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2005.10.08

ある意味もっとも不遇なバイク

色々あって、色々な単車を所有する自分ではあるが、その中でも
異色な存在の一台がある。それは生まれながらにレースで勝つ
だけの目的をもって作られた競技用車両。つまりレーサーだ。

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自分は「レーサーレプリカ」、というジャンルが実は大好きだ。

それは闘うために作られた妥協無き技術の粋を集めた頂点とも
言えるコンセプトをそのまま公道に持ち込んだ乗り物だから。
こんな乗り物は極めて高価な外車にはありうるが、普通の四輪車
では絶対に作れない、でも二輪なら普通に存在するシロモノだ。

例えば、公道最強と言われるGT-Rだって、公道を走るノーマルと
サーキットで戦うレーサーでシャーシや足回りは全く異なる。
またF1のフォルムをそのまま纏った公道を走れる車もありえない。
存在としてはとんがってる、ランエボのRS、インプのS202とかも
結局は「公道用車両を固めた」乗り物に過ぎない。

でも二輪車のレーサーレプリカにはそれが普通にありうる。
最高峰のGPを戦うマシンとほとんど同じ骨格、デチューンされて
いても部品はレーサーと共通という恐るべきエンジンの乗り物も
存在する。公道で実用性をもって走るのなら、エンジンだけは
レーサーのような馬力は必要ないので、デチューンされた公道
仕様のものが望ましいが、フレームや足回り、その他のパーツが
レーサーと同スペックである乗り物は、やっぱり次元が相当高い。

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自分の所有する単車群にはその「レーサーレプリカ」が4台ある。
それはレーサーイメージを彷彿とさせるスタイルだけのモノから
本当の競技車両のフレームに競技車両とほぼ同じエンジンが載る、
でも、ちゃんとメーカーメイドの公道仕様車という、ある意味で
「究極のレプリカ」もある。

それは、CRM80、TZR250RS、TY250ZS、そしてXT600Z。
CRM80はミニモトクロッサーCR80のレプリカだし、TZRはレーサー
TZ250のレプリカ、TY-ZSはフレームもエンジンも殆どレーサーの
TY250Zと共通という「ヤマハ最強最後の本物の2stレプリカ」だ。
XT600Zはラリーレイドマシンレプリカ、実際にプライベーターが
パリダカにこれで参戦して完走している「本物」だ。

でも、こういったレプリカにはやっぱり公道を走るために余計な
装備や、日常生活で使えるような快適装備、静かなマフラー等が
装備されている。それはこれらが走る「コース」で定められた
「レースレギュレーション」なので仕方が無いのだが、ある意味
レプリカバイクとは「理想と現実の妥協の産物の乗り物」
…なのかもしれない(苦笑)

レプリカではないが、「冒険旅」というはっきりした目的をもって
作られたTW200なんか、確かにどこを見ても無駄が無いもんな。

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そんな妥協を一切排除した「純レーサー」はまるで究極まで鍛え
上げられた肉体を持つアスリートや、野生の肉食獣、戦争という
単一目的のためだけに作られた兵器、危険な刃物のような、研ぎ
澄まされた「機能美」がある。それは一種の芸術作品だとも思う。

だけど、あまりに単機能過ぎて、それ以外に何も使えないため、
貧乏性の自分はいざという時に何でも使えるマルチパーパス性も
欲しがり、結局ナンバー付きのバイクを持つ>それがレプリカ

そんな自分が今まで、そして今、唯一所有する「レーサー」が
ある。殆ど消音されていない排気口から、「パンパン!」と生の
2stの耳障りな高音と白煙を吐き散らし、究極の軽量化の結果、
両手で持上げられるほどの車重しかない、闘うために生まれた
それはこれ。
    ↓
qr50tdm

そう、ホンダのモトクロッサーQR50だ。
自分はこれで週末になるとMXコースで3連ジャンプを飛<ばき
#大うそっす

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この通り我がラインナップの最大排気量のTDM850と並て見ると
同じ二輪車には思えないほどのコンパクトさ、そりゃそうだな
これは体重制限30kというお子様用の「赤とんぼ」だもの。

元々これは自分の知人の一家でキッズMXを楽しんでいる人から
離婚後落ち着いたあたりで譲り受けた物だ。自分も以前持ってた
これまた「本物のレーサーレプリカ」、カワサキKLXふよふSRで
フリーライドを楽しんでいた相模川のサルガフツあたりで行われる
キッズMXで走っていたモノだ。

そんな乗り物なんで子無しバツイチ男の自分が持っていても
殆ど有効に使われる事はない。たまのコース走行会や、河原
遊び時にトランポの片隅に積んでいって、パドックの足として
使ったり、ドロ遊び用のおもちゃとして遊んだり、仲間内の
集団バーベキューなどの会場に持って行き、参加者のお子様に
即席バイク体験会をやったりするだけだ。

もし自分に家族や子供があれば、自分の毎月の小遣いを削って
でも、こういう一家で遊べるキッズMXをやってみたかった(^^)
実はそれ、単車に乗り始めたころからの「夢」だったんだよね。

自分にはその資格が無く、昔からのこの夢は適わなかったけど
自分の生活では殆ど役に立たないQR50を持っているのは一種の
「未練」なのかもなぁ。でもほつれたシートを手縫いで繕ったり
ステカでデカール作ったりして一応ちゃんと可愛がってるけどね。

ま、小さいんで、他のバイクの隙間に置けて邪魔にならないし
レーサーなんで維持費も一円もかからないんでとりあえず今も
持ってるけど、思えばQRにとっても不毛な自分に持たれてるのは
不本意だろうな。

すまんなQR50、こんな自分の所に身請けされちまって
しかも体重制限の倍以上の自分に乗られちまって<ばき

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以下蛇足:

 そういやこのQR同様の未練たらしいアイテムが他にもあるな。
 いつか子供が出来たら将来プレゼントしようと思って、復刻
 直後に衝動買して未開封のままの学研電子ブロックとか(^^;)


 
 

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