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2007.04.23

恩人、大往生す

自分がサラリーマンになってから出会った人は相当沢山いるけど、
その中で記憶に残り、さらに手本にしたい、とかスゲェ!と思った
人は殆ど居ない。いい奴だけど、一緒に仕事はしたくない人、とか
仕事は出来るし尊敬も出来るが自分自身がこうはなりたい、としか
思えないようなタイプの人もよくいるから。

そんな数少ない仕事上の付き合いのあるスゲェ人が今朝亡くなった。

何せ87歳という高齢なので、最近体調を崩して仕事も一ヶ月に一回
くらいの出社だったらしいので心配していたのが、ついに大往生(TT)
いや、年齢的にには確かに大往生なんだけど、正直な所、あと数年
生きていて欲しかった!。そして、今までずっと一緒にやってきた
あの仕事が、一通り完成する所を見せて、一緒に喜びたかったなぁ。

年齢は確かにジィさんだけどその年齢に見合わないパワフルさと
しかも柔軟にして先鋭を志す気概を持ってた、まさに生涯技術者の
鏡のような人だったもんな。

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最初一緒に仕事をしたのはかれこれ8~9年前になるだろうか?

自分は30歳前で、彼は80歳前後と、殆ど祖父と孫のような関係で
同じ仕事に取り組んだ。最初はただの時代遅れの爺さんなのか、
と思っていたけど、彼は79歳にして工学博士号を取るほどの現役に
してトップランナーの技術者であり、自分のようなヒヨっ子が何を
やっても敵う相手ではなかった。その年齢を感じさせない探究心と、
その年齢にふさわしい知識と経験、そして人脈や政治力までもを
兼ね備えていた。ただ、たまに老人らしい頑固さも見せてしまった
事もあったが<ばき

マンツーマンで仕事をしたのは数年だったと思うが、その数年で
自分は様々なことを彼から学んだ。事象に対する思考の当て方や
根回しによる仕事の潤滑性向上…技術や仕事には年齢は関係なく
必要なのは新しい知識や技術を貪欲に飲み込む積極性と、それを
無駄なく吸収する体力と知力、そしてそれを自身の血肉に換えて
行く応用力。一見すると縁側で茶でもすすってるボケた爺さんに
しか見えない彼は、つい最近会った、その時だってそれらを全て
持っていた。実話だ。

身体は老いても知性は老いない。余談だが、82歳の頃に一緒に
メシを食ったとき、「じゃ僕はTボーンステーキを」と言って大きい
肉の塊をガツガツ食っていた事を思い出したので、外観は老いて
いても身体の内面だってずっと元気なままであったに違いない。

38歳にもなった自分はまだその領域に全然達してはいない。でも、
自分がもしそんな歳まで生きていられたとするなら、彼のように
生涯現役の技術者として、何らかの形で社会に貢献出来る
ようになりたいと思う。

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ちょうど出会った頃に彼が当時自費出版した直後の自叙伝を貰った。
よくある老人の「自分史本」なのかと思ったが、相当な波乱万丈の
人生を歩んできた方なので、実は結構内容が面白く、今でもそれを
会社の机の中に常備している。

Book

訃報を聞いて、久々にそれを開いてみた。彼は38歳の時に2ヶ月
英会話勉強をしただけで、単身アメリカに渡り、その後も世界を
渡り歩いていた!。同年齢である自分にはそのくらいのバイタリティ
があるのかな…?、いやある!、まだあるに違いないp(^◇^)q

虎は死して皮を残す、というけど、彼は皮こそ残さなかったけど
間違いなく沢山の何かを残した。それだけでも凄い人だと思う。
もし自分がそうなったときに、それが出来るかどうか…_| ̄|○
でも、それはこれからの頑張り次第、ですよね、博士(^^ゞ

 

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