ハコに関するエトセトラ(前編)
色々沢山の乗り物を持つとそれを日常管理するだけで結構大変だ。
自分は某スケジュール管理ソフトを使って、各車を何時乗ったとか
エンジンかけたとか車検取ったとか、ガソリン入れたとか、通勤に
使ったとか、そういう使用履歴を取るようにしている。
こうやっておくと何時最後に乗ったとか、どんな頻度で乗っている
のか、という事がはっきりくっきり見えてくるので不動車化が予防
出来るのだ<ばき
そのバーチャートをここ最近分見たら、小排気量は通勤に使うので
結構稼働率が高く、四輪車も平日休日問わず結構頻繁に稼動してて、
他の中型以上のバイクは週末使用に特化している事が判る。
公道を自走するのが忍耐でしかないので、基本的にトランポで移動
するヤマハ最終究極の2ストレーサーレプリカ、TY250ZSの稼働率が
圧倒的に低いのは仕方が無いが、それ以外の他の乗り物を比較
してみると、…SRX600の稼働率がダントツに低かった。
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XT600Zと言う立派で希少な、殆ど同じエンジン、しかもデチューン
される前のを搭載しているビッグシングルを持っていながらSRXに
ハマったのはそのデザインの良さ。グラマラスと言うには程遠い
スレンダーな車体は、無駄な贅肉の無いアスリートの女性が持つ
華奢な筋肉美のような、15年前のものとは思えない完成された
ヤマハが誇る芸術品だと思う。
美しさはノーマルが一番だけどコイツは置物じゃない。そこに潜む
走りの要素を少しずつ鍛えていった我がSRXは操縦する事が最高に
気持ちいい乗り物にもなった。天気の良い日に、フラっと峠に走りに
行ってツーリングラジアルタイヤで対応可能な速度とバンク角で
誰とも競わずにマイペースで走るのが楽し〜い(^^)。
だが大排気量単気筒エンジンをキックで始動するXTと違ってボタン
一発でセル始動できるにもかかわらず、コイツは、気楽に日常の
アシとして使うのに恐ろしく不便な乗り物だ。
何せ取り回しがベラボーに重いのと、荷物がロクに積めないからだ。
一見軽そうに見えて、カタログデータも乾燥重量で149kgなSRXは
実はとんでもなくずっしりと重たい(フィーリングの)単車なのだ。
よくバイク雑誌で「軽量な車体を生かしヒラヒラ乗る」なんてあるが
…絶対大ウソだと思う(^^;)
そりゃリッターバイクや巨大アメリカンと比べれば確かに軽いけど、
off車や2スト250ccレプリカといった「本物のヒラヒラバイク」と
比べたら全てが牧歌民謡的な「よっこらしょ〜ほいこらしょ♪」って
感じがするな、ハイコンプ鍛造ピストン&CR33φなエンジンでも、
前後サスをWPやオーリンズに換装して鍛え上げたとしてもね。
庭から引っ張り出す時の取りまわしもSRXに比べたら羽根のように
軽いTZR250RSや、殆ど同じエンジンなのに「満タン」でなければ
圧倒的に軽量なXT600Z、遥かに重たいがアップハンドルで切れ角
も大きく、エンジンガードやサイドパニアステー等の手で掴んで力を
込められる所がどこにでもあるTDM850の方が、実はラクだ。
とは言え、これはこうやって比較して愚痴っても何の意味も無い。
SRXってのはそういう所もひっくるめたバイクなんだから。
惚れてしまえばアバタもエクボ、そういう所があるのも、
またSRXらしくて良いのだ(*^^*)<ばき
じゃあマグホイル入れたりワンオフでシートレールをアルミにしたり、
エンジンにレーサーレプリカであるXT系のパーツを入れて、
車重がフワフワと軽くなったら稼働率が劇的に向上するのか?
実はそんな事はない。むしろ逆に気楽に使えなくなってしまう。
汎用性のあるカッターや文化包丁は何にでも雑に使えるけど
研ぎ澄まされた彫刻刀や、手術用メス、剃刀は、用途が特化し、
汎用性を失った結果、それにしか出来ない性能を得ている。
そういうバイクは確かに凄いし楽しい。自分のラインナップでは
TY250ZSがそれだ。でもSRXをその方向にするつもりは無い。
稼働率を上げるには、軽くするよりももう一つの理由を解決
した方がいい。つまりそれは「荷物を積めるようにする」、だ。
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華奢なテール回りはタンデムシートの上のみに荷物を括る
事しか許さない。しかも、そこにゴムひもやツーリングネットを
かけよう物ならテールカウルがギタギタに傷だらけになるのだ。
またシートからはみ出してテールカウルに過重がかかろうもの
なら3ピース構造のそれがバキッ!と無残に割れたりするので
ツーリングに使うにも辛いし、バイク用品屋でお買い得な特売品
を見つけても買えないし、日常の買い物にだって殆ど使えない。
そこでこれからももっとSRXを楽しむために、完成されたデザイン
を崩す、とずっと付けるのを躊躇していたあるパーツを遂に装着
してしまった。それはこれだ。
ドイツ・クラウザー社のK2トップケースマウント、「S-Wing」。
華奢で美しいデザインのSRXには、荷物を括るためのキャリアが
殆ど存在していない。デザインを生かしたまま、機能を付加する
小ぶりでSRX的曲線美を有するキャリアがあれば付けたかったけど
ワンオフで作るしかなかった。
止む無く、コイツを付けた。このベースプレートに専用のトップ
ケースを装着すれば皆無といって過言ではなかったSRXの積載性が
劇的に向上するのだ。広大なベースプレートはハコを付けずに
単なるキャリアとして荷物を載せる事も出来るし、アルミの目立つ
ステーにゴムひもやツーリングネットのフックを引っ掛けても使える。
なおベースプレートはあえて前後逆にしてるが、こっちの方が
ケースを固定するカギが外側に来るので使いやすいのだ。
ちなみに、SRX(セル付)に装着可能なキャリア(のような物)は、
これ以外に同じクラウザーのK2ウィングラックだけのようだ。
K3とかの方が、SRXにはデザイン的に似合うと思うんだけどな。
装着したマウントには手持ちでありながらずっと使ってなかった
K2ソフトトップケースを付けた。これは下半分がプラスチック製の
ケースだけど、上はツーリングバッグ状の布製でベルトで締めて
チャックで開閉するという、オープンカーのソフトトップみたいな
構造のトップケースだ。実はXT600Z用に全く同じの色違い品を
愛用している。
プラスチックハードケースのGiviもゴロゴロ持ってるからそっち
でもいいけど、XT-ZとSRXは、同じ系列のエンジンを載せた
言わば「兄弟車」、だからトップケースもお揃いにした方が
やっぱりオシャレじゃん(^◇^)<ばき
それに、これだとあんまり「ハコ」ってイメージが無いから、
こうやって見ると、そんなにカッコ悪くないっしょ(^^)?
誰も乗せるアテはないけど、タンデム性も向上するしね。
ただSRXの完成されたデザインの良さを一撃で破壊している
怪しい曲線を描く(まるで350SSのレインボーラインのようだ)
アルミ押し出し(引き抜き?)材の汎用ステーが光り輝いて
眩しい位に目立つからこれは近日中に黒アルマイトかけて
目立たなくする予定。
これでSRXでツーリングも、買い物も、銭湯も行けるぜ(^▽^)♪
そう、SRXは研ぎ澄まそうと思えば徹底的に鋭く尖った「武器」に
出来る乗り物だ。でも研ぎ澄まし過ぎると逆にSRXは脆くなり
先鋭化してかえって使いにくくなってしまう。
それならば逆にあえて使いやすい方向に持ってゆく方が
身近な「道具」として面白く使えるのだ。街乗りのための改造、
役に立つチューニングってのはこういう方向性もあるのさ(^^ゞ
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バイクに付ける着脱式のケース、俗称ハコに関して自分は
並々ならぬ(?)拘りがあるので、続きを書いていたら文章が
長くなったので、久々に前後編に分ける事にした。
ちゅー事で後編に続く:-p
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