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2006.07.04

その実験、逆効果だよ

前回のネタの最後に少し書いたけど、ちょっと前に、青森県で
以前千葉県で行われたのと同じ、最低賃金で生活する、という
「実験」が行われたらしい。

ネットニュースにそういうネタがあったので以下URLを参照。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060627-00000015-mailo-l02

…とはいっても、多分あっという間に消えてしまうだろうから
以下全文を引用。なお改行位置は変更し、数字は半角に変更、
内容の太字処理は自分の判断で行っている。

------以下引用------

青森ニュース - 6月27日(火)12時2分

最低賃金:人は時給608円で生きられるか
     県労連4人が“実験” /青森

 ◇冷や麦、水でも赤字
 県労働組合総連合(苫米地宣広議長)は今月1日から、時給
 608円という全国最低の最低賃金で本当に生活できるのかを
 調べるため、専従職員4人による1カ月間の「最低賃金生活
 体験」を行っている。このほどまとまった中間結果(19日現在)
 によると、食事を冷や麦やカップめんなどで我慢し、
食費を
 極限まで
削らないと生きていけない厳しい現実が浮き彫りに
 なった。【村松洋】

 05年度の都道府県別の最低賃金を見ると、青森は岩手、秋田、
 沖縄など7県と並んで最低額の608円。最高額の東京都の714円、
 神奈川県の712円とは100円以上も差が開いている。

 最低賃金の引き上げを目指している県労連は「最低賃金では
 人間らしい生活は送れない
」との主張を実証しようと、1日
 から30日までの「生活体験」に踏み切った。1カ月の生活費は、
 時給608円で22日間(1日8時間)勤務したと想定して計算。賃金
 10万7008円、手取り額9万4227円とした。住居費は青森市の
 標準生計費を基に、一律
2万1820円に設定した。

 ◇1カ月もたずギブアップ
 中間結果によると、40代の男性は、食事の回数を減らして
 空腹をコーヒーでごまかしながらも、19日までの食費は2万
 1796円にのぼった。残額は3万8351円。「ストレスが蓄積して
 いく。
これは最低賃金体験ではなく人体実験だ」と
 感想を漏らした。

 20代男性の主食は、特売で買った冷や麦。飲み物はペット
 ボトルに水を入れ、ジュース替わりにしているという。一方、
 30代女性は残額が既に4504円。家族と同居しているため食費を
 極端に削れず、「まだ携帯電話代を引いておらず、車のガソ
 リンもなくなってきた」とほとんどギブアップ状態だ。
 
 
県労連は「最低賃金では、最低限の生活すら送ることは
 できない」と最低最賃の引き上げを求めている。

 …………………………………………………………………………
  ◆最低賃金608円での生活体験◆(19日現在)
       食費  住居費 衣料費 支出総額  残金
 40代男性 2万1796 2万1820   800  5万5876 3万8351
 20代男性 1万4251 2万1820   105  8万6390   7937
 40代女性 1万5895 2万1820    0  4万 521 5万3706
 30代女性 2万6838 2万1820    0  8万9723   4504
  1カ月最低賃金=10万7008 ▽うち生活費=9万7227
  ※単位・円

------以上引用------

これを見る限り、自分は「最低賃金って低いんだな」、という
印象は全く持てず、逆に青森県は、相当恵まれた環境で
贅沢な暮らしが出来るんだな、としか思えない…(-◇-;)

そこで、それ以下の「最低限の生活すらしていない」と酷評
されるであろう我が日常生活の具体例を挙げて、「実験」した
連中に反論してみようと思う。

1)地域別で最低水準の時給608円は妥当

 そもそも上記の計算は家賃が異様に安い。千葉県の最低
 賃金は2004年時で青森よりも高いけど、家賃が青森より高い
 から結局毎月使える金は青森の方が一万円も多くなる。つまり
 地域によって格差があるのは当たり前だ。逆に青森県の方が
 千葉県や東京都、神奈川県と比べ不当に優遇されてる、と言う
 べきだろう。


2)今回の実験の目的と結論はやる前から意図されていた

 今回の「実験」は、元々給与水準が一般労働者より高水準な
 労働組合の専従者が、その高貴なる日常生活で行っている。
 一般庶民よりは金持ちな人間が、戯れで貧乏生活を体験して
 いるだけだから、そりゃ悲惨な思いをするに決まってる。

 だが常に貧乏生活をしている人間からすればそれはゴーマン
 以外の何モノでも無いよ。凸(--;)なめんなヨ!


3)…などとホザいている自分はどうなのか?

 この「実験」、自分のような貧乏人を使ったらどうなるのか
 試算してみよう。今年に入ってから自分に発生した趣味や
 家賃を除いた「真の生活費」は以下の通りだ。人間らしい
 生活、という事を強調するために千葉市のデータと比較する
 際には除外していた交際費を入れた。つまりそれは「食費+
 生活費+医療費+光熱水費+交通費+通信費+交際費」だ。

    1月 46212円
    2月 35453円
    3月 54276円
    4月 40997円
    5月 60578円
    6月 45919円
    -------------
    平均 47240円/月

 これでも自分は単なる普通のサラリーマンなのであしからず:-p

 青森の場合の計算だと毎月になんと72407円も使えるから、
 平均で毎月2.5万円の余剰金が発生する事になる。ちなみに
 この自分の生活レベルとは民間の掛捨て医療保険に加入し、
 携帯電話を持ち、インターネットをADSLで繋ぎ、太るほど
 食える生活だ。そりゃ確かにLPガス屋とは契約してないし、
 七輪で魚を焼いて食っているが、それは『人間らしい生活』
 ではない、とは言わせないぞ。

 なにせちょっと前の日本、いや、今も都心の安アパートに
 暮らす人なら銭湯で暮らすのは当たり前の事なんだから。

 なのにそういう人らに向かって「お前らは最低生活以下の
 人体実験のような暮らしをしてやがる」と、よくまぁ言える
 もんだな(--;)


4)人は時給608円で生活出来ないのか?

 この通り日常的にそういう生活をやってる本人が言うと信憑
 性が怪しいかもしれないが、自分の生活は「最低レベルを
 下回る悲惨な生活」とは言えないと思う。だが、あえてこの
 生活が彼らの言う「最低レベルの生活」と仮定して、この
 暮らしをするために必要な時給を逆算してみよう。

 つまり生活費47240円+家賃21820円=69060円の収入が必要と
 なる。上記記事を元に総収入から天引きされる額は約10%?
 らしいだから便宜的に1.1倍すると額面収入が75966円あれば
 今の暮らしが出来る事になる。これを連中が使った計算で
 時給に直すと

    75966円/(22日*8時間)=時給432円

 これだけあれば、オレは今まで通り生きていけるのだ(苦笑)。

 これ以上の所得は余剰金。つまり時給608円の生活は今の
 自分と同レベルの生活をしながら毎月老後のためコツコツと
 貯金まで出来る余裕たっぷりの給料という事になる。

 …これでも「人間として最低限以下の生活であり人体実験」
 なのか?40代の組合専従のブルジョア君よ。


5)時給432円レベルの生活は「人間らしい生活」ではないのか?

 何も考えずにカネでモノを買って、それがないと生きられない、
 という方がよっぽど「人間らしい知的活動を放棄し文明文化に
 雁字搦めに支配された非人間的な生活」だと思う。そういう
 「スーパーゴージャスなモノに支配された生活」ばっかりして
 いる彼らに言わせれば自分は「人間らしくなく、人体実験を
 されているようだ」と、なるのだな(苦笑)

 だがオレはこう見えても連中より間違いなく「健康で文化的な
 人間らしい生活」をしてるつもりだぜ、カネを使わず代わりに
 知恵と工夫を使い自然の恵みを享受しながら、しっかり地に
 足を付けて身の丈に見合った生き様を構築してるからね(^^)


6)じゃあ本当の「最低賃金」とはいくらなのか?

 今の自分の生活には最低限必要と言い難い贅沢品である携帯
 電話があるし、ネット環境もある。掛捨ての民間医療保険も
 ある、食費だってもうちょっと頑張れば毎月6000円程で十分
 食っていける。それでもなお、その暮らしを「最低な生活」と
 は思わないけど、仮にそれを最低生活としてみよう。

 さっき算出した自分の平均的な生活費から通信費1万、掛捨て
 保険6000円、食費を4000円削ると毎月の生活費は27240円になる。
 これに青森の平均家賃21820円を加えた49060円が自分的には
 「最低賃金」かな、と思う。

 それを1.1倍した53966円を22日間8時間労働で得るとするなら
 その時給は307円。これ以下はさすがに自分もキツイ(苦笑)

 ちなみに都会のホームレスは空き缶拾いや日雇い労働によって
 3万円/月程度の収入を得ることが出来るらしい、と以前何かの
 雑誌で読んだ事がある。思うに、このあたりが一つの限界点に
 して境界線、つまり本当の意味での「最低賃金」なんだと思う。


7)では全ての労働者が時給307円であれば、それでいいのか?

 それは違う。どんな労働であっても、それで生活するための
 本業であれば、(副業ならそれを保障する必要など皆無だ)、
 最低限そのくらいを保障しないと生活する事が困難になる、
 というものに過ぎない。

 賃金はその人間が行う労働の量と質の積算に見合った額を正々
 堂々と受け取るべき物だ。だからいくら時給307円あれば人は
 生きているからといって、それしか給料を払わないのは暴論だ。

 貰った給料をどうやって使うのかは貰った側の自由だ。時給
 307円や時給432円で生活出来るからといって、どんな仕事を
 していても、それだけの給料で良い、という事ではないのだ。

 見合う対価は堂々と請求すべきで、胸を張って受け取るべき!
 給料を貰うという事は立派なプロフェッショナルなんだから。

 かく言う自分は青森なら時給432円で賄える生活レベルでは
 あるけど、実際に発生する家賃は青森と違って2万台では
 なく7万だし、日常を絞る反動として別の用途で多くのカネを
 使っている。さらに社会負担費を毎月10万も搾り取られて
 いるありさまだ。_| ̄|○

------------

結論として、彼等の言う最低賃金とは、ちっとも最低賃金じゃ
なく時給608円とは十分に生活出来る給料で、地域格差は
少なすぎて都会が逆差別されて不当に差が押さえられてる。

つまり、青森で行った「実験」の本当の結論とは、皮肉な事に
彼らが意図した事の真逆なんだよね(大笑)

 

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