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2005.11.14

ハコに関するエトセトラ(後編)

前編からの続き。

バイクに後から装着するパーツで最も金を使う価値がある物、何〜だ?
マフラー?バックステップ?ローダウン?ロンスイ?電飾?カーステ?
ブー!全部違うよん。答えは当然「後ろに乗ってくれる彼女」だ<ばき!

…ある意味であながちウソでもないが、これはウソ。本当の答えは
着脱式のトップケース
だ。ウソだと思うのなら、だまされたと思って
一度自分のバイクに付けてみて欲しい。

それを付けて、そして使い始めたら、自分の言っている事が絶対に
理解出来る。そしてそれをもう外そうとは思わなくなるはずだ(^^)。

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なになに?そんなのはカッコ悪い?おっさん臭くて若さが無い、だぁ?

自分も最初そう思っていた。こんなモノ要らない、ゴムヒモやツーリング
ネットで十分、ダセェし、かっこ悪いし、みっともない、とまで思ってた。
…そう、あの頃は自分も「ハコ童貞」だったもんなぁ<ばき

でも何処かで憧れてはいた。旧型TDMを買った頃、既にヨーロッパの
バイク乗りはトップケースやパニアケースを装着するのが当たり前で、
TDMにそれらをフル装着した姿が雑誌で紹介されていた、自分も見積
だけは取ったっけ。でもフルセットで十数万という金額に恐れをなして、
結局ウブでネンネな自分は「ハコ童貞喪失」には至らなかったのだ。

そして新型TDMに乗換えた直後、トップケースだけならそれほど高くなく
なっていたので、勢いでGiviのトップケース(E42S)を購入しちゃったのだ。
身銭を切った以上、もう後には引けず、恐る恐るハコ童貞を卒業したのだ。
そしたらもう!もう!その便利さ、素晴らしさに足先から薄くなった頭の
てっぺんまで完全にドップリとドブ漬け(笑)

その後はまるでサルのように何時でも何処でもハコをつけて走ってた。
あぁああぁ〜!、この世の中にはこんなに気持ちいい便利な物があるとは
オレはなんて世間知らずなボウヤだったんだー(T◇T)!って感じだったな。

ハコを体験せず、まるで拾ったエロ本を回し読みして得た知識で男同士で
Y談していた若かりしあの頃のように、ただ見た目だけで実態を知らずに
批判していたかつての自分って可哀相だったんねぇ、と思えてしまう程に
ハコとは圧倒的に便利で、そして素晴らしい装備だったのだ。

もしあなたがバイク乗りで、ハコを付ける事が苦で無いキャリア付の
off車に乗っていたり、ツアラー系のon車に乗っていたり、日常生活で
単車をもっと便利に使いたい、楽しみたい、と思ったら、迷わずハコの
装着を薦める。きっとバイクとの付き合い方とその世界が変わる。
大げさなようだがそのくらいのインパクトがあるのだよ、ハコには。

・・・ウソだと思うなら使ってごらんよ(^^)

 ino :「ようこそ、こちら側へ」(^^)/


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ハコには大きく分けて二種類ある。荷台の上に付けるトップケースと、
振り分けバッグのように車体の両サイドにぶら下げるように装着する
パニアケースだ。

アウトバーンをタンデムで突っ走るヨーロピアンスタイルのツーリング
なら、重心が低く、転倒したときにボディバンパーとなるサイドパニア
ケースの方がオススメだ。だが狭い国・日本では、路側帯や車間の狭間を
スリヌケ走行する事が多く、サイドパニア装着時の車幅の広さがネックと
なり、バイクとしての機動性を失ってしまう。装着するためのステーも
値段が高く、重く、見た目がゴツくなるので、正直「敷居が高い」。

それに対し、トップケースは重心が高くなるというデメリットがあるが、
車両感覚はハコ無しと殆ど変わらない。しかもサイドパニアより安く、
サイズもデザインも色々あって、装着するためのベースプレートだけなら
あまり目立たないし、タンデムする場合はパッセンジャーの背もたれにも
なるので便利な事この上ない。

極論すれば日本国内ならトップケースだけで殆どの用がこなせる
もしそれ以上が欲しくなったら、例えばタンデムで高速ツーリングとか
その時になったら、サイドパニアを入れればいいのだ。

最近はやりのビッグスクーターには広大なメットイン空間があるけど、
それでもハコ装着は必須と言ってイイほどにオススメ、ホントにホント。

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かく言う自分は、現時点で以下のトップケースを所有し、使っている。

縦列は互換性有り


左の列はドイツのクラウザーのK2シリーズ。青いのはハードケースだが、
上の色違い二つはソフトトップケースという変り種の「ハコ」で絶版品。
ツーリングバッグとハコの良い所取りを狙った物で、ワンタッチで着脱
が可能だが、概観はバッグなので目立たないし、普通のバッグのように
ベルトを締めたり、中間のジッパーを開けるとタンクバックのように容量
が倍近くに増えたりする便利な物だが、その代わりに鍵が掛けられず
雨に弱いというハコとしての最大の利点も捨て去っているので
ある程度割り切って使う必要がある。

真ん中の列はイタリアのGivi製のハードケース。形や容量が違うのだが、
ハコを装着するベースプレートが同じなので、用途に応て容量が選べる。

右の列も同じくGivi製のハードケースだが、こちらは真ん中の物とベース
プレートに互換性が無い廉価版。これも大小持っているので、同じベース
プレートさえ有していれば大きいのでも小さいのでもどちらでも装着可能。

これらのハコ、実はそれぞれ装着する車種が大体決まっているのだ(笑)

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実際に、自分の持ってる単車にハコを装着した状態で並べてみた。
だけど全てを一列に並べるのはかなり辛いので途中で断念(^^;)<ばき

まずon車。左から、SRX600+K2Soft、TDM850+48K、TZR250RS+E42S、
を付けた後ろ姿。

左からSRX+K2、TDM+48K、TZR+E42S

そしてこっちがoff車にハコを装着した状態。左奥から
CRM80+E26、TS125R+E28T、TW200+K2Hard、そしてXT600Z+K2Soft。

左からCRM+E26、TS-R+E28T、TW+K2、XT-Z+K2

これが、それぞれのハコのホームポジション。でも前述したように同一
ベースプレートが付いていればハコ同士で互換性があるので、

 TDM850、TS125R     → 48LのGiviか、28LのGiviを選択可能。
 TZR250RS、CRM80    → 42LのGiviか、26LのGiviを選択可能
 XT600Z、SRX600、TW200 → 赤soft、青soft、青Hardが選択可能

と、どんな車体でも、大きい葛篭と小さい葛篭を背負えるようにしてある。

ハコさえあれば、どんなバイクでも常にカッバを持ち歩けるし、パンク
修理キットも持ち歩ける。道中に弁当だって買えるし、メットも仕舞える、
1Lの紙パック牛乳やワインも買えるし、食パンやキウイやトマト、玉子も
潰さずに持ち帰れるし、雨が降ってもトイレットペーパーを運べるように
なるのだ。強いて言えばその感覚は例えるならこんな感じ。

「2ドアハードトップや4ドアセダンなのに、ワゴン車的に使える」

ワゴン車と違うのは、ハコは使わなければ簡単に外せる、って事かな。
でも、一度ハコに染まってしまうと、逆に付けない状態がカッコ悪くて
こんな感じで常時ハコを付けて走るようになるのだ<ばき

ハコ付きTDM

ほらね、対潜哨戒機みたいでカッコいいっしょ(^^)?←自画自賛

ただしTWだけはハコ無しで「旅」をしたり、泥遊びしたりするための
バイクなので、ハコを使わねばならない時にだけ使えるようにベース
プレート自体を常設せず蝶ナットでキャリアに仮固定して使っている。
今回は撮影で久々に背負わせたが、ハコ無し状態の方が多いな。

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これだけの台数のバイクあって、これだけのハコがあっても、乗る人間は
自分一人だけだから(泣)、大きいハコを一つ用意し、それを全車で使えば
いいんだけど(バイクだって一台あればいいのかも<ばき)、新しいハコを
買っても、色々あって古いのが手放せず結局こんな状態になった<ばき

バイクを沢山持ってる人間はゴマンといるけど、それを殆どハコ化
してる奇特な人間は自分を含めゴセンくらいしかいないかもね(^^ゞ

使わない時は部屋でゴロゴロしてるけど、メットとかウェアとかウェスト
バッグとかU字ロックとかを車種別に仕舞っておけるし、バツイチ中年の
独り暮らしならでばの贅沢としてバイク&車のパーツ置場として専用の
六畳間を確保してる自分にとってはこの程度はヘでも無いのさ(^〜^)

それに自分にとってバイクに装着するハコってのは少年の頃にTVに
齧りついて見てた、憧れの「サンダーバード2号のコンテナ」みたいな
もんだから、これはこれで結構楽しいのさ(^◇^)♪<ばき

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・・・気が付いたらまたも長文になってしまった(汗)

最後に「ハコの導師」として、これからハコ童貞卒業を目指す人向けに
「ハコを使いこなす極意」をいくつか箇条書きにしてまとめて〆よう。

 1)基本はトップケース、容量で悩んだら少しでも大きい方を買う
   →「大は小を兼ねるが小は大を兼ねない」。トップケースなら
    最大容量の物でも走行の邪魔になることは殆ど無いので
    少しでも大きい物にしよう、後に「あ〜大きくて良かった!」と
    思うシチュエーションがきっとある。ちなみに逆は無い(苦笑)

 2)オススメはGivi。クラウザー、ヘプコ、ノンファンゴ等は通好み
   →今やGiviはどこでも買える。サイズも色も選べて、しかも安い。
    とりあえず付けてみるならGiviが一押しだが、何かに拘るなら
    他のメーカーでもいい。それなりのクセはあるけどね。

 3)廉価版Giviは大きくても小さくても公称Max3kgしか積めない(!)
   →ベースもハコも強度が弱いから。沢山積むならベースプレート
    が三つ爪タイプの通常版GIviの方が高いけどオススメ。公称
    Max10kgまで積める、ただし車体側のキャリアや取り付けステー
    がそれに耐えられないような物だと意味が無いので要確認。
    
 4)中に入れたものは固定しないと転がりまくるので要注意
   →アルミ缶の炭酸飲料とかは破裂することもあるし、工具を
    そのまま入れたりすると他の荷物をボールミルにかけたように
    傷だらけにする。通常版Giviの大容量タイプは旅行トランクの
    ようなゴムベルトがあるが廉価版にはない。荷物の緩衝材と
    してタオルやゴムネット使い古しの靴下があると結構便利。

 5)ツーリングで使うなら荷物を満杯にしないようにすること
    完全防水で鍵が掛けられる空間が持てる、というハコ最大の
    メリットを生かすために必須事項。例えば雨が降ってきたら
    ウェストバッグや携帯をハコに入れ濡れないように出来るし、
    途中で温泉に入る時も財布やカメラや貴重品を入れてタオル
    一丁鍵一本で行けるし、帰りにお土産を買って持ち帰る時に
    それがハコに入らないとゴムヒモでグシャグシャになったり
    雨でズダボロになったりする。それじゃハコを付けている
    意味が無い。頻繁に出し入れしない物はハコに入れる必要は
    無いから防水スタッフバッグに入れてタンデムシートの上に
    でも括ってしまおう。


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以下蛇足:

 80ccのCRMから850ccのTDMまでほぼ全てをハコ化してる自分でも
 さすがにこいつだけはハコ化しようと思わないヤツがこれだ。

純正OPでキャリア有るんだけど(^^;)


 画像ではこのBlogでは初披露になるかな?これがヤマハ最終最後の
 2ストレーサーレプリカ、TY250ZS「なんちゃってツートラ仕様」。

 でも実は、ヤマハからこいつ用の純正オプションでママチャリの
 ようなキャリアが出てた事もあるから、もしそれが入手出来たら
 「ハコ付トライアルバイク」にするのも面白いカモ<ばき

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コメント

箱についての考察なのですが・・・

便利なんだけど・・・すっごくでかい難点があるんですよ(^^;
重くなって、重心が上に移動するから
立ちゴケしやすい!!!(号泣

バイクでこけたのは1回だけだけど(雨の握りゴケ)
立ちゴケは、両手両足・相方の両手両足でも足りない僕なので・・・(爆
この問題は非常にシビアでした・・・

が!
inoさんのおかげでハコ道に目覚めw
ついにハコでびぅ・・・www

投稿: ねこまんま書記長 | 2007.01.08 14:53

ねこまんま書記長さん:

こちらではお久しぶりです(^^)

自分が旅にメジャーなセローではなくTWをゴムひもで
パッキングして行く理由の一つがまさにそれです。
元々の重心の低いTWは荷物満載でも重心が低いので
実は取り回しも運転もし易いんですよ(^^)

あとハコをつけると乗るときや降りる時に足がハコに
引っ掛かったり勢い良く回し蹴りしちゃって、それで
車体を倒してしまったりすることもありますので要
注意です(実話)

みっともなくとも前方に振り上げた片足でシートを乗り
越える方法のほうがトラブルが無くて良いでしょう。

トップケースは「逆パンドラのハコ」だと思ってます。
開けたら終わり、じゃなくて付けたら始まり、という
事です。

…ようこそ、「こちら側」へ(^^)

 

投稿: ino | 2007.01.08 23:22

ハコ買おうとしてこちらのblogにたどりつきました。

重心から離れたところにモノくっつけるのに抵抗がありましたけど、ひとつ買ってみようと思います。

疲労時・夜間の運転にはくれぐれもお気をつけて。私はinoさんよりも少し年上ですが、視力検査で計る視力じゃなくて「目ヂカラ」が年と共におとろえるなーとしみじみしています。

投稿: Shira | 2007.06.03 11:21

Shiraさん:

こんな偏屈なBlogにコメント頂きありがとうございます(^^)
ちょっと長期地方巡業中で、レスが遅れてしまい申し訳ありませんでした。

ハコは付けた人なら納得の「チューンナップパーツ」です♪
その効果は必ず体感出来ますし、支払ったコスト以上に
メリットを得られる稀有なモノです、ぜひともハコの
素晴らしさを体感してくださいませ(^^ゞ

ここ数日は過労に過労を重ねて、さらに心労を倍カケてドンドン!
という感じで、ついにダウンしてしまい今日は宿で寝込んでます。
さすがに40に近づくと、人間無理は出来ないもんですね_| ̄|○

過労死しなない程度に、もう少し頑張ってみますp(^^;)q

 

投稿: ino | 2007.06.09 09:41

届きましたー。ハコが。

これで私も「そちら側」です~。

投稿: Shira | 2007.06.26 23:16

Shiraさん:

おお!これでShiraさんも「ハコ星人」です♪

自分も現場にくる前に愛用してるクラウザーK2
ソフトトップケースを買い増しちゃいまして、
今はそれだけで4つ持ってます(^^;)

さすがに4つあっても仕方が無いので今回色が
ダブったカーキ&青ラインのボロいモノを
(SRX用として上記で紹介してるモノ)を手放す
ことにしました。

右サイドバーで紹介してるバイク屋のシャチョーが
前から欲しがっていたのもあってそちらへ譲ります。

SRX用にはソフトトップの黒を入手したのでそれを
使い、新たに入手した程度極上のカーキ&青ライン
はTW用に使うことにしました。TW用の青いK2
ハードケースは…とりあえず自宅でドイツ製衣装
ケースとして使いますか<ばき

そうそう、お約束を忘れてました。

  「ようこそ、こちら側へ」(^^)/

投稿: ino@ハコ親善大使 | 2007.06.28 19:33

はじめまして。
giviでググったらここに辿りつきました(^^;

バイク沢山ありますね(裏山

大きいgiviあるから、今度は小さいgiviが欲しいです・・・・・

投稿: すけべ椅子 | 2013.08.29 06:45

すけべ椅子さん:

コメントいただきありがとうございます(^^ゞ

すみません、エロを連想するキーワードを自動でハネる設定に
なっているのでspam扱いになってました(^^;)

これを書いた頃にはまだTS125Rがあったなぁ、と懐かしく
自分で読み返しました。今は無きTS125Rは排気量と用途は
DF125Eに、倒立フォークの青いスズキという事ではDR-Z400SMに
魂を受け継がれて今に至ります。…つまり増えてます<ばき!

いっぱいあると、楽しいのですが、それなりに負荷もあり
現在TZRは千葉松戸のドッグファイトレーシングにて
フルオーバーホール中なのですが、その費用が約50万です(T◇T)ぅぅ
みんな年齢が上がってきたので(つまり古くなっているので)
養育費が(維持メンテ費用が)どんどん増えて行ってます。

ハコの大原則は『大は小をかねる』です。小さいハコの人が
アップグレードで大きいのを買うのはメリットがありますが
大きいハコを付けてる人は小さいハコにはなかなか戻れないと
思います。

26Lの人は33Lを使うと感動できますし
33Lの人は45Lを使うとびっくりするはず。

小さいハコを持っていて便利だな、と思うのはKSRみたいな
小さいバイクにハコを使う時ですかね、大きいのもあれば
遊びで小さいバイクに大きいハコを付けたり出来ますし・・・

投稿: ino | 2013.09.01 23:03

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» 2007-06-25 Give トップケース [アドレス125走る]
ハコが届いた。 雨具やちょっとした買い物に便利だろう。ハコは車体の重心から離れて [続きを読む]

受信: 2007.06.26 23:16

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