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2012.07.28

旅2012・7日目 受傷

みどり湯ライダーハウスの朝は相当早かったようで、自分が7時に
目覚めたら…もう誰も居なくなっていた(^^;;)

今日は急ぐ日じゃない。かれこれ10年以上前に交わしたある約束を
果たす、それさえ果たせればこの旅の大きな目標は一つ達成出来る。
自分以外誰も居ないみどり湯RHのベッドの上で前日の日記を書いて、
ゆっくり荷造りして、9時頃にみどり湯を出発。

目指すは日本最北端、宗谷岬だ。約束の地は、すぐ目の前にある。

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とりあえず近所のセイコマートに飛び込んで朝飯のメロンパンを
食す。そして国道に乗り、海岸線を宗谷に向けて走る。

Twsouyahe728

過去に何度も宗谷に来ているけど、ここ最近はかれこれ十年以上
来ていない。なのにそこへの道のりは記憶にあるそのままの風景。
違うのは風力発電の風車が過去には無かった、そのくらいだ。

Twsouya16km

どんどん少なくなってゆく宗谷岬への距離。もうほんの目の前だ。
ちょっとその前に、貝殻が敷き詰められて真っ白なダートがあると
地図に書いてあったので、そこに立ち寄る。

Twsouyahuusha

まるでこのまま天国へ繋がっているかのような綺麗な白い道だ。
そこを登ってゆくと、たくさんの風力発電の風車がブンブンと
回っていた。この景色面白いなぁ。日本もまだまだ面白い(^^)

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海岸線をそのまま走らず、途中で丘陵側に曲がり、内陸側から
宗谷を攻略することにした。このあたりはとても景色がいい。

Twsouyakyuuryou

天気もいいので、なんだかウキウキ状態だ。この景色を眺めに
観光バスが走っている。でも窓で密閉された車内からガラスを
通して見るよりも、全身で風と草のにおいを感じながら走る
バイクの方が、自分は好きだな(^◇^)

Twrun728

幸せな丘陵地帯を抜けて、いよいよ宗谷の街中に入る。最北端
ガソリンスタンドで給油をした。ここまで235km走って5.6L入った。
燃費は41.9km/L。最北端給油証明証とホタテ貝殻の記念品を
もらう。

…さあ、宗谷に着いたぁ!

Twsouya0km

Twsouya

そこには、過去に見慣れた景色が広がっていた。

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そうそう、ここはこういう所だ。

観光バスがガンガン乗り付けて記念撮影をしてすぐ去ってゆく。
バイクも常時数台いる。まぁ道北の左右から登ってきた人は
必ずといっていいくらい寄るメジャーな場所だからね。

でも、ようやくここにやってきた。色々な想いが沸き、感慨深い。
あの約束から十年とチョイ。やっと叶った。(一人で来たけど)

写真を入れたホルスターバッグに手をやり何度も深呼吸をした。

こんな事を言うのもなんだけど、出来れば約束を交わした翌年に
夫婦としてここに一緒に来たかった。そして、その未来の物語の
先が続いていたのなら、今の齢くらいには、家族でここを訪れて
いたのかもしれない。

子供をつれた家族の観光客を見て、そんな事を思ったりもした。

自分には許されなかった未来。でも、ここに来てみて、改めて
自分はそっち側の未来に行きたかったんだな、と強く思った。
でも今は違う未来である今を生きている。その異次元パラレル
ワールド感覚は、十年以上の時を経た結果なんだろうな。

そんな事や、色々な事を考えながら、何も無い宗谷岬に長く居た。
そこにやってきて、去ってゆく色々な人たちを見ながら、綺麗に
晴れた空を見上げたり、水平線を眺めたり、傍から見たら有意義
とは言いがたいような時間の使い方をしながらそこで過ごした。

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バスツアーの観光客に話しかけられたり、新たにやってきた
バイク乗りと会話したりしていたら、結構な時間が過ぎていた。

Souyatime

自分がずっとここに抱いていた色々な想いは、ここに置いて行く。
ここでやれる事は全て終えた。…ミッション・コンプリート!
さあ!先に行こう!、ここは北限のドン詰まり、ここから先は
ただただ南に進むだけだ!

猿払側ではなく稚内方向に戻ろうとしたが、向かい風が猛烈に
強いので、海沿いを走らずに道道1077号で内陸に入った。

天気予報は雨っぽかったのだが、今日も良い方向に外れた。
とても良い天気で、暑いくらいだ。空は青く、緑は光り輝き、
何もかもが美しくて素晴らしい。この世界の中を走り抜ける
事だけでもこの上ない喜びであり、楽しみだ(^^)

道道1119号に乗り換えそのまま南下する。北海道、最高ゥ♪

沼川で道道121号に乗り換えさらに南下を続ける。途中でまた
北緯45度を示すオブジェが現れた。オロロンの方は有名だけど
これはマイナーなんじゃないかな(^^;)?

Tw45deg

本流で道道84号に乗って東へ進み、少し行って道道785号に
乗り換え、さらに南下。途中道路と平行した所に廃線の橋の
あとなんかを見たりしながら、

Haisenato

こんな所にも鉄道が通っていたんだ、スゲェなぁ。

その後知駒峠を快走して国道275号に入り、さらに南下する。

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道の駅ピンネシリに入り、メロンパンが高いなぁとか見て、

Twpinneeki

Pinnemelon

そこから走り出すと、すぐ横にドライブイン・マウントピンネの
看板があることに気がついた。これはたしかバイク乗りには
有名な店。でも今は営業していない。…寂しいなぁ。

Twmountpinnne

国道275号をさらに南下し音威子府に入る。黒い蕎麦とやらを
食ってみたかったのだけど、それを食わせてくれるぱっとした
店が無い。やむなく町内を一周しただけで国道に戻る。

その後北上した時に走った国道40号に乗り、さらに南下する。
もう天気が良くて最高ゥ♪

Twr40again

とあるところで、国道にかかる橋を渡りながら周囲を見てたら
その川沿いの道で写真を撮る絶好のポイントを見つけたので、
国道を外れてその細い道に入ろうとした…その瞬間コケた

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速度は殆ど出ていなかったけど、何も出来ないで前後輪が
同時にスリップダウンして、左膝を路面で擦り、左肘を打撲、
そして倒れたTWに左足を挟まれる形で倒れた。

ズルッ!っと車体に跨ったままのその場でスリップダウン
なので、ヒットエアは作動せず済んだ。

とりあえずエンジンを切って起き上がろうとしたが、左足が
がっつり車体に挟まれていて動けない。傷だらけとなった
左膝で痛さをこらえて膝立ちして、右手でリヤの荷物を少し
持ち上げて車体を浮かせて、ようやく左脚が抜けた。

…おいおい、TW、何でそんなところで寝転んじまったんよ。

Twwakeup01

Twwakeup02

立ち上がろうとしたら、いきなり着いた足が滑った。アス
ファルトの上に、2~3mmくらいの丸い砂利が荒く一面に
均等に広がっていて、コロコロとするので歩く足すら滑る
状態だった。

こりゃどんなバイクでも一発でコケちゃうよ。砂とか土が
あったなら判ったけど、単なるアスファルトにしか見えず
そのまま乗ってしまった。はっはっは、運が無かったな(^^;)

いやいや、怪我したとはいえ、骨も折らず、立ち上がれて
歩けて、荷物満載のバイクを一人で起こせるくらいの怪我だ。
それで済んだのだから、運が良かったよ。

TWは左のクラッチレバーの先端が少し削れ、左のバーエンド
がどこかに飛んでいったが、そのくらいのダメージで済んだ。
新品に交換したスタンドは擦ったけど、そのくらいだ。
どこも曲がってないし、壊れていない。スピードがほとんど
出ていなかったから、ダメージがほぼ無い状態。車体は何も
しなくてもそのまま走れる。

…となると、あとは人間の怪我をどうするか、だな。

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膝の擦過傷は、単なる擦過ではなく、皮膚の表面が削られた
上から粗い砂利で抉られて、猫の爪で引っかいたような縦傷が
何本も走り、出血している。とはいえそれほど深くは無いし、
打撲は痛いけど、関節や骨や筋はどうやら大丈夫だ。

Kizu

あとは傷口に食い込んでる砂利による生傷の感染だけが不安。

とりあえず手持ちの真水ですぐ傷口を洗って砂粒を傷口から
洗い流す。おー痛てぇ(T◇T)!そこに綺麗なハンカチをあてて
縛り、抉れてる傷口がズボンで擦れないようにした。

TWに跨り、この状態で走れる事を確認する。とりあえずこの
状態で走って、街中に行って適当な病院に入って消毒と抗生
物質でも出してもらうとするかな。

それまでの極楽旅気分はケガの痛みでちょっと萎えちゃったが
まだTWは走れるし、旅はまだ続けられると判断した。だから
生傷の正しい処置をきっちりとしなくては。

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そのまま国道40号を走り続けて街が見えてきたが、一見して
町医者らしいものが見当たらない。

美深に入ったが同様だった。こりゃここで探すより、もっと
大きい町の病院に行ったほうが手っ取り早いな、と思って、
美深の真南にある比較的大きい街、名寄を目指した。

こうなると旅を楽しむよりも時間勝負だ。行きに乗った高架の
バイパスに再び乗り、名寄へワープ!、名寄市内に入り、目に
止まったのは消防署。ここで聞けば病院なんてすぐ判るだろ。

Twshoubou

足を引きずりながら階段を登り、事務所に居た隊員さんに声を
かけて、救急外来の場所を尋ねた。

そしたら他の救急隊員さんらがワラワラ出てきてくれて(^^;;)
さらに清潔なガーゼで応急処置をしてくれて、近所にある市立
病院にこれから行くという連絡までしてくれたし、見送りまで
してくれた。通りすがりの間抜けな旅人にそこまでしてくれて
ありがとうございました。本当に助かりました(^^)/

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消防署の紹介で名寄市立病院の救急外来で診察を受けた。

Nayorokyuukyuu

医師は自分の初期対応が正しい事を褒めてくれた。
いや~、この手の怪我はもう慣れてますから(^^;;)

傷は見た目よりも浅いと判断された。これなら抗生物質の
投与はしなくてもいい、との医師の言葉。ただ念のために
傷口をさらに綺麗に洗って(イテテテ!)、そこに、ガーゼと
包帯を巻いて終了。

今後出るだろう打撲の痛みの対応として湿布とロキソニンが
処方され、それで全て完了!。…本当にこれだけでいいの?
過去の経験からすると皮膚がある面積で無くなってるから
結構直るのに時間がかかる怪我だと思うんだけどな(^^;)?

医師の薦めもあって、病院の後で薬局に行ってキズパワー
パッドを購入した。今夜の宿で処置しよう。

このように、旅先で怪我したら、あまり大したこと無い、と
思っても念のための病院は行った方が安心だよ。旅先では
小さな怪我が、悪化するとどんどん状態が悪くなるからね。

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さて、これからどうしよう。転倒負傷の対応で結構時間が
食われた。身体もあちこちが痛いから今夜は市内のビジネス
ホテルにでも入ろうか、と思ったが、ここの街の真西には
今回の旅の主目的の一つである、朱鞠内湖があるのだ。

この旅でそこに行かなかったらまた来なくちゃいけない。

それはそれで新たな旅立ちのモチベーションに繋がるけど、
今回果たさねばならないタスクなんだ。

なので、怪我してるにもかかわらず、朱鞠内湖でキャンプ
することに決定した。とはいえ自炊はきついので街中の
スーパーで即席で食える食材を買い込んでから湖を目指す。

 Hakodatemelon

おお、偶然一度も食ったことの無いメロンパンが…買おう(^^;)

時間が18時を回っていたのでどんどん暗くなる。そういえば
ガソリンを入れなきゃならない距離を走っているじゃん、と
気付いたらその直後にリザーブになった。朱鞠内湖までは
まだ距離がある、でも街に戻るとキャンプ場に到着する頃に
暗くなってしまう。それは避けたい。だけどこのままだと
ガス欠の危険性がある。

朱鞠内の近くにホクレンがある、という地図を信じて走る。
でもそのホクレンは到着したら閉まっていた_| ̄|○
後で聞いた話だと、17時に閉まるんだそうな。

日が落ちてだんだん暗くなってくる。身体もだんだん痛く
なる、雲も分厚く暗くなってきて、気温も下がり始める。
どうもあらゆる事がどうも悪い方向に回ってる気がする。
それでもオレは行くのだ、行かねばならない、朱鞠内湖に。

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…着いた。元カミさんと来て以来だから十年以上ぶりだ。

ここは自分の大のお気に入りのキャンプ場。北海道で1番
好きなキャンプ場だ。だから元カミさんを連れてきた。

ビッコを引きながら受付を済ませ、キャンプサイトに入る。

Twshumarihuda

…懐かしいなぁ、記憶が鮮やかに蘇る。何も変わってない。

Twcamp728

テントを張る場所を決め、痛い思いをしながらどうにか
設営を終えた。以前オンネトーのあたりで転倒した時にも
似たような感じでテントを張ったっけ(苦笑)

燃料タンクに少ししかガソリンが入っていないTWに、自炊を
しないので使わない予備ガソリンを0.5Lだけ飲ませてやる。

Twgasplus

明日はこれで、どうにかガソリンスタンドまで辿り着こうぜ。

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今夜は怪我しているので、水場を往復する必要のある自炊は
無しだ。買ってきた食材をそのまま食う。夜の明かりとして
ランタンを付けたかったけど、今日は欲張らないでおく。

取り合えずネイチャーストーブだけ出して、辺りの枯れ枝を
拾い集めて、小さな小さな焚き火を熾した。

Twtakibi

これで料理する必要も、暖を取る必要も無い。この焚火は
今日宗谷に連れて行った元カミさんの写真を、ここで燃やし
天と地に還すためだけに行うのだ。

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小さいながらも火力が安定した、納得の焚火が熾きた。
超大盛りカツカレーを食って、弱った身体に活を入れる。

Campcarri

食い終わってから、ヘッドランプを消して、焚火を眺めていた。

少し風が出てきたな、と思って森の木々を見上げてみたら、
曇っていた夜空の雲が切れて、気がつけば十数年前と同じ
ような満天の星空が見えていた。

ここでこの星空を二人で見ながら、これから二人で作るはずの
明るい未来の話をしたっけな。結局その未来には二人で辿り
着くことは無かったけど、あの時は明るい未来が必ず来ると
思っていた。

…そこに行きたかったなぁ。今日宗谷に行ってそれをつくづく
思った。あなたはとっくにそこに辿り着いていると思うけど、
自分と関わりあったために余計な遠回りをさせてしまった。

本当にごめんなm(_ _)m

離婚直後は苦しくて一度も見れず、それからしばらくして
落ち着いてからは苦しいときに少し助けてもらったりもした
一枚の写真。それを手に取り、じっと見つめて、メラメラと
燃える焚火の中にほんの一瞬だけ躊躇しつつ、投じた。

・・・バイバイ、さよなら(^^)/

写真はそんな気持ちを察する間もなく、あっという間にまるで
溶けるように焼けて、暗い森の中を斜めに薄く立ち上る煙と、
焔の中で白くなり踊る灰になった。

勝手な話だけど、自分の中で、ずっと前にとっとと果たして
おかねばならなかった積年のケジメが、今日の宗谷と朱鞠内で、
ようやく果たせた気がした。でも何で寂しい感情があるんだろう?

焚火が鎮火するまでじっとその焔を眺め続け、熾火となった
事を確認して、テントの中に入り、足に巻いた包帯を解いて、
体液がどっぷり染みたガーゼを取り、キズパワーバッドを貼る。
打ち身と生傷の痛みを和らげるロキソニンを飲んで寝に入る。

何があろうと(何か無ければ嫌でも)明日は来る。
ケガの痛みはたぶん明日がmaxだろうな。

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本日の走行距離:289km コケなければ良い一日だったな(^^;)


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