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2005.06.09

ボクらの世代は負け組ですか?

最近電車内の週刊誌の吊り広告やネット上の記事で「バブル入社組」が
なんだか頻りにバッシングされているような気がする。

「バブル入社組」とは、平成元年〜平成4年に就職した世代のことを
総称しているらしく、そのバッシングの内容を見ると大体以下のような
事を謳っているようだ。

 1)その間は社会が好景気で企業も大量に新入社員を
  採用したので大して優秀でもなくても、やる気が無くても
  苦労せず本人の実力以上の大手企業に楽々入社した。

 2)その結果この世代は実力もやる気も無い「ダメ社員」が多く
  上司や優秀な後輩から使い物にならないと言われている。

 3)彼らの後の世代である「就職氷河期」を勝ち残る入社した
  世代は優秀で、昇進も彼らの方が先になる事例がある。

 4)そんなバブル入社組は企業に大量にあぶれた不良資産で、
  今後昇格するポストも無く、社会から淘汰される運命にある。

・・・おぅおぅ、言いたいこと言ってくれるじゃねぇかオラァ凸(-"-;)

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かく言う自分は、平成4年に大学を卒業し、就職したので、彼らの言う
「バブル入社組」というレッテルを実際に貼られた一人だ。だから
余計にそういうネタが目に付くのかもしれない。

確かに正直な話、自分の出身大学は名も知れぬ三流私立だけど<ばき
それでもその大学出身者としては身分不相応?な一部上場の大企業?
に就職出来たし、それに確かに同期は多かった。今年の新入社員は
10名程だが自分の同期はたしか100人以上いたと思う。

でも、今でも生き残ってるのはその半分、いや1/4くらいだろうか?
かなりの数が辞めていった。中には病死や、自死を遂げた奴もいる。
つまり入社当時だけを見れば「楽に就職しやがったアマちゃん」と
言われるかもしれないけどそこから十数年、社会の荒波に揉まれて、
ちゃんと能力による選抜、適性による分別、そして淘汰が行われてる。

自分は今のところ辛うじて生き残っているが、いつ分別され淘汰されたり
病死したり事故死したり過労死するかは判らない。明日は我が身…かもね。

つまり、就職氷河期の連中が入社時に人事部に選抜されたのに対し、
自分ら「バブル入社組」は入社後に実務によって職場で選抜されてる。

前者を「軍事訓練学校」で優秀な成績と技術を身に付けた新兵、
後者を「戦場」で勝ち残った老兵、と例えれば分かりやすいかな?
くれぐれも前者を織田鉄砲隊、後者を武田騎馬隊に例えないでね<ばき

後者の方が会社としては余計で莫大な手間とコストと時間がかかるから
確かに我々はバブリーな存在なのだろうが、そんな淘汰を生き残り
現在バリバリ働いている同期や他社の同世代は、自分が同じ世代だと
いう贔屓目抜きにしても見てもみんな優秀だよ。

30代後半ってのは職場で第一線でバリバリ働き稼ぐ主戦力だからね。
でもそんな彼らも、入社年度が平成4年度だ、というだけで週刊誌
から見れば「バブル入社組」と一括りにされ叩かれてしまう(-_-;)

学生時や入社時には成績優秀でも、実社会でマジに使えない奴って
優秀なはずの「就職氷河期」就職組の連中にも山のように居るのに。

ま、多分前述の記事を書いてるのが、そういう連中なんだろうな(苦笑)

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そんな「優秀な」彼らと違って、自分は仕事人として「成功」してない。
それだけでなく男としても誰かより劣り、人間としても道を踏み外し、
日陰者として人生の裏街道を連日連夜驀進するテイタラクぶりだ<ばき

収入だって人様に自慢出来るような額ではない、「並の中の並」だ。
会社でのポストだって労使関係でいう「労」つまり労働組合側だしね。
すでにやり直しの効かない36歳にもなりながら、こんな現状を生きてる。

そもそもサラリーマンってのは、働いて給料を得る立派な「プロ」だ。
だから評価である給料やポストだけを見てそれで「人間」として客観的
絶対評価をされてしまうも、ある意味で間違ってはいない。

実際同い年や年下であっても稼ぐ奴はもっと激しく稼ぐだろうし、
中には管理職たる課長や部長や、取締役等のポストを得ていたり、
起業し自ら企業の経営者となり自分の年収より高い月給を得る奴も
世の中にはゴマンといるだろう。上を見れば切りが無いわな。

自分のようなブルーカラーな労働者階級、つまりプロレタリアートは、
ホワイトカラーな彼らからみれば確かに「負け組」に違いない。でもね、
外部から何を言われようと、自分はそんなブルジョアな彼らに対して
今の自分に一切卑屈にはならないで逆に堂々と胸を張るよ(^^)

同一人物が同一の仕事をした結果成績や収入が劣るのなら恥ずかしいけど
全くの別人が全く違うことをやっているのだから収入に格差があって当然。

それに自分は己が持つ能力を使い、自分が将来やり遂げたい仕事のために、
自身が今やりたい仕事を納得の行くようにこなし、日々勉強しながら、
労働の対価として十分見合う給料を得てる。

つまり自分はまだ「途中」にいるのだ。

立派なイナズマンにはまだなれていないけど、将来それになるために
今は地味なサナギマンとして、必殺技無しに日々怪人と戦っているのさ♪
あ、何を言ってるのか訳がわからない人はこちらを見てね(^^)

年収が一千万に届いていなくたって、バツイチ野郎の貧相な一人暮らしなら
どうにか飢えずに生きられるって事は、このBlogですでに実証済みだ<ばき
庭で栽培してるイモ類や怪しいパスタにかなり助けては貰っているけどさ。

とまぁ妙な例えはさておいて、「会社」ではなく「社会」での「自分」は
入社後からの「実戦経験」と「戦歴」でそれなりに確立しているつもりだ。
だから今の自分をリストラしたら、会社は絶対に損をすると思ってる(^^)
自信過剰かもしれないけど、社内で自分にしか出来ない技術もあるし。

それでも会社からダメ出しされたら、とっとと別の所に行って働くよ。
結婚生活と違って、仕事は今の自分を認めてくれる人が他にもいるから。

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そんなもんで単に入社年度だけで「バブル入社組」とダメ出しレッテルを
べったりと貼りつけられ一律に不当評価されるのはチト納得がいかない。
全ての世代の中に、様々な人が沢山いる。ステレオタイプは良くないよ。


だけど、実はドロドロに溶けた熱い不定形でこれからどんな形にも柔軟に
なれる可能性のある若者と違って、もう型に流し込まれ冷え固まって
しまった世代、なのかも知れないなぁ、我々「中年世代」ってのは。

でも、冷えて固まって「出来上がっちゃった」のなら、それを再び溶かすだけの
熱い気持ちがあれば、バブル入社組だって団塊の世代だって高齢者だって
実力さえ伴えばまだまだ十分しっかりやれるんだよ(^^ゞ
   ↑
 これに関連するネタを近日中にUP予定

無論その結果得られる「再溶解した自分」は若い新入社員のような、
バージンパルプ材ではなくて、古紙再生トイレットペーパーのような
リサイクル最廉価グレードかもしれないけどね(^^;)<ばき

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じゃあ今年の新入社員ってのは相当の切れ者集団で、緻密な就職活動を
繰り広げた結果の「真の勝者にして本当の実力者」なのだろうか?
…どうもそうでもないようだ(苦笑)

若い彼らは、申し訳ないが中年の自分からするとルックスだけでなく
言動までが中学生のようで、とても即戦力の技術者としてブリバリと
使えそうな気配は感じられない。まぁ文系のデスクワーク職じゃなく
理系技術職、しかも現場対応するなら、そんなこと絶対不可能だけど。

先日、その中の一人とざっくばらんに会話する機会があった。

 新人君:「就職活動は3年の頃はしなくて4年になってからです」

     「十社くらい受けたましたがここにしか受かりませんでした」

     「この会社で働きたい!という強い気持ちは無かったです」

     「自分は早めに動きましたが、友人は4年生の10月頃から
       就職活動を始めて、結局就職出来ずフリーターです」

     「大学の同窓で優秀な奴ほど早めに内定出てましたが
       成績の悪い連中は最初から「どうせダメだろ」って
        真剣に活動してなくて結局無職で卒業しました」

おいおい!、これじゃ自分の就職活動の頃と殆ど差が無いじゃんか(^^;)
いやいや、ワシらの時代の方が就職活動に緊迫感と真剣さがあったワィ。
今の若いモンはまったくモゥ<ばき!

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コメント

inoさん。

私は超氷河期といわれた時代に就職しました。

当時、四大出の女子学生というのは
民間にはとかく敬遠されがちで、
私の周りはみな公務員になりました。
実際、それが一番賢い選択だったかも…
と思いますねぇ。

なぜか私は公務員には全く興味がなく
風当たりの強い大企業ばかり受け、
自ら困難な道を選択していたような気がします。
最終的には、全く別の道を進むことになりましたが。

でも、そのおかげで、いわゆる「シューカツ」に
すっかり鍛えられました。
バブル期に入社した先輩方には
そういう体験は少ないのかも知れないです。
でも、その時代に入社した先輩でも
素晴らしい人はやっぱりすごいですよ。

結局はその人によるわけだから、
バブル期入社でひとくくりにされるなんて
inoさんとしてはたまりませんね。

私の時代よりも近年の就職難のほうが
ひどい状況のようですが
私の会社は定着率が最悪で
すぐ辞めてしまうので
「最近の若い人って…」
と、お決まりのセリフがつい。。。

ダメダメ~!
これ言っちゃおしまいだヨ。
と飲み込んでます。

投稿: なお | 2005.06.14 18:12

なおさん、すみません、ちょうどその世代の方には
ちょっと不愉快な内容だったかもしれません。

自分が就職活動してた頃、同じ学部の女子学生は
化粧品メーカーとかの研究所などに就職してた…
ように思います。あまり定かでないのはうわさ話を
又聞きしたためで、実は同期の女性は3人しか
居なかったし、その3人とも自分のグループとは
まったく疎遠でしたし(自爆)

前の土曜日にちょっと大学に遊びに行って
世話になった教授と二人、昼メシを食うのも忘れて
延々3時間ほど最新研究ネタからヨタ話まで
広いジャンルで延々と話し込んで来ました(^^;)

その時、ここにUPしてる今年の新入社員の話を
したのですが教授曰く、これでもまだマシな方だ、
と言ってました。

我が母校は偏差値がとてもとて?も低い所だから、
なのかもしれませんが、そこにいるイマドキの学生は
ネットで会社概要を見たり、資料請求しただけでも
「私は就職活動をした」と言うらしいです。

会社説明会に出かけてゆくようなのは立派な方で、
何社も巡り、面接まで漕ぎつけて、落ちる所まで
体験する奴は少なくなったらしいです。

何でもそこまで苦労して漕ぎつけたのに
そこで落とされるのが、つまり努力したのに
それを全否定される失敗体験を味わうのが
嫌なんだとか…(-◇-;)

そして何かの目標に対して歯を食いしばって
努力するのはカッコ悪いと思っているんだそうです。
曰く、

 学生: 「そういうのって、クールじゃないでしょ」

英語の『Cool』ってのはそういう意味じゃなくて、
誰も見てない場所で必死こいて努力しまくって、
その努力をひけらかすことなく、華麗にこなすのが
本当の意味だろうに・・・

悪い冗談だとばっかり思ったら本当らしいです(-_-;;)
まあ学生全てがこんなだということはないと思いますが
ああ、「最近の若い人って…」<ばき

つまり、「バブル入社期」な社員を厳しく見る目も
まさにこのメカニズムなんでしょうね(^^ゞ


 

投稿: ino | 2005.06.15 18:58

inoさん。

なるほどねぇ。
COOLかあ。そういうふうに使うとは。
時代を感じますね。
私のときは、みんながむしゃらだったもん。
なりふり構わず、とにかく内定を勝ち取るために!
と戦ってました。

化粧品メーカーの研究所って、
女性の研究者っぽくてかっこいいですね。
私は法学部だったので
公務員の行政職に就く人が多かったのかも。
国家公務員も結構いたなあ。
今じゃあちょっとしたエリートなのかなあ。。。
いいな~・・・。

投稿: なお | 2005.06.16 08:02

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