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2005.02.08

いつもどこかにカメがいる

今年初の現場仕事が明けて、チョイ前に平穏な日常に無事帰ってきた。

今回は身体にあちこちガタが出た状態で出向いていて、あまり過酷な労働は
強いられなかったので楽だった。身体をハードに動かさないので食も細く、
ビジホ内自炊生活と相まって出張期間中の食費が記録的安上がりに終わった。

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現場仕事は4直体制の3直担当だったので、自分が帰宿するのは04:00から05:00。
そんな時間なので事前に予約しておいたタクシーが現場事務所まで迎えに来る。
それに同じ直時間一緒に働いていた面々と乗り込み、宿に帰る。

自分一人だったら、炊飯器でタイマー炊きした米1:麦0.5の麦飯が宿にある。
だから宿直行で帰り、出勤前の日中スーパーで買った見切り食材をそそくさと
調理してオカズ化し食うのだが、ごく一般人の相棒らはそんなスキルを駆使する
はずもないので必ず途中のコンビニに寄って弁当やビール等を購入する。
…つまり彼らは「現場食生活LEVEL2」だ<ばき

食材を購入する必要の無い自分もせっかくなのでタクシーを降りて、店内を
うろうろしたり雑誌をパラパラめくったり、菓子パン棚を覗き込みメロンパンの
新製品が出ていないか物色したりしていた。

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それは夜勤二日目だった。そこで相棒が買い物を終えた頃、レジの近くの商品棚に
『彼』を見つけた。贔屓目に見てもあまり可愛いとは言い難い『彼』は他の仲間達と
一緒に売られていた。

このときはただ気付いただけで、店を後にした。

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三日目のタクシーも同じ時間に同じコンビニに寄る。自分ら以外に客はいない。
…レジ近くの商品棚に『彼』はまだいた。仲間は少し売れたらしく減っていた。
少し気になったので彼を手に取って見てみた。…かわいくねー(-_-;)<ばき
まあこんなブサイク君じゃ難しいよな、でもいい人に買ってもらいな(^^)

『彼』を元の棚に戻して、そのまま店を後にした。

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四日目のタクシーも当然そのコンビニに寄る。さあ『彼』は売れたかな?
するとレジ近くの『彼』のいたイベント特設棚はもう別の商品が乗っていて、
『彼』ともう一つだけが雑誌脇の寂れた方に移されていた。つまり売れ残りだ。

それから自分はだんだんと『彼』の行く末を心配するようになった。

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五日目には仕事のトラブルが発生し、自分は定時タクシーに乗れなかったので
例のコンビニには寄らなかった。

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六日目、二日ぶりにそのコンビニに行くと『彼』らは、なんと2日前と
全く同じ姿のままでそこにまだいた。もう誰も『彼』らに見向きもしないのだ。

  「・・・誰か僕を見て、誰か僕を買って、お願い・・・」

売れ残った『彼』がなんとなく人生の裏街道を生きる今の自分とダブり情が…
ハッ!いかんいかん!縋るような目で自分を見つめる『彼』を残し、店を出た。

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そして夜勤最終日、この日が過ぎれば、もうそこのコンビニに寄る事は無い。
祈るような気持ちで恐る恐る店内に入ると、そこには『彼』だけが残っていた。
彼の横には、彼の居場所を奪った商品が、同じように追われて流れ着いていた。
ただ一人売り場に残った『彼』を見て、そして手に取り、しみじみ思った。

 「俺以外にこいつを気に止めている奴なんて居ないんだ。
  つまりこいつは俺が買ってやらなきゃ、誰も買わない。
  よしわかった、これも縁、俺がお前を引き受けよう(^^)」

『彼』を手に取り、このコンビニに通い始めて、初めてレジに向かった。
弁当を買っていた相棒は自分が買った物を見てびっくりしていた。

薄汚れた作業服の上にドカジャンを羽織った丸刈り頭の中年男
まさかそんな物を買うとは、思わなかったそうだ。そりゃそうだわな(^^;)

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その『彼』とは・・・コレだ(苦笑)
  ↓
kamesanbag


商品名「オデカケ・カメさんバッグ」。甲羅に取っ手がついていて
甲羅にはチャックがあって、一応バッグ、という形状になっている、
その中に僅かな駄菓子が入っていて一応は「食玩」の一種である、
・・・・カメのぬいぐるみだ(自爆)

シゲシゲと眺めてみれば、こいつなりの愛嬌があって可愛いジャン♪
…そう、自分は昔からカメのぬいぐるみに弱いのだ(^^;;)

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記憶が無い幼少の砌から、大きいカメのぬいぐるみが手元にあった。
それはこんな顔したクッションのような奴。その名は「カメ太郎」(初代)。
こいつは数年前、屋内犬に嬲られ食い殺されるまで、実家で現存していた。
  ↓
kametarou


成人してサラリーマンとなり、一人暮らしし、結婚し、離婚し、晴れて立派な
「バツイチ中年男」に成長したのだが、それまでの生活の場にも必ず何処かに
カメのぬいぐるみがあった。・・・そう、今もだ。

以前このBlogでもビジホ生活ネタで登場した「カメ太郎」(三代目)、
巨大イモネタで登場させた「カメ次郎」「カメ三郎」「カメ四郎」、
画像は無かったけど正月正夢のネタで登場した「カメ五郎」等々…
カメのぬいぐるみが稀に登場するように、バツイチ中年男の危険な
一人暮らしをする築30年3DK平屋借家にはあちこちにカメのぬいぐるみが…

それだけじゃない、B4の助手席にはこのように「カメ蔵」と「カメ子」が、
  ↓
B4kame


アトレーの車内にはマグネットで張り付く「カメ吉」が、
  ↓
atraikame


バイクのタンク上にもマグネットでしがみ付く「カメ助」が<ばき!
  ↓
tzrkame
  ↑
 嘘のようだが、これはちゃんとタンクバッグメーカーから発売されたモノ。
 甲羅にチャックがあり、小銭や高速の通行券などを入れられる造り。
 ただタンクバックとはいっても、容量がほとんど無いし、ご覧のとおり
 やっぱりぬいぐるみなので防水性は無く、雨に降られたら大変(^^;)

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中年男なのに実はカメのぬいぐるみ好きな事をカミングアウトしてしまうと、
大人気ない、というか幼稚さ丸出し、と言われてしまうかもしれないが、
幾つになっても「男の一人暮らし」って何かしらの「癒しキャラ」がないと
生活空間が無味乾燥で殺伐としてしまって・・・嫌なんよ、そういうのは(^^)。

究極の理想はこの世で一番大切な家族(妻や子供)と暮らす事なんだろうけど
自分はそんな資格が無かったから今こうして一人で生きている男だし(自爆)
せめて猫や小魚のような命ある生き物と共に暮らせればそれでもいいけど、
出張三昧で面倒が見れず命を預かる責任を果たせない…だから今は飼えない。

…な、もんで今はその役割を昔から自分のアイデンティティの一つだった
カメのぬいぐるみに担ってもらってるのだ。確かにアンティークドールや、
テディベアのように資産価値も無ければ大人の趣味としての社会的認知も
一切されてないけど・・・それでも自分はこう思うのだ。

「誰が何と言おうと『好きなもんは好き』なんだから仕方ねぇだろが!」

まあ、好きとはいえ、「好きで好きでたまらない!」マニアじゃないので
カメのぬいぐるみを見かける度に買い増しするような事はしていない。
だけど、たまに今回のような「放っておけないカメ」を見つけたりすると
思わず買ってしまう。

まるで捨てられてニャーニャーと鳴く子猫の前を素通り出来ないように、ね(^^;)

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コメント

inoさんて優しいですね。
そして、とってもカワイイ。
コンビニで出会うたびに変わっていく?変わらない?
カメちゃんとのふれあい、想像して楽しくなってしまいました。
わかる、わかる、その気持ち~って。
ついつい、自分の中でカメちゃんとのストーリーが出来上がっちゃうんですよね。
カメちゃんは、話し相手になってくれたり、
困っているときに助けてくれたりはしないけど、
inoさんを傷つけたり裏切ったりすることはないかしね。

でもやっぱり、ヒトと笑って話したいよね。
ヒトとあったかくふれ合いたいよね。
ヒトと泣いたり怒ったりしたいよね。
生きてるって感じたいよね。

投稿: なお | 2005.02.11 17:58

なおさん、また来てくれてありがとう、すごく嬉しいです(^^)

…そう、カメたちは自分の味方にも敵にもなりません。
ただ自分と一緒に居てくれるだけの、それだけの存在です(^^ゞ

今の一人暮らしは確かにヒトとの交流があまりありませんね。
会社では社会人として沢山のヒトと接して会話してますが、
実生活は…恥ずかしながら正直、なおさんの言われる通りです(^^;)

でも、直接お会いすることはできませんが、
こうやってなおさんや他の「ヒト」がここに来てくれて、
そしてコメントを寄せてくれるのは、今の自分にとって
とても大切な「ヒトとの繋がり」、つまり一度はここに
UPし続けているような自分という人間の存在価値を
全否定されて「死んだ」自分が「生きてる」と実感出来る
一つなんです。

・・・ありがとう(^^)


投稿: ino | 2005.02.12 00:01

inoさん。
エラそうなこと言ってごめんなさい。

私もinoさんによって
自分の存在を確認させてもらっています。
顔は見えないし(あ、見えてました。)、
声は聞こえないし、
どんな表情で、どんなしぐさで、
どんな雰囲気の人なのかわからないけど、
それでも文章を通じて伝わってくるinoさんから、
そのinoさんと会話する自分を想像して、
こうしてネット上で対話することは自分の存在の確認作業でもあります。
私のコメントを嬉しく思ってもらっているようで、私もうれしいです。

残念ながらまだパソコンが故障中でして
いい加減直さなければと思いつつ
ほったらかしの状態なのですが、
ブログのコメントという形態のコミュニケーションは、
バーチャルなようでなかなか捨てたもんじゃないですね。

投稿: なお | 2005.02.15 09:22

なおさん:

そうですね、ここで展開してる自分は多分自分の一部です。
書いてる事に嘘は有りませんが(逆にバカ正直すぎるのかも)
あえて書いていない事や晒していない事も沢山あります。
意図的にそういう所を想像してもらうような書き方もしますし。

あ、実物の自分は大したこと無い単なる一介の中年です(^^ゞ
もし仮に実際にお目にかかったらがっかりすると思います。
以前はネット上やメールでの自分は「実物そのもの」だと
言われたこともありますが、最近は怪しいです(笑)

なおさんとはこの場だけの繋がりですが、
それでもコミュニケーション出来て楽しいです♪
強いて言えばメル友ならぬ、・・・コメ友?ですかね(^^)

投稿: ino | 2005.02.15 23:58

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