4月前半に納車されたにもかかわらず、その後天気が良くて
ろくに乗らずに300kmほどしか走らなかった我がレガシィ2.0i
このGW、ナラシをかねて1000kmほど乗り込んで、ようやく
この個体に慣れて来た気がする。
そこで、ハイパワーターボ車である旧型B4-RSK(MT)乗りが、
最廉価版レガシィ2.0i(MT)に乗り換えた感想を書いてみよう。
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★外観編
チョイ悪で派手な紫メタのセダンから地味を地で行く灰色の
ワゴンに乗り換えたので、外観的には一気に老けた(-◇-;)
だが新型レガシィのフロントデザインは旧B4よりずっと良い♪
とはいえリヤはライトバン臭が漂うワゴン形状…うーむむ、
あえてノーコメントとしておこう、正直な気持ち、リヤから
見た旧型B4は最高にカッコいいし、新型BLレガシィB4だって
BPより車としては数段カッコいい。ま、前からならBLもBPも
同じさ(^^)<ばき
他のグレードと比べて2.0iと一目で判る特徴は、一本出しの
マフラーと16インチのホイル。でも逆にそれ以外の差は無い。
アイドリング音は車外で聞くと「カラカラカラ…」という
安っぽい商用車のソレで、ツインカムターボエンジンの精密
機械的なソレと比べるのはちょっと悲しい。ま、乗り込んで
しまえば運転席では判らないけどね。
排気音はとても静かだ。不等長エキパイが発する凄みのある
脈動音を、大口径テールパイプのフジツボから重低音化して
吐き出した旧B4のようなド迫力は無いが、静かな車はそれに
勝る価値がある。
★内装編
とても安っぽくなった。プラスチッキーで作りがチャチくて、
高級感や重厚感が無くなってしまった。しかも全席が以前と
比べて狭く(感じられるように?)なった。どういうこっちゃ?
特にリヤシートは旧B4を100とすると60くらいの出来かも。
買替えにあたり、安いフォレスターやインプレッサワゴンで
なく、レガシィを選んだの理由の一つが後部座席の居住性の
つもりだったのだが、…差が無いじゃん。
特にリヤシートの座面の低さは如何ともしがたいもんがある。
折り畳んで貨物車として使うためには仕方無いかもしれない
けど、自分は正直リヤに乗りたくない。自分独りで乗る車
だから、リヤシートはポルシェカレラと同じ2by2、つまり
1マイルシートのエマージェンシーだ、と割り切ろう(--;)
対してフロントシートは悪くない、旧型のノーマルは一気に
腰に来たけど新型のは1000km走っても腰痛は出なかった。
とはいえ、もう少ししたらB4で使っていたレカロを運転席も
助手席も入れて交換しちゃうけどね:-p
ちなみに特にコストダウンと使い勝手の悪さと安っぽさから
「劣化」を痛感するのがドリンクホルダー。仕事で使ってる
サニーADバンのソレとほぼ同じ使い勝手と品質。旧型BEや
BHの凝ってて、しかも使い勝手も良かったアレからは確実に
退化&省略&コストダウンされちゃったのはとても残念だ。
★動力性能編
ブーストがかかる回転数でなければ、SOHCエンジンの2.0i
とDOHCのターボに大差は無い。ターボ無しのSOHCも町乗り
ならば、3000rpmでシフトアップして行けば普通に他車を
リードして走れる。ちょっと頑張るならば1速から3速まで
5000rpmまで引っ張ればターボ車には追いつけないけれど、
140PSの非力なエンジンは想像した以上に走ってくれる。
でも高速道路ではカッタルイ(苦笑)、とはいえカッタルイ
加速から巡航モードに移ればやっぱりそんな大差はない。
そこからの加速はやっぱりカッタルイけどね。巡航ならば
ナラシ中でもぬえわとかも問題無かったよ(^^;;)
レガシィ2.0i(MT)って速くないけど決して遅くも無い
2.0iのMTは、クロスレシオなスポーティーなギヤ比のMTが
多い中、体感的には「4速+オーバートップ」と感じられる
ギヤ比に設定されている。おかげで街中だと実用上4速まで
しか使えない。60km/H以下では5速に入れるのも難しい。
5速の100km/H巡航で2600rpmしか回らないので60km/Hだと
1500rpm程度。この領域だと燃費が悪いので4速で走った方が
燃費がいいし、加速もエンブレも効く、といい事だらけだ。
でもこのギヤ比設定が実に素晴らしい♪非力なエンジンに
4速+1的なギヤ比だと、全てのギヤにちゃんと役割分担が
あるから。現状の速度や加速するシチュエーションにあわせ
キッチリ正しいギヤを選ばないと望むような加減速といった
制御が出来ない。例えば「一速落とした方がいいかな?」
と、思う所では本当に一速落とさないとアクセル踏んだだけ
では思うような加速をしてくれない。トルクフルなターボ車
だと、一速あたりの守備範囲が広いけど、2.0iは例えば3速で
走らねばならない時は3速を選ぶ必要がある。面白い(^^)
ちなみに2.0iのAT車は4速だけどそのギヤ比はMTと比べて
以下の通り。オマケで2.0Rと2.0GTの5MTのギヤ比も並べて
みよう。
:2.0i(AT)|2.0i(MT)| 2.0R | 2.0GT
5速 : - | 0.780 | 0.825| 0.738
4速 : 0.694 | 0.972 | 1.088| 0.972
3速 : 1.000 | 1.366 | 1.448| 1.296
2速 : 1.545 | 1.947 | 2.062| 1.882
1速 : 2.785 | 3.454 | 3.454| 3.166
final: 4.111 | 4.111 | 4.111| 4.111
これを見ると全車最終減速比が同じでやんの(^^;)
リヤデフを2.0GTのにすれば2.0iにもLSDが付くのか<ばき
2.0i(MT)は1速はローギヤで5速が2.0GTに次ぐハイギヤだ。
馬力が半分、トルクも約半分強しか無い事を考えると脅威の
ギヤ比?(苦笑)。つまり5速で相当広いギヤ比をカバーして
いるワイドレシオミッションという事。
2.0i(AT)は全てがかなりハイギヤードでギヤ間レシオ差が
大きい。よってシグナルダッシュは遅く、変速ショックが
それなりにあるが、かわりに高速巡航時は一番ハイギヤで
燃費が一番良さそうだ。ちなみに2.0RのAT車は、せっかく
ブンブン良く回るDOHCエンジンなのに、なんとこれと全く
同じギヤ比。ファイナルだけローギヤード化され4.444だが、
全てのギヤ比がせっかくのDOHCを殺している。
ちゃんと2.0R(MT)は回るエンジン用にクロスミッション化
されている。2.0GTはトルクを生かして加速すべくクロス
しつつ全体的にハイギヤ化されている。へぇ、スバルって
ATは3.0Rや2.0GTの5ATもファイナル以外同じギヤ比、つまり
流用ばっかりしてるけど、MTに関してはちゃんとエンジン
キャラ毎にギヤ比を細かく調整してるんだ、さすがだね(^^)
ちなみに2.0i、100km/Hから追い越し加速しようとするなら、
一速落しだとターボ乗りからすると愕然とするほどゆっくり
しか加速しないけど、思い切って3速まで落してアクセルを
ベタ踏みすれば結構な勢いで加速してくれる。頑張っても
6000rpmまでというSOHCエンジンをキッチリ使い切り走れば、
想像以上に走ってくれる。タービンが無く、カムが一本でも
ウチの車には5MTとクラッチという最終兵器が付いてる。
…つくづく、MTにしといて良かったよ(^^)
★乗り心地編
硬い足廻りと17インチ45タイヤのB4-RSKと比べると適度に
柔軟で16インチ55タイヤの2.0iは乗り心地はとてもいい。
段減りした轍でハンドルが取られるような事は殆どないし、
道路の繋ぎ目で跳ねる感じも無い。16インチの方がこの
車には合ってるんじゃないだろうか?負け惜しみじゃな<ばき
それでいてコーナーリングはB4-RSKとほぼ同等。いや、
SOHCエンジンでスカスカなエンジンルームだからか(^^;)?
鼻先が圧倒的に軽い感じで、適度に重くなった(逆にB4は
軽すぎた)ハンドルフィールとあいまって回頭性は段違いに
良い。ぐいぐいと鼻先をコーナー入り口に突っ込める感じ。
少し攻めてもビルシュタインじゃない足廻りで全く不満が
無い。ボディー剛性もワゴンで弱いという感じは皆無だし、
「重たい感」も全く無い。上りは非力ゆえダメダメだけど、
下りなら、結構頑張って走れるだろう。でもそう走ろうと
するとワイドレシオミッションである事が恨めしいかも(^^;;)
★燃費編
旧型B4-RSK(MT)の燃費は街乗り約9km/L、高速で約11km/L
だった。それに対し2.0i(MT)は町乗り約10km/L、高速は
約12km/Lとさほど燃費は良くなくて、最初ガックリ_| ̄|○
でもこれは無意識で乗るとこうなるという事。つまりターボ
車である旧B4と同じ感覚を求めてアクセルを踏んでいると
加速のニブさにイライラしつつ燃料も浪費してしまう(苦笑)
だけど、2.0iを2.0iとして納得して乗れば燃費は向上する。
燃費をかなり意識して速度とアクセルワークに気を使って
走ったら、高速50%+一般道50%の277kmの行程で19.4Lの
消費、つまり燃費が14.28km/Lと、あっけなくカタログ
燃費を上回る数値を叩き出した。
ちなみにその時の燃費計の値はこの通りAVG14.1km/L。

どうもこの燃費計よりも実際の燃費の方が悪い傾向を出す
ようだが、私的エコランテクニックに勤めた結果、3回目の
給油で初めて燃費計の値よりも良い結果を出せたよ(^^)
ギヤ比的に燃費に有利なAT車はもう少し伸びるのかな?
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以上、長くなったけど、最後に一番の不満を書いて終わろう。
これは悪口を言ってるんじゃなくて、そこさえ改善されたらば
もっと素晴らしい車になるのに、という事の裏返しという事。
それは新型レガシィはアクセルレスポンスが悪いという事。
そういう話を知人にしたら、ターボ車と比べたらばNAだから
回転が鈍いのは当たり前、と言われたがそういう意味でなく
アクセルの入力に対しエンジンが反応する速度がニブい
という事だ。
具体的にどうなるかというと、1速でクラッチミートして
加速し2速に上げるべくクラッチを踏み、アクセルを離すと
そこから0.1秒から0.2秒ほどの間、エンジンがまだ吹ける。
つまりアクセルから足を離してもエンジンが回る、という
違和感バリバリのシチュエーションを毎回感じるのだ。
また1速でクラッチミートする時もアクセルを踏んでから
エンジンが反応するまで、若干のタイムラグがある感じが
ある。だからMTに慣れている人も不用意にエンストする。
水平対向エンジンだから低速トルクが細いのだ、と勘違い
してしまうかもしれないがこれは違う、明らかに人が操作
する感覚とエンジンの反応にタイムラグがあるのだ。
これは電子制御スロットルの反応の鈍さが原因らしい。
変速機が勝手にそういう制御をするのが嫌でMTに乗ってる
のに、よりによって肝心のアクセルが人の管理から外れて
電子制御されニブニブとなっているのはとても残念に思う。
今のNAレガシィのスロットルレスポンスはターボの旧型
B4より悪いと思う。少なくとも旧型B4にはターボラグや
ツインターボ特有のトルクの谷はあっても、アクセルを
踏み込んだ瞬間からエンジンからタイヤに弱くとも何らかの
トラクションがかかるのを身体が察知出来た。今のレガシィ
だとそれが本当にごく少しの差なんだけど遅れて来るのだ。
それはまるでピックアップの鋭い強制開閉キャブに
対する出来の悪い安物負圧キャブのそれのような関係、
と言えば単車乗りには理解しやすいかもしれない(苦笑)
これさえ改善すればなぁ…電子制御をキャンセルして直接
スロットルバルブをワイヤーで引っ張って回す改造って
出来ないのだろうか(-_-;)?
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このBPレガシィのニブいスロットルレスポンスと比べると、
我がメインカーであるアトレーMXターボが、まるで純粋な
スポーツカーのような、カミソリのように鋭いリアルスロットル
レスポンスで乗っていてとても気持ちがいい事を再確認する
ハメになった(^^;)
MXターボはパワステすら付いていないのでステアリングも
圧倒的ダイレクトフィール、エンジンもかのミラTR-XXと
同じ強心臓ターボを5MTを駆使して操れるし、軽1BOXでも
レガシィと比べりゃライトウェイトで、しかも一応フロント
ミッドシップFR…だもんなぁ、ABSだって当然無いし(笑)
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