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2005.02.22

バカは死ななきゃ死んでも、直らない

以下の記述には一部フィクションを含む…ということにしておきます。
どこがフィクションでノンフィクションなのかは各自で判断願います:-p

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何度も痛い目に逢っているけど、それでもバイクに乗るのは楽しい(^^)♪

松葉杖が取れた去年末、居ても立ってもいられず、病院から帰ると自分の
一番小さい単車であるCRM80のカバーを剥ぎ取り、エンジンをかけた。
しばらく放置していたのに、優等生なホンダ車の端くれであるCRMは
キック一発で目覚めた。

・・・いよいよ、単車乗りとして復活の狼煙を上げる時が来たのだ。
CRMの細いマフラーから吐き出される僅かな狼煙ではあるけど(^^;)<ばき

メットのアゴヒモをキッチリ締めて喝を入れる、ゴーグルを装着し気合を
入れる、まだ完全に曲がらない弱々しい左手でクラッチレバーを握り
よっこらしょ、と左足の踵でシフトベダルを踏んでギヤを入れた。

これでちっぽけな2ストローク80ccのシリンダーに吸い込まれ、ピストンで
圧縮され爆発するガソリンが発するエネルギーをクランクとミッションと
チェーンとタイヤを介し地球に喰らわせる準備は全て出来た。

・・・よし、行くぞ!

 CRM:「ビビビビビ〜ビーーーーン」

こうして、自分は単車乗りとして再び走り始めた。

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1988年製だから、もう17年前のバイクであるこの最初期のJ型と言われる
我がCRM80は小排気量2スト特有のブンブン回って馬力を稼ぐキャラじゃなく
もっさりと回る。かわりに歩くような速度でも走れる80ccなりのトルクがある。
モチーフとなった爆発的な馬力をひねり出すモトクロッサーCR80と違って
初心者がおっかなびっくりOFF遊びするのに適した乗り物だ。つまり単車の
リハビリが必要な自分にとっても最適だ(^^)

CRM80の詳細は詳細はこのHPを参照されたし。→ CRM80 hoppers!

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最初はおっかなびっくり近所の細い道だけをウロウロ走っていた。

日差しは暖かかったが、さすがに走り出すと真冬の風は冷たい。
ケロイド剥きだしの顔面や、前方に突き出た膝はガンガン冷やされて
痛くなる、でも、そんな冷たく硬い空気を身体で切り開きながら加速し、
エンジンと風の音を聞いて、空気の匂いを嗅ぎ、それら全てにリンクして
自分の後方に流れてゆく景色を眺めた。…今自分は「この場」に間違いなく
存在しているだ、自分自身がその構成要素の一つになってるんだ。

エアコンやヒーターを備えたガラスと金属とプラスチックで密閉された
「ハコ」の中でなかなか感じられないこの感覚。部屋の中でただゴロゴロ
していたり、日々の日常では感じることが難しいこの世界観!

・・・ああ、やっと本当の自分の世界に、俺は帰ってきた。

そうなると、まるで自転車に乗れるようになった直後の子供のように
何のアテもなく、ただ走ることだけが楽しくて嬉しくて、2〜3時間も
近所をぐるぐる走りまわっていた。細い裏道だけでなく、バスが通る
そこそこ太い道、そして調子に乗って近所の林道まで行ってしまった。
コケたらヘタすると一人で起き上がれない身体だというのに(^^;;;)

crm

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リハビリもある程度こなせるようになった天気の良かった、とある日曜日の朝、
せっかくの休日だし、少し大き目の単車にも乗ろうと思い、手元にある中で
最大排気量車である90年式SRX621Hi-Compを起動した。

一見すると地味な普通の中型バイクのようなSRX、だが定番の給排気系強化と
鍛造ハイコンプピストン組み込みによるライトチューンナップによって得られた
そのパフォーマンスは既にノーマルの比でない。あえてノーマルカムのままで
ハイコンプ化の恩恵を全て中低速トルクの向上に振ったおかげで100km/Hまでの
加速ならリッターバイクと大差無い。つまり立派な「ビッグバイク」だ。

見た目は軽そうなのに押し歩くとまるで鉄の固まりのようにずっしり重く
乗っていても「軽さ」を感じない、そういう点でも「ビッグバイク」だ(^^;)
(例えば取り回しは乾燥重量で30kg近く重いはずのTRX850の方が軽い)

おっと、SRX賛歌はまた後日改めよう、これを書き出すと長くなるから。

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冬の冷気を感じながら5速3000〜4000rpmほどで町中を軽〜く流す<ばき!

ちょっと前に事故って怪我した身でありながら、そういう行為がちっとも
恐くない。いやまた事故るのは恐いから、事故らないように慎重に状況を
見極めながら、でもイジったSRXで一番気持ちよく走れる回転数で走った、
と、言ったほうが正解。

つまり事故によってより慎重にはなったけど、単車との付き合い方自体は
ほとんど変わらなかった、と言うこと。まあ今までも散々事故って怪我して
痛い思いをしたけど、それでも降りようとは思わなかったもんな。
そうまでしても、乗り続けるだけの価値が自分にとってあるから今回も
それを繰り返しているのだ。

そんな事を考えながらも、信号で止まるたびにビッグシングルの痛快無比な
怒涛の加速を楽しみつつ国道を南下しつづけ、海岸線に当たるまで走った。
海岸線を西にある山のほうに向かって流す。

この頃から、自分の少し後ろにヤマハブルー03年式YZF-R1がついて走って
いるのを確認していた。ロートルな自分のSRXと違って最新(の一個前)の
スーパーマシンだ。薄く小さいフルカウルの中には馬がなんと150頭以上!
詰まっているチョ〜力持ちだ<ばき

その後前方に海岸線を走る有料のバイパスが現れたので、それに乗る。
久々の単車による高速走行だ。ノンカウルで小さいメーターバイザーだけ
しか風と戦う装備を持たないSRXにはキツいステージだが、それでも
手を加えたなりの性能を発揮してくれるので以外と楽しい。

直線に出てから、前方が空いているのを確認し、エンジンが欲しがっている
混合気を常に少し上回る量が送られるよう、スロットルを探るように開けて
加速してゆく。加速ポンプ付きのFCRキャブと違い、旧式となるCRキャブは
そんな旧き良き強制開閉キャブなりのスロットルワークが要求されるのだが
それがビッグシングルの「エンジンと会話しながら走る」という乗り味に
合っていて自分はそんなCRキャブがお気に入り。絶対性能もノーマルとは
比較にならないほど劇的に向上するし、セッティングが出れば最新のFCRと
遜色ないほどにパワフルだ。

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そのまま5速7000rpmで巡航し始めた。この速度域だと空気が水と同様に
粘性を持った流体なんだ、と全身で感じられる。ノーマルだとふらつくSRXも
足回りのモディファイによってその辺りは全く不安が無くなっている。
極端な話、その速度でハンドルから両手を離しても、そのまま安定して走る。

前傾姿勢をとり、小さいメーターバイザー越しに前方を眺めながら
その速度域で走る自分の背後に、先ほどのYZF-R1がいるのに気付いた。
110MPH以上の速度が出ているのでノーマルカムのSRXとしてはこれ以上は
回したくないが、R1の彼からすると、まだそこからガンガン加速が出来る
かったるい速度域だろう。かといって真後ろにいたので減速するのも危ない。

加速しながら彼に道を譲ろうとしたら、前方に四輪車が走っているのが見えた。
速度差が60MPH近くあるのでとりあえずそれを抜いてから譲ろう、としたが
YZF-R1の彼はそこまで我慢が出来なかったようで、右車線を走る自分を
あっさり左車線から追い抜き、左車線にいた四輪車にパッシング。
すると驚いた四輪車は自分が右側を走ってるのに急に右車線に飛び込んで来た!

このままだと自分は前方に急に割り込んだ遅い四輪車と中央分離帯に挟まれる。
ブレーキングするも、さすがに100MPH超の速度ではもう間に合わない!当たる!!

・・一瞬で、「死」を覚悟した。

前の事故は、当たる瞬間まで車を回避しようとする余裕があったが、
この速度では事故=即肉片だ。このまま車が右に寄り続けたら挟まれる。
かといってパニックブレーキをかけたら即転倒でやっぱり肉片だ。
低速では瞬発力のあるビッグシングルも、そんな速度では加速は鈍いから
アクセルを開けて隙間を抜けるのも無理だ。YZF-R1なら余裕だろうけど。

ブレーキをかけながら、ヤバイ、これは死ぬっ!っと思った瞬間、
とっさに脳裏に浮かんで来たのは、・・・・「○×子っ!」
それは親でもなければきょうだいでもなく、元カミさん、だった。

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その頃YZF-R1の彼は四輪車を右においやって出来た隙間を推定130MPHほどで
駆け抜けていた。四輪車は今度は自分に気がついたのだろうか?あと10mほどに
迫った頃に、左側に寄り始め、自分と接触することなく元の車線に戻った。

自分はドキドキする心臓を静めるべく、50MPHほどに速度を落とし淡々と走った。
そんな事があったのでその後は淡々としか走らず、そのまま料金所を抜け、
そのバイパスに一つだけあるPAに入った。そこで一旦エンジンも、メンタルも
一度クールダウンさせてやらねばこのまま走り続けられないからだ。

冷えた手のひらを缶コーヒーで暖めながらさっきの瞬間を冷静に回想してみる。
・・・あのまま寄られたら、怪我が癒えたばかりなのに絶対死んでたな。
まあ単車に乗っていればちょくちょくそういうシチュエーションはあるけど。

そんな事を思いながら、どちらかというと、そういうピンチを経験したよりも
ああいう生死を分けるような瞬間に、未だに元カミさんを思い出した自分に
より大きいショックを受けていた(苦笑)

まあ、仕方ないのかな、元カミさんは自分にとっては唯一無二の存在だったし、
男は女と違って、シングルタスクな生き物だから。でもやっぱりバカだな俺は。
第一、こんな所でこうやって今更ながら自分に思い出される元カミさんも
ある意味不幸だ。とうに新しい生活と幸せを掴んでいる愛すべき元カミさんに
あと自分がしてあげられる事はたった一つ、自分の中から彼女の事をキレイ
さっぱり消し去って忘れてあげることだけだっていうのに。・・・ごめんな。

馴染みのPAは海岸に面している。そこの手すりに身を預け波打ち際を眺め、
自分自身のクールダウンをかけた。寄せては返す波のように様々な事が過る。
手にした缶コーヒーが体温以下に冷えるまで、自己嫌悪に沈みつつそこにいた。
…クヨクヨしたって仕方ないな、それでも自分は走り続けるしかないんだから。

自分の頭も冷えたが、SRXのシリンダーヘッドもすっかり冷えてしまっていた。
そうなると鍛造ピストンを熱膨張させてピストンクリアランスを狭めるために
たっぷりアイドリングさせて暖めてやら無いといけないのだ。・・よし、こんなもんだ。
さあ、また走ろうか、相棒。

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立ち直り後は、慎重に慎重を重ねて走った。その有料バイパスを降りてから
有料の新道をかけ上り、大島あたりが有名な植物の名の付いた十数年来の
ホームコースであるワィンディングを温泉街の方に向けて下り、いつもの所で
折り返して登る、そんな「峠のリハビリ」を気が済むままに淡々と行った。

我がSRXはフォークを突き出し調整で2cm伸ばし、オーリンズの車高調整も使い
全体で2〜3cmほど車高を上げてある。そうしないとヨシムラサンパーの
アルミチャンバーがバンク中に路面に接触して削れてしまうからだ。
だからタイヤの両端まで丁寧に一皮、二皮剥いても、どこにも接地しない:-p
オンロード最終兵器の92年式TZR250RSを入手してからISAのバックステップを
外してノーマルに戻してあるんだけどね。

その後、峠から下り、自宅に帰ってきた頃には日も陰り、寒くなっていた。
傷めた両膝はすっかり冷え切って直立すると激痛が走るありさまとなり、
仕方ないんでその夜はすぐ着替えてそのまま布団に直行し、寝た(自爆)

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やっぱり単車は楽しいな。事故って痛い目にあったけど、この日も一度は
死に掛けたけど、それでもやっぱり楽しい。一度や二度痛い目にあったからと
そこで萎縮しちゃったり、降りたりして逃げ出さず、逆にそれらを貴重な経験、
糧として生かすことで、より深く長く追求して行く事が出来るもんだしね。

…同様に一度痛い目にあった結婚生活もそうなるといいんだけどなぁ<ばき
こればっかりは単車と違ってリハビリしようが無いんだよね

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以上の記述には一部フィクションを含む…ということにしておきます。
どこがフィクションで何がノンフィクションなのかは…くどいようですが
各自で判断願います:-p

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