« 旅2012・8日目 慎重 | トップページ | ニセコから »

2012.07.30

旅2012・9日目 周遊

導入剤が効いて、途中で目覚める事もなく上富良野のライダーハウス、
クレッセで朝が明けた。今日は一日富良野や美瑛をフラフラと走る
だけに止めるつもり。ここは見所が多いので、それでも全部を周る
事が出来ないくらい、いい場所なからね。さぁ今日一日を楽しもう♪。
まずは朝飯にメロンパンで食うかな。

Asamelon730


朝早くはファーム富田が斜面と朝日の当たる角度の関係で綺麗だ。

それに朝は人が少なくてゆっくり見れる。なのでまずは朝イチで
ファーム富田に行く事にした。どういうわけか、同室だったライダー
さんも一緒にそこに行く事になり、連れ立ってクレッセを後にした。

Twkuresse730

お世話になりました(^^)

------------

旅先で知り合った旅人が行動を共にするのは良くある話だ。

これが独身女性ライダーだったら、そこから何かが始まるのかも
しれない予感がありそうなもんなんだけど、残念ながら同年代の
オッサン二人連れでの美しい花畑見物。しかし、これだって何かの
縁だろう、と旅装束の中型バイク2台でファーム富田を目指した。

Twsideface

------------

5年ぶりとなるファーム富田に到着。

Tomita73000

朝の陽光を浴びた花畑は美しかった。もう満開は終わってしまって
いるのだけど、それでも花は花。若いだけが美しいわけじゃない。
その時々で精一杯の美しさを見せてくれる。そして季節が過ぎて
花が終わっても、植物は毎年寒さに耐えて葉を伸ばし新しい花を
咲かせて、ここで人々を楽しませて喜ばせてくれている。感動だ。

Tomita73001

五年前には色々な思いを抱えてやってきた所だけど、一昨日の夜の
ケジメをもって新しい未来に進んだ自分にとって、ここは過去の
思い出の場ではなく、毎年咲く花のように、これから新しい記憶を
作る所なんだな、と思ったりもした。

一通り花を見たあと、五年前に食いそびれたメロンパン屋を探した。
そしたら屋台みたいな店はもっと規模がデカくなっていた。

ちょうど開店準備をしている所だったので、ためしに店員さんに
声をかけたら、いまちょうど今日の最初のメロンパンが焼きたてで
オーブンから出てきた所です、という!!!

Tomitamelon01

普段はもう少し冷ましてから売るので火傷するくらい熱いですよ!
と言われながら受け取ったのはホカホカの湯気が立つメロンパン!
一個250円もするけど(^^;)、焼きたてはやっぱり美味かった~♪、

Tomitamelon02

確かにショーケースの中身はカラッポ、まだ店頭に並ぶ直前の
ロールアウト直後の状態じゃん!

Tomitamelon03

これだけでここに来た甲斐があったよ、五年前の旅の課題が一つ
片付いた(^◇^)

ここで行きずりの知り合いとなったライダーさんに別れを告げて
一人旅を再開。とりあえず自分をこの旅に引っ張り出してくれた
ツーリング雑誌の表紙
と同じ場所で同じアングルで一枚撮影。

Zasshihyousi

とはいえ、撮影角度やら木の板があって同じにはならなかった(^^;)
この雑誌を買わなかったら多分この旅は無かったよ。ありがとう!

------------

さあ、いつもの裏富良野に行こう!

裏富良野とは自分が勝手につけた名称で、ファーム富田の東向きの
斜面を登り、少し北側に行って一つ、二つ丘を越えたあたりにある
パッチワーク模様の畑の景色のことだ。過去に何度もそこにやって
きてその絶景を楽しませてもらっている。

2000_3

これはその辺りで撮った旧い画像、元カミさんと行く前の年かな?。
バイクも、背負ってる荷物も、着てる服もほぼ同じ。でもこの頃は
オレにも頭にこんなに毛がたくさんあったんだなぁ(;_;)<ばき

Urahurano

経年劣化、老化現象とは、かくも恐ろしいモンなのか(-_-;;)<ばき

しかし、今回も無事にこれた。なぁTWよ、十数年前にお前とここに
やってきて、あまりの綺麗さに絶句して、それから何度も来ている
場所だぜ。懐かしいだろ(^^)?

------------

後はもうフリープランでただ気分の赴くままに色々な所を走った。

細かくルートは書かないけど、裏富良野の風景を網膜と脳みそに
焼き付けて、丘を降りた所にあるダートも何本も走り、上富良野の
日の出公園に行って、ラベンダーと景色が綺麗な高台まで登ったり
した。

Hinodekouenn

ただ、ちょっとはしゃぎすぎたようで、生傷のままの左足がかなり
痛くなってきたので、日の出公園の丘を下りた後、公園の蛇口で
冷水で傷口を洗ってキズパワーハッドを張り替えたりもしていた。

------------

これ、肘は順調なんだけど、膝のキズは少し深いので半日もたつと、
体液が大量に出て、でろ~ん、とした液体がパッドから漏れてきて
しまう。動かさなければいいんだろうけど、歩くと必ず動く場所
だから仕方が無いんだけど。

このパッドは生傷を生傷のまま封じ込めて、細胞活性を促して
キズを早く治す、というものなのだが、そのために消毒薬を
塗布する事が出来ない、とされているので、抗生物質を飲んで
いない今は、化膿のリスクが常に紙一重である。世の中のどんな
ものにでも、メリットと、デメリットがあるようにこれもそう。
上手に付き合っていかないと。(この不安は後日現実となる…)

基本的には良い製品なんだけど、パッド一枚が300円もするから
もう少し安いか、長時間持つといいのにな。

------------

よし、人工物はある程度見たから、自然を見に行こう!、日の出
公園を出て、今度は富良野の東側に渡る。

Twmasshugu

斜線道路の別名を持つ道道298号を南下して、ベベルイの方向に
曲がり、山に向かう。森の景色と青い空が最高のコントラスト!!

Huranoaozora

生きてて良かった!、と思ってしまう位のすばらしい景色が続く。

Twrokugouhe

天気が最高に良くて、段々暑くなってきた。途中の道端で止まり
Tシャツの上にメッシュジャケットを着ただけのファイナル真夏
バージョンにして走り出す。途中で道道253号に乗り換えてから
少しゴミゴミした交差点を曲がり、麓郷の森方向を目指す。

Rokugou

でも、ぶっちゃけ、五郎の家なんぞにはなんの興味も思い入れも
無いので、森の入り口まで来て、そのまま引き返した。歩きたく
ないし、ここに着たぞ、というだけで十分だ。人の手で創った
ものよりも、今は自然の美しさの方が自分は見たい。

Twrokugou

------------

なので道道253号をそのまま戻って自然の景色を堪能しながら、
今度は鳥沼公園を目指した。

Twtorinuma1

その昔ここはキャンプ場が有名で、ヌシと呼ばれる住人まで居た。
最初に北海道に来た頃、ここに着たけれど、その異様な雰囲気に
圧倒されて、日の出公園に逃げたっけ(苦笑)

でも今ではキャンプ不可で、ここが以前キャンプ場だった痕跡は
管理棟の裏に捨てられた、このキャンプの注意書きぐらいだ。
あぁツワモノドモのユメのアトって感じ(^^;)

Toricampato

------------

さて、今度はちょっと距離を走って十勝岳に行ってみるか!

中富良野のまっすぐな農道をひたすらまっすぐ北上する。
途中の畑では掘り出されたタマネギが並んでいた。日本の
食卓を支えてくれる農家のみなさん、ありがとう!

Twtamanegi

長い長い直線を走り終え、さっき走った道道298号を横切って
次に道道291号に乗り換える。景色が最高ゥ♪綺麗で楽しい!

Twhurano02

ここからは十勝岳に向かって延びる登り坂。道端に植えられた
ラベンダーが気分を盛り上げてくれる。

Twhuranohukiage

景色を楽しみながら道は徐々に高度を上げてゆく。荷物満載の
非力なTWでは途中で5速のままで登れなくなって4速でひーこら
言いながらどうにか一番高い場所までやってきた。

Twtokachidake

Twtokachi

最高だ!、この景色!、この空!!、北海道に来て良かった!!

ひとしきり景色を堪能した後で、山を下る。かなり急な下りの
コーナーに入る時にTWのFブレーキが握り切れてしまって、思う
ように車速が落とせずちょっとヒヤリとした。

ブレーキシューが出発前から少し磨耗したんだろうな、道端に
止まってワイヤーの調整をして、再スタート。ドラムブレーキは
こういう事をこまめに見る必要がある。でも今までこんな事を
何度もやりながらお前と旅してきたよな、TW。お前のこういう
クセや、性格や、体力、実力、要所のボルトの締め具合、車体に
付いた傷、それをオレは全部知ってるよ。今回の旅でも新しい
傷を付けて思い出を刻んじまったし。ホント古女房だよな(^^)

------------

生傷持ちだと吹上の湯に行っても意味がないのでパスして走る。
途中の景色が美しすぎて凄すぎて、路肩に何回も止まって楽しむ。

白金を過ぎた辺りで、新しい看板があって、そこに車がどんどん
吸い込まれるように入ってゆく。何だろう?十数年前にはこんな
所無かったような?、でもマップルにここは「青い池」として
ランドマークされている。じゃ行ってみよう。

砂利の駐車場の片隅にTWを停めて、痛む膝をかばうように足を
引きずりながら少し歩いた。…それは本当に青い池だった(^^;)

Aoiike

青い空、緑の森、白化した木、青い池に映り込む山の緑、そして
青い池に映り込む青い空。ちょっと不思議な景色が広がっていた。

初めて見るよ、ここまで来てよかったな(^^)

------------

その後、白金インフォメーションセンターに寄る。

ここは大昔やってきて、以前TWについて書いたネタで使った
写真を撮った場所だ。

Tw02.jpg

全く同じようにTWを停めてみた。あれから15年くらいたって、
全く同じ場所にほぼ同じ格好の同じバイクが居る。ちょっと
不思議だね(^◇^)

Twshirokane

よし、上富良野に戻ろう。道道353号をテケテケと60km/Hで
走り、さっき立ち寄った日の出公園を掠めるように通り過ぎ
国道237号に入った。

Twhimawariagain

途中で満開になってるヒマワリを見つけた、北竜の不発を
ここで取り返したな p(^◇^)q

------------

国道237号は、初めて北海道に来た時に、道沿に綺麗な花が
沢山咲いていて思わず止まって写真を撮った思い出の場所。

当時はDT200WRで来たけど、今は排気量こそ同じだが非力な
TW200。テケテケと50km/Hくらいで花畑を横目で見ながら坂を
上り、美馬牛に入る。そこで「ジェットコースターの道」と
呼ばれるアップダウンを繰り返す道を走ったり、以前の旅で
利用させてもらったライダーハウスGOの現状を、美馬牛の
ホクレンの人に聞いたり、実物を見たりしながら、美瑛に
入った。

あまりに暑すぎてクラクラしたのでコンビニに入り紙パック
1Lの単価が一番安いウーロン茶を買って、半分は荷物に
括ったペットボトルに補充し、残る半分を一気に飲み干す。

美味いっ!!!!、五臓六腑に染み渡るぜぇ!!

さて、丘に行こう♪、丘に~♪

裏富良野も大好きだけど、美瑛もお気に入りの場だ(^^)

過去に色々な思い出はあるけど、それはもういいよ(苦笑)
ここらあたりのメジャーな所をバスから一度も降りずに
ノンストップで巡る大型観光バスと共に回る。自分は当然
要所で止まって、痛い足を引きずってだけど歩き、この場の
風の匂いを嗅ぎ、肉眼で見る。

Twkenmeri

どんなに時はたってもここの風景は綺麗だ。バイクで旅して
こうやって眺めた景色や日々を、自分は死ぬまで忘れまい。

何かの機会で横に居るようなバスツアーとかで、ここにもし
来ても、TWと共に駆け回った、若かりしこの日の気持ちには
きっとなれないだろうから。

------------

美瑛を端から端までゆっくりと走って堪能する。とうもろこし
畑は背が高く、映画フィールドオブドリームスのように、誰か
ここから出てくるんじゃないか、と思ったりもした(^^;)<ばき

Twtoumorokosi

…さあ、美瑛ももういいだろう、さよなら!、美しい丘たちよ。
テケテケと微かな排気音だけ残して、我々は美瑛を後にした。

------------

道道70号から道道581号に乗り換え上富良野まで戻ってきた。

さて今夜はどうしようかな。上質なクレッセに連泊する手も
あるし、午前中に偵察しておいた日の出公園でキャンプする
手もある。

普通の民宿や旅館のように事前に予約して夕飯の支度をして
もらわねばならない場所以外はどうにでもなる状態なので、
道道581号の千望峠のPAで、地図とガイドを見ながらちょっと
考えた。

Twsenbou

ここで重要なのは明日どう動くかだ。そのための延長線上に
宿を取るのが旅の戦略ってもんだろ。基本的に旅はターニング
ポイントである宗谷を周った事で終わりに向かって進んでいる。

それに諸般に事情により明日は札幌方向に行く事を考えると、
上富良野よりは富良野、金山、夕張方向に宿を確保することが
より好ましく思えた。

また体液滴る生傷を抱えてもいるので、キャンプは基本的に
避ける方向で考えよう。気が付けば今までキャンプは一泊しか
してないけど、緊急事態だから仕方が無い。安全第一で身体が
第一だ。キャンプはこれからだって何度も出来るさ♪

なので、富良野~金山ラインのライダーハウスを探してみたら、
ガイド本に位置といい、設備状況といい、良条件なところが
丁度富良野にあった。ためしに電話したら、ぶっきらぼうな
反応だったけど「泊まれます大丈夫です」、というので今夜は
そこに行ってみる事にした。

------------

富良野を貫通する国道237号の脇に平行して走ってる道を使い、
上富良野から富良野まで下る。空が雲が美しくて素晴らしくて
何度も写真を撮ったりしながら南下する。

Huranosora03

富良野駅付近までやってきて、急に都会になる。そこから
目指すライダーハウスはすぐ近く。ちょっと探したけど
見つけた。それが「ログ由縁」、スキーロッジ?のような
作りだ。ガイドブックだと設備が整っているように見えたが
単身女性旅人でもお勧めできるクレッセと違い、ここはどうも
山男が集うような昭和の山小屋的な雰囲気(^^;)

Rgyukari

Yukarinaibu

無料洗濯、乾燥、フロ、寝具一式まであって、一泊1000円。
でも二階に上がる階段は崩壊して抜けそうだし、あちこち
半端なくボロい。ワイルドな男にはたまらない森の隠れ家
的な感じだが、ここ以外の部屋が一体どうなっているのかは
わからない。

受付を済ませ、設備の説明を受けて、ある程度荷を下ろして
富良野の町に今夜の食材を買いに出た。近所にコンビニが
あったが、中心部まで出てスーパーに行ってお買物。

Twforest

一度も見たことの無い「冷やしメロンパン」なるものがあった
ので、買おうと思ったが、少し目を放した隙に無くなっていた。
どうも相当人気があるようだ、カゴに入れておけば…後悔。

------------

この夜にここに集った人たちは、小綺麗な宿を求めて来た
のではなく、ここの山小屋感覚というか、そう言う雰囲気が
いい、という人たちばかりで、暗くなってからもどんどん
客が来て、意外なくらいにぎわっていた。

自分も夕飯を食いながらその輪に加わり少し話しをした。
その話の中で、ワカモノがこんな事を言っていた。

「昔は大きいバイクで来ていたんですが、北海道を楽しむ
 なら、off車だ、と思って、以来off車で来るようになり
 ました。」

おお、オレとまったく同じ主義主張をするワカモノがいた!

旅人のDNAは、継がれてゆくんだな、と安心すると同時に
オレらがこうやって北海道に来る事が出来なくなっても次の
世代がこうやって、今後を背負ってゆくんだな、という世代
交代を感じた。頑張れワカモノ!、未来はお前達のものだ!

------------

生傷の手当てをしなければならないので、宴の席を中座して
フロに行き、シャワーだけ浴びて、生傷の患部を水で洗い、
新しいキズパワーパッドを丁寧に患部に貼り付けた。

そうそう、ここは寝室にコンセントが殆ど無いので充電は
食堂のような集合部屋でしか出来ないので、あしからず。
自分はメシを食いながら充電しておいたので、この文章は
フロから出てきて、ワイワイやってる宴座に戻らずに二階の
寝室でカタカタと打ち込んでいる。

明日は夕張経由で、どういうルートにするかは決めてないが
最終的に札幌近郊まで辿り着く予定。天気と気分でその場で
臨機応変、それが自分の旅のスタイルだからね(^^)

十人くらいが寝れる部屋で、一番最初に寝に入る。

おやすみなさい…蚊かな?、妙に虫が多い気がする…

------------

本日の走行距離:246km
   

|

« 旅2012・8日目 慎重 | トップページ | ニセコから »

乗り物道楽」カテゴリの記事

コメント

 帰省している間に未読分がたくさん。ここまで一気に見させていただきました。
 私も、来年はいけるように頑張ろう、色々と。

投稿: 剣片喰 | 2012.08.19 12:00

剣片喰さん:

いつもコメントありがとうございます(^^)

久々の北海道旅は色々ありましたがそれをひっくるめても楽しかったです♪

旅の記録はまだ続くのですが、今日の午後から急遽数日間現場に出張になりまして…
今はあたふた出発準備をしています。その関係で以後のUPはまた少し先になりそうです。
出張先の宿でネットが使えるようなら以後のUPのチャレンジをしてみますね(^^;)

投稿: ino | 2012.08.19 12:39

更新を楽しみにさせていただいております。
札幌在住ですが、へぇ~と思うことが多いです(笑)
アップルの壁紙 http://www.apple.com/mac/ になっている青い池。まだ見たことがありません。
私もぜひ行ってみようと思いました。

投稿: 705 | 2012.08.26 08:42

705さん:

コメント頂きありがとうございます(^^)

すみません、「http://」でシステムがスパムコメントと判断してしまうようで
ハネられてしまっていました、失礼いたしましたm(_ _)m

北海道は行くたびに次にこうしよう、あそこに行こう、という宿題が増えてゆく
不思議な場所です。ある程度回れば、「もういいや」と思うのが普通なのですが
逆なんですよね、くるたびに新しい発見があって、たくさんのやり残しを抱えて
フェリーに乗る、そういう稀有な場所だと思います(^^)

投稿: ino | 2012.08.27 23:35

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 旅2012・9日目 周遊:

« 旅2012・8日目 慎重 | トップページ | ニセコから »