意識しないと見逃す色彩
単なるサラリーマンなのだが、研究職というヤクザな仕事をしてる
自分はふとした事情で、某所にある廃棄物置き場に出向く事がある。
そこにはまだ機能を一切失っていない様々な使い込まれた品々や、
まだまだ高額なる金銭価値を有しているだろう新鋭機器がゴロゴロ
廃棄され転がっている。例えば大画面液晶モニター等。いつもそれを
見る度に使えるものを捨てねば成り立たたない現代社会の状況や
こういったものを廃棄せざるを得ない税制に疑問を感じて仕方ない。
ここにあるものをクラッシャーにかけシュレッダ屑とせず例えば空き
缶を拾って生活しているホームレスらに毎日一つずつ進呈して街の
中古PC屋に売れば彼らの生活は今よりもはるかに潤うはず…という
より、そんな事したら今の自分の給料より手取りが多いか(^^;)<ばき
だがそういう事をすると一見全てが上手く廻るように思えるが、実は
様々な弊害が出るのだ、つまり本来破棄されるべきものが市場に沢山
出戻るとその商品の市場価値が下がり、そして類似の新品製品が
売れなくなって、廻りまわると付加価値をもたせた製品を買い換え
させる事で成り立ってる現在の物質経済がキレイに破綻するのだ。
もし本当に全国民が3R(Recycle&Reuse&Reduce)を本気でやって
しまったら日本の経済は、そして国民の生活は間違いなく破綻する。
つまり今の経済っていうのは「破壊しないと創造されない」状態なんだ。
だがそれら(3R)は人の生活の中で常に意識しながら生きねばならない
基本的道徳でもあるのだ。つまり今の世の中は人としての原理原則を
大半を無視しながら、なのに適度に守ろうと声を上げチャカしながらで
ないと成立しないような矛盾に満ちた状態なのだ。
今の社会構造が、3Rとわざわざ造語して訴えねばならない、そんな
当たり前の事を真面目にやっただけで破綻してしまうような偽善的な
システムなら、いっそのことそれこそ全国民3R遂行による革命により
「破壊しちゃって、そして新しく創造する」必要がある!と思うのは…
そうなった場合に即ホームレス生活が出来るオレくらいなもんだな:-p
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おっと、またいつものようなヨタ話を続けてしまう事だった(^^;)
今回の本題はそんな事じゃない。実はそんなゴミの山の中に、ある
「美しい色彩」を見たのだ。それは金属の切削加工を行った後らしき
金属クズの山だった。
廻りの類似の切削片が真っ赤に錆びていたのにそれだけがキレイな
色彩を保っていた事からどうやらステンレス鋼のようだった。それが
こんな鮮明にして奥深い色彩をひっそりと見せてくれていいたのだ。
ステンレスは一度熱が加わると確かにこういう焼き色がつく。だが
通常は一瞬で、繰り返し熱が加わるとこの鮮やかな色合いはあっと
いう間に消えて茶色い焼け色に変わってゆく。でも切削加工では
無垢の母材から切り出される瞬間に入る熱がそのまま切り飛ばされ、
冷やされ、こうやってその色付いた瞬間の色を止めている。
多分金属加工や屑鉄を生業とする人達以外は目にすることが
無いだろうこの色を、金属が一瞬受けた熱の履歴を身に纏って
放つ輝きを…単なる屑鉄なんだけど自分はとても美しいと思う(^^)
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コメント
こういう切削クズは、田舎の近くにあった鉄工所の脇にいっぱい落ちてたなあ。もう鉄工所そのものがなくなってしまったけれど。
私のバイクのエキパイはステンレスです。真っ赤になってます・・ 先代まではチタンだったのですが、コスト削減なのか新型になったらステンレスになってしまった・・・ やれやれ。
投稿: 剣片喰 | 2007.02.18 10:36
剣片喰さん:
そうですね、昔は鉄の臭いをプンプンさせた鉄工所が
アチコチにありましたっけ。
実家の近くにもそういう町工場があったのですが、数年前に
廃業してしまいました。銭湯同様、そういったところも
この日本では絶滅する宿命なのでしょうか(TT)
レーサーならともかく、市販車だと耐久性という
パラメーターも必須となるので、意外とステンレスの
方がチタンより長持ちするのかもしれませんよ(^^)♪
鉄エキパイは錆びてボロボロになりますけど、ステンレス
エキパイなら、赤茶けても焼け取りでキレイになりますから
大丈夫ですp(^◇^)q
投稿: ino | 2007.02.18 22:16