縦方向に圧縮?される爆縮戦隊
いつもはダラダラした私服にデーバッグを背負い、まるで中年ニートのような
スタイルで郊外の某研究所に通う自分は、こう見えても一応はサラリーマンだ。
ナレーター:サラリーマン、それは家庭ではうらぶれた中年男だが、その実態は
毎朝革靴と背広とワイシャツ、そしてネクタイを締めて仮装武装し
過酷な通勤経路に闘いを挑む勤め人!ブラックホール級の超高圧空間で
死闘を繰り広げる勇者!人々はそんな彼らを「爆縮戦隊」と呼ぶのだっ!
・・・といちいち説明するのも面倒なので詳細は過去の記述を見てくれ<ばき
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ここ最近、我が研究所の所轄は平和だったようで、爆縮戦隊への変身を伴う
出動命令は無かった。おかげでのんびりと昼休みにドカヘルを被って研究所の
裏庭を開墾し、代用食のサツマイモの苗の育成に励む事が出来た(^◇^)。
だが、昨夜、戦隊チーフ課長から緊急指令が発動された。
隊長:「ぁやしぃ怪人が町で暴れている、西へ飛べ!」
じゃなくて
課長:「ino、明日あの現場の***の打ち合わせな、お前も行ってくれや」
主戦場は某現場の所轄の某署。そこで許認可に関する説明を別動隊がするので
それのサポートをしてやって欲しい、との事。なんでもそのチームには
甲種危険物取扱の有資格者が居ないので、部外者だけどそれを持ってる自分に
白羽の矢ならぬキャッチャーボートから打ち出された銛が突き刺さったらしい。
ino :「ラジャー!ボス!!」
じゃなくて、
ino :「ええっとスケジュールは、と・・空いてます。あ、資料貰えますか?」
・・・何かシマらないなぁ(^^;)
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肉体労働系の現場であれば、いつもの格好に作業服と安全靴とドカヘルを詰めた
ドラムバッグを背負って行くのだが、今回はカタ〜いお役所対応だ。だから着慣れぬ
戦闘服、つまり背広の着用が必須だ。無精髭も剃った。
しかしまぁ、先月ふと思い立って梅雨入り前に背広一式をクリーニングに出して
良かった、あやうく着るものが無い所だったよ(^^;)<ばき
珍しくプレスの効いたワイシャツと背広、そして気道を圧迫することで
吸気量を絞り、人間本来のパワーを抑制するリストラクター替わりの
ネクタイを装着する。うぅ、息苦しい、だがこれが我らのレギュレーション、
誰もがこの不自由なイコールコンディションで闘う、これが爆縮戦士の宿命。
これまた通気性の殆どなく接地面に溝が殆ど切られていない非人間工学を結集して
作られた革靴を履き、片手の自由を完全に奪う手提げ通勤カバンを持って出発した。
でも、長距離出張なら、新幹線での移動だから、ラクチンチン♪、だぜぃ(^〜^)。
この時までは、そう思っていた。
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遠方の現地の待ち合わせから逆算すると比較的早い時間に新幹線に乗る必要がある。
だからそこそこ早い通勤電車に乗った。そこは闘いが始まる前の、のどかな雰囲気が
漂っていた。よもや2時間後、ここが殺人圧縮空間に変わるとは想像出来ないほど
のんびりまったりとした車内だった。いつもがこんななら、爆縮戦士達は苦しまずに
すむのにな。
新幹線の乗り継ぎ駅でやってきて、ミドリの窓口で新幹線の切符を手配する。
すると、なんとまぁ!殆どの指定席が埋まっていてはると言うやおまへんか!
唯一空いているのは某ヒカリ号の喫煙車のみだという。
おい、JR東海、俺を「毒ガス薫蒸室」に閉じ込めて殺す気かっ(T◇T)!
道中ずっと誰かのタバコの煙を強制的に吸わされ続けるくらいなら、
ドライウェルの中でPLR配管に同じ時間抱きついて被曝する方がマシだ。
やむなく自由席の切符を買った。燻されて全身タバコ臭くなるくらいなら、
最悪ずっとデッキで立ってる方が数百倍はマシだ、あわよくば座れるだろうし。
だが世の中そんなに甘くない。指定席が埋まってるくらいだから、自由席も当然
相当混んでいて結局本当に立ったまま新幹線に乗り続けるハメになった(^^;;;)
いや、厳密に言うと自由席はちょっと空いてはいたのだが、自分の後ろに並んだ
子連れ夫婦を一箇所にまとめて座らせるために譲ったのだ。
小さい子供を連れて移動する大変さは自分は経験無いけど身内を見てればわかるから。
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通勤電車で爆縮戦士に加わるのは横方向からの強烈で動的な加圧力だが、
ずっとデッキで立ちっぱなし、というのは縦方向に常に一定にかかる静的な加重、
つまり重力(=自重)と闘わねばならない。短時間ならさほど気にならないそれも
一時間を越えてくるとさすがに辛くなってくる。
これがイマドキの若者だったら床に直接ベタベタ座ってしまうんだろうけど
さすがに中年世代の爆縮戦隊員はそんなことは出来ない。ただ流れる景色を
観ながら軽く揺れるデッキで立ち続けるしかないのだ。うう、きつい。
立ちっぱなしのまま、カバンから今日の打合せの資料を取りだし、内容を
頭に叩き込んで行く。ふと回りを見ると、ノートPCを立ったまま使ってる
ツワモノの同志もいた。…辛いのは、自分だけじゃないよね(^^)。
ナレーター:通勤圧縮地獄と、毒ガス薫蒸地獄、それを逃れた爆縮戦隊を
待ち構えていたのは長距離立ち地獄!、奪われる体力と気力!
ああっ!どうする爆縮戦隊?現地で待ち構える敵は手強いぞ!
「爆縮戦隊サラリーマン!」、次回は「毒ガス充満会議でFireァ!」
良い子のみんな、闘うおぢさんたちを、応援してくれよな(^^)b<ばき!
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新幹線が目的地の最寄りの駅に着いたときにはさすがに草臥れた(^^;)
昔は青春18切符でこんな長旅も出来たのに「青春36切符」では身体がネを上げる。
でも「タバコ毒ガス薫蒸室」に密閉されるくらいなら、こっちのほうが
身体を使った健康的な闘いだったから、結果オーライとしよう。
かのように、爆縮戦隊にとってオアシスたる出張で使う新幹線でも
場合によってはバトルフィールドと化す事もある。でもそれは仕方ない。
だって我々爆縮戦士は、遊んでるわけじゃない、誰もが闘っているのだ、
えっ?何のためにかって? 当然「生きるため」・・・さ(^^)
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コメント
inoさん。
出張お疲れさま~。
喫煙車はツライですねぇ。
私も、そんなの乗ったら息できません。
どうして体に悪いのに皆さん平気なんでしょうね。
不思議な現象です。
タバコをぷかぷか吸ってる人もそうですが、
吐くまで、朝まで、飲んで
二日酔いで廃人のような翌日を迎えても
それでも連日飲む人っているでしょう。
私の周りにはいるんですよ。
何をそんなに死に急ぐのか?と聞きたい。
病気になって死にたいの?と聞くと
病気にもなりたくないし
死にたくもないと言う。
矛盾してるだろー・・・
つまるところ、意志が弱いんですかね。
自分を大事にしない人って
大切な人、家族も大事にできない気がして嫌ですね。
ちょっと辛口でした。。。
投稿: なお | 2005.06.02 17:54
なおさん、「ただいま」。
またまたコメントありがとう(^^)
今週はこの出張があって、翌日はドカヘル被って
産廃処理業者の現場でヤバイガスを吸いながら
終日実験、昨日は怪しい商品を持ち込んだ代理店と
会議室で延々トークバトル(苦笑)
心身ともに何か草臥れ果てて昨夜は家に帰り着くなり
バタンキュ~(x_x)、でネットを覗く元気もありませんでした。
今日は年に数回ある年休充当日♪
(強制的に年休を取らせて消化させる日)
天気も怪しいので大寝坊こいて、庭仕事もせず
のんびり(=ぐったり)休んでます。
自分のような30代中ごろって、サラリーマンとしては
恐らく仕事人生で一番忙しくて、それでいて体力は
落ち始めるという時期のようで、なかなか無理出来ません(^^;)
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タバコは化け屋(化学&分析技術者)からすると
正真正銘の「毒物」で「麻薬」なんですよ。
自分は生理的に受け付けないのもありますが、
なまじその正体を知ってしまっているだけに、
とてもじゃないですが、近寄れません。
酒もそれに近いです。タバコよりはマシですけど。
深酒もタバコも、自分から見ると自虐行為を通り越し
「自殺」に見えてしまうんですよ。
だから、本当に身体を壊したあとで、アメリカのように
「身体に悪い物を売ったメーカーが悪い、自分は悪くない、保障しろ!」
なんて見苦しい真似をしないで欲しいですね。
タバコや、酒は止められないという人がいたら、
それはその人にとって本当に大事なことが、
仕事や、家族や、自分の健康、ではなくて
タバコや酒、そしてそれを服用することで現実から
逃げてる自分なんですよ。そんな自分だけが大切で、
大好きで仕方ないんでしょう。何よりも、誰よりも…ね。
悲しいですけど、そういう人って確かにいますね。
投稿: ino | 2005.06.03 12:03