旅2012・3日目 我流
昨夜は寝入ったら、同室で寝ていた人が鼾と明瞭な寝言でしゃべり、
結構騒々しくて、耳栓をして寝ていたにもかかわらず1時に目が覚め
起きてしまった。こんなに絶叫する寝言は珍しいなぁ、と思ってつい
携帯電話のボイスメモ機能を使い、そのすごい寝言を録音してみたり
したが、今から思えば何の為にそんなことしたんだろう(^^;)?
その後は睡魔に負けて、うつらうつらと寝てしまった。
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さて、朝が来た。天気は曇天。うっすら霧雨で、歩いている分には
傘は要らないが、バイクで走るとしっとりウェッティー化してくる
非常に嫌な状態だった。でも苦境であってもそれを全て受け入れて
走るのが旅人の常ってやつだ。
そんな事を口にしたら、同室の人いわく
「雨のときは同じ宿にステイ、それが旅人ってモンでしょ?」
た、確かにその方がいいかも…(^^;)<ばき
しかし旅のスタイルは人の生き方のように無限に正解があるので
自分は自分が信じている正解を選ぶ事にして、同室の人に別れを
告げて走り始めた。
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とりあえずは今朝の天気予報で日が出そうな方向である東に向かう。
目の前の国道36号を南下する。ただそれだけでメットのシールドに
じわじわと水滴が付いてくる。カッパを着るでもないが、着ないと
少し濡れて、気化熱で寒さを感じるいやらしい感じだ。
でも、まだ大丈夫だろう。
国道36号はちょうど千歳の自衛隊の出勤時間だったらしく、徒歩の
人、自転車の人、車、あらゆる所に軍服を着た人たちが基地に向け
出勤していた。ここでは日常だろうけど、ちょっと珍しい光景かも。
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国道から道道258号に曲がり、幹線道路の裏道を走る。ちょっと前
まで都会の景色だったけど、たったこれだけで一気に北海道らしい
牧場と牧草地の景色になった。そのまま道道を走り、早来を目指す。
早来のときわキャンプ場は自分にとって馴染みの所なので看板の
所で記念撮影。かつてここのキャンプ場の手前で大雨に降られて
飛び込んで必死にテントを張って逃げ込み、翌朝になっても雨が
止まずにその状態のまま撤収する、というino史上最悪のキャンプを
経験した場所でもある。
そういう経験も自分を成長させてくれた大切な出来事だったね。
ありがとう(^^)/
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その後、道道59号に入り一路西へ。途中の厚真のホクレンで給油。
昨日の支笏湖一周&そのあたりで楽しい峠道を走った代償は一体
どのくらいだろう?。
136km走って3.4L入った。40.3km/Lって所だ。まぁ林道&峠で少し
はしゃいだ割にはいい感じじゃない?、結構なアップダウンも
あったからなぁ。
そしてそこから道道59号で南東に進む。両側が牧場の、のどかな
景色を眺めて北海道を走っていることをしみじみ感じる。これで
天気がカラっと晴れて良かったら気分は最高ゥ!、なんだけど、
霧雨が容赦なくメットのシールドに水滴を作ってゆく。
でも気持ちはいい。こんな状態であっても仕事や色々な事を忘れ
純粋に北海道の道を満喫していた。だって、今オレは間違いなく
北海道を走ってる。これはたった数日前の日常生活からしたら
考えられない位の環境の激変だもの。
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道道59号を末端まで走り、平取町と言うところで道道80号に乗り、
義経峠なる道を目指す。日高に出るなら海岸線を走ればいいが、
自分はヘソ曲がりなので内陸側の一度も走った事が無い道ばかり
選んで走ることにした。これが最後の北海道ならば、全部の道を
走りきった!、という充実感が欲しかったからね。
蛇足だけど、ここはFOMAの電波来てなかったな(^^;)
この道は対向車も同方向に進む車も殆どなく、快適な道だった。
自分は60km/Hしか出さないが、DR-Zあたりを持ち込んでいたら
相当楽しいだろうなと思う。でも自分は60km/Hでひた走るTWで
必要十分満員御礼、もう心底楽しいからこれでOK!
道の途中で、前回同様ミヤマクワガタがヘコヘコ歩きながら
横断しようとしてるのを見つけた。北海道のクワガタは立派!
こんなのが子供の頃に雑木林で取れていたら嬉しかったな。
ただいま、クワガタ君。また会えてうれしいよ(^^)
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道道80号から道道71号に乗り、さらに日高の裏道だけを使って
走る。マイナースポットだけど、こういう誰も来ない道が快適
で楽しいのは北海道の常識だ。対向車もバイクも歩行者も誰も
いないから不思議だけど、せっかく北海道に来たのだから車が
多い幹線道路を避けてこういう道を走らないと勿体無いと思う。
道道71号の牧歌的な平和な風景を堪能してから、途中で道道
209号に乗り換え川沿いを走る。このままだと新冠に出てしまう
けど、途中で曲がって二十間道路桜並木とやらを見に行った。
当然季節があってないから桜の花は見れないけど、繁る緑の
葉っぱの勢いがすばらしく春になれば相当見事なんだろうな、
と感じた。バイクでその季節にくるのはちょっと無理そうだ
けど、いつかここの桜を見たいもんだ。
桜並木を過ぎて道道1025号で裏道南下ツアーをそのまま継続。
ガソリンが不安になってきたので、道道637号を使って初めて
海沿いに出て国道235号に乗った。
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…さっ、寒い!、さっきまでは、たまに太陽も出ていたのに、
海沿いは雲と霧が深くて風も強く、とてもじゃないけど今の
服装じゃ寒くて寒くてダメだ。少し頑張って走ってみたけど
耐え切れずその先の道の駅・みついしに逃げ込む。
寒さに震えながらベンチに座っていると、アメリカンに乗った
オジサンというか、おじいさんがやってきて、「寒いですね」
といったライダーとしての会話を少しした。旅の人ではなく
地元の人だそうで、「今年は寒いよ、あまり無い状態だね」
とのこと。珍しい所に遭遇したのだからラッキーなのかも
しれないけど、あまりラッキー感が無いなぁ。真夏に寒さを
感じれるってことは贅沢な事だと思うけど。
駐輪場にはとてつもない荷物を積んだバイクが停まっていた。
ここまで大量に荷物を積むと、旅先で気楽に荷物を下ろしたり、
道中で使いたい、と思う持ち物を簡単に引っ張り出したりする
事が出来ないんじゃないのかな?
自分のTWの荷物量でも2週間くらいの野宿旅は余裕なんだけど、
一体何を積んでいるんだろう、ちょっと興味がある。
自分も最初は荷物が多かったけど、経験を重ねる毎に不要な
ものを持ってゆかなくなり、必要なものでもより小さく軽い
ものに更新していった。そしたらある程度のところに収まり
それ以降大きな変動は無くなった。
まあさっきも書いたけど、旅のスタイルに間違いはないから、
誰かが勝手にこれは間違ってる、と口出しするべきじゃない。
雨中キャンプの件のように、人はまず経験してみる事が大切
だから。きっとこの人が自身の旅を楽しむために欠かせない
ワクワクするものが詰まっているんだろうな(^^)
良い旅を!
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このあたりでちょうど昼飯のタイミングだったので近所の
海鮮料理屋に飛び込んでみた。ツーリングマップルにある。
看板メニューが良くわからないので、お勧めは何ですか?
とたずねたら今日のランチ「海の幸丼」がそうだ、と言う
ので、それを頼んだ。TVではイチローが電撃移籍したという
ニュースがやっていたが世俗の事には興味が無いのでスルー。
海の幸丼、まぁ普通に海産物メインのどんぶりだよね、と
いう事で完食。800円だからまぁ損した気はしない。
さあ、腹も膨れたし、次に行こう!
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浦河の街中を走るここは何度も通ったので懐かしく感じる。
大昔にメロンパンを求めて入った店もあった。また来たよ!
ここでガソリン給油。154km走って3.4L。燃費は45.3km!!
20年乗っていて歴代で最高クラスの燃費を叩き出したTW。
俺らの旅の速度は燃費がエコカー補助金出そうなくらいに
良いみたいだ。このまま行こう、どこまでも!
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海沿いに別れを告げ、陸側に転進した。ここから襟裳を
バイパスする天馬街道に入る。どんどん坂を登ってゆくと
途中にある道路情報ターミナルというパーキングエリアが
見えてきた。その途端に、脳内の記憶の引き出しがポン!
と開いて昔の記憶が鮮明に蘇った。
あっ!、ここは元カミさんと一緒に周った時に立ち寄った
場所だ。あそこにバイクを止めてああ歩いて、あそこで
写真を撮った。十年チョイ前のそんな記憶が鮮やかな
総天然色カラー画像で今の見える場所にダブって見える。
思わず一旦そこに入って停まってその景色をゆっくりと
眺める。以前自分らは間違いなくこの場に居たっけなぁ。
あの時は楽しかったな(^^)。暖かい思い出を一つ消化して、
さらに先に進む。
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天馬街道のてっぺんにある野塚トンネルに入る。ここは
中が猛烈に寒い長い長いトンネル。だからさっきのPAで
ガッツリ着込んでおいた。
入るとそりゃもう寒いの何の!、早く終わってくれ~!、
と鼻水を垂らしながら、ひたすら走る。そういや以前も
こんな感じで寒かったっけな(^◇^)
トンネルを出ると気温と湿度がまったく異なるために
シールドが一気に曇って視界が悪くなる。本当の話だ。
日高山脈を越して東側に出ると、こちらは薄日が差して
暖かく明るくとても気持ちいい。ガラガラにすいている
道をTWはまるで川の中を泳ぐ魚のように気持ちよく進む。
長い下り坂だけど、60km/Hを保持したまま豊似に向かう。
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そういや途中で中川一郎生誕の地という看板があったが、
そんなに偉人なのかな?、地域密着型の一政治家という
イメージしかないんだけど。
途中中川なんとかさん、という女性のポスターが数多く
掲げられていた、何でも一郎さんの息子の奥様だそうな。
もう一家一族で政治をする時代じゃないと思うんだけど。
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豊似からどっちに行くか悩む。帯広側に行くか、釧路側に
進むか…
久々に釧路方向にも行きたいけど、この時点でもう昼を
回っているし今回は色々なケジメをつける旅だから、より
それが多く出来る帯広方向にしよう。釧路や根室や野付は
今回はパスする。ナウマンで有名な忠類方向に向かい進む。
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国道236号を北上し忠類の道の駅でキャンプ場を覗いたり、
大樹の道の駅ではチーズを買ったりしながら帯広に向かう。
すぐ目の前に地味だけど有名な幸福駅がある所まで来た。
この紙片のどこかに、以前自分らが書いた紙があるはず。
それを回収して、今回写真と一緒に火葬したいと思ったが、
ちょっと無理っぽいな(^^;)<ばき
でも、ここにも来れて良かった(^^)。沢山の記憶が鮮明に
蘇って、とても暖かい、やさしい気持ちになれたから。
ついでに過去に一度も行ってない愛国駅も寄ってみた。
てっきり右翼の聖地のようになってるかと思ったが普通だ。
これでこの地域はコンプリートだな、やるべき事は終えた。
とりあえずさっきの給油から140kmほど走ったので、この
近辺でまた給油した。3.08L入って燃費は45.5km/L
…TWよ、どうした?、過去最高レベルを連発じゃんか(^^;)
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あとは今夜の宿を探すだけ。とりえず池田まで出れば色々
宿やキャンプ場があるけど、今日はもう320kmを超えて走り
ちょっと走りすぎ。
焚火し放題の中札内の無料キャンプ場も大好きな所なのだが
明日の行動を考えるとそこまで延々と戻って、そして明朝に
そこから北に向けてスタートを切るのは少し気が引けた。
なので、この近所にあって、今まで一度も利用した事がない
ライダーハウス(?)、「大正カニの家」に行く事にした。
中に誰もいないけど、勝手に入って使って良いらしい。夜に
なると点呼を取る管理人がやってくるとか、みんなで掃除を
しましょう、とかそういう注意書きがある。シャワーは無料で
使い放題で電気も生きてる。これで無料で使える?、本当に?、
と、つい心配になる。
内部はこんな感じ。
表の炊事場で地元の中学生のバーベキュー大会?、がある
らしく外は終始賑やかだった。そんな大正カニの家にこの夜
集まった同宿者は5人。60代が二人、50代が一人、自分は
40代、そしてその中に21歳の学生がいた。
若いバイク乗りは貴重なので、年寄り連中でたくさん弄る。
この時代にバイクで一人で旅に出る勇気と、行動力がある
とは見所がある。なんでも来年卒業したらレッ○バロ○に
就職するらしい。これまた大変だと思うが…頑張れ(^^;)!
若者は近所で夕飯を食ってきた食堂で若い女性に誘われて
明日は一日大根掘りのバイトをすることになりました、と
屈託無く明るく笑う。
年寄り4人衆は、世の中そんなに甘い話ばっかりじゃないぞ、
きっとその女性はワカモノキャッチャーで、明朝に畑に行ったら
おっさんとおばちゃんばかりだと思うぞ、と、からかってみる。
そんなこんなで旅人の会話は22時過ぎまで途絶える事なく
続いた。こういう時間が旅の醍醐味の一つ。見ず知らずの
人が、偶然ここに集い、居合わせたことで発生した一瞬の
コミュニティ。ここで連絡を取り合い、これから長く続く
縁じゃない。だけど偶然どこかでばったり再会すればまた
会話も続く、北海道旅ならではの、そんな関係。楽しい♪
それまで皆さん、明日もご安全にぃ(^◇^ゞ
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本日の走行距離:336km
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