裸火だって制御して使う
コスト削減の一環としてガス屋と契約してないため、
かれこれ3年間のカセットコンロ暮らしをしている。
火力ではLPガスや都市ガスのコンロとはとても比較に
ならないほど弱いけれど、それでもほぼ100%自炊して
いるにも関わらず、煮物や炒め物、揚げ物、焼き物
などの、一通りの料理がこれだけで出来ている。
これはカセットコンロの火力が強いのではなく、作る
料理がたった一人分でいいからだ(自爆)
ま、元々アウトドア用のガソリンストーブ一個あれば
炊飯でも料理でも全部出来ちゃう「野宿系単車乗り」
からすればカセットコンロは「豪華絢爛な調理器具」
…なんだけどね。
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だが、カセットコンロでは出来ない料理がある。
それは焼き魚や焼肉だ。いや、やって出来ない事は
無いけど、もしやると部屋中に魚油や脂肪が焼ける
煙が充満して、全てのものが燻されてしまうので、
やりたくない。
だから、自分はそういう料理をしたくなると、軒下に
七輪を持ち出して炭火を起こし、屋外で堂々と魚や肉を
焼いている。21世紀の今ではまず見かけない風景だろう、
でもウチでは一週間に一度は見られる「日常」だ(^^;)
七輪は色々使い込んでみると想像以上に便利だ。極端な
話かもしれないが、カセットコンロが無くても七輪だけ
あれば自分は今と殆ど変わらない暮らしが出来ると思う。
これだけ常用していると、炭火着火もマッチ一本でOKだ。
そして炭火をただ暴力的に焚き上げて、食材を焼くだけ
でなく、ちゃんと火力を制御し「料理」する事が出来る
ようになる。
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七輪の炭火を「弱火」にするにはどうすればいいのか?
七輪の側面には底部に空気を供給する為の空気窓があり、
その開度が調整出来るようになっているのだが、それの
開閉では火力の調整などは到底出来ない。
じゃあどうするのか?なんて事無い、こうすりゃいい。
このようにワークを発熱源から遠ざければいい。
ここで使っているのは、折りたたみ足付きの焼き網。
足の高さが変えられるので火力調整が可能なのだ。
余談だがこの焼き網は我がTW200の旅装備の一つだ(笑)
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では七輪の炭火を「強火」にするにはどうするのか?
ワークを炭火から遠ざける事は出来ても、火力をより
増そうとして近付けるのは物理的な限界がある。
これ以上は近付けられない。ではどうするのか?
それはこれを使えばいいのだ。
見ての通りの細いホース。金魚のブクブク用でもいい、
ブレーキフルードのエア抜き用でもいい。だが太いと
ダメだ、必ず細めのものを用意しよう。でもあまりに
細いとこれまたダメなので、内径が3mmφ位の物がいい
だろう。長さは80cmもあれば事足りる。
え?何に使うかさっぱり判らないって?
そのホースの一方を手に持って、炭火に近付けるのだ。
そしてもう一方は口に咥えて息を吹く。つまりこれは
炭火に息を吹きかけて火力を増す「吹き竹」って事。
たったこれだけの事で炭火は劇的に火力を増すのだ。
吹き竹と違ってプレキシブルなホースを使うのは竹だと
長さが固定され、吹く角度まで自由にならないけれど
ホースならばたるませてもいいし、人間が座ったまま
でも吹けるし、ピンポイントで吹く場所を制御し易い
から。つまりいかようにも融通が利くのだ。
例えばフライパンや、片手鍋の取っ手と一緒にこの
ホースを握ってやれば、片手でフライパンを振って
炒め物をしながら同時に火力調節が出来たりするのだ。
これは単車で行く旅先で熾す焚火を使った料理をする
過程で覚えた技の一つを実生活に応用しているモノ。
ツーリング時に吹き竹を持ってゆくと嵩張るけれども
これならばポケットやウェストバッグに長さ80cm程の
ホースを忍ばせておけば持ち運びが自由自在だ。
しかも焚火を熾す時も、それを使って焚火料理する時
にも使えるし、いざという時、燃料ホースのスペアと
しても使ったり、ハンドルに設置した飲料を走りながら
飲むとか、色々な使い道があるのだ<ばき
ちなみに我が旅の相棒TW200にはノーマルキャリアの
パイプの中にコレを仕込んである(^^)
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たったこれだけの強弱の制御だけでコトコト煮込みや、
飯盒炊爨、分厚い肉塊や大きいマグロのカマ等に遠火
でゆっくり火を通したり、瞬発的な火力が必要な炒め
物やパスタを茹でたりする事も出来る。
欠点としては人間が七輪に付きっ切りになってしまう。
だが裸火を扱っているのだ、いい加減な事をして
火災でも起こしたら大変だからそれは当たり前。
逆に緊張感を持って食材と火力に集中して調理出来る
ので、生煮えとか焦げすぎといったありがちな失敗が
減るのさ(^^ゞ
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これを読んでいる方が、もし何らかの事情でガスや
電気が供給されなくなった時にボランティアや自治体
から七輪と木炭、マッチと飯盒を渡されたとしたら、
どうするだろう?使えるかな(^^)?
こう言うとよく帰ってくる答えはこういうセリフだ。
「そういうのはイザという時に使えばいいから日常では
使わなくてもいいし、今は使えなくてもかまわない」
…それは残念ながら間違っている。
日常で使えないものは非常時にはもっと使えない。
非常時ってのは落ち着いた日常とは違うのだ。そんな
状態になった時は、使い慣れた道具ですら上手く使え
ない事がある。つまり、使った事の無いものを使って
生活するなんて出来っこない(きっぱり)
MT車を運転する人はAT車に乗っても普通に運転出来る。
でもその逆は相当辛いだろう。…つまりそういうもんだ。
常に七輪で煮炊きしたりMT車を運転しろと言わないが
たまに使ったり、乗ってその感覚だけは忘れずにいた
方がいい、その方が生活や生き方に応用が利くのさ。
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以下蛇足:
ちなみに自分は電子レンジは持っていない。有れば
ちょっとは便利になるだろうな。実際結婚する時には
他の家電一式と一緒に電子レンジを購入したもんな。
自愛弁当を作るのに確かに便利だったけど離婚した時
元カミさんにあげちゃった。確かに「便利」だったけど
自分はそれを「必要」とはしていなかったから。
このままずっと一人暮らしを続けるのなら、今後も
電子レンジは使わないだろう。ま、無ければ無いで、
どうにかして工夫するようになるもんさ、人間って
いう、因果な生き物はね(^^ゞ
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