
  メシを食うのは誰もがやる方法だが、ちっとも節約にはならない。
  むちゃくちゃ金を食ってしまう方法だ。残念ながら自分は出来ない。

 Level1:コンビニで生きる
  近所のコンビニで弁当やおにぎりを買ってきて食うのもよくある方法だ。
  だがコンビニ弁当はかなり高い食材だ。下手するとstep0よりも高くつく。
  無論自分は出来ない。

 Level2:コンビニ応用編
  ビジホには台所が無い。水源はユニットバスの洗面台だ。そこの水を
  沸かしてお茶を飲めるようなIH加熱装置が部屋にある。そこでカップ
  ラーメンを買ってきてその湯で食う、と言う方法がある。これだとホカ弁
  やコンビニ飯よりは安上がり。だがカップラーメンだけではわびしい。

 Level3:調理編(電気)
  そこで自分はキャンプや日常生活で愛用してる大型のシェラカップを
  出張に持参する。シェラカップは、コップ、取皿、どんぶり、鍋、フライ
  パン、洗い桶、その他を兼用することが出来る「万能食器」だ。その気に
  なればこれでご飯を炊くことも可能だ。それとビジホのIH加熱装置を
  組み合わせる事で、実は調理が可能になる。

level3

  ただし、IH湯沸機は沸騰すると自動で切れる加熱防止装置が内臓
  されているので強火力が必要な炒め物や焼き物は出来ないし、煮物も
  こまめにスイッチを入れねばならない、などの構造的欠点があるので
  注意が必要だ。

 Level4:調理編(ガス)
  IH加熱装置は所詮流用なので火力が弱い。そこでそれ以上の火力を
  必要とする場合はキャンプ用のガスストーブを用いて調理する。ただ
  ビジホには火災報知機があり、調理に手間取ると最悪、発報し大騒ぎに
  なってしまう。また部屋に匂いが篭るなど、デメリットが多くなる。

  そこでガスストーブはこうやってユニットバスの中で使う。

level4

  ここなら換気装置も完璧だ。ガスストーブが乗ってるモノがモノだが(^^;)
  こうすれば大体の調理が可能。コッヘルやシェラカップでご飯も炊けるし、
  大体のおかずも調理することが出来る。ただしくれぐれも火災報知機は
  鳴らさないようにね。

  ここまでは単車野宿旅の生活ノウハウをそのままビジホに当てはめてる。
  単車は車ほど荷物が載らないので小さく軽く兼用が効く道具を吟味し、
  それを使い込んで利点と欠点、応用例などあらゆるノウハウを身に付けて
  持って行く。出張だって見方を変えれば「旅」みたいなものだ。
  自称「旅人」な自分からすればこんなのはお茶の子サイサイなのさ♪

 Level5:廃人編
  どうせ自炊すると覚悟を決めて出張するなら、自宅からこういうモノを
  持ってきてしまうのだ。当然これに適合する食材も一緒に持って行く。

level5

  右端の小型冷蔵庫はビジホの備品。炊飯器とポップアップトースターは
  自分が持ち込んだモノだ。ガスストーブはタイマー制御が出来ないが、
  炊飯器は寝ている間に飯を炊き、朝食と弁当を作って職場に持ってゆく
  事すら可能になり、昼飯代もあわせて浮かせることが可能となる。

  ここまでくると「旅」ではなく「日常」をそのまま出張に持って行く感じ。
  荷物も増えるからこのレベルだと車で行くのが基本となる。電車移動だと
  事前に荷物を宅配便でホテルに送っておくなどの余計な手間と送料が
  必要で現実的でない。だが出張期間が一ヶ月を越すようなら十分検討の
  価値がある。


このような小技を繰り出す事で、今回の出張の食費は今日までの10日間で
約1500円ほどで済んでいる。主食の米を1.5カップ*10setほど自宅から持って
きたのでオカズとなる素材と食パンを近所のスーパーで見切品を買うだけで
いいからだ。なお自宅に置いていけない生ものや果物、調味料やマーガリン、
ジャム、ピーナツバター等を保冷バッグに詰めて持ち込んである。

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正直、ここまでしてコストを削らねばならない理由も必要も自分には無いけど、
こういう方法で「生きる」事を創意工夫する事自体が楽しいんだから
しかたない(^^)。

せっかくの出張なんだから楽しまなきゃ損だ。人によってそれが風俗だったり
飲み屋だったりするんだろうけど、悲しいかな自分はこういう人間なんだよね。

例えば殺風景な部屋は何か嫌なんで出張にはこうやってかならず癒しキャラを
連れて行って目に付くところに置いておいたりする幼稚な奴でもあるのだ(自爆)
テレビの黒柳徹子女史じゃなくて、その上ね
             ↓ ↓
bijihokame


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コメント

inoさん、やってますね~。
環境に適応する能力、それは生き延びる力とでもいうのかな。
すごーい。
私なんて枕がかわっただけで睡眠が浅くなってしまうよ。
楽しい旅行でさえも、旅先では体調を崩します。。。
生きる力が著しく低いっぽいですわ。
逞しく生きるinoさんを見習わなきゃ。
楽しむ余裕さえあるinoさんがとても羨ましいのでした。

投稿: なお | 2005.01.26 17:57

なおさん、いつもありがとう(^^)

あまり人に誉められたことのない特技(?)なんで
そういってもらえるとうれしいです♪

自分で言うのもなんですがこんな自分でも
生活力(だけ)はある方だと思います(^^;)

でも武器となる牙も爪も筋力も、身体を保護する毛皮も
無い人間がいまも生き延びているのは弱さをカバーする
知恵があるからです。生きる力が強すぎると、不足する
それを補おうと努力せず一人で生きれてしまいます(自爆)

万事は弱すぎても強すぎても、あまり良くないみたいです。

投稿: ino | 2005.01.27 23:44

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