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2005.11.09

爆縮戦隊、ダイソーに救われる

平和な時は敷地の裏庭で昼飯となるサツマイモを育てつつ、自分なりの
ペースで研究所で働くバツイチ中年サラリーマンな自分の平和な日常は
年に数回突然乱れ(=社用)、それを守るために着慣れぬ戦闘服(=背広)を
着込み日常と掛け離れた戦場たる爆縮空間(=通勤電車)に命がけで突入!
そしてそこで発生するブラックホール級の加圧の中で闘う。

自分だけでなく、そんな『人体圧搾装置』で闘う全ての勤め人らを、
人は「爆縮戦隊サラリーマン」と呼ぶのだ。

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デイリー戦士ではない、パートタイム爆縮戦士である自分への出動指令
は通常は戦闘日の数日前に発令される。

だから自分はそれに応じて戦闘準備をすればよく、常時臨戦体制を取る
事は無い。だが迫り来る恐るべき敵(仕事)はそんな自分に都合よく襲撃
してはこない。たまに突発的で、しかもマズいタイミングでその戦闘を
仕掛けられる事がある。

爆縮戦隊員はそれと闘う事で毎月のサラリーを得て生きるという宿命を
背負っているので、「あ、ボクちょっと都合が悪いんでパスっす」と
とりあえず逃れる事は出来ない事は無いが、それをやると査定に響いて
ボーナスサラリーが下がるので、決してやってはならない、タブーだ。

何が何でも闘わねばならない(仕事がある)時には闘う(仕事をする)のだ。
疲れ、薄汚れ、裏寂れ、加齢臭漂う我らは、そう見えてもプロだから。

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ある日の夜、残業してその日の仕事をやっと片付け、夕飯となる焼き
イモを給湯室のレンジでちゃっかり焼き上げ、さあそれを持って帰ろう、
としてた自分に突然予想していなかった戦闘指令が出た。

 上司:「おぅino、明日な、例の件で朝イチで○×△に行ってくれや」
 ino :「突然ですねぇ、でもスケジュールは空いてるんで大丈夫です」
 上司:「◇▼関係だから、くれぐれも失礼の無いようにしろよな」
 ino :「判ってますって、ヘマしたら明後日頭丸めて出社しますよ
 上司:「他の奴はともかくお前は意味ねぇだろ、いいな!頼んだぞ」

よーし、明日は久々に爆縮空間か、最近一日二食はサツマイモばっかり
食ってるから、電車内でギュウギュウ加圧されたら安全弁が開放されて
ガスが放出されちゃうかもな<ばき

その時はこんな風に気楽に考えていた。

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自宅に帰り着き、水道水と焼きイモという今の自分の生活に見合った
豪勢なディナーに舌鼓を打ち、その後で明日の出張の準備を始めた。

そこで重大な事に気が付いた。あれ?ワイシャツの在庫が無いぞ!

し、しまった!最近はすっかりそっちの世界から遠ざかっていたから
夏に使ってからクリーニングに出すのすっかり忘れてた!<ばき

さすがにヨレヨレの使用済みワイシャツをそのまま着ては行けない。
アイロンをかけても、大汗かいてそれが乾いた状態のそれはやっぱり
ダメだ。フo○リー○かけまくったって、所詮は一時凌ぎに過ぎない、
一日は持たない、いや、そういう問題じゃない。

しかも、もう新しいワイシャツを調達しに行くには遅過ぎる時間だ。
…となると、どうしたらいい、あぁ、どうしたらいいんだ<(T◇T)>!

いっそ作業服で行っちまうか:-p?と、とんでもない事を考えたりも
したが、何せ◇▼関係だから、きちっとしてないと失礼にあたる。
悩んでいても仕方が無いので何かが臨機応変に繋がるかもしれない、
と近所の各種店舗が集まってる複合施設に行く。閉店まであと20分!

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生鮮食料品を扱うスーパーは魅力的な見切り食材が沢山あるだろうが
今はそれを物色している暇はない。隣のワークショップは軍手や足袋、
ニッカポッカやツナギ、つまりブルーカラー用戦闘服は沢山あったが
ホワイトカラー用のものは無い。あちゃー、もうダメか・・

仕方が無いのでダイソーに駆け込んだ。仕上がりに自信が無いのだが、
こうなったら手洗いするしかないので、それ用の素材を買わねば…。
スプレー、ブリーチ、その他を買い物カゴに投げ込み、閉店間際の
レジを目指した。ふと、衣類品関係のコーナーがあったのでそちらに
寄り道してみた。すると!なんと!ワイシャツみたいな物が
そこに売ってる
じゃないか!

商品名は「カッターシャツ」、売価は315円也。

よし、コレで行こう!心を決めて他の商品を棚に戻し、自分の身体に
適合しそうなサイズのそのシャツを手にレジに向かい購入。その日は
自分が最後の客だった。

ビジネスという真剣勝負の場にダイソー製品を着て行くのも何だけど、
少なくとも変色して異臭を放ちかねない使用済みワイシャツを化学的
再処理して着るよりマシだろう。品質は期待してないが、とりあえず
明日一日持てばそれでいい。暑い時期ならともかく、今の季節ならば
上着を脱がなくてもどうにかなるから、ボロくてもどうにかなる!

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帰宅後恐る恐るそのパッケージを開けてみた。お子様パーティー用を
間違って買ってしまったら最悪だったがそんな事は無く、ちゃんとした
シャツのように見える。縫製や布質も値段から考えれば立派なもんだ。

着てみた。襟の先端の角度が微妙に広いような気がするが、まあ気に
するのは自分だけで周りは気にも留めないだろう。ボタンもいきなり
モゲたりしなくてちゃんと留め外しが出来る。

ネクタイを装着してみた。すると左右の襟の高さが微妙にズレた(^^;)
というより一番上のボタンの位置が悪いのか、襟の型が歪んでいるの
か、微妙に左右均等になってないのだ。でもコレも他の人にしたら
「そう言われればそうかな?」というレベルだな、学会発表のように
壇上でスポットライトを浴びつつ多数の人の前に立ってファッション
チェックされるわけじゃないから、ネクタイの締め方をどうにか工夫
してやればどうとでも誤魔化せる。

繰り返すようだが、明日一日だけどうにか凌げればいいのだ<ばき

一応事前のチェックはOKだった。細かい所では気になる所はあるけど
それでもコレを315円で売れるんだから、逆に大した対したもんだ(^^)
明日の爆縮装置内で加圧され一発で破損しなければ、だけどさ。

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翌日、そのダイソーシャツを着て爆縮戦士に変身した自分は人体圧搾
マシーンに乗った。車内圧はいつもと変わらず、骨が軋み、肉が拉げ、
揺れる度に顔から汗と、肺からうめき声が内圧に耐えかねて意図せず
勝手に漏れるという最悪の状況だった。

まるで個々に存在する自我を有す人と人が、衣装や皮膚という境界を
超越して融合し、同一化して巨大生命体となり生き続ける為の言わば
「人体融合」するための臨界点に達しようと繰り広げる、一種の宗教
儀式なんじゃないのかとまで思えるその殺人的圧力の中、自分は見た。

そこにはその圧力に無駄に抗って体力を奪われてゆく人や、まるで
深海の熱水帯で硫化水素を食って生きているチューブワームのように
すっかり環境に適応しその殺人圧力下でも普通に涼しい顔して文庫本
や新聞を読む人、もはや昇天脱魂寸前のような恍惚の表情を浮かべて
目を閉じ、立ったまま寝てるか意識を失っているのかよく分からない
乾いた老人、大人の腰から下は意外に圧力が低いのでまるでイソギン
チャクの触手の中で身を守るクマノミのように乱立している足の隙間に
潜り込んでいる私学に通ってるらしい制服を着た小学生…、多種多様
な生物達がこんな苛烈な状況の中でちゃんと生存しているのを。

つくづく、生物って偉大だねぇ<ばき

自分はドアのあたりで、目の前に居る小柄なねーちゃんを自分の身体
で押し潰すまいと、右腕を伸ばして突っ張って安全空間を作っていた
ので、いつもより余計な過重を受けていた。もはや消耗し野垂れ死ぬ
のを待つだけの無駄な存在である自分と違って、こういうねーちゃん
にはこれから幸せに生きる権利と、輝ける未来があるのだ。ただ死に
行くモノとして、せめてそれくらいは守ってやらなきゃなるめぇ(^^)

それに直にオシクラマンジュウ状態になると、その気も、そんな行動
しなくても、キムタク風なら喜ばれても、ハゲかけた中年男じゃ痴漢
呼ばわりされるだけだ。残念ながら女ってのはそういう生き物だから。

つまり、ねーちゃんを守りつつ、実は自分自身を守ってる訳だ<ばき

ある意味、究極のアイソメトリックトレーニングをずっとそのままで
続け、体力の限界を迎えようとしていた頃に「高圧人体プレス機」が
やっと某駅に到着してブリード弁たるドアが開き、車内圧力が急速に
低下した。助かった…ふぅ。

目の前の小柄なねーちゃんもその駅で降りた。
名も知らぬ「戦友」よ、お疲れさん、頑張れよ(^^)

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現地で仕事をこなし、帰りも朝程では無いがそこそこの圧搾作用を
受ける込み具合の列車に乗り、家路についた。電車を三本程乗り
継いでようやく帰宅!。あーくたびれた(-o-;)

武装解除して、ダイソーシャツを見てみたところ、特に異常らしい
異常は見当たらなかった。強いて言えば襟あし辺りがチョイ型崩れ
してる気もするが、こんなのはアイロン一発でどうにでもなるだろ。
これならば安いからと使い捨てせずに、あと一回くらいは使っても
大丈夫そうだ。

値段が値段なんでクリーニングに出すのも何だから、実験台として
自宅の洗濯機で洗ってみて、無事だったらアイロンかけてもう一度
使ってみよう(^^)

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いつもは「素材」を求めに行くダイソーだけど、付加価値をつけて
単価を105円から210円〜1050円程に設定した商品を最近は良く
見かける。

中には明らかに単なる値上げだろソレって言うものものあるし、
そんな値段だったらホームセンターで買った方が安いよ、というモノ
もあることは確かだ。だが例えば値段を上げる事で今まで105円では
出来なかった商品が出せて、より便利になったのも事実だ。

今回は偶然その恩恵に預かる事が出来た。まさかあの百均屋ダイソー
で、ワイシャツらしき服を調達できるとは夢にも思ってなかった。
今回は正直、ダイソーに助けてもらったな。いや〜感謝感謝(^◇^ゞ

後日近所の普通のホームセンターに言ったら、紳士物ワイシャツが
特価780円均一でワゴンに乗っていた。そっちの方が柄物やサイズも
豊富で、しかも質は高そうだった。でもダイソー商品は値段なりの
品質があればそれで十分。同じ質である必要は無い
のさ:-p

 

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