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2007.08.04

旅2007・プロローグ

単なるサラリーマンの自分は、結婚する前の年まで、毎年のように
課長と喧嘩しながら16〜17連休を取り、それをフルに使い我が最良の
相棒たるTW200で野宿を主体とした北海道ツーリングを慣行していた。

自由にフラフラ走ったり止まったりするためには一人が都合がいい。
なので自分の旅のスタイルは基本的に一人旅だ。最初の頃は高校の
頃からの親友と一緒に行ったりもしたが、東北までは一緒でも北海道
に渡ったら、降りたフェリー乗り場で

 「じゃあ、3日後に、***で会おう」

とおおよその方向を定めて散解し、お互いが自由行動に入り、何日に
一度だけ同じキャンプ場で合流、無事を確認しあい、その翌朝には
再び「次は*日後にどこそこで会おう」と約束して別行動を取り、
最後に同じフェリーで地元に帰還する、といった一人旅をベースと
したスタイルで行ってきた。だから、一度だけだが友人とすれ違って

 「おお、元気に走ってるな、頑張れよ」

なんて一瞬の交錯の間に手で交わす会話を交わしたりもしたもんだ。

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でも最後に行った北海道は完全な二人旅だった。結婚する前の夏、
当時付き合ってた元カミさんと一緒に行ったのだ。あれはたしか
・・・6年前?だっただろうか?。

自分の生き様ともいえるそんな一人旅で得た知識と経験を元カミ
さんに披露したかったし、そうやってずっと一人で見てきた世界を
これからずっと一緒に生きてゆく(と自分は信じて疑わなかった)
元カミさんにも一度見てもらいたかったのだ。それに一人旅はそれ
までにもうさんざんやったから、そろそろ次のステージ(=結婚)
に行く前に二人でそれをやって一区切りつけるつもりでもあった。

その後やっと結婚して、結婚生活が始まり、でも残念ながら早々に
離婚して、ずっと一緒にするはずの二人の旅はそこで終わり解散、
再び一人で生きる生活(=旅)が始まり、それから4年間のバツ
イチ生活の間、様々な私生活や仕事の問題、その他の諸般の事情に
よって、自分がその二人旅の後で北海道を走る事は無かった。

去年はやっとどうにか行けそうだったのだが、結局仕事で潰れた
のは以前UPした通りだ。

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だが今年は去年までとは色々と事情が違う。今の自分の生活には
世間一般から見れば彼女(?)と言える女性が居る。諸般の事情に
よりパートタイムではあるけど、一緒に生活しているから、民法
上はもう「内縁の妻」と言ってもいいのかもしれない。とはいえ、
それがいつまで続けられるのかは、まだ誰も判らないが(謎)

それに、ここ数年来ずっと係わってきた某施設での現場仕事が
今度の秋から本業となる事がほぼ確定している。転勤という程
ではないが、勤務地も変わるし、仕事のスタイルも今までの研究
開発とはまるで違ってくる。少なくとも今までのような単車との
付き合い
は出来なくなる可能性が高いのだ。

そういった自分を取りまく環境が大きく変化してきているのは、
自分を新しい世界、そして未来に連れていってくれるためだ。
新しい道を進めばきっと新しい世界に行ける。旅がそうである
ように、人生もきっとそうだ(^^)

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だから、だからこそ今年は、いやこの夏までに是非とも北海道に
行きたいと思う。研究所勤めなら長い休みが比較的簡単に取れる
でもライン業務に係わったらもうダメだ。だから休みがどうにか
取れるうち、人生の編曲点を通過してしまう前に是非行きたい!

それは今の彼女との二人旅ではなく、今までの一人旅として、だ。

なぜなら自分の今までの旅(=生き方)を再認識したいからだ。
そして今までの旅(人生)に一応のケジメをつけたかったからだ。
38歳という”Point of No-return”を通過しようとしてる自分は
刃で空冷ポルシェと闘う事で、ではなく、これでそれを成すのだ。

そしてもう一つ。最後に北海道に行った6年前、旅の終わりに元
カミさんと交わした約束を、どうしても果たしたいのだ。だから、
たった一枚だけ手元に残った元カミさんの写真をこの旅に持参する。

元カミさんは自分と言う人間、自分と一緒に生活したり、旅した
事などとっくに忘れ去っていて、何処かでとっとと新しい生活を
しているはずだ。無論自分が今回叶えようとしている、その当時
の口約束なんてカケラだって覚えてないだろう。

えっ?離婚しちゃった後なのに何のためにそんな無駄で無意味な
事をするのかって?・・・それはどんなに説明しても理解しては
貰えないだろう。一言でいえば「ケジメ」をつけるためさ(^^)

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旅の準備は休み前の一週間を使って行った。今の彼女(?)の面倒も
見る必要があるので一人暮らしなら自由に使える平日に仕事を終え
帰宅後から寝るまでの時間がほとんど使えなかった。なので正直、
準備不足は否めない。

とは言え持参する装備も、経年劣化を除けばここ10年くらい殆ど
変わってない。自分は当然だが、バイクもあの当時から愛用の
最初期型TW200だし、テントも寝袋もウェアもメットですらも、
それだけの月日が経過している。果たしてこの旅の間、もって
くれるのだろうか?不安がよぎる。だが、この旅はそれで行く事に
意味があるのだ。何故ならこの旅は、前回の二人旅の続きだから。

Twface

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出発の前日、深夜までかかって、ようやく準備が整った。いつもの
事だが、何度も確認したにもかかわらず、必ず何かを忘れている
ような気がする。そして、そういう場合は大体何かを忘れている。

・・・ま、そういうのは現地で調達すればいいのさ(^^)<ばき

翌日の天気予報だけを寝しなにTVで確認してから眠りについた。
この一週間、北海道は天気がよくないらしい。晴れもあれば雨も
ある、でもそれが旅行ではない「旅」、つまりそれが人生だ。

明日からはちょっとだけの間、ほんの少しだけ違う日常が始まる
それはきっと過去との決別と、そして新しい未来へのスタートに
なるはず・・・そんな期待と、多少の不安、そして一抹の寂しさ
を思い浮かべながら。

    続く

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コメント

 人がどう思おうとも、やらなきゃいけないことはやらなきゃいけない。

 行ってらっしゃい。

投稿: 剣片喰 | 2007.08.07 19:22

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