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2006.03.22

卒業

B4を車検に出した。1999年式のA型なので3回目の車検になる。

以前今型の2.0Rを試乗した時に見積を取ったら45万とかいう額が
出てきてびっくりしたが、よく見るとメーカー保証延長制度に
引っかかるネタがいくつかあって、自腹でかかる費用は30万程度
だそうな。これと夏タイヤは丸ボーズなのでそれを全部交換すると
高いから、最低でも今付いている内減りして溝が無くなったリヤの
スタッドレス2本を交換しないと車検には通らない。

つまり、最低でも35万くらいは掛かるのか、まあ古いスバルだから
そんなもんか、…と、思っていた。

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で、そのメーカー保証作業をさせるため、わざわざ高いディーラー
で作業して貰っていたら、以前のTS125Rのバイク屋からの連絡と
同じような不吉な連絡が携帯電話に入ってきた。

何でもクラッチ廻り一式総交換と触媒付きのセンターパイプ廻りも
腐食で穴が開きかけてるとかなんとか…オイオイ(汗)

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とりあえずそれを見に、今日仕事の後でディーラーに行った。

B4はジャッキアップされ、ホイルとプロペラシャフト、エキパイ、
ミッションが下ろされていた。確かに見るとクラッチの磨耗は
相当にある、確かにこれはダメだな。渋滞にハマると微速の
半クラでかなりジャダが出てたのはこれが原因か(--;)<ばき
よく見るとプレートを受けるフライホイル側も磨耗していた。

色々な臓物を抜かれたB4の下から足廻りも見上げてみた。
…やっぱりそれなりに消耗というか、劣化というか、月日の流れを
強烈に感じる状態になっていた。自慢のビルシュタインのサスも
F側のロア側が錆々だ。リヤのサスは抜けてて交換が必要とか。

で、全てを修理したら幾らなの、と再見積を取ったら…アゥ(-◇-;)
正直、ここでB4を廃車にするべきだな、と思うような値段だった。

何故なら、それだけ費やしてやっても、多分今回手を掛けなかった
部位からまたトラブルが出るだろうから。ジャッキUPされたB4の
下回りはそれを雄弁に物語っていた。全てのブッシュやマウント、
稼動部を交換し出したら、幾らかかるか判らない。しかもそれを
直しても…直しても…直しても…ネバーエンデリングストーリーだ。

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色々考えた。ドコドコ言うフジツボと5MTのツインターボな紫色の
B4-RSKは、自分で言うのも何だがチョイ悪なバツイチ中年オヤヂに
かなり似合いの、ワルい(実はそんな所が結構自慢の)車だ。

それに離婚後の丸三年間、それまで単車一辺倒だった自分でも
十分四輪車と言うモノを満喫出来た程に、コイツには今に至るまで
たっぷりと楽しませてもらった。

コイツを入手し、初めて行った現場出張、離婚直後のズダボロに
なった血の止まらぬ生の心傷を無感情という仮面で覆い隠して
過労死目指して自暴自棄的に働いていたあの頃、神経がささくれ
立って夜も眠れず海岸線をセカンダリーブーストかけてぶっ飛ばし、
岬の灯台の駐車場に止めていた時に、FMラジオから流れてきた
aikoの「おやすみなさい」を聞いて、その心の仮面が砕け、正気を
取り戻して耐え切れずに車内で慟哭したっけなぁ…

そんな様々な事が走馬灯のように蘇る。可能ならば延命させて乗り
続けてやりたい!…だが、このまま乗り続ける事は、ポンコツ地獄、
つまり「スバル車底無し泥沼にハマる」事を意味していた。

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正直、クラッチ一式を換えて、排気系もごっそり換えて、ブレーキの
ローターやパッド、タイヤも全部換える必要があり、他にも多々の
大物消耗品が一気に寿命に来ている今が、いや、今だからこそ、
我が愛車、B4と別れの時…なのかもな。

そう思ってたら営業マンが新車の見積を持ってきた。さすがだ<ばき

すると3月末も押し迫った状態なので想像を越えた額の値引が入る
しかもちょっと突付くたびにどんどん値引きが掛かるではないか!
しかもそんな瀕死の状態のB4も「新車購入」というエサをぶら下げ
てやると下取り価格がズルズル上がってゆく。

そこで悪乗りで思い切り「どうせダメだろ?」な額を提示し、さらに
B4からのオーディオ全移植、レカロ取り外し、といった付随作業を
全て無料でやってくれたら、という条件を出した後にダメ出しする
つもりでテーブルの上にあったチラシの表紙にあった物を指差して
じゃあこの5万円のオプションもタダで付けくれたら新車買うかもよ、
とやってみた。我ながらエゲツ無い事をやったもんだ(--;)<ばき

すると所長決済?でなんとそれを全部クリアしやがった(^^;)

最終的には以前試しに取った見積って…一体何だったのよ?と
思わずには居られない驚愕の**万引きが示された。良いのか(^^;)?
(諸般の事情で詳細は現時点で公表出来ないような額なのだ)

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その数字を前にして、自分の脳内では正と負の葛藤が暴発していた。

 正のino:「ココまで下がるのなら、新車を買ってもいいかもな」
 負のino:「いや、その額を見てみろ、貯めるのに***日必要だぞ」
 正のino:「だが、金は使ってナンボ、使わないと単なる紙だろ」
 負のino:「使わないと言う事は、可能性を温存するって事だぞ」
 正のino:「これなら貯蓄系資金を一円も使わず現金払いで買える」
 負のino:「待て!、食費に直したら**年分なんだぞ、高い高い!」
 正のino:「でも一生に一度位は新車を買ってみるのも有りだろ?」
 負のino:「いや、オレに普通自動車は要らない、軽1BOXでいい!」
 正のino:「でもこのまま貧乏生活続けて明るい未来があるか?」
 負のino:「普通車は金食い虫だ、必要になったらその時買え!」

両者、確かに一理ある、さすがはオレだぜ(^^ゞ<ばき

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おフザケは置いておいて、冷静に考えてみた。

現場出張が一年程無い事を考えると普通車を買う必要は確かに無い。
車があっても正直そんなに乗るわけでもないからアトレーがあれば
それで十分だ。

だが一年後には現場行脚が始まるから、そう考えるとそれまでには
壊れない普通車」が必要になる。それに今の駐車場は一度契約を
切ると新たに契約出来るか判らないから結局維持しないとならない。

それに、今の暮らしも離婚後からずっと丸3年間殆ど変わらずに継続
していて、一部マンネリ化している事は否めない。何かしらの新しい
刺激を今の暮らしに与えてもいいかもな…

段々と、そういう風に意識が変わってきた。

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とりあえず今の自分の暮らしの現状維持だけで満足しないで、
今までとは全く違う、新たな一歩を踏み出して見るのもいいだろ。
そうしないと今と何も変わらないまま、月日だけダラダラ経って
しまうじゃないか。残りの人生は多分そんなに長くは無いのだ、
どうあがいても長くて30〜40年位しか無いんだぜ<ばき

そう、そろそろ何か新しい事に挑戦してもいい頃だ、だろ?

来年現場に出れば、そこで上乗せされる残業代や各種手当てで
この金額なら余裕でお釣りが来るじゃん、そういう自分の今の
経済力を持ってすれば、一生に一度は新車を買う経験をしても
いいんじゃないの?

ディーラーの閉店間際まで散々悩んだ。金銭的価値は無くとも
換算出来ないほどの思い入れがたっぷり篭ったB4との思い出も
天秤にかけて、悩みに悩んで…そんなB4から卒業する事にした。

  元カミさんと過ごした時間よりも長く自分の傍にいたB4、
  二輪大好きな自分に速い四輪の面白さを教えてくれたB4、
  自分史上で最高の音量と音質の音楽を提供してくれたB4、
  4WD+スタッドレスで雪山スポーツに開眼させてくれたB4、
  かなり癖のある、だがそれも自慢だった我が最速の車B4、

…今までありがとう、本当に楽しかったよ(^^)

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粘りに粘った結果作られた注文書にサインして判子を突いたのは
現行レガシィのB4、では無くて、あえて今までと違うカーライフを
目指すべくライトバンワゴンを選んでみた。スキー&スノボに便利
と思ったのと、現場行脚をするならワゴンの方が荷物を積めるのと
新車同様、一生に一度はワゴンと言うジャンルも体験してみよう!
と思ってね(*^^*)

グレードは以前の公約通り最廉価SOHCの2.0i、そして当然5MT。
ターボの馬力はもう要らない。速さももういらない。タービンより、
DOHCよりも、16インチホイルでレギュラー仕様で、1.3tの軽さと
5MTの4WDと、広い荷室が生み出す楽しさと低燃費、実用性に
魅力を感じたのさ(^◇^)


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乗ってる車が変わってもその人の人生や生き様は変わらない。
でも何かしらの新しい一歩を踏み出して、何かしらの今までとは
違う経験を積む事は確かだ。

自分は守るべき物を失って、もう守りに入る必要の無い人生を
生きている。おっくうがらずに、面倒がらずに、出し惜しみせずに、
七転びしたら八起きすればいい!現状に留まらず、新天地を恐れず
常に前向きに「今」と、そして「未来」を生きなきゃね(^^)♪


 

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コメント

車の耐用年数は設計時で8年(7年だったかも)と聞いたことがあります。(メーカーごとに違うようですが。) 乗り方にも結構左右されるようですけれどね。(安全マージンはそれなりにとっていると思うので、すぐ壊れるわけではないでしょうが。) 
 ともあれ、新しい「新車」ライフを楽しんでくださいね。

投稿: 剣片喰 | 2006.03.23 20:14

剣片喰さん:

いつもコメントありがとうございます(^^)

単車は車齢20年前後のが3台(XT-Z、TW、CRM)もあるのに
TDMより若い、たった7年の、しかもたった10万キロしか
走ってないB4を見切るのか、かなり悩んだのですが、
そこまで直すとなると、パワステポンプやオルタネーターも
交換しないとあかんようでしたし、始動時のエンジンからの
カタカタ音からして、タペットクリアランス調整が必要か、
場合によってはピストンの首振りが疑われ、どうせそこまで
やるなら、ブースト圧が落ちているようなプライマリー
タービンの交換や、足廻りの稼動部もフルOH・・・という
メニューとなると、かかる費用が「6桁台」に入ります(汗)

そういう「ポンコツ道楽」は単車で極める事にして、四輪では
いつ壊れるか、という不安や不平不満を抱えたまま乗るのは
得策じゃないし、何より「楽しくない」、と思い、心を鬼にして
3年間連れ添った気の合う相方とサヨナラする事にしました。

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以前アトレーのルームミラーがポロリと落ちた話をUPしましたが、
四輪車って、単車に比べると「ヘタリ感」が早くて、大きいです。

商品寿命を長くすると、乗り換え需要が喚起されない、という
事でしょうか?個人的には車もTVゲーム機のように、
イニシャルコストを下げてみんなに買ってもらい、その後の
アプリケーションや、カスタマイズ、延命処置でコツコツと
カネをユーザーから搾り取る(苦笑)方が、儲かるし、ブランド
イメージも良い方に確立すると思うのですが・・・(^^;)

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四輪の新車購入は37歳にして初めての体験です(^^)

暴力的値引きとゲタを履いた下取り査定、無料作業の
サービスがテンコ盛りされた見積もりと、死に体のB4を
延命させた場合のコストの差額が今回の想定外の
イニシャルコストで発生しますが、これも何かの縁(^^)

人生に付き物である、そんな縁を一つ一つ大切にして
行きたい(=生きたい)と思います(^^ゞ

 
 

投稿: ino | 2006.03.25 09:49

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