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2012.07.26

旅2012・5日目 快走

昨夜はこの旅メモを数日まとめて書いていたので睡眠時間が短くなり
寝不足になりそうだったので、やむなく睡眠導入剤を投与し寝たので
朝の目覚めはスッキリ良かった。

旅人の朝は、宿泊する場所に広げた自分の場を畳む所からスタートだ。

快適なガミ亭の部屋でその支度を整えて着替えてから、それらを手に
取り部屋から撤退。庭先で首を長くして自分をずっと待ってたTWに
その装備をがっちり括りつけた。

今日は天気がずっと良いようだ。やっと思いっきりいっぱい走れるぞ!
いっぱい頑張ろうぜ、TW!

その後、ガミ邸で取れた新鮮野菜等による和式の朝飯をご馳走になり、

Gamimornning

さあ出発だ!、ガミさん本当にありがとうございました、またいつか!


Twgamistart

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今日の最終目的地はサロマ湖のあたりとした。五年前の旅を中断した
場所
に戻るのだ。つまり今日そこまでたどり着くことで、五年前の
旅の再スタート地点に、ようやく辿り着けると言う事だ。

サロマに至る道筋は、何通りも選択出来るので色々と悩んだのだが、
結局五年前のルートをそのまま模すことにした。五年前のこの辺りの
記述
を読んでもらえば判るのだが、ここを移動した時には冷たい雨に
降られっぱなしで、ともかくただ走り抜けることを優先していた。

でも、今日は綺麗な晴れだ、だから過去に何度も何度も通った事の
ある道だけど、TWと共に行くおそらく最後の北海道の〆という意味と、
5年前の寒く冷たい記憶を、今日の暖かい陽光で上書きする事にする。

まずは士幌市街から東に伸びる道道134号に乗る。その途中にある
道の駅のしほろ温泉は、前夜ガミ氏と一緒にフロに来た所だ(^^;)
宿泊も出来るのだが、二食付きで1万円超というブルジョアクラス
なので貧乏旅人には利用は無理。フロだけで十分。(それは500円)

Twshihoro

道道をそのまま走り切ると本別に出る。そこで国道242号に乗って
そのまま北上して足寄に向かう。松山千春の出身地として有名だが
個人的な思い入れは…大昔オンネトーに行くダートでコケてTWが
あちこち削れて、人間は左膝曲がらず、左腕上がらず、という
怪我しながらオンネトーでキャンプした事くらいだな(^^;)<ばき

あとは元カミさんと一緒に来た時に道の駅足寄湖で何かのチーズと
ソフトクリームを買ったような気がするけど、今回はそこは通らず
街中に新しい(つまり道の駅が増えているということ)あしょろ
銀河ホール21なる道の駅を見つけて一旦止まった。

Twashoro

いや、特に用事があったんじゃなくて、天気が良すぎて、出発時の
服装だと暑くて暑くて。なのでジャケットをメッシュに交換する。

そのついでに売店に寄って、売店のオバちゃんと色々話をしながら
記憶の上書きをするために足寄産のモッツェラチーズを一個購入。
昨夜ガミさんにも言われたけど我ながら不器用な性格だよな。

ま、コレが詰まっているのがオレなんだ、仕方が無いわな(^^)
仕方が無いから、死ぬまで付き合って行くよ(苦笑)

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そこから国道241号に乗って北東東に進む。天気は暑いくらいに
良い。そんな時に道端にこんな看板があったのでつい写真撮影。
おー!赤男爵、やるじゃねーか、確かにその通りだ、うんうん(^^)

Twbaron

そして国道241号を延々と先に進む。メッシュジャケットを抜ける
夏の風がとても気持ちがいい♪。命の息吹のオーラたる新緑が光り
輝く森の中をTWはひたすら60km/Hで疾走する。その速度で視界に
流れる景色をただ眺めるだけで、極楽至上の楽しみなんだよね。

Twakannhe

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この道はまっすぐ阿寒湖に伸びている。五年前は色々な物から
まるで何かから逃げるように走り抜けたけれど、今はそんな感情は
まったく無い(^^)。逆にかつての良い思い出の地として今の自分は
捉えている。

元カミさんと離婚した直後、その旅で撮影した写真は全部廃棄して
しまったので、その時に行った銭湯、阿寒のまりも湯の写真を今回
新たに撮影してみた。

Twmarimo

こうやって画像は新しく取れてもここに刻まれた記憶は消せない。
だからここは元カミさんの記憶もある、だけど当然それ以前の
記憶もちゃんと残っているし、そして今回こうやってやってきた
新しい記憶も刻まれた。…はい、ここのミッションコンプリート。

先に行こう!、未来へ行こう!

この旅のスタイルではもう二度と来ないだろう、阿寒湖に無言で
別れを告げて先を急ぐ。もしかしたら何かのパックツアーとかで
観光バスか何かで来るかも知れないけど、その時にはまるで何も
知らないような顔で新しい思い出を作りに来よう(^◇^)<ばき

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国道241号はここから真東に向けワィンディングロードになる。

Twmashuuhe

荷物満載のTWだって、旅の速度を愚直に守りながら一緒に峠で
ワルツを踊ろうと思えば、それなりに踊れるので(つまりどんな
状態でも60km/Hは出してもいい、と解釈出来るので:-p)

久々にTWと踊ってみた。絶対的速度はともかく、TWで走る峠は、
実はすごく楽しい♪。ブレーキは弱いけど、それの守備範囲の
速度で深く深くバンクさせると、思った以上にグリップして、
想像してる以上にクイック&ナチュラルに曲がってくれる。

…昔はこうやってあちこち走ったよなTW。またお前とこうやって
踊れて嬉しいよ♪。新しくなったサイドスタンドは擦らないよう
そこまではバンクさせないでおくぜぃ(^^)

ウチらしか判らないステップを刻む華麗なワルツは、タイトな
峠道が終わると終了する。道が再び直線ばかりになった頃には
またいつものトコトコ言う無骨なイボイノシシに変わっていた。

Twnekokaburi

猫カブりやがってコイツは:-p

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さあて、この調子で五年前の寒く冷たい記憶を、新しく楽しく
美しく、明るく、暖かいものにチャッチャと上書きするかな!

摩周の道の駅に立ち寄ってみたら驚いた。道の駅摩周と言えば
便所と無人の事務所しかなかったのに、大改装したようで別物に
なっていた。

Twmashuu

この時、日差しは暖かいとかいうレベルを超えて、まるで殺人
光線のようにジリジリと照りつけてくるので無茶苦茶に暑い。
メッシュジャケットの下に着ていたウィンドストッパーを脱ぎ
ほぼ都会の夏と同じ状態にした。いいねぇ!これぞ夏だねぇ!

出発しようとしたら、一台バイクが入ってきた。荷物を積んで
いないので地元だろうな、と思って、「暑いですね!」と声を
かけて少し話をしてみた。

そしたら道の駅に止めた1BOX車にバイクを積んであちこち移動
して走っているという。自分もサンバーにTWを積んで北海道に
行ってみようか、とちょっとだけ考えていたので参考になる。
ふむふむ。

その人にこれからサロマに行くよ、と話したら、サロマならば
ここに泊まらないと!、と、ある宿を勧める強烈営業トークを
始めた。サロマ湖の周りは宿泊には困らない。キャンプ場も、
ユースも、また死ぬほどカニが食いたければ船長の家でもいい。

なのであまり興味は無く、ふーん、そういう所があるんですか
とりあえず気には留めておきますよ、と言ってそこを後にした。

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道の駅を出ると、そこかしこに摩周湖への案内が見える。

今日はすごく天気がいいので、摩周湖に行けばきっと絶景が
見られるに違いない。でも摩周湖は五年前に行っているし、
絶景は過去に何度も見てきた。

だから今回はあえて外した。阿寒と同じで、ここにはいつか
また別の形で来そうな気がする。だからそれまで取っておく。
TWはもう来れないけど、その時になったらまた会おうぜ(^^)

摩周のホクレンでガソリンを給油。ホクレンの多くはセルフ化
されてしまい、給油という機会を使って地元の人との会話を
楽しんできた身としては少し寂しい。off車用タンクバックを
付けていると給油がちょっと面倒だし、どうせ数Lしか入らない
から、少し高くてもセルフじゃない方に入りたい。旅人の気分と
してはそう思う。

Twhokurenmashu

前回の給油から164km走って、ガソリンが3.8L入った。燃費は
43.2km/L。足寄からずっと緩い上り坂だった事を考えると優秀♪

今回は過去と比べるとおかしいくらいに燃費がいい。北海道に
入ってからは40km/Lを下回らない。出走前に徹底的にメンテを
した結果がここで発揮されているんだろうな。

ついでにここは道東エリアなのでホクレンフラッグが変わる。

Twhokurenyellow

そこで一本購入。自分はホクレンフラッグがデフォルトだった
時代のホッカイダーなので、ホクレンフラッグをつけて走るのは
大好きなんだけど、そういや他のバイクでつけてる人は少ないな。

有料化の影響なのか、それとも今更こんな旗をつけて走るのが
恥ずかしい、と言う人が増えたのかもな。人は人、オレはオレ。
ホクレンフラッグは旅装束のTWに良く似合う♪

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道を少し戻って国道243号に乗って東へ進む。天気が最高ゥ♪

くどいようだがどんなに道が良くてもTWとの旅の速度は上限
60km/H。でもその速度が本当に最高にゴキゲンなのだ、天気が
良いとさらに倍!。バイクという乗り物にこれ以上の馬力は
いらないよなぁ、これ以上大きいバイクも要らないな。…と
ついつい思ってしまうくらいさ:-p

国道から道道885号に入る。この道は五年前は霧でかすんで、
雨がザンザン降っていたっけ。でも今回はもう最高ゥ♪だぜ!
右手はアクセルを開けて走りながら左手でガッツポーズを取り
メットの中で叫ぶ。ヒャッホー!

直線ばっかりの道路に飽きが出た頃に、開陽台はこちら、と
いう看板が出てきた。

Twkaiyodaihe

摩周湖とは逆パターンで、五年前に寄る意味が見出せず素通り
したそこに、天気の良い今回は行ってみる事にした。

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フラフラと必死に自転車を漕いで開陽台の展望台を目指す高校生
らしき集団をトコトコと排気音を立てて30km/Hくらいでゆっくり
追い抜きながら、十数年ぶりに開陽台にたどり着いた。鉄塔が
邪魔だけど、いい景色だ♪

Twkaiyodai

何でもバイク乗りには聖地…と誰かに言われているらしい開陽台

Twkaiyodaiplate

いったい誰がそんな事を言ったのかしらないが、昔はともかく
今はどうもそうではないようだ。過去に来た時には裏手にある
キャンプ場にはテントがたくさんあったが、今回は一個も無いし、
駐輪場にもバイクは自分のを含めて数台しかいない。

Twkaiyodaiura

ここも以前元カミさんを連れてきた場所だ。前と変わらない鐘、
そして鉄塔が邪魔だけど抜群の眺め。楽しかった思い出が蘇る。

子連れの家族を見るとちょっと切なくなる。でも元カミさんは
きっと今はそうやって誰よりも幸せに暮らしているはず。

そうならば、オレの決断と行動は結果オーライ!二人が正しい
方向に進むために必要だった。今の自分は自分が出来る範囲で、
以前考えていた形とは違う形だろうけど、新たな幸せを探せば
いいのだな(^◇^)

閑散とする開陽台を後にして、ミッションコンプリート!
今年は天気が良かったからいい思い出が増えたよ、ラッキー♪

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開陽台から長い直線の道を延々走って国道244号に出た。

Twkaiyodaikara

さてどうしよう、去年のように羅臼知床を回るか、それとも
斜里にショートカットするか。色々考えたけど、斜里に向かう
国道244号はいつも羅臼周りするので一度も走ったことが無い。

じゃあTWに踏ませてやらないとな、羅臼よ知床よ、またいつか
旅人ではなく観光客として来るかもしれないから、その時まで
さらば!

ただそのまま斜里に向かうのでは面白くないので、牧草地の
間の道を進んだのちに、この近くの滝の沢支援林道を一本
制覇。

Twrindou726

あ~、楽しい、楽しい、楽し~~~い♪、さて国道に戻るか。

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国道244号は自分以外の車が殆ど走ってない。道はきれいで
楽しいけど、バイクは皆無。みんな羅臼&知床方向に行って
しまうんだろうな。いい道なのに勿体無いよ~。

峠を越して下りに入る。気持ちのいいワィンディング走行
再スタート!、TWよ疾風となれぃ!!

その途中でコンクリ製のアーチ橋の廃墟があった。なんでも
登録有形文化財らしい。せっかくなので一枚ぱちり

Twrikkyou

さらに下って、国道から道道827号に乗り換えた。

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この道は東西にただひたすらまっすぐ伸びている。
途中少し節くれた所はあるけど、ほぼまっすぐ。

左手に斜里岳を見ながらのんびり走る。日差しが暑い!

ひたすらまっすぐ進んだあと、国道334号と道の名前が
代わり、でもさらにまっすぐ続く。

小清水のホクレンでガソリン給油。前回の摩周から134.6km
走って3.1L入った。43.3km/Lだ。いいねぇ、TWお前は最高!
心から愛してるよ~ (^3^)

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小清水からR334号は突然アップダウンの繰り返し&左右に
くね曲がる楽しい道に変わる。ただ前を遅いダンプカーが
走っていて、登り坂になると今時の都内では見られない
ような黒煙をボーボー吐き出して速度が低下するので後ろを
ついて走るのが苦痛になってきた。

近づかないようにゆっくり走っていたら、ちょうど北海道の
丘陵を崩して平らにして農地にしている現場があった。

Twkezuru

へぇ~、小麦畑を作るために、この隆起をこうやって削って
平らにするんだ。でもそれで取れる小麦の量なんてたかが
知れていそうだろうから、これだけの土木工事して本当に
ペイするのかな(^^;)?

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そのまま進み美幌に入る。

美幌で無料開放バイパスに乗り市街地の雑踏を高速ワープ。
こういう道だと旅の速度は70~80km/Hまで引きあがる。
高速道路みたいな道だと自然とのふれあいは殆ど無いから
こういう速度でもいいや。燃費はぐっと悪くなりそうだけど。

それを降りたあとの国道39号はさっきの高速道路と殆ど
変わらないくらい車の流れが速い。一般道なので速度は元の
60km/Hに戻る。ただその旅の速度ではありとあらゆる車に
ひたすら抜かれる一方。

常呂川を越してから国道333号に入り、そして道道7号に乗り
換えて常呂を目指す。日は真横から照るようになり、路面に
映る自分の影が長くなってゆく。

走行中はそんな事すら楽しい。TWとも最近は仕事が忙しくて
旅に出れなかったり、日常でもたくさん乗ってやれなかった。
その失われた時間を今ここで濃密に過ごしている、何となく
そんな気がする。

Twkage726

お前と出会い、お前と走れて、旅が出来て、本当に良かった。

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サロマ湖まであと一歩という所までやってきた。

その常呂の丘陵地帯には理由がよくわからないけど一本だけ
歩行者と自転車が優先という道路交通標識が無意味なまでに
多数ある道がある。意図せずそこに入り込みシュールなその
異空間を走る。人っ子一人居ないこの道になぜこれだけの
標識があるのか本当に意味不明だ。

Twhyoushiki

もし道路工事の予算があまったからちょっと遊んでみました、
とかであれば言語道断。でもそれ以外の理由が思いつかない。

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そして今日の宿、さろまにあんに到着。

結局、摩周の道の駅でのセールストークに乗ってしまった。
そこまで薦める程の宿ならば、きっと何か新しい発見がある
かな?、と思ったので。

Twsaromanijpg

ここはツーリングマップルの巻末でも紹介されているし、
自分をこの旅に駆り出してくれたツーリングガイド本でも
同様に紹介されていて、その本を持ってゆくと缶ビール一本
サービスだというのでありがたく一本頂いた。

ここは民営の民宿だけど、システムとしてはユースみたいだ。
基本はドミトリー形式の旅宿。果たしてどんな所なのやら。

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宿の人と話をしてみて、風呂に入って、夕飯を食ってみて、
今は一人で部屋でこれを書いている。今夜は今日の強烈な
日差しでハードな日焼けをした自転車の人と同室で寝る。

摩周でここを絶賛してた人には悪いけど、色々な所を泊まり
歩いた人間の視線で見ると、やみつきになるような感じでは
なく、普通の民宿とユースの中間のように思える。つまり
可もなく不可も無く…、と言う感じ。昔使ったことのある
池田のコタンYHがこんな感じだったような。

ご飯も普通においしいけど、船長の家のカニ攻めのような
一生記憶から消えないような強烈な個性はないし、かつての
ユースホステルにいた名物ペアレンツのような強烈なアクや
クセも無いと思う。ごく普通のプレーンな宿だと思う。

Saromaniyuushoku Saromaniyuushoku2

自分のような男の放浪一人旅にはあまりマッチしないかも。
でも、ある程度リッチな年配や、女性の一人旅、女性同士の
旅、または女性を含むグループとかなら、ここはこれで
いいと思う(^^)

TWで走る一人旅ならば多分もう来ないと思う。でもその時の
旅のスタイルが今と違うのなら、また来るかもしれない。

いい知見を積ませてもらった。摩周で会った人、ありがとう。
さて、寝よう。おやすみなさい。

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本日の走行距離:390.6km 走った走った、楽しかった♪
 

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