立場が変わると、見え方も変わる
盆休み前から8月末まで出ていた久々の現場生活を
無事に終えて、一旦帰ってきた。この肩慣らしラウンドで
特に問題が無かったので、来週からそろそろ本気出して
フルパワーモードで行く事にした。
職務は震災以降さらに重くのしかかっているが・・・、
仕方が無いよね、今は何かを出来る人間が、その
「何か」を一つ一つ確実にこなして、みんなで一緒に
未来に向かう時だからさ。
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またフルパワーで働くと、年老いて衰えてゆく一方の
自分はまた過労で倒れかねない、と産業医は忠告する。
ただ以前とはちょっと違う立場で行くので、多分大丈夫。
震災以前までは誰かから「どこへ行け、何をしろ、コレを
ココまでに成し遂げろ」、と指示をされて、それを受けて
仕事を計画し、現場に出向いてそれを遂行していた。
でも今、自分は当時自分に指示を出していた人とほぼ
同じポジションにいる。当時の上司は、震災対応隊長と
して、苛烈な現場で水を得た魚のように活躍している。
そのためにぽっかり空いた立場に、まだ実力不足では
あるが、自分が立ったのだ。
過去の自分が背負っていた職責は自分が指示して
配した人が主に背負うため、事前にその人を選任して、
手配して、仕事の計画を立てて、現場でその人と共に
仕事をしつつ、同時に他の現場、次の仕事のための
計画や調整を現場仕事と平行して行う。
…仕事の質は変化したけど量はあまり変わらないや。
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この立場になって、今までの仕事を振り返ってみると
ああ、あの時上司がこういう仕事をして、ああいう物の
言い方をして、我々をどう思い描いてコントロールして
いたのか、その時に彼が見ていた風景が、今更だが
良く判る。
例えるならば、今まではガレー船の船倉の中でみんなで
オールを握って死に物狂いで艪を漕ぐ奴隷みたいな
感じだったが、
今はその船倉を出て、その船が進む先を舳先で眺め
速度と方向を制御して、船員のための食糧補給計画を
立てるけど、たまに船倉に戻って一緒に汗を流して
艪を握って漕ぐ、…そんなイメージだな(^^;;)<ばき
ここまで行くと、俗に言う「管理職」のような気がする。
実際ヒトモノカネをある程度コントロールする立場だ。
でも、組織とは面白いことに、そんな立場の我々を、
さらに管理する本当の管理職が上にいて、てっきり
自分らは鵜飼として鵜を使っていると思っていたら、
実は自分自身も鵜だった、というイメージだな(^^;)
だから自分は何も変化はない。職位は変わらないし、
給料も変化が無い_| ̄|○
それでいて背負う職責はずっしりと重くなっているから
コストパフォーマンス的には損してるような気もする。
でも、今までそうやって働いてきた上の人の下で
コスト以下の仕事で養われていたって事なんだ。
だから次は、「オレのターン」なんだな。
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一つステップアップしただけで、だいぶ違う風景が
見えてきたけど、そんな自分を管理する上司は
昔は今の自分と同じ風景を見ていた立場にいて、
そこからさらにステップアップして今は全然違う
風景の中にいるはず。
そしてその管理職を管理する、さらに上の職では
きっとまた別世界が広がっているんだろう。
その上には、さらなる上の立場からみえる景色が
きっとある。
自分は人生において「仕事が第一」ではないので、
全てをかなぐり捨ててそこに上がりたい、登りたいと
願いはしないが、「自分の知らない場所から見える
世界や風景」がどんななのかは、少し興味あるな。
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…と、言うことで、今は長期出張の準備の真っ最中。
立場は違えど、忙しいという事実に変わりはない。
今から秋が始まり、バイク乗りにはいいシーズンだが
今は日本国民全員が、出来ることを頑張る時代!!
しばらくそっちで、頑張ってきます(^^ゞ
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コメント
立場が人を作る・・とも言いますが・・・
前の勤め先が、部長クラスが全員現場からのたたき上げでした。経営のプロがいない、知っている現場が右肩上がりの時代、必要なのは努力と根性、と言う所だったのできつかったでした。結構大きな所で、まだつぶれていないようなので、改善されたのか、まだ現場がすり減らされているのかは不明です。
負荷を掛け過ぎない様、気をつけて進んでください。
投稿: 剣片喰 | 2011.09.05 20:54
剣片喰さん:
今いる所の周囲は被災者の方の仮設住宅街となってます。
今回の地震や津波の被害、半年もたっているはずなのに
今見ても、これが本当に現実の事なのか?、いったい
ここで、何がどうなったら、こんな凄まじい事になるのか?
と、呆然として、絶句してしまいました。ニュースって
何でこれをもっともっと伝えないんだろう?、この惨状の
ほんの一部だけを切り取ったモノだけをほんの一瞬だけ
放送したって、目の前のリアルの1%も伝わらないよ、って。
中高生が修学旅行に来るなら、こういう場所にきて、この
惨状を目に焼き付けて、少しでいいからボランティアを
して帰れば、人生にとって、日本人として、必ず歴史に
刻まれるであろうこの出来事を自分の体験として記憶し、
将来に渡って語り継がれると思うのですが、
…まぁ来ないでしょうね、無理でしょう。
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今の立場、願って望んでなったわけではありませんが、
なってしまって、その責任を背負った以上、投げ出す事は
出来ません。いろいろな人の人生の一部も背負ってますから。
今の仕事は、日の当たらない裏方稼業です。どんなに頑張って
目的を達成しても誰からも喜ばれないし、かかわっている事も
誰からも褒められない、むしろ嫌われるという因果な仕事です。
でも、この国の中で、少なくとも一人か二人、せめて一家族
くらいは、この頑張りが起因して助かったり、救われている、
と信じています(^◇^)
負荷はもうすでにかなりの荷重でかかっていますがどうにか
しますよ、被災された方々のご苦労に比べれば軽いもんです。
投稿: ino | 2011.09.08 23:30