ありがとう、アトレー
7月末に、ニュー軽1BOX車のサンバーディアスS/Cを発注して、
今まで自分の生活を支えてくれていた愛車、アトレーMXターボ
との別れが徐々に近づいてきている。
アトレーとの馴初めは、…そうだ当時付き合ってた元カミさんと
一緒にそれまで乗ってた12万km走ったエブリー550JOYPOPの
代替として、旧規格ボディ、660cc、ターボ、5MT、2WD、という
条件であちこち探しまわって、偶然見つけたんだっけ<ばき
550ccのキャブレターNAのエブリーの、路線バスにチギられる
遅さに対し、ミラTR-XXと同じインタークーラーターボを
抱くアトレーは、びっくりするぐらい速かった。これなら路線
バスに追いつける!、というのが第一印象だったっけ。
あ、実際は路線バスなんて敵じゃなかったけどね(^^;;)
そこから始まるアトレーのある暮らし。色々な所に行ったし、
色々なモノを積んだし、良くも悪くも、色々な思い出を作ってきた。
元カミさんと結婚して、一人暮らししていたアパートから引っ越す
際にお前は大活躍をしてくれた。そして元カミさんと別れて、今の
家に逃げるように引っ越した際にもお前は家財道具を積んで、
数回往復して引越しを手伝ってくれたよな(^^;)
間違いなくオレの人生に、お前は大きく介在してたんだな。
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でも購入当時、44000km程度だったオドメーターは、自分の
手元で最終的に…たった78000km程度しか伸びなかった。
つまり、十年弱乗っていたけど、その間に3万キロしか走ってない。
エンジンマウントは交換したけど、タイミングベルトすら換えてない。
すまんな、アトレー。オレのところにさえ来なかったら、もっともっと
いっぱいあちこちを走れたのに、活躍出来たのに。許せよ。
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半日かけて、色々弄ったオーディオをすべてノーマルに戻した。
試行錯誤を繰り返したので、もっともっと時間がかかるかと思った
けど、何度も分解を繰り返したのでノウハウが身についていたし、
どこをどう弄ったのかをすべて覚えていたので、あっという間に
元に戻った。
久々にカセットテープを持ち出して、昔聴いていた曲を聴いてみる。
…うわ~、ノーマルではこんなにチープな音しか出なかったんだ、
弄った結果が、ちゃんと出てたね(^^)
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よし、入手当時の音と共に、もう一度一緒に走ろうか、アトレー。
タイヤの空気圧をチェックしてみたら、左前のタイヤだけ妙に低い。
釘などは刺さってないのを確認し、空気圧を調整した。さて行こう。
モモのステアリングを外す前に、最期にターボエンジンの咆哮を
奏でるべく、燃費を気にせずに気持ちよく走ってみた。室内に
かすかに響く細い、タービンが奏でる「ヒューーン!」という音、
アクセルオフで聞こえる「バシュ!」というブローオフバルブの音、
…そうだよな、お前はまだまだ走れるよ、そのお前を廃車にする
事が、本当にエコなんだろうか?、なんだか悔しいな、ごめんよ。
せっかくだから、もっとブンまわしてみるべく、高速道路に乗った。
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加速車線で、レッド寸前まで引っ張ってシフトアップを繰り返し、
あっという間に制限速度上限に達し、巡航を始めた。64馬力の
ターボエンジンは、これからやってくる58馬力の4気筒スーパー
チャージャーよりも、はるかに力感が太い。2stっぽいかもな。
旧軽規格のキャブオーバーだから、高速走行の安定性は辛いが、
それでも長く乗った身体には、それほど違和感無く走れた。
せっかく走ってきたから、少しドライブしようか。いくつかICとPAを
超えてさらに走り続けた。
そうやって50kmほど走ったころだろうか?、握ったハンドルに、
少しずつ振動が出てきた事に気付いた。タイヤの回転に連動して
何かコツコツ、ゴツゴツしたような振動がハンドルに帰ってきてる。
このアトレーはパワステが無い。つまりタイヤが掴む道の情報は
全部リアルにハンドルに帰ってくるのだ。だが、この手ごたえは
今まで一度も感じたことがないな。何だろう?
タイヤに何か刺さったのか?石でも挟まったのか?
いや、そういう硬質な手ごたえじゃない。何かもっと別の…
何か嫌な予感がした。どうしても気になったので速度を落とし、
近傍のSAに滑り込んで、タイヤをチェックしてみた。
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そしたら、左前のタイヤだけが、こんなことになっていた。
この画像じゃよく判らないかもしれないけど、ある一箇所だけが
タンコブのように少し盛り上がって、タイヤのプロファイルが丸く
なっている。つまり、真横から撮ってるんだけど、そう見えない。
拡大画像はこんな感じ。つまりタイヤがバーストする寸前だった。
さっきエアを足したときにはこんなになってなかったのに、高速
走行の連続で、負荷が増して、古いタイヤがこんなことになって
しまったんだろうな。
このまま違和感に気づかず走り続けていたら、フロントタイヤの
バーストで、下手すれば横転したりしかねなかった。アブねー!
自分の管理が悪くて、お前の脚がこんなになってたのに、それを
ちゃんとオレに教えてくれたのかアトレー。ありがとうな、本当に。
その後は下道をタービンが過給しない程度にゆっくり走って
自宅まで帰ってきた。もっと走るつもりだったけど、そこでアトレーの
ラストランは終わり。あとは、サンバーを受け取りに行く際に、乗る
片道の旅路だけだ。
最後の最後まで、思い出を作ってくれたねアトレー。もうお前とは
走れないけど、あと一週間くらいでサヨナラだけど、今まで自分と
一緒にいてくれて、本当にありがとう(^^)/
万感の思いを込めて、友人の形見でもあるモモのステアリングを
外し、ノーマルのハンドルに戻した。
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