イマドキの軽自動車って(そしてCVTって)スゲェ
諸般の事情で、ウチのレガシィ2.0i(5MT)がディーラーに
入退院を繰り返しているため、今自分の手元には代車と
して用意されたこんな車がある。
軽自動車の自主生産から撤退するスバル最後の軽、
ステラのベーシックモデル。FFのNAのCVTモデル。
正直な話、この代車を見たときは、「スーパーチャージャー
無しじゃあマトモに走らないだろうな」と、ガッカリしたけど、
乗って走ってみたら、…あらら、よく走るじゃん、コレ(^^;)
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室内は5ナンバー乗用グレードということもあって、狭さを
全然感じない。装備はベーシックグレードだから大した事は
ないけど、実用上は何の問題もない。
4気筒エンジンはアトレーの3気筒と比べると振動も少なく
吹けあがりもスムーズで静か。長距離巡航でも疲労が
少なく、レガシィ並、とは言わないが長距離出張のアシと
して十分使い物になる。
街乗りでは低速トルクは細いものの、DOHCヘッドなんで
良く回るエンジンのトルクのおいしい所をCVTが賢く利用
しているので気持ちよく走る。
特に今回つくづく感じたのは、CVTはスゲェ!、って事だ。
今回CVT車に初めて乗ってみたけど、こんなに凄いとは…
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MT乗りとしては、既存のATが我慢出来なかった。
MTはドライバーの意思がそのまま直接車に伝わるから
挙動や燃費はドライバーに大きく依存する。
ドライバー → エンジン → タイヤ
それに対しトルコンATは、特にちょっと前まで主流だった
電子制御の4ATは、ドライバーと車の間に大馬鹿タレの
通訳が挟まっていてドライバーが車に意思を伝えようと
してもATが邪魔をして、意思に反する勝手な操作をする、
という感じがしていた。
ドライバー → エンジン → AT → タイヤ
それに対し、CVTは、大馬鹿タレのATと違って、変速と
クラッチミートの天才児だ。アクセルペダルはエンジン
コントロールペダルではなく、まるでCVTコントロール
べダルのようで、エンジンはCVTが完全に制御して、
車の挙動をコントロールしてるような感じなのだ。
ドライバー → CVT → エンジン → タイヤ
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アクセルをベタ踏みすれば高速の加速レーンでもターボ
+5MTのアトレーを下手すれば上回るんじゃないの?、
ってくらいの勢いで走るし(エンジンはブンブン回るが)
追い越し加速も、まるで小排気量のバイクでMXコースを
走るときのシビアなクラッチワークの感じ(高回転パワー
バンドを使い切るため常時半クラッチ状態で走るような)
で、スーパーチャージャー無しのエンジンを使い切り、
ブンまわった状態で変速比を変えながら加速するのだ。
長い登り坂でも、NAと思えない80km/Hから100km/Hまで
緩いながらも実用的な加速が出来る。これは高回転型の
4発エンジンとCVTのなせる業だろう。S/C付きならもう
普通自動車と変わらない走行フィーリングじゃないかな?
それでいて平坦な道を走っているとエンジンの回転数が
どんどん下がる。アクセルを踏んでスピードメーターが
上がるのに、エンジン回転数が下がってゆくのはかなり
違和感があるけどね。
これだけCVTがエンジンをこき使っているのに、燃費が
なんと!コンスタントに20km/L!を維持するのだ。
初めて給油した時に目ん玉が飛び出たよ。だって同じ
ような走りを自分のアトレーでしたら12km/Lで走れる
自信が無いんだもの。
MT乗りとしては悔しいが…こんなに凄いと完敗だ_| ̄|○
いや、自分のアトレーが古い(H6年式)だけか<ばき!
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ここまでミッションが進化したのなら、コミューターと
しての四輪車に、もうMTは要らないのかな、と思う。
ただ、ここまでメーカーに完成度を高められてしまうと
わくわくする対象であった車というモノがブラック
ボックス満載の家電化してしまったような感じもする。
以前、パソコンが特定の人だけが使う趣味100%の
ものから万人が使う家電に変わった時のように、
わくわくさせてくれる存在が、まるでありふれた空気の
ような存在に変わる瞬間に立ち会っているような、
そんな一抹の寂しさも感じる。
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そんな落ち込んだ気持ちで自分のアトレーに乗ってみた。
二次曲線的にパワーが盛り上がるターボ車特有の
癖のあるピーキー感を、5MTを使って走るアトレーは、
操る乗り物としてはステラよりもはるかに楽しくわくわく
する車だった。
やっぱり趣味性としては燃費が悪くてもMTやターボ
エンジンがいい。だからその用途がある限り、今後も
細々とそういう車は生き残るだろう。
でも実用性としては燃費がすばらしく良いCVTの
NAエンジンで十分だ。だから多くの人はこういう車を
望むに違いない。
時代はどっちに進んでいるか?…間違いなく後者だ。
誰でも特別な技能無しに高性能と低燃費を手に
出来る。技術の進歩とは、かくもスゲェのか_| ̄|○
ただ、そうやって家電化してしまうと、どんどん趣味性が
無くなって、安さが求められ、商品性や魅力が減って
しまうような気がする。
つまり車業界、というか社会に対する車の存在意義
自体が変わりかねない気がする。…というか、もう
とっくに変わっていて、自分が時代に取り残されて
いるだけか(苦笑)
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自分にとっての四輪車は実用品であるけど趣味の
モノでもある。(だから車関連の出費は趣味費扱い)
だから今は、今のMT車を精一杯楽しむことにしよう。
でも「次」はどうだろう?、もし四輪車に趣味性を追求
しない(または出来ない)なら、次は本気でCVT車に
乗るかもしれない。
…その頃にはより家電化したEV車が主流だったりして。
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