自称ニート君とご対面
自分が単なる民間企業に勤めるすちゃらかサラリーマンである事は
いつもここで言っている通りだ。そんな「サラリーマン」、という職業から
若者に向けて漂うのは、そのために頑張ってる家族に蔑まれ、必死に
セットするバーコード頭を侮蔑され、その場を和ませようと放つオヤヂ
ギャグを冷笑される、という悲壮感にも似た悪いイメージなのか、と
思っていたのだが、最近は正社員として働いている、と言うそれだけで、
どちらかと言うと良いイメージに使われる事があるようだ(苦笑)
…価値観ってのは時代によって変わるもんだよな、やっぱり(^^;)
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詳細は割愛するがちょっとした事で世間一般で言われる「ニート」だと
自分を称す若者君に出会い、少しだけその手の話をする事が出来た。
自分の周りには計画的に貯蓄した後に、自ら狙って無職になったり、
理不尽な不可抗力によって失職して、闘っている友人はいるが、
無気力的になんとなく無職、というタイプの人間はいなかったので
ちょっとワクワクドキドキ<ばき
彼は自分より若いが30歳だそうな、今までの生き様は知らないけど
数年間無職で実家住まい、毎日昼頃まで寝て、テレビを夜まで見てる
らしいが、週に2〜3回は親から小遣い銭を貰って(部屋から追い出され)
しかたなくパチンコやゲーセンやマンガ喫茶に入り浸り、ファーストフードで
メシを食い、深夜に帰宅・・・という生活で、バイトする気すら無いらしい。
そんなタメ口を叩く彼は自信アリゲに、こう話した。
若者:「どうよ、オレってヒキコモリよりはよっぽどマシだろ?」
Oh! ソゥレハ、モシカシテェ、コウイウ事、ジャナィンデスカ(-◇-)?<ばき
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それだけの間パチンコをやりまくってるのならば幾らなんでも精進するから
少しは稼げているの?と思ったけど、稀に勝つけど殆ど全額スッってるとか。
その業界からすれば典型的な「カモ」じゃんかよ(--;)
アクセクと労働することで自分の時間を対価に変えて毎日を生きる自分も、
この手の自由人的生き様は、短絡的にはうらやまい、とも思ってしまうが、
…じゃあやってみるか?、とまるで魔王クビライが宇宙刑事シャイダーを
不思議時空に引きずり込むように、誘われたとしたら、0..01秒で焼結!
そして決め技は必殺のシャイダーブルーフラッ<ばき!
・・・じゃなくて、こう即答するだろう。
ino :「・・・嫌なこった、絶対にやらねぇよ」
働かずに生きるってのは楽かもしれない。でも楽しくも無い、と思うから。
確かに働かずに生きられるなら楽は楽だぁな。自分だってそれをせずに
自力で生きられる自分の財産があれば一度はやってみたい。
でも自分の命や人生を自ら管理することを放棄して誰か(彼の場合は親)に
100%預け切って依存しているのは何が何でも絶対にごめんこうむりたい。
例えば自分の走る道を見失い、命や人生を自分で制御する事を放棄して
それまで握ってたハンドルから手を離し、誰かにハンドルを握られてどこか
訳の判らない所を走っている、と言う状態は絶対に嫌だ!・・・と言う事。
自分が乗り物の操縦が大好きなのは、それが難しい操作を努力して
習得し、自分自身でコントロールする事が楽しいし面白いからであって、
全自動無人運転や他人の運転での移動だったらちっともそれは
「生きる楽しみ」に成り得ない、ただの移動手段にロマンは感じない。
逆に自分で制御可能な200km/Hは全然怖くないが、
制御不能な10km/Hは死にそうになるほど怖いのだ。
それが唯一許されるのは、そうやって誰かに制御されても怖くない
絶対的な信頼関係のある相方とそのハンドルを「一緒に」握る場合。
つまり結婚してその相方と一心同体の運命共同体となり、二人で
同じ方向を目指して揃ったベクトルを維持して進む、要は同じ目的に
向かって生きる家族を「新たに築いた時」だけだ。
中にはそうやって信頼していた相方が乱暴だったり、自分勝手に
ハンドル切ったり、共同操縦を放棄されたり、飛び降りちゃったり、
勝手に見ず知らずの誰かを黙って乗せようとしたりする場合もあるが
その時には車を一旦止めて、相方に見切りをつけて下ろすか、自分が
別の車に乗り換えて新天地を目指して再び自分でハンドルを握って
再スタートすればいいのだ。
おっとっと、また話がアサッテの方向にズレ始めた、元に戻そう。
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でも、これはあくまでも自分の価値観や世界観に基いた話なので、
これを彼に言っても理解出来ないだろう。それに無職という選択を
自己責任で行い、そのメリットも、そしてデメリットも彼自身の責任に
おいてこれからたった一人で背負って生きようとしている彼の選択や
主義主張は、何よりも尊重されねばならない。
だってこれは誰の人生でもない、彼自身の人生なのだから。
何より自分は、彼が自分自身で選択し、そして自己責任で行っている
生き様に説教できるような立派な人間ではない。物事の分別付かない
ガキなら例えブン殴り短期的に恨まれても更生させるが、彼は自分と
同じ基本的人権と義務を負う、同じ大人なのだから。
…でも大人として自立も、国民として納税もしてないようだが(-_-;)<ばき
彼の人生を自分程度の「外からハンドルを回す手」で変える事は不可能。
甘言で彼の生き方を悪い方向に破綻させる事は出来るかもしれないが、
最も良い方向に向けて回頭させるのは、本人以外には不可能なのだ。
本人が「変えたい!」と願い、目の前でぐるぐる勝手に暴れ回っている
ハンドルを相当の痛み覚悟で自分自身で握り締めない限り、それは無理、
そして無意味だ。
若者君にはそういう覚悟があるのかな、と思い、もし両親から小遣いが
途絶えて住んでいる家が無くなったらどうするか聞いてみたらこんな答えが
返ってきた。
若者:「もしそうなったら?、その時はその時に考えればいいんだよ。」
つまり今は何も考えていない、と言うより考える事が面倒、と言う事らしい。
そんな臨機応変力があるなら、それもまた彼の人生。自分の尻は自分で
拭える大人だから、誰にも迷惑かけず自己責任で…勝手にやれよ(苦笑)
でも、そんな彼に言わせると、今の自分は自己責任の結果じゃないらしい。
若者:「ありのままのオレ自身を受け入れようとしない連中が悪いな。」
こんな感じで、かなり以前の就職活動の話が始まり、自論が如何に正しく
他者がどれだけ悪いのかを延々愚痴り始めた。自分は一応話は聞いて
いたが、その言い訳がましい内容にヘキヘキしつつココロの中では
こんな風に反論してた。
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・・・あのなぁ、若者君、二次性兆期でホルモンバランスが崩れた
反抗期のローティーンならともかく、30過ぎてから自分の結果を
全て他人のせいにして何か一つでも自分にとって良い事あんの(^^;)?
「社会」っていう複雑怪奇でジクゾーパズル的なシステムに参加する
には誰もが何にでもなれる可能性のあった原石である自身をすり減らし
泣く泣く削って合う形になるよう努力して、初めて加われるんだぞ。
さらにその中でも常に少しずつ衝突し合って互いで削り磨き合う事で
互いの距離が近づき、関係の密度が増し、そして磨かれて価値の
有る「珠」になってようやく人から認められる…そんなモンなんだぜ。
「オレはそういう事をしない、だからありのままを受け入れろ」って事は
自分の回りにいる人間のそれをさらに余計に削るように強いたり、
可能性や権利を奪ったり、我慢を強いろ、って事なんよ。これがもし
逆の立場だったらそういう訳のわからん奴のために自分自身を余計に
削るか?黙って我慢するか?…そういうのは絶対に嫌なんだろ?
でもそういうと君は多分こう言うだろうな、何か想像出来ちゃうよ。
若者:「そういうムズカシイ事言われてもオレにはわかんねぇよ」
違うな、本当に判らない奴は失敗しても叩かれても挫折しても、
何がなんでも愚直に何度もチャレンジを繰り返すんだよ。それをしない、
もうやらないって事はつまりチャレンジをしても自分はダメなんだ、と
自身の実力がちゃんと判っている。でもそれを認めるのは他人から
否定されるのすら辛いのに自分で自身を否定する事になるのが怖い、
だからとりあえず誰かのせいにしてしまってそうやって喋っている。
…何かそんな風に見えるだけど、違うかい?
挫折体験や失敗経験があって、もうそんな痛い目にあいたくないから
自分しか見えない、でも自分には超えられないハードルをわざと自身の
周りに取り囲むように置いて、その中に篭っちゃってないか?
・・・いいかい?頑張った自分にいきなり冷や水をぶっ掛けられ人格が
全否定されるなんて事は、確かに辛いけど生きていれば本当にザラに
ある事なんだよ(^^;)
誰もが最初は弱っちぃけど、そうやって「焼き入れ」されて強くなるんだ。
それにな、そんな事に怯えてたら一生結婚なんて出来ないぜ<ばき
若者:「何を言っても、アンタみたいなサラリーマンには判らねぇよ」
…って言いそうだな。確かに自分は君と同じ所に立ってる訳じゃない。
でもサラリーマンだってそれなりに頑張ってるんだぜ。辛くて、苦しくて、
そこから逃げようと自殺する奴もいる。でもそれは何もサラリーマンに
限った話じゃない、無職でも、サラリーマンでも、資本家でも、生きて
いる辛さや、それを遥かに超える楽しさはみんな平等、同じなんだぞ。
それにな、バブル期の頃に就職するのはダセェ、とフリーターを選んだ
連中がそのまま歳を取って高齢化が進んでいるらしく、三十路や
四十路になってもバイトで生活しているらしいんだが、それを含めた
トータルで約400万人のフリーターがそんな暮らしをしているらしい。
つまりこれは逆に言えば今の日本、自分のようにアクセク働かずに
バイトしながらでも十分立派に飢え死なずに生きていける、って事だ。
何も正社員になる事だけが絶対正義じゃない、漁業でも、林業でも、
バイトだって構わないから、せめて自分で自分の生活くらいは支え
ないと、そうやってムキになってしゃべってる君の言葉に説得力が
感じられないんだよね。
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と、直接彼に言いたかったが、それまでの身振りや話し振りから
まず理解出来ないだろうし、かえって逆ギレするのが容易に想像
出来たので結局彼の主張を淡々と聞き流した。…雄弁な奴だな(^^;)
終わったか?よーし判った(納得はしないが)。君の選んだ生き方に
自分がどうこう言うつもりは無いから、頑張ってこれからも精進すれば
いい。でもな、今の自分の状況をだ、誰かのせいにして自分は悪くは
ない、とブツブツ言わずに、今後は何があっても、それは自分自身の
責任において行った選択の結果として受け止めて、これからも他人に
迷惑かけず自己責任で生きるんだぜ(^^)。
…とは言わなかったが(^^;)、これをたっぷり込めて端々を丸め包んだ
言葉を掛けて彼と別れた。彼は曖昧な生返事をしてスタスタ歩き、
そのまま近くのパチンコ屋の中に消えた…(^^;)あ〜あ。
溺れてる人にロープを投げても、それを本人が掴まない限り、
救う事は出来ない。ましてそれが溺れているという自覚がなく、
「我輩は泳いでいるんだ、失敬な!」という人間には何度縄を
放っても結局無意味なんだろうな<ばき
だから後になってもっとひどい状態になってから初めて本当に溺れた
事に気が付いて「助けてくれ!」と言われてもそんなムシのいい話は
ムシすっぞ(苦笑)
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そんな彼との一期一会、一問一答が終わった後、ふと思った。
今の自分と、そんな彼とは実は紙一重の差しかなくて、その立場が
逆転していたとしても何ら不思議は無かったのかもな、ってね。
全ての人は今までの人生の中に様々な選択があって、その都度に
様々な理由によりその中で最適と思われる選択をして生きて来たはず。
後から後悔したり、失敗だった!と悔やむ事もあるかもしれないけど、
その時はソレが一番!、またはこれしか選べない、と決断してそちらに
進んで来ただろう。例えば結婚とか、離婚とか<ばき
その選択は良い方向へ行けるチャンス到来!な物もあっただろうし、
これ以上少しでも悪くならないための苦渋の選択…な物もあったろう。
でもそういう決断の時ってのは今を生きるありとあらゆる全ての人にも
必ずあったわけで、例えるならば毛虫が大木の幹から枝葉に向かって
進むような物で、枝分かれした所で毎回そんな選択を行い、その結果、
辿りついた所が自分の自己責任によって立っている場所なのだ。
自分がそこに居る事に文句を言うのは、 「天に向かって唾を吐く」
ようなもんだ。
何をしてもそれまでの過去は何一つ変えられない。人生に「待った」は
無いのだから。現在自分に残されたカードはそれまで生きてきた結果。
そしてこれからヤルべき事は隣の他人のカードを羨んだり自分の
カードの悪さを嘆く事じゃなく、その手持ちのカードをどう使ったら
少しでも良い方向に行けるか、自分が納得行くまでそれを熟考し、
自分の決断でカードを切って、その結果の責任を今まで同様に
自分一人で背負って生きる事なんよ。
働く事を拒絶するニートも、空き缶拾いで日銭を得るホームレスだって、
単純労働のバイター、組織に属するサラリーマン、公務員、農業や漁業、
林業、鉱業の従事者、工芸職人、左官屋、ありとあらゆる商売人、
それ以外の職業といった「シェル」に収入や暮らしに結果の差が生じたと
しても、そのBIOSたる「人としての」尊厳や、根幹の権利、そして何より
義務と結果責任はだれでも全て同じだから、さ(^^)
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