過労生活から抜け出し(逃げ出し)、まるで人間のような
生活をするようになって、かれこれもう一月と半、くらい
たったかな?
どんどん身体的にも精神的にもラクになって、健康体に
近づいているような気がする。
最近は、会社から帰って夕飯を作り始め、下ごしらえを
した後に、米が炊ける30分ほどの時間を使い、自転車に
乗って近所の上りの坂道を高めのギヤで登る、という
運動をし始めた。
ナマった身体には自転車も結構きついスポーツだ。だから
すぐに筋肉痛がギシギシいうようになったけど、それも
数日で収まって、走れる距離も伸びてきて、ヘタすれば
いつもだったらDFを使って行くようなところにある深夜
営業のスーパーまでデーバッグを背負って走って、翌日の
弁当のおかずを買ってきたりもする様になった。

自転車も楽しいな、単車や四つ輪とは本質的に違う楽しい
何かがコイツにはたっぷりと篭っているよ(^^)。
-----------
精神的な余裕が出てくると、今まで抑制されていた欲望が
自分でびっくりするくらいムラムラと出てくる。それは
性欲…、じゃないって(^^;)。音楽に対する渇望感だ。
そこで、思い立って出張中にはやりたくても出来なかった
事をしてみた。それはクラッシックのコンサートを見に
行く事。
演奏が始まる前に、座った席から一枚だけ証拠写真を撮った。
ノーフラッシュだからボケボケだけど、一応そんな雰囲気の
場所でしょ?

え?クラッシックのコンサートは見るんじゃなくて聴きに
行くんじゃないのか?、って?、
違うんだな、オーケストラって、ただCDを聴くだけじゃ
なく、ナマの演奏を目で見るのが一番楽しいのさ(^^)
------------
今回行ったのは、誰も知ってるようなクラッシックの名曲を
解説交じりで聞かせるファミリーコンサートのようなもの。
(…と、言えば判る人にはわかるだろう)安いし、お手軽
なので万人にオススメ出来る。
生演奏で聴く楽曲はスピーカーを経由して再生される音とは
一味も二味も違う。ちゃんとした音響効果が考慮された
コンサートホールで聞くと、どんなに弄ったカーステで聴く
よりもすばらしい音の響きが♪
そして何より、演奏している人たちの動きが、見れるのが
一番楽しい。オーケストラを『見る』とは、つまりこの事だ。
交響曲やら、管弦楽やらは、たくさんの楽器をたくさんの
音楽家が演奏して、組み立てる芸術品のようなものだ。
バイオリンやチェロ、フルートやトランペットといった
主役級のメジャーな楽器だけじゃなく、スネアドラムや、
木琴、銅鑼、幼稚園のお遊戯につかわれるようなトライ
アングルまでが、欠かさざる構成要素としてある。
CDで聴いているとそういった楽器の音色は聞こえるけれど
その音がどうやって奏でられるのかを見ることが出来ない。
また、演奏風景をTVで見ると、演奏のメインのメロディーを
奏でる奏者にカメラが移って、小さい楽器や、裏方に回って
いる他の楽器の奏者の姿を見ることが出来ない。でも実は
それが思わぬ動きをしていたり、真剣な表情をしていたり…
だからオーケストラは、直接「見る」のが一番楽しいのさ♪
------------
コンサートの中で、自分が大好きなラヴェルの「ボレロ」の
演奏が始まった。この曲は、見るのが実に楽しい曲なのだ。
ワクワク♪
ボレロは特定のフレーズを延々繰り返しながら、それを主に
演奏する楽器が次々と変わっていって、その最中にどんどん
楽器が加わり、最後は壮大で重厚な曲となる。
次々と主パートを演奏する演者が変わって行く中で、それを
下から盛り上げる伴奏が、増えてゆく。良く見ると、他の
楽曲では主役のようなバイオリン奏者が、バイオリンの弦を
まるでコントラバスの弦を指で弾いてウッドベースの演奏を
するように、集団で弓でではなく指で弦を弾いて、ボンボン♪
ボボボン♪、というベースラインを作る。
クライマックスでは銅鑼が鳴り、最初はあんなに小さく
リズムを刻んでいたスネアドラムがツイン化して高らかに
鳴り、そこにいる演奏家全員で、一つのメロディーを一本に
束ねて奏でる。うぉおおぉぉ!最高だ!!
全力の演奏が終わると、自分は思わず立ち上がり、まるで
自分がオーケストラの一員で、その曲を一緒に作ってるかの
ような気持ちになって拍手を繰り返していた。
------------
そんなこんなで、自分は車の中でもクラッシックをよく聞く。
窓を開けて音量を上げてクラッシックを聴きながら街を走り、
信号で停まったときなどは、信号待ちしている若者がぎょっと
なって自分を見つめたりすることもある。
クラッシックなんてオッサン臭い、と思っているんだろうな。
でも、星の数ほど生まれる楽曲の中で、ずっと演奏され続けて
ずっとずっと生き残ってきた曲なんてそんなに多くない。
それはカップラーメンで言えばカップヌードルだ。
例えるならスナック菓子で言えばカッパエビセンだ。
他にも例えるなら清涼飲料で言えばカルピスだな。
つまり、古いんだけど今でも第一級の競争力があるって事。
新しいものには新しいものなりの魅力があるけど、古くても
良いものはどうやっても良いのだ。
だから自分はクラッシックが大好きなんだな(^^)
今回は直接見れて実に楽しかった♪
こういうことをしようと思って、それに感動できて、そして
また来よう!、と思えるくらいだから、自分は人間に戻れて
来ているんだよね(^◇^ゞ
------------
本当は、オーケストラの一員となって、同じ場に立って、曲を
一緒に奏でてみたいと思う。その一体感は一般人には到底想像
出来ないものだろう。
でも、自分は楽器は何一つ出来ない。唯一ドレミが刻めるのは
約2オクターブしかない音域の、…口笛だけだ(^^;)
その口笛でもボレロのフレーズを奏でる事くらいは出来るから、
自分はたまに車の中でボレロがかかるとオーケストラの一員で
あるかのようにヘタクソな口笛で飛び入り参加して吹いて
その心境を垣間見ようとするのだが、とてもそこには至れない。
演奏が出来なくても、いつかオーケストラのど真ん中で、
徐々に盛り上がるその音場に、この身を置いてその一体感を
感じてみたい。
最近のコメント