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2012年7月

2012.07.31

旅2012・10日目 都会

昨夜は大部屋で一人で早く寝たため、他の人が戻ってくるまでに
部屋に居た虫達に好き放題に足を刺されたらしく、本人がビックリ
するくらい虫刺されの跡が両足にある状態で、ライダーハウス
由縁で目覚めた。

昨夜の宴会は相当長かったようで、同室の皆さんはほぼ寝たまま。
なので他の人を起こさないようにそっと荷造りして、全ての荷物を
持って、寝具を片付けてから部屋を出た。

Twyukari731

駐輪場で支度を整え、そこを出発。まだ7時にもなってなかった。

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さあ、今日は札幌方面に行くぞ!、まず目指すは朝飯代わりの夕張
メロン!。メロンパンじゃなくて本物のメロンを食う!

夕張を目指して、国道237号を南下。ここで、北海道に来て初めて
生きているカブトムシを発見!、車と当たったのか、残念ながら
死にかけている状態だったけど、ついにクワガタ天国の北海道に
カブトムシが来たのか…温暖化なのか、人為的な行為なのか、
理由は判らないけど、ちょっと怖くなる。

Twkabuto

途中金山ダムに寄って占冠まで走り、そこでガソリン補給。140km
走って3.1L。燃費は45.2km/L。イイネ!、最高ゥ!。その後道の駅
しむかっぷで便所に寄って、再出発。

Twshimu

日高をバイパスする道道610号を南下し、国道274号に当たってそれに
乗り換え西に進み、淡々と夕張を目指す。昨日は暑いピーカンだった
けども、今日は打って変わって曇りで涼しい。メッシュジャケット
では少し寒さを感じる。途中でウェアをメッシュから通常のものに
着替えた。

Twjyukairoad

そういやこの道はこういう通り名が付いてるらしい。こんな記念碑が。

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自衛隊ナンバーを付けた黒いレガシィBP2.0iの後ろをずっと走り
ながら、夕張に入る。五年前にカットメロンを食った店を見やり
ながら便所にも行きたかったのでその近くの夕張の道の駅に入る。

半玉で300円のメロンをがっつりと頂き、

Twyuubarimelon

さっき自分の前を走っていた自衛隊ナンバーのレガシィ2.0iが
居たので珍しいなぁ、と撮影したり。どうせなら迷彩塗装だったら
もっと面白かったのになぁ。

Jieitai20i

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ここで札幌方向に進むための進路を南にするか北にするか迷う。

南にする場合、支笏湖を掠めて洞爺湖に回り、そこから北上して
札幌方向に向かうことになる。北にする場合、岩見沢を通って、
石狩を抜け、札幌をかすめて小樽から回り込んで南下する事に。

どっちが楽しいルートか、と言うと間違いなく南下ルートだ。

北上ルートは大都市圏に近づくため、美しい自然の景色ではなく
ゴミゴミした都会の雑踏と車の大群と信号機にまみれる事になる。

でも、北上コースを撮ると、旅の最終日に洞爺湖支笏湖ラインを
通れるが、南下コースだと岩見沢石狩方向に行くことはもう無い。

今回の旅はTWとの北海道旅のケジメでもあるので、味気ないけど
かつて何度も通った岩見沢と石狩にも挨拶して行こう、と決めて、
北上ルートを選択し、夕張から北に伸びる国道452号に乗って、
途中で道道38号に左折して夕張駅がある方向に向かった。

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夕張の町内はこんな感じで黄色いハンカチだらけだった。

Twyellowhan

ここの人には悪いけど、ここはもう夕張メロンと映画くらいしか
今となってはリソースが残っていないんじゃないかな、と思う。
道路にあったハローワークの看板だけが妙に新しく気になる。

Yuubarihallo

そしてその看板の右手に廃業したらしき女性物衣料品店。
かつてはここでこういう商売をして食っていけたんだろうけど、
この取り合わせが今の夕張を物語るようでちょっと悲しい。

Yuubarihaikyo

頑張って欲しいが、宝くじに当たるような一発逆転!サヨナラ
ホームランみたいに栄える産業が突然ここに興るかというと…
難しいだろう。

批判を覚悟で仮定の話として強いて言えば、例えば炭鉱跡を
使って日本最初の放射性廃棄物最終処分場を誘致するとか、
そういう誰もがあっと驚くような、または捨て身とも取れるような
今までのリソースを捨ててでも火中の栗を拾いに来るような
奇策がないと、一般企業誘致や、映画とメロンで観光客を呼ぶ
だけでは色々と難しいんじゃないだろうか?

いっそ次のエバ○ゲリ○ンとタイアップして、第5新東京とか、
夕張秘密工場とか、そういう描き方をしてもらうとか…、おっと
妄想が過ぎた。

Twyuubarikibou

夕張に希望あれ!、さらば!

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雲が多い天気であったが、道道38号は気持ちのいい道だ。TWも
テケテケと快走する。だがそんな楽しい時間も、山を下って
街に近づくと、どんどん残念な感じになってゆく。

Twiwamizawahe

岩見沢は大都市だ。だからそこを走る国道12号を南下するともう
トラックや自動車がガンガン走っていて、TWと自分との旅の速度
(60km/H)では最も遅い部類に入ってしまう。3車線もあるので
余裕を持って抜いていって欲しいが、なかなかそうしてくれずに
同じ車線で掠めるように抜いてゆく車ばかりだ。

でもいつも地元では自分も速いバイクだとすり抜けをしてるから、
車の人はそのバイクを見て怖いと思うんだろうな、などと考える。
でも安全上これ以上国道は走ってられない!、と道道81号に乗り、
西に向かった。都会は走っても面白くないので記述は少ない。

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新篠津のホクレンで給油。128.5km走って2.7L。燃費は今までで
最高の47.6km/Lをマーク!、占冠から岩見沢は基本的に下り坂
だもんなぁ、ま、追い風参考、という事にしとこう。

隣のコンビニで紙パックウーロン茶1Lを買ってペットボトルに
継ぎ足し、地図を眺めていると、この移動延長線上にはロイズの
工場があるじゃないか!

ロイズコンフェクトの生チョコは大好物なので寄らない訳には
いかない。すぐそちらに向かう。国道275号を通り、国道337号に
乗りかえ西へ!西へ!

…ロイズの工場に着いた。綺麗だな、そしてデカイ。

Twroice

直営店に入り、もう十年来のロイズの大ファンなんです!、と
そこの店員さんにハゲかけた中年男が熱く生チョコを語ったら
試食品のチョコを何個もくれた(^^;)。ここでしか無いロイズの
ソフトクリームを購入250円、さっそく食す。あー、美味いぃ♪

Roicesoft

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さてこれからどうしよう。勢いあまって大都会に出てきちゃった
けど、札幌や小樽にはまったく興味が無い。なので海側を走って、
小樽まで行き、そこから羊蹄山の方に回り込んで、そっち側で
今日泊まる場所を探そう。

国道337号を西に進み、国道5号に乗り換え、車と信号が無茶苦茶
多いその道をともかく短時間で通り過ぎたくて、頑張って走った。
この距離も相当あるんだけど、特に記載する内容はないので省略。

Twheisin

…おや、こんな所でヘイシンさん。昔お世話になりました(^^ゞ

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小樽から国道393号に乗り、毛無峠という中年男には縁起でも
ない峠を走る。途中の展望台に立ち寄る。ここは毛無から増毛が
見える縁起のいい場所らしいが、その日は増毛は全く見えず…

Kenasi

怪我はしてるけど毛が無いよ、と一人でオヤジギャクをかまして
みるが、誰も居ないのでさらに不発_| ̄|○

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…失意のうちに出発。国道393号を赤井川経由でどんどん南下。

それに呼応するように空がどんどん暗く黒くなって雲が低くなる。
あちゃー、こりゃ雨降るかなあ、でも対向車は一台も濡れてない。

これは行けるだろ!、行ける行ける!、突き進め!TW!

Twamagumo

くねくねしていた国道393号が信号で直角に曲がったら、一本の
真っ直ぐな道になり、その左前方に、羊蹄山が見えてきた。頂上が
ガスってて全体が見えず曇りなんで景色は良くないが、底知れぬ
パワーを感じさせる荘厳な感じは相変わらずだ。スゲェな…。

Twyoutei

山に吸い寄せられるように真っ直ぐ走り、道道478号に突き当たる。
そこから山を時計回りに周回するようにぐるっと回り始めた。

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京極に入り、湧水で有名な道の駅に入る。その湧水を飲みに来た。
そこでサッカーボールをドリブルしながら歩いて日本一周をする
ワカモノと出会う。

道中の旅人のうわさでは聞いていたけどまさか実物に遭遇するとは
思わなかった。その馬鹿さかげんがいいぞ!、若いうちにやりたい
だけやれ!イケイケ!、頑張れ! …あ、写真撮るの忘れた<ばき

道の駅を出たらまず給油。京極のホクレンで140km走ってガソリン
3.4L。41.2km/Lだ。市街地で何度も信号に引っかかって止まった
から、それが悪影響だったみたいだな。普通ならすごく良い燃費
だけど、それよりも良いデータを何度もたたき出すので、ついつい
悪いと思ってしまう。

給油のあとは羊蹄山の引力につかまった衛星のようにその周りの
道道66号を回る。何度も走ったこの道。色々な思い出が羊蹄の水の
ように湧き上る。でも生々しい左膝の痛みと、悪い天気の今回の
旅の記憶で、それらの濃度を上塗りするように、新しい記憶が
その上から容赦なく刻まれて行く。…これでいいのさ(^▽^)

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さて今夜はどうしよう。札幌方面に回ってもいいけど、もう雨が
降りそうだから、この辺りに泊まろう。地図を見るとニセコには
ライダーハウスが二軒しかないらしい。

曇天の下、少し走ってニセコの街に入り、駅に表敬訪問した後で
まずはニセコの奥にあるニセコライダーハウスに行ってみた。

だがそこは無人で、大正カニの家と同じ?ようなシステムなのかと
思ったけど、具体的にどうやって泊まるのかさっぱり判らず撤退。
雨が降りそうだったけど、バイクを納める屋根が無かったのと
ハチがブンブンと沢山飛んでいてちょっと身の危険を感じたので。

そこでもう一軒あるニセコツーリストホームに電話してみたら
繋がった。利用可能だという。なのでニセコのコンビニまで戻り
そこで食材を買って、ツーリストホームに向かう。

そこのコンビニでまた食ったことの無いメロンパンと遭遇。
明日の朝飯用に購入。このコンビニ、なぜかレジに100円札が
たくさん入っていた。なんでも老人がフラリとやってきてこれを
沢山使って買物していったのだという。記念に一枚両替して
もらった。ま、これも旅の思い出ってことで(^^ゞ

Melon100en

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…着いた。今夜はここ。ここは基本的に普通の民宿で、
その一室をライダーハウスとして運営してくれている。
今夜は雨が確定してるので助かります(^^ゞ

Nisekoturisuto

Nisekoturisutohome

バイクは屋根付きの納屋に収納出来るので夜に大雨の予報が
出ている今夜もちょっとだけ安心出来る。

Turisutonaya

同室のライダーさんは3人、全て自分より若い人たち二人は無職で、
原付二種乗りで、無職無期限無予定の放浪中だとか。いいねぇ!、
昔はそういう人たちばっかりだったんだよ北海道は(^^)
そんな旅の話が盛り上がりながら、いつものように夜は更けてゆく。

しかし狭い部屋(6畳?)にバイクの旅装束の4人とは…。一人の
占有面積だと同じ料金のクレッセより広いんだけど、クレッセの
方がお買い得というか、支払う金より高いクォリティーが得られる
ような演出をしている。ここも悪くないけど、一人二人なら、かな。
布団を4枚敷いたらもう一杯だもの。

Turisutoroom

なので自分は部屋の面積を食わない押入れの下段に布団を
敷いて、場所を確保した。今夜はオリンピックの女子サッカー?、
の試合があるらしくワカモノはそれを見たいとの事。頭の薄い
年寄りは押入れを隠すカーテンと耳栓を使って暗さと静寂を
手に入れて、早々に寝た。

明日は大雨の予報。今回もまた外れますように…(-人-;)タノム

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本日の走行距離 375km かなり走ったけど都会は印象が薄い。 
 

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ニセコから

まだ無事生きてますよ、と言うことで短信。

ぢつは数日前にアスファルト上にばらまかれた
砂利に乗って転倒、擦過傷&打撲を抱えながら
旅をそのまま継続しています。詳細は後日の
ネタUPに期待していてください(^^;)<ばき

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2012.07.30

旅2012・9日目 周遊

導入剤が効いて、途中で目覚める事もなく上富良野のライダーハウス、
クレッセで朝が明けた。今日は一日富良野や美瑛をフラフラと走る
だけに止めるつもり。ここは見所が多いので、それでも全部を周る
事が出来ないくらい、いい場所なからね。さぁ今日一日を楽しもう♪。
まずは朝飯にメロンパンで食うかな。

Asamelon730


朝早くはファーム富田が斜面と朝日の当たる角度の関係で綺麗だ。

それに朝は人が少なくてゆっくり見れる。なのでまずは朝イチで
ファーム富田に行く事にした。どういうわけか、同室だったライダー
さんも一緒にそこに行く事になり、連れ立ってクレッセを後にした。

Twkuresse730

お世話になりました(^^)

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旅先で知り合った旅人が行動を共にするのは良くある話だ。

これが独身女性ライダーだったら、そこから何かが始まるのかも
しれない予感がありそうなもんなんだけど、残念ながら同年代の
オッサン二人連れでの美しい花畑見物。しかし、これだって何かの
縁だろう、と旅装束の中型バイク2台でファーム富田を目指した。

Twsideface

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5年ぶりとなるファーム富田に到着。

Tomita73000

朝の陽光を浴びた花畑は美しかった。もう満開は終わってしまって
いるのだけど、それでも花は花。若いだけが美しいわけじゃない。
その時々で精一杯の美しさを見せてくれる。そして季節が過ぎて
花が終わっても、植物は毎年寒さに耐えて葉を伸ばし新しい花を
咲かせて、ここで人々を楽しませて喜ばせてくれている。感動だ。

Tomita73001

五年前には色々な思いを抱えてやってきた所だけど、一昨日の夜の
ケジメをもって新しい未来に進んだ自分にとって、ここは過去の
思い出の場ではなく、毎年咲く花のように、これから新しい記憶を
作る所なんだな、と思ったりもした。

一通り花を見たあと、五年前に食いそびれたメロンパン屋を探した。
そしたら屋台みたいな店はもっと規模がデカくなっていた。

ちょうど開店準備をしている所だったので、ためしに店員さんに
声をかけたら、いまちょうど今日の最初のメロンパンが焼きたてで
オーブンから出てきた所です、という!!!

Tomitamelon01

普段はもう少し冷ましてから売るので火傷するくらい熱いですよ!
と言われながら受け取ったのはホカホカの湯気が立つメロンパン!
一個250円もするけど(^^;)、焼きたてはやっぱり美味かった~♪、

Tomitamelon02

確かにショーケースの中身はカラッポ、まだ店頭に並ぶ直前の
ロールアウト直後の状態じゃん!

Tomitamelon03

これだけでここに来た甲斐があったよ、五年前の旅の課題が一つ
片付いた(^◇^)

ここで行きずりの知り合いとなったライダーさんに別れを告げて
一人旅を再開。とりあえず自分をこの旅に引っ張り出してくれた
ツーリング雑誌の表紙
と同じ場所で同じアングルで一枚撮影。

Zasshihyousi

とはいえ、撮影角度やら木の板があって同じにはならなかった(^^;)
この雑誌を買わなかったら多分この旅は無かったよ。ありがとう!

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さあ、いつもの裏富良野に行こう!

裏富良野とは自分が勝手につけた名称で、ファーム富田の東向きの
斜面を登り、少し北側に行って一つ、二つ丘を越えたあたりにある
パッチワーク模様の畑の景色のことだ。過去に何度もそこにやって
きてその絶景を楽しませてもらっている。

2000_3

これはその辺りで撮った旧い画像、元カミさんと行く前の年かな?。
バイクも、背負ってる荷物も、着てる服もほぼ同じ。でもこの頃は
オレにも頭にこんなに毛がたくさんあったんだなぁ(;_;)<ばき

Urahurano

経年劣化、老化現象とは、かくも恐ろしいモンなのか(-_-;;)<ばき

しかし、今回も無事にこれた。なぁTWよ、十数年前にお前とここに
やってきて、あまりの綺麗さに絶句して、それから何度も来ている
場所だぜ。懐かしいだろ(^^)?

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後はもうフリープランでただ気分の赴くままに色々な所を走った。

細かくルートは書かないけど、裏富良野の風景を網膜と脳みそに
焼き付けて、丘を降りた所にあるダートも何本も走り、上富良野の
日の出公園に行って、ラベンダーと景色が綺麗な高台まで登ったり
した。

Hinodekouenn

ただ、ちょっとはしゃぎすぎたようで、生傷のままの左足がかなり
痛くなってきたので、日の出公園の丘を下りた後、公園の蛇口で
冷水で傷口を洗ってキズパワーハッドを張り替えたりもしていた。

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これ、肘は順調なんだけど、膝のキズは少し深いので半日もたつと、
体液が大量に出て、でろ~ん、とした液体がパッドから漏れてきて
しまう。動かさなければいいんだろうけど、歩くと必ず動く場所
だから仕方が無いんだけど。

このパッドは生傷を生傷のまま封じ込めて、細胞活性を促して
キズを早く治す、というものなのだが、そのために消毒薬を
塗布する事が出来ない、とされているので、抗生物質を飲んで
いない今は、化膿のリスクが常に紙一重である。世の中のどんな
ものにでも、メリットと、デメリットがあるようにこれもそう。
上手に付き合っていかないと。(この不安は後日現実となる…)

基本的には良い製品なんだけど、パッド一枚が300円もするから
もう少し安いか、長時間持つといいのにな。

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よし、人工物はある程度見たから、自然を見に行こう!、日の出
公園を出て、今度は富良野の東側に渡る。

Twmasshugu

斜線道路の別名を持つ道道298号を南下して、ベベルイの方向に
曲がり、山に向かう。森の景色と青い空が最高のコントラスト!!

Huranoaozora

生きてて良かった!、と思ってしまう位のすばらしい景色が続く。

Twrokugouhe

天気が最高に良くて、段々暑くなってきた。途中の道端で止まり
Tシャツの上にメッシュジャケットを着ただけのファイナル真夏
バージョンにして走り出す。途中で道道253号に乗り換えてから
少しゴミゴミした交差点を曲がり、麓郷の森方向を目指す。

Rokugou

でも、ぶっちゃけ、五郎の家なんぞにはなんの興味も思い入れも
無いので、森の入り口まで来て、そのまま引き返した。歩きたく
ないし、ここに着たぞ、というだけで十分だ。人の手で創った
ものよりも、今は自然の美しさの方が自分は見たい。

Twrokugou

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なので道道253号をそのまま戻って自然の景色を堪能しながら、
今度は鳥沼公園を目指した。

Twtorinuma1

その昔ここはキャンプ場が有名で、ヌシと呼ばれる住人まで居た。
最初に北海道に来た頃、ここに着たけれど、その異様な雰囲気に
圧倒されて、日の出公園に逃げたっけ(苦笑)

でも今ではキャンプ不可で、ここが以前キャンプ場だった痕跡は
管理棟の裏に捨てられた、このキャンプの注意書きぐらいだ。
あぁツワモノドモのユメのアトって感じ(^^;)

Toricampato

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さて、今度はちょっと距離を走って十勝岳に行ってみるか!

中富良野のまっすぐな農道をひたすらまっすぐ北上する。
途中の畑では掘り出されたタマネギが並んでいた。日本の
食卓を支えてくれる農家のみなさん、ありがとう!

Twtamanegi

長い長い直線を走り終え、さっき走った道道298号を横切って
次に道道291号に乗り換える。景色が最高ゥ♪綺麗で楽しい!

Twhurano02

ここからは十勝岳に向かって延びる登り坂。道端に植えられた
ラベンダーが気分を盛り上げてくれる。

Twhuranohukiage

景色を楽しみながら道は徐々に高度を上げてゆく。荷物満載の
非力なTWでは途中で5速のままで登れなくなって4速でひーこら
言いながらどうにか一番高い場所までやってきた。

Twtokachidake

Twtokachi

最高だ!、この景色!、この空!!、北海道に来て良かった!!

ひとしきり景色を堪能した後で、山を下る。かなり急な下りの
コーナーに入る時にTWのFブレーキが握り切れてしまって、思う
ように車速が落とせずちょっとヒヤリとした。

ブレーキシューが出発前から少し磨耗したんだろうな、道端に
止まってワイヤーの調整をして、再スタート。ドラムブレーキは
こういう事をこまめに見る必要がある。でも今までこんな事を
何度もやりながらお前と旅してきたよな、TW。お前のこういう
クセや、性格や、体力、実力、要所のボルトの締め具合、車体に
付いた傷、それをオレは全部知ってるよ。今回の旅でも新しい
傷を付けて思い出を刻んじまったし。ホント古女房だよな(^^)

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生傷持ちだと吹上の湯に行っても意味がないのでパスして走る。
途中の景色が美しすぎて凄すぎて、路肩に何回も止まって楽しむ。

白金を過ぎた辺りで、新しい看板があって、そこに車がどんどん
吸い込まれるように入ってゆく。何だろう?十数年前にはこんな
所無かったような?、でもマップルにここは「青い池」として
ランドマークされている。じゃ行ってみよう。

砂利の駐車場の片隅にTWを停めて、痛む膝をかばうように足を
引きずりながら少し歩いた。…それは本当に青い池だった(^^;)

Aoiike

青い空、緑の森、白化した木、青い池に映り込む山の緑、そして
青い池に映り込む青い空。ちょっと不思議な景色が広がっていた。

初めて見るよ、ここまで来てよかったな(^^)

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その後、白金インフォメーションセンターに寄る。

ここは大昔やってきて、以前TWについて書いたネタで使った
写真を撮った場所だ。

Tw02.jpg

全く同じようにTWを停めてみた。あれから15年くらいたって、
全く同じ場所にほぼ同じ格好の同じバイクが居る。ちょっと
不思議だね(^◇^)

Twshirokane

よし、上富良野に戻ろう。道道353号をテケテケと60km/Hで
走り、さっき立ち寄った日の出公園を掠めるように通り過ぎ
国道237号に入った。

Twhimawariagain

途中で満開になってるヒマワリを見つけた、北竜の不発を
ここで取り返したな p(^◇^)q

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国道237号は、初めて北海道に来た時に、道沿に綺麗な花が
沢山咲いていて思わず止まって写真を撮った思い出の場所。

当時はDT200WRで来たけど、今は排気量こそ同じだが非力な
TW200。テケテケと50km/Hくらいで花畑を横目で見ながら坂を
上り、美馬牛に入る。そこで「ジェットコースターの道」と
呼ばれるアップダウンを繰り返す道を走ったり、以前の旅で
利用させてもらったライダーハウスGOの現状を、美馬牛の
ホクレンの人に聞いたり、実物を見たりしながら、美瑛に
入った。

あまりに暑すぎてクラクラしたのでコンビニに入り紙パック
1Lの単価が一番安いウーロン茶を買って、半分は荷物に
括ったペットボトルに補充し、残る半分を一気に飲み干す。

美味いっ!!!!、五臓六腑に染み渡るぜぇ!!

さて、丘に行こう♪、丘に~♪

裏富良野も大好きだけど、美瑛もお気に入りの場だ(^^)

過去に色々な思い出はあるけど、それはもういいよ(苦笑)
ここらあたりのメジャーな所をバスから一度も降りずに
ノンストップで巡る大型観光バスと共に回る。自分は当然
要所で止まって、痛い足を引きずってだけど歩き、この場の
風の匂いを嗅ぎ、肉眼で見る。

Twkenmeri

どんなに時はたってもここの風景は綺麗だ。バイクで旅して
こうやって眺めた景色や日々を、自分は死ぬまで忘れまい。

何かの機会で横に居るようなバスツアーとかで、ここにもし
来ても、TWと共に駆け回った、若かりしこの日の気持ちには
きっとなれないだろうから。

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美瑛を端から端までゆっくりと走って堪能する。とうもろこし
畑は背が高く、映画フィールドオブドリームスのように、誰か
ここから出てくるんじゃないか、と思ったりもした(^^;)<ばき

Twtoumorokosi

…さあ、美瑛ももういいだろう、さよなら!、美しい丘たちよ。
テケテケと微かな排気音だけ残して、我々は美瑛を後にした。

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道道70号から道道581号に乗り換え上富良野まで戻ってきた。

さて今夜はどうしようかな。上質なクレッセに連泊する手も
あるし、午前中に偵察しておいた日の出公園でキャンプする
手もある。

普通の民宿や旅館のように事前に予約して夕飯の支度をして
もらわねばならない場所以外はどうにでもなる状態なので、
道道581号の千望峠のPAで、地図とガイドを見ながらちょっと
考えた。

Twsenbou

ここで重要なのは明日どう動くかだ。そのための延長線上に
宿を取るのが旅の戦略ってもんだろ。基本的に旅はターニング
ポイントである宗谷を周った事で終わりに向かって進んでいる。

それに諸般に事情により明日は札幌方向に行く事を考えると、
上富良野よりは富良野、金山、夕張方向に宿を確保することが
より好ましく思えた。

また体液滴る生傷を抱えてもいるので、キャンプは基本的に
避ける方向で考えよう。気が付けば今までキャンプは一泊しか
してないけど、緊急事態だから仕方が無い。安全第一で身体が
第一だ。キャンプはこれからだって何度も出来るさ♪

なので、富良野~金山ラインのライダーハウスを探してみたら、
ガイド本に位置といい、設備状況といい、良条件なところが
丁度富良野にあった。ためしに電話したら、ぶっきらぼうな
反応だったけど「泊まれます大丈夫です」、というので今夜は
そこに行ってみる事にした。

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富良野を貫通する国道237号の脇に平行して走ってる道を使い、
上富良野から富良野まで下る。空が雲が美しくて素晴らしくて
何度も写真を撮ったりしながら南下する。

Huranosora03

富良野駅付近までやってきて、急に都会になる。そこから
目指すライダーハウスはすぐ近く。ちょっと探したけど
見つけた。それが「ログ由縁」、スキーロッジ?のような
作りだ。ガイドブックだと設備が整っているように見えたが
単身女性旅人でもお勧めできるクレッセと違い、ここはどうも
山男が集うような昭和の山小屋的な雰囲気(^^;)

Rgyukari

Yukarinaibu

無料洗濯、乾燥、フロ、寝具一式まであって、一泊1000円。
でも二階に上がる階段は崩壊して抜けそうだし、あちこち
半端なくボロい。ワイルドな男にはたまらない森の隠れ家
的な感じだが、ここ以外の部屋が一体どうなっているのかは
わからない。

受付を済ませ、設備の説明を受けて、ある程度荷を下ろして
富良野の町に今夜の食材を買いに出た。近所にコンビニが
あったが、中心部まで出てスーパーに行ってお買物。

Twforest

一度も見たことの無い「冷やしメロンパン」なるものがあった
ので、買おうと思ったが、少し目を放した隙に無くなっていた。
どうも相当人気があるようだ、カゴに入れておけば…後悔。

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この夜にここに集った人たちは、小綺麗な宿を求めて来た
のではなく、ここの山小屋感覚というか、そう言う雰囲気が
いい、という人たちばかりで、暗くなってからもどんどん
客が来て、意外なくらいにぎわっていた。

自分も夕飯を食いながらその輪に加わり少し話しをした。
その話の中で、ワカモノがこんな事を言っていた。

「昔は大きいバイクで来ていたんですが、北海道を楽しむ
 なら、off車だ、と思って、以来off車で来るようになり
 ました。」

おお、オレとまったく同じ主義主張をするワカモノがいた!

旅人のDNAは、継がれてゆくんだな、と安心すると同時に
オレらがこうやって北海道に来る事が出来なくなっても次の
世代がこうやって、今後を背負ってゆくんだな、という世代
交代を感じた。頑張れワカモノ!、未来はお前達のものだ!

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生傷の手当てをしなければならないので、宴の席を中座して
フロに行き、シャワーだけ浴びて、生傷の患部を水で洗い、
新しいキズパワーパッドを丁寧に患部に貼り付けた。

そうそう、ここは寝室にコンセントが殆ど無いので充電は
食堂のような集合部屋でしか出来ないので、あしからず。
自分はメシを食いながら充電しておいたので、この文章は
フロから出てきて、ワイワイやってる宴座に戻らずに二階の
寝室でカタカタと打ち込んでいる。

明日は夕張経由で、どういうルートにするかは決めてないが
最終的に札幌近郊まで辿り着く予定。天気と気分でその場で
臨機応変、それが自分の旅のスタイルだからね(^^)

十人くらいが寝れる部屋で、一番最初に寝に入る。

おやすみなさい…蚊かな?、妙に虫が多い気がする…

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本日の走行距離:246km
   

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2012.07.29

旅2012・8日目 慎重

テントの中で眠りについたはずなのだが、中々寝付けなかった。
情けない事に、元カミさんとの思い出が色々と蘇ってきやがる。

仕方が無いので手持ちの睡眠導入剤を多めに投与し、強制的に
脳みそのシャットダウンを図った。正確には判らないが多分2時を
少し回っていたくらいだと思う。

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…新 し い 朝 が 来 た ~ ♪


朝が来て目覚めた。このキャンプ場は湖畔の森の中にあるので、
良くあるキャンプ場と違って朝日が差してきてテントが蒸し風呂の
ようになって暑くて目が覚めるような事はない。

だからまだ普通に朝だと思ったら、午前9時を過ぎていた。あれ?
そっか、寝る前に怪我の痛み止めでロキソニンも飲んでいたっけ。

それと、ハルシオンの相乗効果でいつも以上に寝ちまったのかな。
そのおかげか、身体はそれほど痛くない。湿布や、パワーハッドの
効き目もいいようだ、痛いことは痛いけど、生傷をこさえた翌日の
感覚は無い。体液でパンパンになっていたキズパワーパッドを
ちょっと早い気がしたけど念のために新しいものに張り替える。

よし、出発しよう!、さっそく荷造りを開始だ!

おっとっとっと、その前に、昨夜の遺灰をここに残していかなくちゃ。
これからの未来には当然持っていけないから、この場に埋めてゆく。

Shumariash

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後は手順に従っていつもどおりの順番でいつもどおりに片付けて
いつもどおりにパッキング、いつものようにバイクに括りつけた。

Twshumaritettai

取っていいのは写真だけ、残していいのは燃え殻だけ<ばき!
行くべよTW、これからの先へ、今後の時間軸上にある未来へ!

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実はTW、ガス欠寸前だ。昨日コケた一件でガソリンを入れるのを
忘れていて、朱鞠内に向かった直後にリザーブに入っていた。

キャンプ場で手持ちの予備ガソリンを0.5L入れておいたけど今の
ままだと給油可能な士別までギリギリ辿り着けるくらいのはずだ。

Twshibetue

それでもおっかなびっくりゆっくり50km/Hで道道251号を士別に
向けて走る。長い下りはエンジンを切って惰性で下ったりして
可能な限りのエコランをしてしのいだ。

もしもガス欠こいたら、この手と足じゃ押して歩けない。だから
どうにか持ってくれ~(T◇T)

ガス欠症状が出ない状態でどうにかして士別市内に辿りついた。

ホクレンで給油。実に284.7kmも走っていた。何度もTWで北海道を
走っているけど、無給油でこれだけ走ったのは恐らく初めてだろう。
転倒でガソリンが少し漏れているのもあるし、よくこんなに走ったな。
まあ、キャンプ場で0.5L足してはいるけどさ:-p。

…この状態で、ガソリンは6.4L入った。TWのタンクは満タンで7Lだ。
つまり、キャンプ場で足したガソリン分だけがタンクに残っていた、
という事になる。

Gas729

あぶね~、追加して入れなかったら、本当にガス欠していたのかも
しれない状態だったよ、かなりギリギリだったんだな(^^;)。

燃費は追加の0.5Lも入れて計算すると41.5km/L。ま、良しとしよう。
ついでにここで道央のホクレンフラッグ赤を購入。これで4本揃った。

Hokuren4colors

ガソリンの量といい、フラッグといい、なにやら朝から幸先がいいな。
左肘と、左膝の削れた生傷は動かすと相当に痛いけど、バイクに
乗っている状態なら、どうにかなりそうだと、ここまで走って判ったし。

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無事ガソリンも入れ、心理的に余裕が出来たので、すぐ南にある
道の駅、絵本の里けんぶちに入る。ここが絵本の里という、その
根拠がさっぱり判らないが、ここには手作りパン屋があるらしい。

たまにはメロンパンでも食うかな。物色するとあった!、早速購入。

Kenmelon

…うーん、普通だな(^^;)、でもコストパフォーマンスは悪くないよ。
無意味に高いモノが多いのに、ここは良心的なのでオススメ。

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和寒まで下り、道道48号に乗り、進路を西に変えた。幌加内まで
走る。このあたりは蕎麦が名産。一面の蕎麦畑で花がとても綺麗。

Twsoba

だが、蕎麦を食うほど腹は減ってない。表皮が蕎麦ぼうろロ風味の
『ソバメロンパン』とかあったら食ったんだが、そんなの無いよなぁ。
幌加内のパン屋さん、作りませんか(^^)?<ばき

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道路看板にはチラホラと北竜の文字が出始めた。…そうだ、そこの
ひまわり畑でも見に行くかな。今はたしか丁度良い季節のはずだ。

Hokuryuuhe

国道275号に乗って進路を南下に転じた。町の街頭がヒマワリを
模しているが微笑ましい(^^)

Twhimawari_2

国道275号をそのまま走って、北竜のひまわりの里に到着した。
一面満開のひまわりを期待して行ったんだけど、その肝心の
ひまわりが、ほんの少ししか咲いていない。あれれ?、何で?

Himawarihuhatu

色々な人に声をかけて話を聞いてみた。するとどうも今年は雨が
少なくて開花が遅れてるとの事。う~ん、ひまわりは不発か、残念。

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ここで、これからどっちに向かうか、地図を片手に考えた。

あちこち行ってみたい場所はあるけどケガがあってあまり歩けない。
だから目標を定めたら、途中はあまり寄り道しないでそこに向かって
移動する方がいい。今日はクールダウンの日としよう。

じゃあそういう方針で行くとして、どっちに行こうかな(._.)?

道道94号を西に進んで増毛方向に行くか、それとも国道38号まで
下って富良野方向に行くかに絞った。

この二つは方向がまったく異なるので、今後の日程を考えると、
片方に行けば、もう片方には今年は回れない事を意味していた。

富良野は前回行ってるけど増毛には行ってない。でも今の季節の
見所は富良野や美瑛の方がたくさんある。今後の日程を考えると
富良野に行って、一日その辺りをぶらぶらして、翌日に札幌方向に
行くのが、ケガやらその他やらを考えると、色々な点で都合がいい。

よし、今回は増毛は止めておこう。おっとっと、「ぞうもう」じゃないよ、
「ましけ」だよ、勘違いしないでね~(^^;)<ばき

道道94号を東に進み、国道12号に乗ってさらに南下、そしてすぐに
道道564号に乗って東へ南へ進み、国道38号に乗り富良野を目指す。

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国道だけではつまらないので、途中道道224号に乗ったりもしたが
東進のベクトルは変わらず、国道38号に戻って、富良野を目指す。

Twr38

ガス欠寸前の記憶が生々しいので芦別のホクレンで給油。133kmを
走って2.9L。燃費は45.9kmk/L!、今回の旅で最高記録更新だね(^^)

上芦別あたりでこんな橋と、観音像と、何重の塔らしき物があった。
自然の美しさとつい比較してしまうと、橋の直線がちょっとトゲトゲ
しくて、その奥に見える観音像と塔が毒々しく見えてしまう…

Twkamiashibetu

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芦別国道との別名を持つ国道38号をさらに進み、右手に滝里湖を
眺めながら走る。

Twtakisatoko

天気はすっかり暑くなっていて、メッシュのジャケットでも少し暑い。
こんなに良い天気に恵まれるなんて、なんて幸運なんだろう(^^)♪

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思っていたより早く富良野に入った。まずはいつも行く駅に行こう。
あれ?、駅に行く道が閉鎖されてる。この日は丁度ヘソ祭りなる
イベントをやっているらしい。

Twheso

警備員に迂回を指示されたのでその通りに走って駅に出た。
五年前は工事中だったけど、今回は綺麗になってた。

Twhurano

この時点で15時を大きく回っていたので、ここで今夜の宿を
どうするか考えた。

過去に何度か利用した事のある日の出公園のキャンプ場でも
いいかと思ったけど、生傷のある状態でのテント設営、撤収は
昨日は無理してやったけど、出来ればやらないほうがいい。

それに昨日はキズを負ったためにフロに入れていないし、かと
いってフロがあってもハードな生傷があるから浴槽に入れない。
前回行ったライダーハウスGO!は五右衛門風呂なのでアウト。

なので、シャワーが使えるライダーハウスを探した。そしたら
上富良野のメジャーなライダーハウス、クレッセがその条件に
合致。さっそく電話を入れて、今夜よろしくおねがいします!、と
行く旨を伝えた。

じゃあひとっ走り上富良野に行こう。市内観光は明日やろう(^^)

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富良野を縦断する国道237号を北上する。

西側の山にかかる雲に日が翳り始めて、空が芸術作品のように
なっていた。自然という神の造詣だよな、本当に綺麗だ(^^)

Huranosora02

福田メロンとかを横目で見ながら国道237号を淡々と北上して、
上富良野に入り、国道沿いにあるライダーハウス、クレッセに
到着。ここは個人のお宅の広い庭に、小さいログハウスや
画像にあるようなハウスが何個かある。この六角形のハウスが
3棟あり、これにはそれぞれ6人まで入れる。その他にもう少し
大きいログハウスが2棟ある。バイクに限らず車の家族連れ
とかでも対応できるらしい。部屋には寝具が完備、それらの
なにもかも清潔で、なんとタオルまで貸してくれる。

Twkuresse

一泊1500円とライダーハウスとしては高い方だが、ここは自分と
してはクォリティーとコストパフォーマンスが良すぎて、安すぎる
イメージ。これなら女性一人旅とかでも躊躇無くオススメ出来る。

ありがたく使わせていただきます(^◇^ゞ

話を聞くと、オーナーさんは昔、関東に住んでいたライダーで、
北海道に魅せられて二十年以上前に移住してきたのだという。
受付を済ませ、荷物を置いて、今夜の夕食の食材を買出しに
上富良野の町に繰り出した。

Twkamihurano

前回来た時にとんかつ屋の田を探した話をしたら、オーナーの
奥様もちゃんとその人のいきさつを知っていた。なのででは今は
この町で美味しい店は?、と聞いたら、「はげ亭」という弁当屋が
美味いとのこと。食堂とかでなくて弁当屋さん?

味は当人の主観によるところが大きいのでそれが本当かどうか
わからないけど、人に薦められたら試してみるのが今回の旅の
裏テーマでもあるので、行ってみた。

Twhage

しかし増毛といい、はげ亭といい、今日は頭のてっぺんの話題
ばかりなような気がしてくるけど…気のせいなんだよな(-_-;)

ここに入って、「『上富良野に来て良かった!』、と一生思える
ようなスペシャルは弁当ください」と行ったら店の人がむちゃくちゃ
困っていた。とりあえず薦められたのがレギュラーメニューのこれ。

Karatama

作り置きした物を詰めるだけかと思ったら、注文を受けてから、
玉子焼きを焼いて、揚げ物も揚げていた。そういう所が地元から
評価されているのかな?

その後地元のスーパーに行き、食材を追加で購入。キズパワー
ハッドも買い足して、クレッセに戻った。

そこで今夜の同部屋となる秋田からやってきたライダーさんと
夕飯を食し、旅を語った。自分とほぼ同年代の彼は北海道は
初めてだそうで、かつて自分が感じたのと同じような新鮮な
気持ちで北海道を体感してる様子が見て取れた。いいなぁ(^^)

Kuressekaishoku

自分は殆どの場所に何度も行ってしまったから、北海道全体が
自分のテリトリーという感じのイメージになっているから(^^;)

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クレッセにはシャワールームがあるので有料200円で利用可能。
コインシャワーと違って時間制限はない。

負傷箇所に張ったキズパワーパッドは染み出る体液を吸いまり
パンパンになっていた、というより、とっくにドボっと漏れていて
包帯がアウトになってた。慎重にこれを剥がして、患部を真水で
洗い、水気を取ってから新たなパッドを装着。早く直りますように。

さて、明日は朝のファーム富田あたりから始めて、富良野と
美瑛を丸一日かけて楽しむとするかな(^^)

おやすみなさ~~~い

…同室の彼の鼾が超怒級に凄くて、耳栓をしても意味なし(TT)、
昨夜に引き続き今夜も導入剤を飲まないと寝れそうにない(苦笑)

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本日の走行距離:236km  天気が良くて救われた一日だった。
 

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2012.07.28

旅2012・7日目 受傷

みどり湯ライダーハウスの朝は相当早かったようで、自分が7時に
目覚めたら…もう誰も居なくなっていた(^^;;)

今日は急ぐ日じゃない。かれこれ10年以上前に交わしたある約束を
果たす、それさえ果たせればこの旅の大きな目標は一つ達成出来る。
自分以外誰も居ないみどり湯RHのベッドの上で前日の日記を書いて、
ゆっくり荷造りして、9時頃にみどり湯を出発。

目指すは日本最北端、宗谷岬だ。約束の地は、すぐ目の前にある。

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とりあえず近所のセイコマートに飛び込んで朝飯のメロンパンを
食す。そして国道に乗り、海岸線を宗谷に向けて走る。

Twsouyahe728

過去に何度も宗谷に来ているけど、ここ最近はかれこれ十年以上
来ていない。なのにそこへの道のりは記憶にあるそのままの風景。
違うのは風力発電の風車が過去には無かった、そのくらいだ。

Twsouya16km

どんどん少なくなってゆく宗谷岬への距離。もうほんの目の前だ。
ちょっとその前に、貝殻が敷き詰められて真っ白なダートがあると
地図に書いてあったので、そこに立ち寄る。

Twsouyahuusha

まるでこのまま天国へ繋がっているかのような綺麗な白い道だ。
そこを登ってゆくと、たくさんの風力発電の風車がブンブンと
回っていた。この景色面白いなぁ。日本もまだまだ面白い(^^)

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海岸線をそのまま走らず、途中で丘陵側に曲がり、内陸側から
宗谷を攻略することにした。このあたりはとても景色がいい。

Twsouyakyuuryou

天気もいいので、なんだかウキウキ状態だ。この景色を眺めに
観光バスが走っている。でも窓で密閉された車内からガラスを
通して見るよりも、全身で風と草のにおいを感じながら走る
バイクの方が、自分は好きだな(^◇^)

Twrun728

幸せな丘陵地帯を抜けて、いよいよ宗谷の街中に入る。最北端
ガソリンスタンドで給油をした。ここまで235km走って5.6L入った。
燃費は41.9km/L。最北端給油証明証とホタテ貝殻の記念品を
もらう。

…さあ、宗谷に着いたぁ!

Twsouya0km

Twsouya

そこには、過去に見慣れた景色が広がっていた。

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そうそう、ここはこういう所だ。

観光バスがガンガン乗り付けて記念撮影をしてすぐ去ってゆく。
バイクも常時数台いる。まぁ道北の左右から登ってきた人は
必ずといっていいくらい寄るメジャーな場所だからね。

でも、ようやくここにやってきた。色々な想いが沸き、感慨深い。
あの約束から十年とチョイ。やっと叶った。(一人で来たけど)

写真を入れたホルスターバッグに手をやり何度も深呼吸をした。

こんな事を言うのもなんだけど、出来れば約束を交わした翌年に
夫婦としてここに一緒に来たかった。そして、その未来の物語の
先が続いていたのなら、今の齢くらいには、家族でここを訪れて
いたのかもしれない。

子供をつれた家族の観光客を見て、そんな事を思ったりもした。

自分には許されなかった未来。でも、ここに来てみて、改めて
自分はそっち側の未来に行きたかったんだな、と強く思った。
でも今は違う未来である今を生きている。その異次元パラレル
ワールド感覚は、十年以上の時を経た結果なんだろうな。

そんな事や、色々な事を考えながら、何も無い宗谷岬に長く居た。
そこにやってきて、去ってゆく色々な人たちを見ながら、綺麗に
晴れた空を見上げたり、水平線を眺めたり、傍から見たら有意義
とは言いがたいような時間の使い方をしながらそこで過ごした。

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バスツアーの観光客に話しかけられたり、新たにやってきた
バイク乗りと会話したりしていたら、結構な時間が過ぎていた。

Souyatime

自分がずっとここに抱いていた色々な想いは、ここに置いて行く。
ここでやれる事は全て終えた。…ミッション・コンプリート!
さあ!先に行こう!、ここは北限のドン詰まり、ここから先は
ただただ南に進むだけだ!

猿払側ではなく稚内方向に戻ろうとしたが、向かい風が猛烈に
強いので、海沿いを走らずに道道1077号で内陸に入った。

天気予報は雨っぽかったのだが、今日も良い方向に外れた。
とても良い天気で、暑いくらいだ。空は青く、緑は光り輝き、
何もかもが美しくて素晴らしい。この世界の中を走り抜ける
事だけでもこの上ない喜びであり、楽しみだ(^^)

道道1119号に乗り換えそのまま南下する。北海道、最高ゥ♪

沼川で道道121号に乗り換えさらに南下を続ける。途中でまた
北緯45度を示すオブジェが現れた。オロロンの方は有名だけど
これはマイナーなんじゃないかな(^^;)?

Tw45deg

本流で道道84号に乗って東へ進み、少し行って道道785号に
乗り換え、さらに南下。途中道路と平行した所に廃線の橋の
あとなんかを見たりしながら、

Haisenato

こんな所にも鉄道が通っていたんだ、スゲェなぁ。

その後知駒峠を快走して国道275号に入り、さらに南下する。

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道の駅ピンネシリに入り、メロンパンが高いなぁとか見て、

Twpinneeki

Pinnemelon

そこから走り出すと、すぐ横にドライブイン・マウントピンネの
看板があることに気がついた。これはたしかバイク乗りには
有名な店。でも今は営業していない。…寂しいなぁ。

Twmountpinnne

国道275号をさらに南下し音威子府に入る。黒い蕎麦とやらを
食ってみたかったのだけど、それを食わせてくれるぱっとした
店が無い。やむなく町内を一周しただけで国道に戻る。

その後北上した時に走った国道40号に乗り、さらに南下する。
もう天気が良くて最高ゥ♪

Twr40again

とあるところで、国道にかかる橋を渡りながら周囲を見てたら
その川沿いの道で写真を撮る絶好のポイントを見つけたので、
国道を外れてその細い道に入ろうとした…その瞬間コケた

------------

速度は殆ど出ていなかったけど、何も出来ないで前後輪が
同時にスリップダウンして、左膝を路面で擦り、左肘を打撲、
そして倒れたTWに左足を挟まれる形で倒れた。

ズルッ!っと車体に跨ったままのその場でスリップダウン
なので、ヒットエアは作動せず済んだ。

とりあえずエンジンを切って起き上がろうとしたが、左足が
がっつり車体に挟まれていて動けない。傷だらけとなった
左膝で痛さをこらえて膝立ちして、右手でリヤの荷物を少し
持ち上げて車体を浮かせて、ようやく左脚が抜けた。

…おいおい、TW、何でそんなところで寝転んじまったんよ。

Twwakeup01

Twwakeup02

立ち上がろうとしたら、いきなり着いた足が滑った。アス
ファルトの上に、2~3mmくらいの丸い砂利が荒く一面に
均等に広がっていて、コロコロとするので歩く足すら滑る
状態だった。

こりゃどんなバイクでも一発でコケちゃうよ。砂とか土が
あったなら判ったけど、単なるアスファルトにしか見えず
そのまま乗ってしまった。はっはっは、運が無かったな(^^;)

いやいや、怪我したとはいえ、骨も折らず、立ち上がれて
歩けて、荷物満載のバイクを一人で起こせるくらいの怪我だ。
それで済んだのだから、運が良かったよ。

TWは左のクラッチレバーの先端が少し削れ、左のバーエンド
がどこかに飛んでいったが、そのくらいのダメージで済んだ。
新品に交換したスタンドは擦ったけど、そのくらいだ。
どこも曲がってないし、壊れていない。スピードがほとんど
出ていなかったから、ダメージがほぼ無い状態。車体は何も
しなくてもそのまま走れる。

…となると、あとは人間の怪我をどうするか、だな。

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膝の擦過傷は、単なる擦過ではなく、皮膚の表面が削られた
上から粗い砂利で抉られて、猫の爪で引っかいたような縦傷が
何本も走り、出血している。とはいえそれほど深くは無いし、
打撲は痛いけど、関節や骨や筋はどうやら大丈夫だ。

Kizu

あとは傷口に食い込んでる砂利による生傷の感染だけが不安。

とりあえず手持ちの真水ですぐ傷口を洗って砂粒を傷口から
洗い流す。おー痛てぇ(T◇T)!そこに綺麗なハンカチをあてて
縛り、抉れてる傷口がズボンで擦れないようにした。

TWに跨り、この状態で走れる事を確認する。とりあえずこの
状態で走って、街中に行って適当な病院に入って消毒と抗生
物質でも出してもらうとするかな。

それまでの極楽旅気分はケガの痛みでちょっと萎えちゃったが
まだTWは走れるし、旅はまだ続けられると判断した。だから
生傷の正しい処置をきっちりとしなくては。

------------

そのまま国道40号を走り続けて街が見えてきたが、一見して
町医者らしいものが見当たらない。

美深に入ったが同様だった。こりゃここで探すより、もっと
大きい町の病院に行ったほうが手っ取り早いな、と思って、
美深の真南にある比較的大きい街、名寄を目指した。

こうなると旅を楽しむよりも時間勝負だ。行きに乗った高架の
バイパスに再び乗り、名寄へワープ!、名寄市内に入り、目に
止まったのは消防署。ここで聞けば病院なんてすぐ判るだろ。

Twshoubou

足を引きずりながら階段を登り、事務所に居た隊員さんに声を
かけて、救急外来の場所を尋ねた。

そしたら他の救急隊員さんらがワラワラ出てきてくれて(^^;;)
さらに清潔なガーゼで応急処置をしてくれて、近所にある市立
病院にこれから行くという連絡までしてくれたし、見送りまで
してくれた。通りすがりの間抜けな旅人にそこまでしてくれて
ありがとうございました。本当に助かりました(^^)/

------------

消防署の紹介で名寄市立病院の救急外来で診察を受けた。

Nayorokyuukyuu

医師は自分の初期対応が正しい事を褒めてくれた。
いや~、この手の怪我はもう慣れてますから(^^;;)

傷は見た目よりも浅いと判断された。これなら抗生物質の
投与はしなくてもいい、との医師の言葉。ただ念のために
傷口をさらに綺麗に洗って(イテテテ!)、そこに、ガーゼと
包帯を巻いて終了。

今後出るだろう打撲の痛みの対応として湿布とロキソニンが
処方され、それで全て完了!。…本当にこれだけでいいの?
過去の経験からすると皮膚がある面積で無くなってるから
結構直るのに時間がかかる怪我だと思うんだけどな(^^;)?

医師の薦めもあって、病院の後で薬局に行ってキズパワー
パッドを購入した。今夜の宿で処置しよう。

このように、旅先で怪我したら、あまり大したこと無い、と
思っても念のための病院は行った方が安心だよ。旅先では
小さな怪我が、悪化するとどんどん状態が悪くなるからね。

-------------

さて、これからどうしよう。転倒負傷の対応で結構時間が
食われた。身体もあちこちが痛いから今夜は市内のビジネス
ホテルにでも入ろうか、と思ったが、ここの街の真西には
今回の旅の主目的の一つである、朱鞠内湖があるのだ。

この旅でそこに行かなかったらまた来なくちゃいけない。

それはそれで新たな旅立ちのモチベーションに繋がるけど、
今回果たさねばならないタスクなんだ。

なので、怪我してるにもかかわらず、朱鞠内湖でキャンプ
することに決定した。とはいえ自炊はきついので街中の
スーパーで即席で食える食材を買い込んでから湖を目指す。

 Hakodatemelon

おお、偶然一度も食ったことの無いメロンパンが…買おう(^^;)

時間が18時を回っていたのでどんどん暗くなる。そういえば
ガソリンを入れなきゃならない距離を走っているじゃん、と
気付いたらその直後にリザーブになった。朱鞠内湖までは
まだ距離がある、でも街に戻るとキャンプ場に到着する頃に
暗くなってしまう。それは避けたい。だけどこのままだと
ガス欠の危険性がある。

朱鞠内の近くにホクレンがある、という地図を信じて走る。
でもそのホクレンは到着したら閉まっていた_| ̄|○
後で聞いた話だと、17時に閉まるんだそうな。

日が落ちてだんだん暗くなってくる。身体もだんだん痛く
なる、雲も分厚く暗くなってきて、気温も下がり始める。
どうもあらゆる事がどうも悪い方向に回ってる気がする。
それでもオレは行くのだ、行かねばならない、朱鞠内湖に。

------------

…着いた。元カミさんと来て以来だから十年以上ぶりだ。

ここは自分の大のお気に入りのキャンプ場。北海道で1番
好きなキャンプ場だ。だから元カミさんを連れてきた。

ビッコを引きながら受付を済ませ、キャンプサイトに入る。

Twshumarihuda

…懐かしいなぁ、記憶が鮮やかに蘇る。何も変わってない。

Twcamp728

テントを張る場所を決め、痛い思いをしながらどうにか
設営を終えた。以前オンネトーのあたりで転倒した時にも
似たような感じでテントを張ったっけ(苦笑)

燃料タンクに少ししかガソリンが入っていないTWに、自炊を
しないので使わない予備ガソリンを0.5Lだけ飲ませてやる。

Twgasplus

明日はこれで、どうにかガソリンスタンドまで辿り着こうぜ。

------------

今夜は怪我しているので、水場を往復する必要のある自炊は
無しだ。買ってきた食材をそのまま食う。夜の明かりとして
ランタンを付けたかったけど、今日は欲張らないでおく。

取り合えずネイチャーストーブだけ出して、辺りの枯れ枝を
拾い集めて、小さな小さな焚き火を熾した。

Twtakibi

これで料理する必要も、暖を取る必要も無い。この焚火は
今日宗谷に連れて行った元カミさんの写真を、ここで燃やし
天と地に還すためだけに行うのだ。

------------

小さいながらも火力が安定した、納得の焚火が熾きた。
超大盛りカツカレーを食って、弱った身体に活を入れる。

Campcarri

食い終わってから、ヘッドランプを消して、焚火を眺めていた。

少し風が出てきたな、と思って森の木々を見上げてみたら、
曇っていた夜空の雲が切れて、気がつけば十数年前と同じ
ような満天の星空が見えていた。

ここでこの星空を二人で見ながら、これから二人で作るはずの
明るい未来の話をしたっけな。結局その未来には二人で辿り
着くことは無かったけど、あの時は明るい未来が必ず来ると
思っていた。

…そこに行きたかったなぁ。今日宗谷に行ってそれをつくづく
思った。あなたはとっくにそこに辿り着いていると思うけど、
自分と関わりあったために余計な遠回りをさせてしまった。

本当にごめんなm(_ _)m

離婚直後は苦しくて一度も見れず、それからしばらくして
落ち着いてからは苦しいときに少し助けてもらったりもした
一枚の写真。それを手に取り、じっと見つめて、メラメラと
燃える焚火の中にほんの一瞬だけ躊躇しつつ、投じた。

・・・バイバイ、さよなら(^^)/

写真はそんな気持ちを察する間もなく、あっという間にまるで
溶けるように焼けて、暗い森の中を斜めに薄く立ち上る煙と、
焔の中で白くなり踊る灰になった。

勝手な話だけど、自分の中で、ずっと前にとっとと果たして
おかねばならなかった積年のケジメが、今日の宗谷と朱鞠内で、
ようやく果たせた気がした。でも何で寂しい感情があるんだろう?

焚火が鎮火するまでじっとその焔を眺め続け、熾火となった
事を確認して、テントの中に入り、足に巻いた包帯を解いて、
体液がどっぷり染みたガーゼを取り、キズパワーバッドを貼る。
打ち身と生傷の痛みを和らげるロキソニンを飲んで寝に入る。

何があろうと(何か無ければ嫌でも)明日は来る。
ケガの痛みはたぶん明日がmaxだろうな。

------------

本日の走行距離:289km コケなければ良い一日だったな(^^;)


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2012.07.27

旅2012・6日目 再開

さろまにあんで迎えた朝、同室のやけどのような日焼けに悩まされて
いた自転車乗りとほぼ同時に目を覚まし、布団を片付けて、荷造りを
整えて、一階に下りて暖かい朝食を頂き、会計してこの宿を後にする。

Saromaniasamesi

ここでは朝に出発する人を、宿の人達が大きな旗を振って送り出して
くれるらしい。とはいえ、自分が出る直前に弱冠18歳で一人旅をする
関西の女性ライダーの方が圧倒的な注目を集めており、自分は刺身の
ツマというか、おまけというか、正直、単なる邪魔者状態だったので、
その彼女が出立した後に、あっさりと早々に去った。

----------

ちょうど五年前に当事の彼女からのSOSを受けてその旅を中断し帰路に
ついた
のは、そこからすぐの交差点。あれから5年間もかかってやっと
ここに辿りつたな、ここに。

今回の旅、今までは5年前の旅の焼き直しに近いようなイメージだった
けれど、ここから5年前の旅が再スタートするのだ。ちょっと身震いが
した。この五年間の時間がまるで瞬きしただけのような短い時間に
感じられた。

Twsouyahe

ふと、五年前に自分にSOSを入れた当時の彼女の事を思い出す。

色々あって、大変な人生を歩んでいた彼女をどうにかして救いたくて
自分が出来る全てを費やしてサポートを続けた。5年前の旅を中断して
途中で帰ったのもそのためだった。

あの時、この手前の交差点を曲がった自分の頭の中では新しい未来へ
突き進むファンファーレが鳴り響いていた。でも自分の努力が足りず
その彼女と一緒に幸せになることが出来ず、自分はタイムマシーンで
タイムスリップしたかのように、当事とほぼ同じ状態のままでここに
やってきた。

あの時、新しい未来に進む事が出来ていたら、ここには居なかった。
来る必要も無かった。そう考えると、こうなる事は自分の運命だった、
きっとそうなんだろう、そう思うことにする(^^)
 
ならば、ここから行こうじゃないか、五年前に目指した約束の地へ!

------------

ここから先は、元カミさんと一緒に回ったのが最新の記憶だ。

だから少し覚悟はしていたけど、道端に現れる景色を思う気持ちが
全部が5年前の旅と同じような、今までの生やさしく温い思い出とは
桁違いに生々しい、鮮明なフラッシュバックを伴っていた。

ああ、北海水産でホタテ食ったっけ、この道の駅でポニーを眺めて
いたっけ、と、だんだん苦しくなっていった。

Twmichiekisaroma

でもね、5年前に思ったように、今回の旅でも思ったように、あの時は
とても楽しかったんだ。単純に大好きな元カミさんと大好きな北海道を
旅して回る、それが本当にうれしくて、そして楽しかった。

だからそれを今感じられる事は、本当は幸せな事なんだな(^^)♪

それに、あれから十数年もかかっちゃったけど自分は再びここを訪れる
事が出来たじゃないか。…そうだな、自分は今、確実に幸せなんだ。

もしも今でもあの当事の気持ちのままでそれまでの年月を一緒に生きた
元カミさんがここに一緒にいれば、もっと楽しくもっと幸せな気持ちに
なれただろうから、それに比べたら今は…というする事が無意味な相対
的な比較論に過ぎない。

絶対指標で言えば、自分は今間違いなく「幸せ側」にいるんだ。
この今の幸せをくれてありがとう、元カミさん。

------------

湧別町内でガソリン補給。前日を含めてここまで120km走ってた状態で
ガソリンが2.8L入った。つまり42.9km/L。相変わらず燃費いいな、TW。

給油してくれた店員さんがここからホクレンフラッグは青になるので
一本どうですか?と声を掛けてくれたので、当然のようにそれを購入。
あとは道央の赤い旗だけだ(^^)

Twhokurennblue

もうしばらく走ると、大昔に自分が初めて北海道に来た時に、初めて
キャンプをした思い出の、三里浜キャンプ場への案内看板があった。

あの頃は自分も若かったなぁ、と一人で苦笑い。初北海道は何もかもが
新鮮で、楽しくて…そうさ、その原体験があったから、今もこうやって
ここに居るのさ(^^ゞ

Twsanrihama

北海道は元カミさんとの思い出だけじゃない。それを全部ひっくるめた
「オレの場所」なんだよね、ここは。

さあ、先を急ごう!

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湧別を抜けて、そこからすぐの所にあるコムケ湖の周回ダートを走る。
砂のダートはTWが最も得意とする道だ。オホーツクと、水辺の湿地を
交互に眺めて、最果ての地にいる実感を味わう。

Twkomuke

砂っぽいフラットダートを走り終えて国道238号に戻り、北西へ走る。

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またも道の駅があった。オホーツク紋別というところ。地図を見ると
そこにはカニのハサミのオブジェがあるという。じゃ、行ってみるか。

…で、でかい。おおおぉお!、オレにもっとカニを食わせろぉ!、と
へばりついてみたけど、殻が固くて歯が立たなかった(T◇T)<ばき

Twkanitume

偶然だけど、この日、この場所に旭川動物園から逃げたフラミンゴが
飛んできていたらしい。夜のニュースで知った。それを追っている
らしい人や車は見たけど鳥には気付かなかったなぁ、残念。

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その後も国道238号を進む。このままずっとオホーツク沿いを進めば
放っておいても宗谷に到達するのだけど、それじゃあまり面白くない。
そこまでの海岸線も道の駅はたくさんあるけど、あまり面白い道じゃ
ない。

そこで興部の手前の道道334号から内陸に向けて走ることにした。

Midorikirei

この道、すごく気持ちが良い。天気が良いことと、殆ど誰も走って
いないので、北海道を全て独占しているような気分になる。景色以外
何もないけど、遅いTWで他の車に煽られて走る幹線道路よりも、こう
いう道道の方が走っていて気持ち良い。

とはいえ、道道はそう長く続かない。西興部で国道239号に乗る。

海沿いは風もあって気温が低かったが、内陸に入ると気温が上がり、
かつ天候も回復して日差しがジリジリと暑い。

このあたりのセイコマートに飛び込み、ウェアをメッシュに交換。
走ると天然クーラー全開!、すずしぃ~♪

Twseikomart

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この国道239号もとても気持ちが良い道だ。でもバイクは居ない。
ある程度北海道を走りまくった、通な人しか使わないのかなぁ。

流れる山や周りの景色が美しくて、もうなんと言っていいのか、
幸せすぎて涙が出らぁ(T◇T)!、そんな感じが全開!全快!

Twrun0727

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山の中から、名寄に入ると、一気に都会になる。都会は自然ほど
美しくないので、とっとと走り抜ける。途中で高速道路のような
道が無料開放されている、という看板があったので、TWには似合
わない都会はそういう道を使ってワープするに限る。暑いしね。

Atui727

他の車の迷惑にならないように旅の上限速度を70~80kmに上げて
ひたすら走る。燃費悪くなりそうだけど、時間と距離を稼ぐ事を
優先した。味気ない道路が終わり、また一般道に出た。

Twbibutemae

結構走ったのでガソリンを入れる。今回はこまめにガソリンを
入れてるのでその区間の燃費が残って面白い。美深のエネオスで
給油。162km走って3.65L。つまり燃費は44.4km/L。高速走行が
入った割りには伸びたな。以外と70km/Hくらいで走る方が燃費が
いいのかな?

でも旅が楽しい速度は60km/Hまで!。それをとことん突き詰める。

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そこから少し北上したところに、道の駅・美深がある。

ここは以前はバイクが必ずあって、隣のキャンプ場にはバイク
乗りのテント村みたいな、小さいテントがたくさん並んでいた。
でも今日のこの時間はバイクは自分だけだ。

Twbibuka


蛇足になるけど、ちょうど駐輪した目の前に、こんなポスターが
貼ってあって一人で苦笑い。

Moroibiru

鉄筋コンクリートの建物が、いったいどれだけ犬猫が粗相したら
倒壊するって?それだけブチ切れてる、と言いたいんだろうけど、
嘘はいかんよな、ログハウスじゃないんだぞ?

せっかくなので中に入って見ると、チーズ系の美味そうな菓子が
あったので購入。840円なり。それをここで食おうとお思ったら
凍っているので解凍しないと美味くないらしい。じゃあ仕方ない、
このまま持って歩いて15時のおやつに食う事にしよう。

Bibuomochi

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さあ北上だ、北上!、国道40号をさらに北側に進む。

Twr40

ここから先は元カミさんと回っていない、記憶の非汚染地帯だ。
だから色々な感情が蘇ってくる事まったくなくて、ただ純粋に
うわぁ!懐かしいなぁ!というまだ二十代だった頃の気持ちが
緩くフラッシュバックする。

元カミさんには悪いけど、ここから先はオレだけの世界だ。
だからこそ、あの時にまた一緒に来ようと約束をしたんだ。

写真を入れた左腰のホルスターバッグを左手でポンと叩いて
あの約束をこれから果たす、と心の中でつぶやく。

この時点で今日は稚内まで行く事にした。距離的には十分だ。
その途中で日本海側に抜け、久々にオロロンラインを走ろう。

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国道40号は、昔大雨に降られて、当時稚内に一人で住んでた
従姉妹の家に逃げ込むべく雨中夜間走行をした記憶しかない。

だから天気の良い昼間に旅の速度で走ると、すごく新鮮だ。
こんな楽しい道を、20代だったあの頃はただただ突っ走って
いたのか、もったいなかったな。まぁあの時は雨だったし、
夜になってたから、仕方ないけど。

そんな事を思い出しながら、淡々と進む。

佐久で国道40号から道道119号に乗り換えさらに西を目指す。
今日の午前中にはサロマ湖のオホーツク側を走っていたのに
もう日本海が目の前。それだけ陸地が細くなってると言う事。
北海道の地形を感じるねぇ。

そして道は国道232号へ繋がる。北上を開始する。

Twr232

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道の駅・てしおで一休み。さっき買ったチーズ系のお菓子が
程よく解凍していたので、箸でつまんで頂く。あ~美味い♪

Twteshio

そしたら、すごい格好をした、こんなバイクがそこに走って
やってきた。日本兵のようなメットをかぶっていたその老人と
色々話をしたが、何でも自作でこれを作り上げたらしい。

Splcub

何度も試行錯誤して、石川県からここまでこれるようになった、
と楽しそうに笑った。自分もこういう老人になりたいもんだ(^^)
ただ、メットだけはちゃんとしたものを被った方が…(^^;)

彼も今夜は稚内を目指しているという。旅人よ、ご安全に!

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目指す道はオロロンライン!、ただ途中で道を間違えて、道の
駅を出た国道40号をそのまま北上してしまい、間違いに気付き
あわてて道道972号でオロロンラインに戻った。

風力発電の風車がブンブン回っていた。オブジェとして見れば
美しいけれど、発電量はたかが知れてるから、ちょっと空しい。

Ororonhuusha

オロロンラインにある北緯45°のモニュメントに立ち寄る。
大昔に旧型TDMでここを走った時に、ここで写真を撮ったなあ。
もう20年近く前だ。また来たぜ、へへへ(^^)

Twn45

オロロンラインはどんどん曇ってきて。日差しが消えて灰色の
曇天と化した。日本海に沈む夕日が見たくてここを走る時間を
夕刻にあわせてきたけど、夕日は絶望状態。

Twororon

じゃあ仕方ない、単なる高速道路みたいなもんと思って稚内を
目指そう。

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十数年ぶりに稚内にやってきた。昔と違い、大型の都会的な
店舗が多くあるのが少し戸惑う。

でもそれ以外の町並みや雰囲気は変わらない。懐かしいな(^^)

今夜の宿はパニアさん強烈お勧めのみどり湯ライダーハウス。
有名な所だけど初めて来た。フロも洗濯も出来る。女性も居た。
海外で言うドミトリーそのものだ。

Twmidoriyu

手続きをして荷物を一部降ろして、じゃあメシ食ってきま~す。

久々に稚内市内を観光してみた。稚内の駅舎も激しく改装され
昔の最果て感がまったく無かった。観光客がいると思うとその
殆どは中国の観光客。外国からこんな所を見に来るんだ、へ~。

Twdome

Senroend

ちょっと早いけど夕飯を食う事にした。少し走った所にある
ノシャップ岬にあるこれまた有名な樺太食堂に行ってみたけど、
残念ながら閉店。ステッカー欲しかったのになぁ。

Twkarahuto

Karahutotimeout

じゃあ方針変更。ここまで海鮮料理ばっかり食って来たので、
ここではガッツリとした肉を食いたくなりマップルに載って
いた巨大ハンバーガーの店ディノーズに行ってみた。そこで
店のおばさんと色々会話をしながら、お勧めのメニューを食す。

Twdenozu

Slappyjoe

直径18cmのハンバーガーにチーズとミートソースたっぷりの
看板メニュー、スラッピージョー。…ふぅ、ご馳走様でした(^◇^)

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みどり湯に戻り、洗濯を仕掛けて、隣の銭湯に行って風呂に
入る。戻って洗濯物を乾燥機にかけて、他の旅人とだべる。

21時になったら集合写真を撮り、ミラーボールが回り始めて
ちょっとビビったが、長々と途絶えない旅人同士の語らいを
寝るまでして、今日は就寝。今日も昨日に引き続き距離を
走りすぎた感があるのでちょっとくたびれた。良く寝れそう。

約束の地、宗谷岬は目と鼻の先だ。明日には必ず辿りつく。

おやすみなさい

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本日の走行距離:387km 今日も走ったなぁ。


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日本の北の端っこから

無事生きてますよ、と言うことで短信を。

今は稚内に居ます。明朝には約束の地、
最北端の宗谷に到達する予定です。

今のところ奇跡的に雨に降られていません。
でも明日は年貢の納め時、アウトかなぁ、
予報はあまりよろしくないようです。
宗谷に強風濃霧注意報が出てますね…

ご老体のTWも頑張ってます。
自分も頑張らないと p(^^)q

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2012.07.26

旅2012・5日目 快走

昨夜はこの旅メモを数日まとめて書いていたので睡眠時間が短くなり
寝不足になりそうだったので、やむなく睡眠導入剤を投与し寝たので
朝の目覚めはスッキリ良かった。

旅人の朝は、宿泊する場所に広げた自分の場を畳む所からスタートだ。

快適なガミ亭の部屋でその支度を整えて着替えてから、それらを手に
取り部屋から撤退。庭先で首を長くして自分をずっと待ってたTWに
その装備をがっちり括りつけた。

今日は天気がずっと良いようだ。やっと思いっきりいっぱい走れるぞ!
いっぱい頑張ろうぜ、TW!

その後、ガミ邸で取れた新鮮野菜等による和式の朝飯をご馳走になり、

Gamimornning

さあ出発だ!、ガミさん本当にありがとうございました、またいつか!


Twgamistart

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今日の最終目的地はサロマ湖のあたりとした。五年前の旅を中断した
場所
に戻るのだ。つまり今日そこまでたどり着くことで、五年前の
旅の再スタート地点に、ようやく辿り着けると言う事だ。

サロマに至る道筋は、何通りも選択出来るので色々と悩んだのだが、
結局五年前のルートをそのまま模すことにした。五年前のこの辺りの
記述
を読んでもらえば判るのだが、ここを移動した時には冷たい雨に
降られっぱなしで、ともかくただ走り抜けることを優先していた。

でも、今日は綺麗な晴れだ、だから過去に何度も何度も通った事の
ある道だけど、TWと共に行くおそらく最後の北海道の〆という意味と、
5年前の寒く冷たい記憶を、今日の暖かい陽光で上書きする事にする。

まずは士幌市街から東に伸びる道道134号に乗る。その途中にある
道の駅のしほろ温泉は、前夜ガミ氏と一緒にフロに来た所だ(^^;)
宿泊も出来るのだが、二食付きで1万円超というブルジョアクラス
なので貧乏旅人には利用は無理。フロだけで十分。(それは500円)

Twshihoro

道道をそのまま走り切ると本別に出る。そこで国道242号に乗って
そのまま北上して足寄に向かう。松山千春の出身地として有名だが
個人的な思い入れは…大昔オンネトーに行くダートでコケてTWが
あちこち削れて、人間は左膝曲がらず、左腕上がらず、という
怪我しながらオンネトーでキャンプした事くらいだな(^^;)<ばき

あとは元カミさんと一緒に来た時に道の駅足寄湖で何かのチーズと
ソフトクリームを買ったような気がするけど、今回はそこは通らず
街中に新しい(つまり道の駅が増えているということ)あしょろ
銀河ホール21なる道の駅を見つけて一旦止まった。

Twashoro

いや、特に用事があったんじゃなくて、天気が良すぎて、出発時の
服装だと暑くて暑くて。なのでジャケットをメッシュに交換する。

そのついでに売店に寄って、売店のオバちゃんと色々話をしながら
記憶の上書きをするために足寄産のモッツェラチーズを一個購入。
昨夜ガミさんにも言われたけど我ながら不器用な性格だよな。

ま、コレが詰まっているのがオレなんだ、仕方が無いわな(^^)
仕方が無いから、死ぬまで付き合って行くよ(苦笑)

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そこから国道241号に乗って北東東に進む。天気は暑いくらいに
良い。そんな時に道端にこんな看板があったのでつい写真撮影。
おー!赤男爵、やるじゃねーか、確かにその通りだ、うんうん(^^)

Twbaron

そして国道241号を延々と先に進む。メッシュジャケットを抜ける
夏の風がとても気持ちがいい♪。命の息吹のオーラたる新緑が光り
輝く森の中をTWはひたすら60km/Hで疾走する。その速度で視界に
流れる景色をただ眺めるだけで、極楽至上の楽しみなんだよね。

Twakannhe

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この道はまっすぐ阿寒湖に伸びている。五年前は色々な物から
まるで何かから逃げるように走り抜けたけれど、今はそんな感情は
まったく無い(^^)。逆にかつての良い思い出の地として今の自分は
捉えている。

元カミさんと離婚した直後、その旅で撮影した写真は全部廃棄して
しまったので、その時に行った銭湯、阿寒のまりも湯の写真を今回
新たに撮影してみた。

Twmarimo

こうやって画像は新しく取れてもここに刻まれた記憶は消せない。
だからここは元カミさんの記憶もある、だけど当然それ以前の
記憶もちゃんと残っているし、そして今回こうやってやってきた
新しい記憶も刻まれた。…はい、ここのミッションコンプリート。

先に行こう!、未来へ行こう!

この旅のスタイルではもう二度と来ないだろう、阿寒湖に無言で
別れを告げて先を急ぐ。もしかしたら何かのパックツアーとかで
観光バスか何かで来るかも知れないけど、その時にはまるで何も
知らないような顔で新しい思い出を作りに来よう(^◇^)<ばき

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国道241号はここから真東に向けワィンディングロードになる。

Twmashuuhe

荷物満載のTWだって、旅の速度を愚直に守りながら一緒に峠で
ワルツを踊ろうと思えば、それなりに踊れるので(つまりどんな
状態でも60km/Hは出してもいい、と解釈出来るので:-p)

久々にTWと踊ってみた。絶対的速度はともかく、TWで走る峠は、
実はすごく楽しい♪。ブレーキは弱いけど、それの守備範囲の
速度で深く深くバンクさせると、思った以上にグリップして、
想像してる以上にクイック&ナチュラルに曲がってくれる。

…昔はこうやってあちこち走ったよなTW。またお前とこうやって
踊れて嬉しいよ♪。新しくなったサイドスタンドは擦らないよう
そこまではバンクさせないでおくぜぃ(^^)

ウチらしか判らないステップを刻む華麗なワルツは、タイトな
峠道が終わると終了する。道が再び直線ばかりになった頃には
またいつものトコトコ言う無骨なイボイノシシに変わっていた。

Twnekokaburi

猫カブりやがってコイツは:-p

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さあて、この調子で五年前の寒く冷たい記憶を、新しく楽しく
美しく、明るく、暖かいものにチャッチャと上書きするかな!

摩周の道の駅に立ち寄ってみたら驚いた。道の駅摩周と言えば
便所と無人の事務所しかなかったのに、大改装したようで別物に
なっていた。

Twmashuu

この時、日差しは暖かいとかいうレベルを超えて、まるで殺人
光線のようにジリジリと照りつけてくるので無茶苦茶に暑い。
メッシュジャケットの下に着ていたウィンドストッパーを脱ぎ
ほぼ都会の夏と同じ状態にした。いいねぇ!これぞ夏だねぇ!

出発しようとしたら、一台バイクが入ってきた。荷物を積んで
いないので地元だろうな、と思って、「暑いですね!」と声を
かけて少し話をしてみた。

そしたら道の駅に止めた1BOX車にバイクを積んであちこち移動
して走っているという。自分もサンバーにTWを積んで北海道に
行ってみようか、とちょっとだけ考えていたので参考になる。
ふむふむ。

その人にこれからサロマに行くよ、と話したら、サロマならば
ここに泊まらないと!、と、ある宿を勧める強烈営業トークを
始めた。サロマ湖の周りは宿泊には困らない。キャンプ場も、
ユースも、また死ぬほどカニが食いたければ船長の家でもいい。

なのであまり興味は無く、ふーん、そういう所があるんですか
とりあえず気には留めておきますよ、と言ってそこを後にした。

------------

道の駅を出ると、そこかしこに摩周湖への案内が見える。

今日はすごく天気がいいので、摩周湖に行けばきっと絶景が
見られるに違いない。でも摩周湖は五年前に行っているし、
絶景は過去に何度も見てきた。

だから今回はあえて外した。阿寒と同じで、ここにはいつか
また別の形で来そうな気がする。だからそれまで取っておく。
TWはもう来れないけど、その時になったらまた会おうぜ(^^)

摩周のホクレンでガソリンを給油。ホクレンの多くはセルフ化
されてしまい、給油という機会を使って地元の人との会話を
楽しんできた身としては少し寂しい。off車用タンクバックを
付けていると給油がちょっと面倒だし、どうせ数Lしか入らない
から、少し高くてもセルフじゃない方に入りたい。旅人の気分と
してはそう思う。

Twhokurenmashu

前回の給油から164km走って、ガソリンが3.8L入った。燃費は
43.2km/L。足寄からずっと緩い上り坂だった事を考えると優秀♪

今回は過去と比べるとおかしいくらいに燃費がいい。北海道に
入ってからは40km/Lを下回らない。出走前に徹底的にメンテを
した結果がここで発揮されているんだろうな。

ついでにここは道東エリアなのでホクレンフラッグが変わる。

Twhokurenyellow

そこで一本購入。自分はホクレンフラッグがデフォルトだった
時代のホッカイダーなので、ホクレンフラッグをつけて走るのは
大好きなんだけど、そういや他のバイクでつけてる人は少ないな。

有料化の影響なのか、それとも今更こんな旗をつけて走るのが
恥ずかしい、と言う人が増えたのかもな。人は人、オレはオレ。
ホクレンフラッグは旅装束のTWに良く似合う♪

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道を少し戻って国道243号に乗って東へ進む。天気が最高ゥ♪

くどいようだがどんなに道が良くてもTWとの旅の速度は上限
60km/H。でもその速度が本当に最高にゴキゲンなのだ、天気が
良いとさらに倍!。バイクという乗り物にこれ以上の馬力は
いらないよなぁ、これ以上大きいバイクも要らないな。…と
ついつい思ってしまうくらいさ:-p

国道から道道885号に入る。この道は五年前は霧でかすんで、
雨がザンザン降っていたっけ。でも今回はもう最高ゥ♪だぜ!
右手はアクセルを開けて走りながら左手でガッツポーズを取り
メットの中で叫ぶ。ヒャッホー!

直線ばっかりの道路に飽きが出た頃に、開陽台はこちら、と
いう看板が出てきた。

Twkaiyodaihe

摩周湖とは逆パターンで、五年前に寄る意味が見出せず素通り
したそこに、天気の良い今回は行ってみる事にした。

------------

フラフラと必死に自転車を漕いで開陽台の展望台を目指す高校生
らしき集団をトコトコと排気音を立てて30km/Hくらいでゆっくり
追い抜きながら、十数年ぶりに開陽台にたどり着いた。鉄塔が
邪魔だけど、いい景色だ♪

Twkaiyodai

何でもバイク乗りには聖地…と誰かに言われているらしい開陽台

Twkaiyodaiplate

いったい誰がそんな事を言ったのかしらないが、昔はともかく
今はどうもそうではないようだ。過去に来た時には裏手にある
キャンプ場にはテントがたくさんあったが、今回は一個も無いし、
駐輪場にもバイクは自分のを含めて数台しかいない。

Twkaiyodaiura

ここも以前元カミさんを連れてきた場所だ。前と変わらない鐘、
そして鉄塔が邪魔だけど抜群の眺め。楽しかった思い出が蘇る。

子連れの家族を見るとちょっと切なくなる。でも元カミさんは
きっと今はそうやって誰よりも幸せに暮らしているはず。

そうならば、オレの決断と行動は結果オーライ!二人が正しい
方向に進むために必要だった。今の自分は自分が出来る範囲で、
以前考えていた形とは違う形だろうけど、新たな幸せを探せば
いいのだな(^◇^)

閑散とする開陽台を後にして、ミッションコンプリート!
今年は天気が良かったからいい思い出が増えたよ、ラッキー♪

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開陽台から長い直線の道を延々走って国道244号に出た。

Twkaiyodaikara

さてどうしよう、去年のように羅臼知床を回るか、それとも
斜里にショートカットするか。色々考えたけど、斜里に向かう
国道244号はいつも羅臼周りするので一度も走ったことが無い。

じゃあTWに踏ませてやらないとな、羅臼よ知床よ、またいつか
旅人ではなく観光客として来るかもしれないから、その時まで
さらば!

ただそのまま斜里に向かうのでは面白くないので、牧草地の
間の道を進んだのちに、この近くの滝の沢支援林道を一本
制覇。

Twrindou726

あ~、楽しい、楽しい、楽し~~~い♪、さて国道に戻るか。

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国道244号は自分以外の車が殆ど走ってない。道はきれいで
楽しいけど、バイクは皆無。みんな羅臼&知床方向に行って
しまうんだろうな。いい道なのに勿体無いよ~。

峠を越して下りに入る。気持ちのいいワィンディング走行
再スタート!、TWよ疾風となれぃ!!

その途中でコンクリ製のアーチ橋の廃墟があった。なんでも
登録有形文化財らしい。せっかくなので一枚ぱちり

Twrikkyou

さらに下って、国道から道道827号に乗り換えた。

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この道は東西にただひたすらまっすぐ伸びている。
途中少し節くれた所はあるけど、ほぼまっすぐ。

左手に斜里岳を見ながらのんびり走る。日差しが暑い!

ひたすらまっすぐ進んだあと、国道334号と道の名前が
代わり、でもさらにまっすぐ続く。

小清水のホクレンでガソリン給油。前回の摩周から134.6km
走って3.1L入った。43.3km/Lだ。いいねぇ、TWお前は最高!
心から愛してるよ~ (^3^)

------------

小清水からR334号は突然アップダウンの繰り返し&左右に
くね曲がる楽しい道に変わる。ただ前を遅いダンプカーが
走っていて、登り坂になると今時の都内では見られない
ような黒煙をボーボー吐き出して速度が低下するので後ろを
ついて走るのが苦痛になってきた。

近づかないようにゆっくり走っていたら、ちょうど北海道の
丘陵を崩して平らにして農地にしている現場があった。

Twkezuru

へぇ~、小麦畑を作るために、この隆起をこうやって削って
平らにするんだ。でもそれで取れる小麦の量なんてたかが
知れていそうだろうから、これだけの土木工事して本当に
ペイするのかな(^^;)?

------------

そのまま進み美幌に入る。

美幌で無料開放バイパスに乗り市街地の雑踏を高速ワープ。
こういう道だと旅の速度は70~80km/Hまで引きあがる。
高速道路みたいな道だと自然とのふれあいは殆ど無いから
こういう速度でもいいや。燃費はぐっと悪くなりそうだけど。

それを降りたあとの国道39号はさっきの高速道路と殆ど
変わらないくらい車の流れが速い。一般道なので速度は元の
60km/Hに戻る。ただその旅の速度ではありとあらゆる車に
ひたすら抜かれる一方。

常呂川を越してから国道333号に入り、そして道道7号に乗り
換えて常呂を目指す。日は真横から照るようになり、路面に
映る自分の影が長くなってゆく。

走行中はそんな事すら楽しい。TWとも最近は仕事が忙しくて
旅に出れなかったり、日常でもたくさん乗ってやれなかった。
その失われた時間を今ここで濃密に過ごしている、何となく
そんな気がする。

Twkage726

お前と出会い、お前と走れて、旅が出来て、本当に良かった。

------------

サロマ湖まであと一歩という所までやってきた。

その常呂の丘陵地帯には理由がよくわからないけど一本だけ
歩行者と自転車が優先という道路交通標識が無意味なまでに
多数ある道がある。意図せずそこに入り込みシュールなその
異空間を走る。人っ子一人居ないこの道になぜこれだけの
標識があるのか本当に意味不明だ。

Twhyoushiki

もし道路工事の予算があまったからちょっと遊んでみました、
とかであれば言語道断。でもそれ以外の理由が思いつかない。

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そして今日の宿、さろまにあんに到着。

結局、摩周の道の駅でのセールストークに乗ってしまった。
そこまで薦める程の宿ならば、きっと何か新しい発見がある
かな?、と思ったので。

Twsaromanijpg

ここはツーリングマップルの巻末でも紹介されているし、
自分をこの旅に駆り出してくれたツーリングガイド本でも
同様に紹介されていて、その本を持ってゆくと缶ビール一本
サービスだというのでありがたく一本頂いた。

ここは民営の民宿だけど、システムとしてはユースみたいだ。
基本はドミトリー形式の旅宿。果たしてどんな所なのやら。

------------

宿の人と話をしてみて、風呂に入って、夕飯を食ってみて、
今は一人で部屋でこれを書いている。今夜は今日の強烈な
日差しでハードな日焼けをした自転車の人と同室で寝る。

摩周でここを絶賛してた人には悪いけど、色々な所を泊まり
歩いた人間の視線で見ると、やみつきになるような感じでは
なく、普通の民宿とユースの中間のように思える。つまり
可もなく不可も無く…、と言う感じ。昔使ったことのある
池田のコタンYHがこんな感じだったような。

ご飯も普通においしいけど、船長の家のカニ攻めのような
一生記憶から消えないような強烈な個性はないし、かつての
ユースホステルにいた名物ペアレンツのような強烈なアクや
クセも無いと思う。ごく普通のプレーンな宿だと思う。

Saromaniyuushoku Saromaniyuushoku2

自分のような男の放浪一人旅にはあまりマッチしないかも。
でも、ある程度リッチな年配や、女性の一人旅、女性同士の
旅、または女性を含むグループとかなら、ここはこれで
いいと思う(^^)

TWで走る一人旅ならば多分もう来ないと思う。でもその時の
旅のスタイルが今と違うのなら、また来るかもしれない。

いい知見を積ませてもらった。摩周で会った人、ありがとう。
さて、寝よう。おやすみなさい。

------------

本日の走行距離:390.6km 走った走った、楽しかった♪
 

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2012.07.25

旅2012・4日目 再会

昨夜の携帯電話サイトの天気予報では、この日のこの地域の降水
確率が午前は10%だけど午後は50%で夜はほぼ雨、というバイクの
旅人には非情ともいえる状態だった。

大正カニの家で同じ朝を迎えた、この日同室だった面々は、一人は
予定通り朝から出て行って、一人の若者は若いおねぇちゃんとの
大根掘りデートを夢見て昨夜のうちにここに連泊する事として荷物と
バイクを一式置いたまま早朝から喜々としながらバイトに行った。

夢が叶うといいなぁ、祈っておいてやるよ…(-人-;)南無阿弥陀仏

60代の二人は雨の天気予報を知りもう覚悟を決めたようで、今日は
ここに連泊してのんびりと過ごすよ、バイトの若者が帰ってきたら
慰めてやるとするか、と、表の公園のベンチでまったりしていた。

残る自分はこの日はもう少し離れた所に住んでいる、ここにたまに
登場するガミ氏の所に行くべく連絡を付けておいたので、この日は
午前中に少しだけ移動するだけの予定しかない。早いと1~2時間で
到着してしまう距離なので、じゃあ一緒に昼飯食おう、と約束して
晴れている貴重な午前中を満喫すべく、出発準備にかかった。

大正カニの家は、板敷きの床があるだけなので寝るためには寝袋と
キャンプ用のマットが必須だ。一晩使ったそういった支度を畳み、
無料なのに使わせて貰えたAC100V電気でギッチリ充電した各種の
機材をまとめて、何も残さず全てバイクに括りつけ準備完了!

ベンチで、まるで現地の人のように普段着でまったりとくつろぎ、
バイク乗りには見えない擬態を果たした二人に別れの挨拶をして、
さあ今日も(少しだけど)走ろう!

空は曇天、相変わらずちょっと寒くて霧雨っぽいけどね(T_T)

------------

約束は午後からなので午前中はフリータイム、天気が良いうちに
少しでも楽しまないと勿体無い!、人生って、若い頃には無限の
ように思えたけれど、この齢になるとしっかり時間切れがやって
くる、先の短い有限んだな、としみじみ感じちゃうからさ。

…と、いう事で大正カニの家から真西に向かった所にある展望台、
新嵐山スカイパークなるところに向かった。冬はスキー場になる
場所のようだ。

ちょうどその頃に雲が切れて青空と陽が見えて来て、そこから
こんな景色を眺める事が出来た。実に北海道らしい眺めだ(^^)

Twskyp1 Twskyp2

これで午後から雨、と言う天気予報さえ無ければなぁ…残念無念。

------------

その後、道道62号を北上し、道道317号に乗り換えて芽室に入る。

ここまで朝飯を食わず動き始めたためかちょっと腹が空いたので
セイコマートに寄って手軽な炭水化物としてメロンパンをget、
駐車場に座り込んで食す。これこれ、このスタイルがオレの旅の
いつもの光景だよな♪。

Twmelon725jpg

サラリーマンをしてる日常だったら荷物を背負った野宿仕様の
TWに乗ってコンビニに寄ってそこの輪止めに座って菓子パンを
齧る、なんて事はめったにしないけど、旅するオレはそれを
普通にしている。

どっちが本物の自分なんだろうな、ふとそんな事を考えてみる。
淡水にも海水にも住める魚のように、そのどっちもその時々の
環境に応じて適応した自分自身そのものなんだろうけどね。

さて血糖値が上がってテンションも上がってきた!、次行こう!
あ~、夏の緑が綺麗だなぁ~♪

Twmidori725

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ツーリングマップルを見ると、ここのすぐ北側に十勝の碁盤の
目のように縦横に道が走る地形がある。ここの北側を走る国道
274号は5年前に当時の彼女のために一目散に帰った時に走ったし、
過去に元カミさんとも一緒に走ったし、それ以前に単独で来た
時にも、友人と来た時だって、何度も何度も走った事のある道。

新鮮味はないが、大好きな道なので、あえて今回も走ってみる。

とりあえず鹿追の道の駅に入り、一休み。そこにではこんな
デザインカットされた植木があって、ちょっとほのぼのする。
ここにはこれを刈り込んで作っていた人がいたけど、カメラを
向けたら作業を止め、無言でフレームアウトしてくれた。

ありがとうございます(^^ゞ

Twueki

そこからの北上ルートはあえて国道274号は通らずにその内側の
市街地を選んで走る。さすがにこっちは一度も走った事はない。
単なるありふれた町並みだけど、少し新鮮な思いをする事が
出来たよ。

そのどん詰まりにあった瓜幕の道の駅には立ち寄らなかった。
しかし北海道はいくらなんでも道の駅が多すぎる気がする(^^;)

そしてほぼ東西を一直線に伸びる、北海道の凹凸の地形をその
まま道にしたアップダウンを繰り返す一直線の国道274号を東に
向けて走る。

蛇足だけど、この道は北海道で速度違反取締がもっとも激しい
道だと思う。この日も一台車が捕まっていた。自分とTWのコンビ
なら60km/H以上で走る事はないので全く気にせずアップダウンの
起伏を楽しんでいたけど、速いバイクの人はくれぐれも気をつけ
ないと、無駄な出費をすることになるので、ご安全に。

長い直線なんで延々と走り続けると色々な思い出が蘇ってくる。
旧型4EP-TDMで走ったのが最初だったな、その後TWで何度も走り、
元カミさんを連れてきた時にも紹介したくて走った。それらは
全部東に向けて走ったけど、5年前は初めて帰るために逆側から
西に向けて一目散に走ったっけ。

ゆるくアップダウンを繰り返しながらそんな事を考えていたら、
前方にナイタイ高原はこっちだ、という看板が出てきた。

…まだガミさんとの約束の時間まで少しあるから、ちょっと
行ってくるか。アップダウンの直線道路はまだ続くけど進路を
そこから北側に変えて一路ナイタイ高原を目指した。

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ナイタイ高原に向かう道はこれまた直線!、直線!、直線!

ああ北海道らしい道だよね、これ。ほかに誰も走ってなかった
ので、ついついこんな写真を撮ってみたり<ばき

Twline

この頃ついに雲が下がり、風は冷たくなり、霧雨がシールドを
濡らし水滴が大きくなり始めた。こんなに天気が悪い状態で
ナイタイ高原行っても意味が無いかもな…、と疑念を感じつつ
TWは非力ながらグイグィと坂を上ってゆく。

ま、いいか。行ってみて霧しか見えなくてもそれはそれ、
それだってこの旅での一番新しい思い出になるじゃんか。
そう思って分厚い雲と霧を掻き分けながら登り続けた。

そしたら、てっぺんに着いた途端に空が晴れてきやんの(^^;)

Twnaitai

気持ちのいい風と暖かい太陽!、思わず駐車場に大の字になり
寝転んで全身を太陽に暖めて&乾かしてもらった。おっとっと
顔面は日焼けしちゃうから、死人のように顔面にハンカチを
載せていたよ。だから通りすがりの人は何事かと思ったかも
しれない(^^;)

こうやって天気が良くなるだけで、何か良い事が起こる予感。
バイクで旅する人はきっとみんなそうだろう。…でしょ(^^)?

さてそろそろガミ氏と約束の時間だ、天界から下界に下りよう。
天国のようなナイタイ高原を後にして、再び湿った濃霧に入り
霧を切り裂きながら、我々は士幌の市街地を目指した。

途中のとある所で、リアルドナドナの歌を見かけたので一枚。

Donadonaushi

…お肉になるのかしら(;_;)。牛乳ありがとう、お肉もありがとう。

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ナイタイに向かった道をそのまま逆に戻り、5年前に熱気球の
イベントに偶然遭遇した上士幌町航空公園の脇をそのまま抜け
国道241号と274号が一本になった士幌のメインストリートを
南下する。その先に、これまた道の駅である「ピア21しほろ」
がある。そこが待合せ場所だ。

そこのホクレンで今日最初のガソリン給油。140km走って3.5L
入った。41.5km/L。ここ最近のデータよりも悪化しているけど、
これは展望台やらナイタイ高原やらの登り坂をたくさん登った
からだろうか?。でもリッター40km/Lを下回らない。

ガソリン給油が終わってGSを出ると、そこにガミ氏が来ていた。

数ヶ月前に自宅をたずねてくれていたのでそれほど長くの間が
たっていないけど、こっちで会うのは間違いなく五年ぶり。

そこから車で案内してもらい、以前の住居とは違う場所へと
移ったガミ氏のアジトに向かう。

街から少し走った所に彼の家はあった。この時点で時刻はまだ
13時だけど午後から雨が降る予報だったので、TWでの移動は
ここで終了。

Twgamitei

ガミ邸での今後の各種プロジェクトの進行を見せて貰ったり
台所に放置してある食材の中にとんでもないビンテージモノを
見つけてしまったり…(-_-;)捨てましょう<ばき

Ninennmae

彼が庭木で養殖している大量の大型の蛾の幼虫を見物したり、
昼飯をご馳走になったり、庭先にチェアを出して長々と語り
合ったりしながら時間を過ごす。

Gamibbq

気がつけば数時間が経過し、陽が傾いて段々暗くなってきた。
それほど腹は減ってなかったが彼の車で街に出て夕飯を食う、

Namahuto

士幌名物らしい生春巻きならぬ生太巻きを地元の寿司屋で
食す。ま、たまにはこういう贅沢も良いでしょ(^^)

その後は風呂に入りにいったり、濃霧で霞む真っ暗な場所で
ハイパワーグリーンレーザーポインタで遊んでみだり、と
若かりし頃に学校の友人の家に遊びに行ったような感じで、
バイクとは無関係な時間を過ごさせてもらった。感謝。

でも、ここで気付いたが、午後に雨は全く降ってないな(^^;)。
天気予報外れやがったな、でも良い方向にだから許す(^◇^)

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Gamibed


今夜はここに一泊させて頂く。明日は天気が良さそうなので、
良いうちに景色をたっぷり楽しんで、距離も稼ごう♪

それでは、おやすみなさい…昼間に虫に刺された所が痒いな。

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本日の走行距離:140km
 

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2012.07.24

旅2012・3日目 我流

昨夜は寝入ったら、同室で寝ていた人が鼾と明瞭な寝言でしゃべり、
結構騒々しくて、耳栓をして寝ていたにもかかわらず1時に目が覚め
起きてしまった。こんなに絶叫する寝言は珍しいなぁ、と思ってつい
携帯電話のボイスメモ機能を使い、そのすごい寝言を録音してみたり
したが、今から思えば何の為にそんなことしたんだろう(^^;)?

その後は睡魔に負けて、うつらうつらと寝てしまった。

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さて、朝が来た。天気は曇天。うっすら霧雨で、歩いている分には
傘は要らないが、バイクで走るとしっとりウェッティー化してくる
非常に嫌な状態だった。でも苦境であってもそれを全て受け入れて
走るのが旅人の常ってやつだ。

そんな事を口にしたら、同室の人いわく

 「雨のときは同じ宿にステイ、それが旅人ってモンでしょ?」

た、確かにその方がいいかも…(^^;)<ばき

しかし旅のスタイルは人の生き方のように無限に正解があるので
自分は自分が信じている正解を選ぶ事にして、同室の人に別れを
告げて走り始めた。

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とりあえずは今朝の天気予報で日が出そうな方向である東に向かう。

目の前の国道36号を南下する。ただそれだけでメットのシールドに
じわじわと水滴が付いてくる。カッパを着るでもないが、着ないと
少し濡れて、気化熱で寒さを感じるいやらしい感じだ。

でも、まだ大丈夫だろう。

国道36号はちょうど千歳の自衛隊の出勤時間だったらしく、徒歩の
人、自転車の人、車、あらゆる所に軍服を着た人たちが基地に向け
出勤していた。ここでは日常だろうけど、ちょっと珍しい光景かも。

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国道から道道258号に曲がり、幹線道路の裏道を走る。ちょっと前
まで都会の景色だったけど、たったこれだけで一気に北海道らしい
牧場と牧草地の景色になった。そのまま道道を走り、早来を目指す。

早来のときわキャンプ場は自分にとって馴染みの所なので看板の
所で記念撮影。かつてここのキャンプ場の手前で大雨に降られて
飛び込んで必死にテントを張って逃げ込み、翌朝になっても雨が
止まずにその状態のまま撤収する、というino史上最悪のキャンプを
経験した場所でもある。

Twtokiwa

そういう経験も自分を成長させてくれた大切な出来事だったね。
ありがとう(^^)/

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その後、道道59号に入り一路西へ。途中の厚真のホクレンで給油。
昨日の支笏湖一周&そのあたりで楽しい峠道を走った代償は一体
どのくらいだろう?。

136km走って3.4L入った。40.3km/Lって所だ。まぁ林道&峠で少し
はしゃいだ割にはいい感じじゃない?、結構なアップダウンも
あったからなぁ。

そしてそこから道道59号で南東に進む。両側が牧場の、のどかな
景色を眺めて北海道を走っていることをしみじみ感じる。これで
天気がカラっと晴れて良かったら気分は最高ゥ!、なんだけど、
霧雨が容赦なくメットのシールドに水滴を作ってゆく。

でも気持ちはいい。こんな状態であっても仕事や色々な事を忘れ
純粋に北海道の道を満喫していた。だって、今オレは間違いなく
北海道を走ってる。これはたった数日前の日常生活からしたら
考えられない位の環境の激変だもの。

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道道59号を末端まで走り、平取町と言うところで道道80号に乗り、
義経峠なる道を目指す。日高に出るなら海岸線を走ればいいが、
自分はヘソ曲がりなので内陸側の一度も走った事が無い道ばかり
選んで走ることにした。これが最後の北海道ならば、全部の道を
走りきった!、という充実感が欲しかったからね。

Twyositune

蛇足だけど、ここはFOMAの電波来てなかったな(^^;)

この道は対向車も同方向に進む車も殆どなく、快適な道だった。
自分は60km/Hしか出さないが、DR-Zあたりを持ち込んでいたら
相当楽しいだろうなと思う。でも自分は60km/Hでひた走るTWで
必要十分満員御礼、もう心底楽しいからこれでOK!

Tw60km

道の途中で、前回同様ミヤマクワガタがヘコヘコ歩きながら
横断しようとしてるのを見つけた。北海道のクワガタは立派!
こんなのが子供の頃に雑木林で取れていたら嬉しかったな。

ただいま、クワガタ君。また会えてうれしいよ(^^)

Twkuwa0724

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道道80号から道道71号に乗り、さらに日高の裏道だけを使って
走る。マイナースポットだけど、こういう誰も来ない道が快適
で楽しいのは北海道の常識だ。対向車もバイクも歩行者も誰も
いないから不思議だけど、せっかく北海道に来たのだから車が
多い幹線道路を避けてこういう道を走らないと勿体無いと思う。

道道71号の牧歌的な平和な風景を堪能してから、途中で道道
209号に乗り換え川沿いを走る。このままだと新冠に出てしまう
けど、途中で曲がって二十間道路桜並木とやらを見に行った。

Twsakura


当然季節があってないから桜の花は見れないけど、繁る緑の
葉っぱの勢いがすばらしく春になれば相当見事なんだろうな、
と感じた。バイクでその季節にくるのはちょっと無理そうだ
けど、いつかここの桜を見たいもんだ。

桜並木を過ぎて道道1025号で裏道南下ツアーをそのまま継続。
ガソリンが不安になってきたので、道道637号を使って初めて
海沿いに出て国道235号に乗った。

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…さっ、寒い!、さっきまでは、たまに太陽も出ていたのに、
海沿いは雲と霧が深くて風も強く、とてもじゃないけど今の
服装じゃ寒くて寒くてダメだ。少し頑張って走ってみたけど
耐え切れずその先の道の駅・みついしに逃げ込む。

寒さに震えながらベンチに座っていると、アメリカンに乗った
オジサンというか、おじいさんがやってきて、「寒いですね」
といったライダーとしての会話を少しした。旅の人ではなく
地元の人だそうで、「今年は寒いよ、あまり無い状態だね」
とのこと。珍しい所に遭遇したのだからラッキーなのかも
しれないけど、あまりラッキー感が無いなぁ。真夏に寒さを
感じれるってことは贅沢な事だと思うけど。

駐輪場にはとてつもない荷物を積んだバイクが停まっていた。
ここまで大量に荷物を積むと、旅先で気楽に荷物を下ろしたり、
道中で使いたい、と思う持ち物を簡単に引っ張り出したりする
事が出来ないんじゃないのかな?

自分のTWの荷物量でも2週間くらいの野宿旅は余裕なんだけど、
一体何を積んでいるんだろう、ちょっと興味がある。

Twnimotu

自分も最初は荷物が多かったけど、経験を重ねる毎に不要な
ものを持ってゆかなくなり、必要なものでもより小さく軽い
ものに更新していった。そしたらある程度のところに収まり
それ以降大きな変動は無くなった。

まあさっきも書いたけど、旅のスタイルに間違いはないから、
誰かが勝手にこれは間違ってる、と口出しするべきじゃない。
雨中キャンプの件のように、人はまず経験してみる事が大切
だから。きっとこの人が自身の旅を楽しむために欠かせない
ワクワクするものが詰まっているんだろうな(^^)

良い旅を!

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このあたりでちょうど昼飯のタイミングだったので近所の
海鮮料理屋に飛び込んでみた。ツーリングマップルにある。

Twkinsui

看板メニューが良くわからないので、お勧めは何ですか?
とたずねたら今日のランチ「海の幸丼」がそうだ、と言う
ので、それを頼んだ。TVではイチローが電撃移籍したという
ニュースがやっていたが世俗の事には興味が無いのでスルー。

Twumisachi

海の幸丼、まぁ普通に海産物メインのどんぶりだよね、と
いう事で完食。800円だからまぁ損した気はしない。
さあ、腹も膨れたし、次に行こう!

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浦河の街中を走るここは何度も通ったので懐かしく感じる。
大昔にメロンパンを求めて入った店もあった。また来たよ!

ここでガソリン給油。154km走って3.4L。燃費は45.3km!!
20年乗っていて歴代で最高クラスの燃費を叩き出したTW。
俺らの旅の速度は燃費がエコカー補助金出そうなくらいに
良いみたいだ。このまま行こう、どこまでも!

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海沿いに別れを告げ、陸側に転進した。ここから襟裳を
バイパスする天馬街道に入る。どんどん坂を登ってゆくと
途中にある道路情報ターミナルというパーキングエリアが
見えてきた。その途端に、脳内の記憶の引き出しがポン!
と開いて昔の記憶が鮮明に蘇った。

あっ!、ここは元カミさんと一緒に周った時に立ち寄った
場所だ。あそこにバイクを止めてああ歩いて、あそこで
写真を撮った。十年チョイ前のそんな記憶が鮮やかな
総天然色カラー画像で今の見える場所にダブって見える。

思わず一旦そこに入って停まってその景色をゆっくりと
眺める。以前自分らは間違いなくこの場に居たっけなぁ。
あの時は楽しかったな(^^)。暖かい思い出を一つ消化して、
さらに先に進む。

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天馬街道のてっぺんにある野塚トンネルに入る。ここは
中が猛烈に寒い長い長いトンネル。だからさっきのPAで
ガッツリ着込んでおいた。

入るとそりゃもう寒いの何の!、早く終わってくれ~!、
と鼻水を垂らしながら、ひたすら走る。そういや以前も
こんな感じで寒かったっけな(^◇^)

トンネルを出ると気温と湿度がまったく異なるために
シールドが一気に曇って視界が悪くなる。本当の話だ。

日高山脈を越して東側に出ると、こちらは薄日が差して
暖かく明るくとても気持ちいい。ガラガラにすいている
道をTWはまるで川の中を泳ぐ魚のように気持ちよく進む。

長い下り坂だけど、60km/Hを保持したまま豊似に向かう。

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そういや途中で中川一郎生誕の地という看板があったが、
そんなに偉人なのかな?、地域密着型の一政治家という
イメージしかないんだけど。

途中中川なんとかさん、という女性のポスターが数多く
掲げられていた、何でも一郎さんの息子の奥様だそうな。
もう一家一族で政治をする時代じゃないと思うんだけど。

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豊似からどっちに行くか悩む。帯広側に行くか、釧路側に
進むか…

Twbunki724

久々に釧路方向にも行きたいけど、この時点でもう昼を
回っているし今回は色々なケジメをつける旅だから、より
それが多く出来る帯広方向にしよう。釧路や根室や野付は
今回はパスする。ナウマンで有名な忠類方向に向かい進む。

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国道236号を北上し忠類の道の駅でキャンプ場を覗いたり、
大樹の道の駅ではチーズを買ったりしながら帯広に向かう。
すぐ目の前に地味だけど有名な幸福駅がある所まで来た。

Twkouhuku

この紙片のどこかに、以前自分らが書いた紙があるはず。
それを回収して、今回写真と一緒に火葬したいと思ったが、
ちょっと無理っぽいな(^^;)<ばき

でも、ここにも来れて良かった(^^)。沢山の記憶が鮮明に
蘇って、とても暖かい、やさしい気持ちになれたから。

ついでに過去に一度も行ってない愛国駅も寄ってみた。

Twaikoku

てっきり右翼の聖地のようになってるかと思ったが普通だ。

これでこの地域はコンプリートだな、やるべき事は終えた。

とりあえずさっきの給油から140kmほど走ったので、この
近辺でまた給油した。3.08L入って燃費は45.5km/L

…TWよ、どうした?、過去最高レベルを連発じゃんか(^^;)

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あとは今夜の宿を探すだけ。とりえず池田まで出れば色々
宿やキャンプ場があるけど、今日はもう320kmを超えて走り
ちょっと走りすぎ。

焚火し放題の中札内の無料キャンプ場も大好きな所なのだが
明日の行動を考えるとそこまで延々と戻って、そして明朝に
そこから北に向けてスタートを切るのは少し気が引けた。

なので、この近所にあって、今まで一度も利用した事がない
ライダーハウス(?)、「大正カニの家」に行く事にした。

Twkani

中に誰もいないけど、勝手に入って使って良いらしい。夜に
なると点呼を取る管理人がやってくるとか、みんなで掃除を
しましょう、とかそういう注意書きがある。シャワーは無料で
使い放題で電気も生きてる。これで無料で使える?、本当に?、
と、つい心配になる。

内部はこんな感じ。

Twkani2 Twkani3

表の炊事場で地元の中学生のバーベキュー大会?、がある
らしく外は終始賑やかだった。そんな大正カニの家にこの夜
集まった同宿者は5人。60代が二人、50代が一人、自分は
40代、そしてその中に21歳の学生がいた。

若いバイク乗りは貴重なので、年寄り連中でたくさん弄る。

この時代にバイクで一人で旅に出る勇気と、行動力がある
とは見所がある。なんでも来年卒業したらレッ○バロ○に
就職するらしい。これまた大変だと思うが…頑張れ(^^;)!

若者は近所で夕飯を食ってきた食堂で若い女性に誘われて
明日は一日大根掘りのバイトをすることになりました、と
屈託無く明るく笑う。

年寄り4人衆は、世の中そんなに甘い話ばっかりじゃないぞ、
きっとその女性はワカモノキャッチャーで、明朝に畑に行ったら
おっさんとおばちゃんばかりだと思うぞ、と、からかってみる。

そんなこんなで旅人の会話は22時過ぎまで途絶える事なく
続いた。こういう時間が旅の醍醐味の一つ。見ず知らずの
人が、偶然ここに集い、居合わせたことで発生した一瞬の
コミュニティ。ここで連絡を取り合い、これから長く続く
縁じゃない。だけど偶然どこかでばったり再会すればまた
会話も続く、北海道旅ならではの、そんな関係。楽しい♪

それまで皆さん、明日もご安全にぃ(^◇^ゞ

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本日の走行距離:336km
 

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2012.07.23

旅2012・2日目 上陸

いざと言う時の睡眠導入剤と耳栓のお陰で、常時重低音を響かせる
フェリーの巨大ディーゼル音をほぼシャットアウトして熟睡出来た。
久々のはずだがちっともそんな感じがしないフェリーで朝を迎えた。

目覚めはよかったのだが、どうも調子がよくなくて、目覚めてから
ずっとベッドで横になったまま過ごした。寝てる間に船酔いしたの
かな(^^;)?

少し落ち着いたので珍しくフェリーの食堂でメシを食う事にした。
朝飯はバイキングなので、食えば食うほど元が取れるからね<ばき

Ferriasamesi

味はともかく、量と栄養バランスは良いぜ♪、これで1000円なり。
オカズもご飯も同じくらいおかわりをしてガンガン食った。おかげで
空腹状態から一気に苦しいくらいの満腹になった。ごちそうさま。

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後は船が着くまでフロに入ったり地図を眺めてこれからのプランを
考えたりしながら時間を過ごす。船の中で携帯のGPS機能を使うと
自分が洋上にいる事が判ってちょっと面白い(笑)

地図を眺めて今日の行動を決める。まず五年前の旅で最後に行った
支笏湖に、丸山林道を使って行ってみようと決めた。天気があまり
良くないのが切ないけど、これもまた旅の現実。雨であろうとも、
それをただ楽しむのみ!、だ。

今夜の宿はどうしよう?、チョット体調が良くないのが気になる。
…ま、そんな事は支笏湖行ってから考えよう(^^)

そうこうしているうちに、船が苫小牧港に接岸し、ライダー下船の
案内が流れた。よし!、行くか!

前日の守谷SAで出会い、その後フェリーでまた居合わせた人たちと
共にFデッキまで階段で降りた。いつものように勝手にタイダウン
ベルトを外し、下船の準備をする。

Ferristart

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13:50、ついに五年ぶりの北海道に上陸。ここまで運んでくれて、
どうもありがとう!、さんふらわぁ・さっぽろ!

Ferriganpeki

空は曇天で昨日と同じような感じで、気温は昨日の関東のそれと
殆ど変わらない。つまり乗船時と下船時の感じがまったく同じ。
…なんか北海道に来た感じがしないな(^^;)<ばき

さぁて、まずは予定通り、支笏湖に挨拶してこよう。

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苫小牧の市街地から、丸山林道の第二縦断林道に入る。山の中に
入ると一気に北海道に来た!感がまるで2ストのパワーバンドの
ように盛り上がってきた。

Twrindou723

「うおおぉおおをぉおお!、オレは帰ってきたぞおぉおお!」

森の香りを肺にいっぱい吸い込みながら、久々の林道を楽しむ。
ハンドルと尻から伝わる荷物満載のダート走行の感覚が嬉しい。
あーこれこれ、これが自分の世界だよな、大きいバイクや速い
バイクも楽しいけれど、でもやっぱりこの世界感が一番楽しい。

体力は落ちてるけど、大丈夫、オレはまだやれる!、
そしてお前もだTW。ポンコツだけど、まだやれる!

天国のようなダート走行は終わると舗装路に戻る。そしてすぐ
支笏湖が現れた。

 「お待たせ!、ただいま!」

Twshikotu723 Twshikotu72302

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曇天が少し晴れてきて、太陽が暖かく天上から差し込んでくる。
何か、あらゆるもの全てに祝福をされてるような気持ちになる。
輝く緑の山の風景が都会の生活に慣れた網膜にとても眩しく写る。

国道453号を道なりに走って美しい支笏湖に別れを告げて、その
次にあるオコタンペ湖に行ってみた。湖は下馬評通り少ししか
見えない、しかも湖面は霧に霞んでる。写真を撮ったがあまり
意味がないのでUPはしない。

ただその道すがら、巨大な…草だよな、これ?、それの方が
よっぽど北海道の自然の偉大さを感じさせてくれたよ(^^;)

Twkusa

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国道453号から道道117号に入り、支笏湖よりも遥かに都会な
恵庭を目指す。北海道を行く愛機TW200の時速は何があっても
常に60km/H以下だ。どんなに道が空いていても、警察が不在
であっても、これ以上で走る気がまったくしない。

二十年来の相棒、魂の揺り篭たるTWと自分が旅する時には、
本当にくらいが一番楽しいのだ(^^)。心地よい200ccのトルク
感で北海道の道を流すと、まるで天国を走ってるような幸せ
に満ちた気持ちになれる。

この速度なら道の上をヘコヘコ移動するイモムシもちゃんと
避けられるしさ。…いや本当に見えるんだよ、そういうのが。

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途中で祝福の日差しが陰り、少し寒さを感じるようになった。

前日の反省を生かし、すぐに止まってトレーナーを取り出し
ジャケットの内側に着込んだ。これで走り出すと丁度いい。
よしよし、旅人の感覚がだんだん戻ってきたぜぃ(^^)

恵庭市街に入る頃には16:00を回っていた。まだ明るいけど、
今日は体調不良もあったから、ここまでにしておこう。

なんだかんだで100km近くを走っているし、明るいうちに宿を
確保して落ち着いてしまうのが自分の旅のスタイルだから。

日がまだあるのに気温は涼しい。という事は朝は寒そうだ。
なので今夜はキャンプは控えたい。いつもだったらこの辺り
ならば、定宿である早来にあるときわキャンプ場に行く。

でも長旅を無事に終えるには、油断大敵。今日は屋根と壁の
ある所に停まろう。ツーリングマップルと、ツーリングガイド
ブックを見ると近所の千歳に古参のライダーハウスがある。

じゃあ今日はそこに行ってみる。今回の旅は今まで泊まった
事のない場所に泊まってみる事も隠されたテーマのひとつだ。
もしかしたら、これが最後の北海道旅になる。だから新しい
知見をたくさん体験してみたい。

ただしとある一箇所のキャンプ場にだけはどうしてもそこに
行かなくてはならない用事があるので必ず行くけどね。

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国道36号を少し下った所にあるインディアン水車で有名な
道の駅・サーモンパーク千歳を一度覗いてから、

Twsarmon

今日の宿泊先である目的地のライダーハウスに到着。

Twchitose01


ちとせライダーハウス。有料なので、設備はそれなりで
上質を求めるなら問題だが、旅の宿としては必要十分だ。

Twchitose02 Twchitose03

今回ここに集った旅人たちは、全くの見ず知らずだった
だけど、よく北海道のあちこちで出会うスタイルの旅の
人たちなので、入ってすぐに打ち解けた。

Twchitose04

…ただ、ワカモノがいない。みんな自分より上の人達だ。
もうバイクで旅する人は年寄りばっかりなのかな(^^;)?

近所のスーパーで買ってきた食材をパクつきながら
そんな人たちと長々と北海道旅について語り合う。

こんな時間の使い方がとても楽しいんだな、これが(^^)♪。

部屋の隅っこで自前の寝袋を広げて入り、耳栓を付けて
北海道最初の睡眠を貪る。それではおやすみなさ~い。

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本日の走行距離:94km

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フェリーの中から、ちょっとだけ愚痴らせて(^^;)

携帯の電波が思ったより入るので、たまに短文をUP。

お天気サイトで確認したら今週は北海道は晴れがなくて
ずっと曇り、そして雨みたいだ(T_T)。なんで北海道に
来るたびいつも雨ばっかりなんだろう?。5年前もその
前もそうだったけど、だいたい変える最終日くらいに
好転するんだよね。


旅とは人生そのものであり、生活の延長線上にあるから、
良いことばかりじゃない事は重々承知しているけど…、
これもまた運命なのかな、挫けずに困難さをひっくるめて
その全部をしっかり受け止めて楽しんでやるかp(^^;)q

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2012.07.22

旅2012・1日目 出発

連休の初日は昨日の7月21日。その日は仕事モードから旅モードへの
切り替えと、万が一緊急の連絡が入ったら旅を中止に出来るための
インターバルとして、あらかじめ今回の連休の予定に入れていた。

旅に持参する荷物の支度、衣類のパッキング、部屋の片付け、ゴミを
出したり…、昔は休みの初日からいきなり全力で旅モードに突入したが
どうもサラリーマン生活が長引くと、全身に癒着して一体化している
(つまりもう自分自身そのものと言っていい)「仕事モード」を脱する
ために、色々な儀式と時間を要するようになっていた。

最初は簡単にそれが引っぺがせると思っていた。でもそれは思っていた
以上に強固にへばりついていて、旅に出るワクワク感と高揚感に沸く
心情の中に、なんと驚くなかれ、

 「バイクで北海道まで行くのか…面倒だよなぁ」
 「長い休みの間に、仕事の現場で何かあったらどうしよう」

…と、心の隙間にスクレーパーを差し込んで、引っぺがすかのように、
考える仕事主体人間な自分が気持ちの隅っこにいたりもした。

びっくりしたよ、あれだけ楽しみして、必死に頑張って休みを
得たのに、残してきた仕事の方が気になる自分がまだ居た事に(^^;)

でも、旅をしたい自分、この旅が人生の色々なターニングポイントに
なる事を期待する自分が、そいつらに勝利した。ま、敵じゃないわな。
社会人としては失格なのかもしれないけど、この二週間だけは自分を
大事にさせてもらうよ~♪<ばき

今回の旅のテーマは

「未来に持っていけないものは、思い出だけ残して捨てて先に行く」

このケジメをつけるために、中年サラリーマンという仮面を脱いだ
野を彷徨う旅人は、5年ぶりの旅に出るのだ。いや、一時中断してた
だけで、それを再開する、と言ったほうが正解だな、ほんのちょっと
たった5年間だけ一休みしてただけさ:-p

------------

…旅の初日は小雨で始まった。何だよ!、何で雨が降るんだ(T◇T)!
庭先に出しておいたTWは切なく雨に濡れて泣いているように見えた。

Twame

ま、今日は夕方までに大洗港に行けばいいのだ。午後から天気も回復
すると言う天気予報だから、ゆっくり&のんびり準備しよう。

そう思って庭に出た。そしたら夏なのに妙に涼しかった。…あれ?

ここ数日は北海道が寒いという話は現地に住むガミさんから情報を
仕入れていた。でも少しナメていた。そういう旅を何度もして来た
から。でもこっちがこんなに涼しい、この外気温が23℃という事を
考えると、十数℃という北海道はもっと寒い。これは用意した衣類
だけじゃ寒くて走れないって事、だな、

かといってジャンパーを詰め込むほどの余裕は無い。なので最小で
最高の効果を得るためにメッシュジャケットの上に羽織ってサマー
ジャケットを上から着れば3シーズン用のジャンバーとほぼ同じ
保温力となる、ゴアテックスのインナー、ウィンドストッパーを
新たに荷物に追加した。

蛇足だが、このウィンドストッパーは、結婚していた当事に元カミ
さんが冬にバイクで走るように誕生日プレゼントで買ってくれた
ものだ。これも何かの縁かもしれないな。使わせて貰うよ(^^)

あ、一応書いておくけど、今の自分は元カミさんに対する生々しい
感情は何も無いのであしからず:-p。

5年前の旅でほぼ完全燃焼して、元カミさんと今の自分の間に残る
のは、一つの約束と一枚の写真、それだけだ。それは自分の未来に
持って行く事ができない。だからこの旅で北海道に埋葬しに行く。

チョイ暗くなったけど、この旅は当然それだけが目的じゃないよ、
仕事に疲れた中年サラリーマンがずっと待ち望んでいたバイクで
旅する夏休みなんだ♪

今の時点で自分が使える全力を使ってこの夏を楽しむよ~(^◇^)

------------

小雨もある程度上がり、路面が乾き始めた。太陽はまだ分厚い雲の
裏に隠れて存在感が無いが、もうそろそろだろ!、オレに旅~を
させ~ろ~~♪(嘉門達夫の『俺にカレーを食わせろ』のサビで
どうぞ)

洗濯物が干せるかしら?、という具合に家から顔を出した馴染みの
近所のおばさんに、

 「これからちょっと旅に出てきます」

と声を掛けて、出張で家を空ける際と同様にこの地域の回覧板を
ウチだけ飛ばしてくれるよう頼んだ。

さて、行こう!、久々の旅を楽しむため、そして色々なケジメを
つけるために…ね。

Twstart

蛇足になるが、この着てるヤマハのジャケットは、ここにコメントを
寄せてくれる、ぱにあさんから以前頂いたもの。愛用してます(^^)

------------

5年前の旅立ちの時には自分を見送って、そして「行ってきます」と
言える当事の彼女が居たけど今は居ない。そんなのとっくに慣れて
いるはずなのに、なんでだろう?、いつもの出張に出る際と物理的に
なんら変わらない行為であるはずなのに今回はそれがとても寂しいと
感じた。…そっか、オレはやっぱり孤独なんだな、という感じで。

それじゃ旅立ちには寂しすぎるだろよ!。なのでこの旅とは無関係
だけど旅するTWの修理に関わってくれた行きつけのハヤシカスタムに
寄り道して、社長さんに声をかけ、今回の旅立ちの見届人になって
もらった<ばき

Twhayasi

お忙しいところ申し訳ありませんでした。い、行ってきます(^^;)

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…途中は端折るが、途中で結局小雨に降られ、PAに逃げ込んだ(TT)

何でこんなに雨にたたられるんだろう?、人生最後かもしれない
旅なんだから、天気の神様、気持ちよく送り出してくれよ!頼む!

なんか少し意地になって、カッパを着ないでそのPAで雨が止むのを
少し待った。いかんいかん、旅人たるものもっと冷静沈着に、臨機
応変に事に対処しないと。

その後、東京の高速を70km/Hでゆっくり流して、常磐道を目指す。
…おっと、途中でこの旅でまた果たさねばならないケジメを付けに、
今は亡き友人の墓に立ち寄らねば。TWでここに来るのは彼の葬式
以来だ。

Twhaka

彼の葬儀には喪服ではなく、あえて自分の正装であるTWで今とほぼ
同じ格好で行った。ご遺族がみんなバイクでバイクの格好で来てね、
その方が彼が喜ぶから、と言って下さったのだ。バイクで息子を
失ったご両親、どういう想いで我々にそう言ってくれたんだろう。

自分とTWの旅姿は旅人としての正装だ。その姿で墓前に立ち
この旅に出る事を報告し、そして彼が最期に乗っていたSXを
秋に再生して、それでも蘇らなければ、または蘇っても秋の命日に
その役目を終えさせたら、その後に手放す事を告げた。

もう2年間動かないSXも、これからの自分の未来に残念ながら持って
いけない。ごめんよ、この旅から帰ったら、再生に取り組むから
もう少しだけ待っててくれ。  …じゃ、行ってくるよ。

コップ一杯の排気量しかないTWのエンジン音が彼の墓まで届くよう
アクセルを開けて少しだけ元気に吼えさせてから、寺を後にした。

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常磐道に乗る前にバイク用品屋があったので立ち寄った。ずっと
愛用していたグローブにもう少しで穴があきそうになっていた。

Twyouhin

このままだと旅の途中で穴が開く。なのであえてここで新旧交代。
TWカラーである白青黒のFOXのoffグローブを購入。さあ行こう!

Twgrove

下道を少しだけ迷いながら常磐道の三郷のスマートICを目指した。
今回のTW、ぢつはETC化してあるのでそこから高速に入れるのだ。
空は曇天、霧雨も降っていて走っているとしっとり濡れる。でも
行け!行け!北海道目指して突き進めTW!

旅の速度として最高の80km/Hで常磐道を下る。全開走行すれば
一応115km/Hくらいまでは引っ張れるのだが、旅の速度の上限は
一般道60km/、高速は80km/Hだ。そう決めている。だってこれ以上
出すとTWがスピード出しすぎ!、と、こうやって警告を出すからね。

Twspeedwarning

今のバイクには付いてないから、こんな赤いランプが点いても
何だか判らないよね、特に最近バイクに乗り始めた人は(^^;)

------------

途中のSAで古いグローブを捨てた。もう少しは使えるんだけど、
今回の旅には持っていけない。…許せ。

この旅で、自分が過去に置いてゆく全てのモノの象徴として、
お気に入りの色で愛用のグローブをSAのゴミ箱に投じた。

Twoldgrove

ゴミ箱から駐輪場に戻ると旅装束をしたバイクが増えてた。

気さくに声を掛けて色々と話をしてみると、みんなこれから
大洗に向かうとの事。この時間にこんな場所でこんなに荷物を
背負って走っていれば、そりゃそうだ。自分もそうだし<ばき

それでは、また港や現地で会いましょう、ご安全に(^^)/

ここまで140km走ったので守谷SAでガソリンを入れた。この旅で
初の給油。3.5L。燃費は40km/Lか、幸先いいじゃんか(^^)
さあ頑張れTW、オレら昭和のロートルはまだまだ往生しないぜ!

大型バイクならヒトっ飛びのSA-SA間も非力なTWじゃ一苦労だ。
さっきのSAで停まってたTLR200とずっと80km/Hで併走しながら
曇天の下、高速を駆け抜ける。隣の友部SAでもちょっと休んで、

Twtomobe

涼しいを通り越して少し寒い思いをしながら大洗港を目指した。

------------

五年ぶりとなる大洗の街に入る。港に入る前にコンビニで食材を
購入し、隣のガソリンスタンドでもう一度給油。北海道に満タンで
上陸したいからね。

15歳という、幼さが見えるバイト少年が、初々しく一生懸命給油
してくれた。すぐ脇で鋭い視線と指示を放つ女性先輩店員が凄く
ギスギス見えてしまうくらいに。(その人も若いんだけどさ)

89km走って2.5L、燃費は35.6km/L。高速走行だとやっぱり悪く
なるな。でもウチのTWは大体いつもこんなもんだ。という事は
きっと快調って事だろ♪

大洗の港の周りは、去年末まで暮らしてた石巻のような猛烈な
津波被害の痕跡は見られないように思えた。でも乗船の手続を
した時に聞いてみたら、去年の今頃は被害状況が生々しかった
らしい。つまりここまで復興した、って事なんだな。

------------

乗船手続を経て、船に乗り込む寸前までくると、数時間前まで
日常生活をしてたとは思えない。まるでジェットコースターの
急落下のような感じがした(笑)

なぜなら元カミさんと北海道に行く以前からだから、十数年前
から自分の北海道旅は基本的に東北を数日巡り、旅気分を徐々に
盛り上げてから仙台や青森からフェリーというクライマックスを
迎えるように自己演出していたから。

でも今日は、なんだかあっという間にそのクライマックスに
到達してしまった気がして…いいのかなぁ(^^;)?<ばき

Twooarai72202

この光景を見ると、なんか面倒だ、旅に出たくないなぁ…、と
いう怠惰な気持ちは、全て水平線のかなたに吹っ飛んでしまい、
ワクワク&どきどき感だけしかない。よかった、オレはまだ
ちゃんと旅人だったんだな(^^;)

船に乗り込んでTWを船倉に停める。この感覚が5年前の旅から
本当に5年間も経過してる気がまったくしない。ほんのちょっと
前にこういうことをしてたよな、そんな気持ちになる。

Twooarai72203

見慣れたフェリーの中に入ると、さらに浦島太郎のような気分。
本当に前の旅から5年間もたっているのかな?、なんかちょっと
悪い苦しい仕事の夢を見ていて、たった今、オレはカジュアル
ルームのベッドで目覚めたんじゃないだろうか…そんな錯覚が…

今夜の自分の寝床を確保して、店を広げる。ここはAC100Vが
取れるので、LOOXに通電し、そのUSB端子から様々なモノに
充電が出来る。5年前は単三電池2本で長時間稼動する愛用の
MKモバギで旅の様子をメモしていたけど、今回のその道具は
このLOOX-U G//90だ。キーボードが実用に耐える最小のPCだ。

Twferri722

18:30の定刻にフェリーは無事出航。今はゴゥゴゥという音を
響かせる巨大ディーゼルの振動と騒音を感じながらベッドの
上であぐらをかいてその股間にLOOXを置いてタイピング中。
夕飯は途中で買った適当なメロンパンやその他。フェリーの
飯はベラボーに高いからパスだ<ばき

でも、せっかくだから明日の朝飯くらいは食ってみるかな。
なにせ朝飯はバイキングだから食い放題♪だしね(^^)

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本日の走行距離:229km
 

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2012.07.21

旅2012・プロローグその2

以前の旅は2007年、ちょうど5年前だ。その頃、自分のそばには
彼女がいた。色々な事を抱えて、とても苦しんでいる女性だった。
だから自分がどうにかして助けられるのなら助けてあげたかった。

色々な危機から避難するために、ご両親の了解を得て自宅に呼び、
短い間だったけど一緒に暮らした。色々な事を抱えながらだった
から、100%の幸せではなかったけど、それでもその生活の端々に
しみじみとした幸せを自分も感じる事が出来た(^^)

------------

ちょうどその頃、仕事が研究開発から現場回りに変わる話があり、
色々な人生の変曲点が、ちょうどそのタイミングに集まっていた。

だから元カミさんの想いにケジメをつけるため、バイクで旅する
自分を、その彼女との生活を優先するために封印する覚悟をして、
今までの集大成として「サラリーマン最後の夏休み」と称し今回と
同じように長い連休を取って、旅に出た。

その目的は、その昔、元カミさんと一緒に北海道ツーリングした
後で交わした本当に些細な一言の約束、

 『次に来る時は、きっと最北端に行こうね!』

それ以前に一人では何度も宗谷に行っているけど二人で旅を
した時には諸般の事情でそこまで行けなかった。だからそういう
約束をした。きっと元カミさんはそんな事を覚えていないだろう。

それを果たしたかった。とっくに離婚して他人になってしまった
身ではあるが、手元に一枚だけ残した元カミさんの写真と共に、
あの時とまったく同じバイク、装備で、約束通り最北端に到達し、
そして、満天の星の空の下で二人でキャンプをしたあの場所で、
焚火を起こして、その写真と共に自分の想いを火葬するためだ。

その目的を達成する直前、その旅は途中で彼女からのSOSにより
中断を余儀なくされた。でもそれでも、自分は納得していた。

こういう終わり方もまた元カミさんを不幸にした自分にはとても
ふさわしいのかな、元カミさんを幸せにしてやれなかった分を
今の彼女に尽くしてあげよう、そう思って一目散に飛んで帰った

彼女は予想以上に早く帰りついた自分を、とても喜んでくれた。
今回の旅の目的を知り、少しあきれて笑っていた。だから自分も
これでもうケジメがついた事にして終わりにしよう、そう思った。

そしてこのまま彼女と再婚するのかな、とも。

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だけど、そのわずか1週間後に、彼女は一緒の住む自分の家で
自殺を試みた。後で聞いたが、明確な理由があった訳ではどうも
無い様で、何かが弾けたか、何かが地雷を炸裂させた発作的な
ものだったらしい。数週間後からしばらく現場に出る事で再び
一緒にいられなくなる事がその連鎖反応の始まりだったらしい。

発見が早く、命に別状はなかった。自分にある僅かな救命救急の
知識を使い救急車が到着する前に出来ることは全てやり、自宅に
救急車とレンジャー隊員が乗った消防ポンプ車までやってきて、
狭いこの家に救急隊員とレンジャーが色々な機材を持ち込み、
応急手当をした後に、彼女を救急車に運び込んだ。

自分もご両親にすぐ連絡をして救急車に乗り込み病院に向かう。
病院で落ち合った母親に頭を下げて事情を説明した。彼女は
その後、回復したものの精神的不安定からそのまま長期入院。

それまでの、ほのぼのとした彼女との暮らしは、これで終った。

その後も現場仕事に従事しながらどうにかサポートを続けたが、
長期出張を余儀なくされる仕事の身の上ではその後も発作的に
自死を試みる彼女を一人で家に残す事になるため、最終的に
自分は身を引く事になった。

でも元カミさんとの別れで生じた「ああしておけばよかった」
という後悔は一つも無い。自分にやれる事は、全てやりきった。
たぶんこの件に関しては世界一と胸を張れるくらい頑張ったよ。

これだけ頑張ってそれでもダメなら、それは愚直に諦めるしか
ない、そんなギリギリまで頑張ってみた結果だからね。

------------

だから、今回は中断した前回の旅の再開と、そして幸せにして
あげる事が出来なかった当時の彼女との決別も含めた、色々な
ケジメを自分なりに付けに行く。いい年した中年男が実に女々
しいなぁ、と我ながら思うけど、目的はそれだけじゃない。

愛機TWももう古い。出発前にやれる限りは尽くしたが、今回の
旅を完遂出来るかどうかは、やってみなければ判らない。

それに乗る自分ももう40半ばと若くない。気力はあっても体力が
昔とは違う。それに社会における立ち位置が、若い頃とやっぱり
違ってきている。だから小排気量のバイクで気ままな長距離&
野宿旅をするのは、きっとこれが最後になると思う。

これからを生きるために、今まで(背負わなくてもいいのに)
背負い込んで生きてきた色々なものを吹っ切って肩から下ろし、
自分自身でそれに納得した上で、新たなる次に進みたい。
自分の分身と思う愛機TWとの別れもそう遠くないだろうし。

…今回の旅は、中年男の夢の遠足でありながら、そういう
今までの人生に踏ん切りをつける旅であったりもするのだ。

------------

…さて、準備もほぼ終わり、明日から旅に出発します。

道中はリアルタイムでレポートするのではなく、旅の途中で書き
溜めたものや画像を、後日まとめてUPする形となる予定です。

赤裸々な中年男の一人旅、果たして未来はどっちだ(^◇^)?<ばき

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2012.07.20

旅2012・プロローグその1

年齢も40を越してしばらくすると社会の中での立ち位置が少しずつ
変わってきて、色々なモノに生き方が縛られるようになる。

サラリーマン人生も気が付けばもう20年。その節目に一念発起して
確保した約二週間の休暇。色々なモノの区切りと節目と、ケジメを
つけるために、また旅に出ることにした。

事前に休日をしっかり確保したつもりだったが、昨今の情勢は乱れて
いて、しっちゃかめっちゃかな状態となっている仕事が、直前まで
ユラユラと揺れ動いてくれたおかげで、今日の夕方まで連休が
本当に取れるかどうか判らなかった。若い頃はそれらをブッチギって
休みを堂々と取っていた。周囲の反感を買おうと、ボーナスの査定が
下がろうと、それよりも休みを取る方が重要だった。

でもその頃と違った立ち位置にいる今の自分は、周囲の状況を
無視して我欲に走る事が出来なくなっていた。果たしてそれは成長か
成熟なのか、それとも単なる老いなのか、それは誰にもわからない。

でも、どうにか取れた。取れた以上は全力で行ける所まで行こう。

------------

ここに至るまで、週末にコツコツと時間と手間をかけて旅用の愛機
TW200のメンテナンスをしてきた。こいつとの旅も、多分これが最後。
だから、悔いもトラブルも無いように、徹底的にやった。

キャブの中身を全部新品にしてエアクリーナエレメントも新品にした。
フォークの中身も全部新品にかえた。バッテリーも新品にした。
オイルも交換、フィルタも交換、リヤサス周りはリコールのおかげで
数年前に新品になってる。その最中にまたエンジン不調が発生し
結局以前とまったく同じ、CDI不良で、それも新品交換して復活。
錆びたサイドスタンドも新品に換えた。

Twstand

稼動部は可能な限りグリスアップして、可能な限り汚れを落とした。
そうやって隅から隅まで手を入れて目を通した。生まれて四半世紀、
1987年式のTWは2012年にリフレッシュされて蘇った。

Traveledwarthog

20年以上前のズダボロになってたラフロのパーパッドを手持ちの
デッドストックの同年代同デザインのほぼ新品と入れ替えたのが
2012年仕様の証なのさ(^^)

Tw2012_2

------------

バイクが仕上がればあとは旅の道具をメンテナンスするのだ。

愛用のアウトドアグッズが使えることを確認し、愛用のテントの
防水シームテープが劣化しているのを見つけアイロンで熱溶着
テープ処置をして防御を固めた。これも20年以上前のモノだもの
今まで良くもってる。この旅でお前もお役ご免となる。だからあと
一回だけ一緒に旅しようぜ、頑張ろう、頼むぜ。

Tent

今までと同じパッキングで、復活したTWに同じように積載し、ほぼ同じ
重さを背負って、高速走行、一般道走行、夜間走行、一通り走って
車体が旅に耐える状態に仕上がったことと、それを操る自分が衰えて
いないことを再確認した。歳相当に体力が落ちてる事も認識する
羽目になったけど、まぁそれは仕方が無い。

Twmockup

以前の旅から丸5年が経過しているのに、以前とまったく同じ姿に
愛機は仕上がった。ただメットだけは経年劣化に耐えられず内装が
ボロボロになってしまったので、新しいメットにチェンジだ。
いにしえのヤマハのYJXから、OGKのテレオス2へ。

Twmet2

これで旅の支度は万全。ケジメをつけに、あの時の約束を果たしに、
…行こうぜ、あの地へ(^^)/

Twi
 
以下プロローグその2につづく
 

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2012.07.10

参った、お前は「モタード」だ

自分のラインナップの中で一番新しいバイク、DR-Z400SM

Drhighseat

入手してから新車販売されていた状態に近づけるべく行って
いたファインチューンが無事終了。マフラーはヨシムラ(フジオ)
管だけど、それ以外は細かい所まで手を入れて工場出荷時に
近づける事を目標として、若返らせた。

新品になったタイヤや、ブレーキパッド、ハブダンパー、プラグ、
分解整備グリスアップされたリヤサス、オーバーホールして
細かく調整を取り直したキャブレター、純正でオプション設定
されている、という事はそれが本来の姿であるのだろう、
ハイシートも入れてみた。スズキのツートーンシートは裂けて
しまうので、それが無いように一枚皮のDR-Z400E純正品。

Drhighseat02

ノーマルシートで両足のかかとが同時に接地するくらいの
足つきだったのでハイシートにしたらもう少し悪くなるだろ、と
思ったのだがハイシートでも両足のかかとが同時に接地する。
・・・あれれ?

うるさ過ぎて頭痛がするくらいだったフジオ管は、板橋にある
某ショップにて完全バラバラにされて手を入れられ、パワーを
殆ど落とさずに、けたたましい炸裂音のような、スロットルの
開け始めの時に漏れる猛烈な爆音だけを落とすという魔法の
改造が施され、スロットルの開け方次第で音量をコントロール
出来るようになったため、街乗りでも近所に迷惑をかけずに
普通に走れるようになった。

------------

さて、あらためて走ってみるか。若い頃からずっと通い慣れた
峠に行って走ってみた。ドドドドドド・・・・

高速道路の加速レーンで、リッターバイクに付いて加速したら
100km/Hまでは殆ど同等の加速をするな。高速の巡航は
猛烈な風圧を感じるので90km/Hくらいで流すが、5速で
そうやって一定速度を保ってずっと走ると緻密な精密機械が
希薄な燃料をきっちり燃やしている感覚がある。

下道に下りて一般道を走る。中間加速は本当に自由自在だ。
意のままに加減速が出来る。コレが本当に400ccなのか?と
思ってしまうくらい圧倒的加速力、そしてoff車ではありえない
強烈な減速力。何もかもがパワフルな作り。体脂肪が少ない
筋肉質のアスリートって感じだ。

峠に入ると、今まで押さえに押さえていた闘争本能に火が
入る感覚に襲われる。まるで、鋭い動きで逃げ回るインパラを
それ以上の動きをして狩る草原のチーターのように走るのだ。

今まで、この峠で、自分的に最高!、と思ったのは十数年前に
乗っていたDT200WRに、IRCのGP110を履かせた、セミロード
仕様のoff車だった。SRXTZRでもそれ以上の「切れ味」を
感じる事は無かった。なので、「速いoff車に、on寄りタイヤ」と
いう組み合わせが自分が峠を走るなら最速なんだと思ってた。

…はっきり言おう、それは間違ってた。それを今回思い知った。
このDR-Zが自分史上で間違いなく、この峠の最速のバイクだ。

SRXやXTのような古臭さをまったく感じさせない高回転型の
トルクフル&パワフルなブンブン回って伸びてゆくエンジン、
(このエコな時代にスズキはよくぞこんなエンジン作ったな)

off車のon用タイヤとは次元が違うコーナーリングのグリップ、
そしてストッピングパワーを生み出す前後17インチでF120、
R140のモタード専用タイヤ、ダンロップのD253。暖まると
まるでトライアルタイヤのように柔らかいコンパウンドだ。
ドリフト状態まではしなかったけど、どこまで倒していっても
グリップする感覚で、そんなバンク角からアクセルを開けて
行ってもしっかり路面に食いつき、フルバンク近い状態から
矢のような加速をする事が出来る。

そのグリップ力を真正面で受け止め、まったくブレない強固な
フレームと、レベルの高い前後サスペンション。ストローク量は
ありそうだけど、走る時の挙動は明らかにoff車のそれと違い
ブレーキングしてもズルズルと沈んでいかないon車の剛脚。

off車ベースということで車重も軽め。昔のDT-WRの羽根の
ような軽さは感じないけどエンジンとタイヤのポテンシャルから
するとあきらかに軽い作りの車体が操る楽しさを増す。シートは
高く薄く、ノーマルでも純正ハイシートでも尻が痛くなるが(;_;)

そのタイヤと、サスと、フレームを最大限使いきれるくらいに
強力なブレーキも備わっているので減速することも楽しい。
やろうと思えばジャックナイフし放題でやんの(^^;)<ばき

------------

コイツはoff車の格好をしているけど、onを走るためのバイクだ。
かつてYUZOが、3MA-TZRをベースに作った究極のコーナー
リングマシン、YSSMのことを、レプリカじゃない、ベース車に
使っただけだ、と言っていたけど、これにはそれに近いモノ、
つまりoff車のDR-Z400Sをベースに使っただけで、最初から
onのタイトコーナーを踊るように走り抜けるために作られた、
そんなスペシャルモデルだ。

今まで、コイツを「スーパーバイカーズ」だと思っていた。

D-トラッカーはそういう味付けだったから。でもコイツは違う。
off車にonの脚をつけただけのキメラじゃなくて、素のままで
十分完成されたコーナーリングマシンだ。これが「モタード」と
言うジャンルであるならば、それはスーパーバイカーズとは
明らかに違う(より高い次元の)世界だ。

…参ったよ、オマエがこんなにスゲェ乗り物だったとは(^^;)

-----------

ある程度走り回って、コイツを堪能しきって帰ってきて、
そこで気が付いた。以前これと同じような感覚の乗り物に
乗ったことがあることに。

それは、レガシィのエンジン交換の際に代車で乗っていた
スバルのインプレッサWRX-STI。

どこからでも加速し気持ちよく伸びるトルクフルな2Lターボ
どんな速度でもクルクルとコーナーを駆け抜る4WDシステム
街中での自由自在な加速感と、峠を走った時の気持ちよさ、
それがこのDR-Z400SMの乗り味に良く似ている気がする。

WRX-STIに乗った事がある人なら、DR-Zはそういうバイク、
DR-Zに乗った事のある人なら、WRX-STIはそういう車、

そう言えば、ちょっとだけ理解してもらえるかもしれない(^^)
コイツはそのくらい凄いし楽しいよ、ただシートはよくなくて
少し乗ると尻が痛くなるのが玉にキズだけどね。
 

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2012.07.03

それは高度で知的なゲーム

自分の中で、理想的な食費は一食110円。

これは一日330円で、一ヶ月で約1万円という事。

偶然だけど、自分の生活ではこのくらいがちょうど
適切な食費だ。この額は別に苦しいとか貧しい、を
感じさせること無く中年サラリーマンが働きながら
健康的に日常生活を送れる額だ。頑張れば太るくらい
食えてしまう。

無論、何も考えないで食っていたらこういう数字には
ならないよ。ちゃんと狙ったコストとなるように見合う
食材を脳内に作った底値リストを元にバランスよく
仕入れて、それに必要十分に手を加えて自炊して
初めて達成出来るので、もしやるならそのくらいの
覚悟と技量が必要なので、それらが無いのならば
ご用心あれ(^~^)

------------

一ヶ月で一万円、というのは一瞬だけ達成したという
チャンピョンデータじゃなくて、過去に何度も何ヶ月も
何年も、離婚後の試行錯誤生活でそれをやってた。

そして、それ以下で暮らすこともチャレンジしてみたら
今の暮らしをしながらの下限は一ヶ月で約6000円。

つまり一日あたりの食費は200円。これを切るレベルは
サラリーマンの日常の生活に支障が出る。具体的には
休日になると山に栗を拾いに行ったり、河原で食える
野草を探すレベル。なのでそこまで切り詰めた生活を
するのは止め、下限と感じた6000円/月クラスの食生活を
3ヶ月ほど淡々と繰り返して実証検証して、何かあれば
オレはいつでもそこに生活レベルを落とせるという経験と
自信を得てから食費を元に戻した。

------------

でも、過労で体調不良で倒れたのをきっかけに、この
2年ほどは、食費の財布の紐を少し緩めて意図的に
食費を自分のリファレンス状態(=1万/月)の1.5倍、
一ヶ月で約1.5万円まで上げて、それをコントロール
しながら淡々と食い続けている。単純に一日あたりの
食費を500円として、それを毎日食うようにしただけ。

朝は食パンをベースに10分以内で作れて食えるもの、
昼は朝に朝飯ついでにそそくさと作った弁当を食って、
夕は帰宅後から調理をしてあっさり食えるものを
休日等の時間がある場合は少し凝ったものを作る。
バツイチ中年一人暮らしの食生活は、こんなモンだ。

食費を1.5倍にしたけど、これは別にそれまでの1.5倍の
量の食材を食ってるわけじゃなく、1グラムあたりの
食材の単価が(つまり質が)、それだけ上がった、と
いう事だ。また調理の時間を削るための利便性にも
コストがかけられるようになった。

貧乏節約生活は、一円でも削る、という一方的で単純な
ベクトルを有していればいいのだけど、自分が適正だと
思う額に、贅沢する方向である1.5という増加係数をかけ、
その状態を維持コントロールする、というのは一円でも
削る節約生活をするよりはるかに難しい。

なぜなら、コストを削減するだけでなく、自分が適正だと
思うコストよりも余計に支出する(しかも緻密で正確な
コントロールが)必要だからだ。

------------

日常の生活に遊び心が無い、飽き飽きしてるような
人がいたら、こんな感じでぜひ、食費をコントロール
してみて欲しい。

まずは現状把握、そして目標を定めてそれを達成、
そして維持し続けて、そこから自分の下限を追及し、
そして自分が自信を持って達成出来る額を定めて
それを維持し続けてみてほしい。

これは自分の経験では時間が必要だし、あるレベル
まで到達するのも、慣れないと相当難しいと思う。

でも無茶苦茶に面白いのだ。バイクで言えばトライアル、
スポーツで言えばゴルフみたいな、自分自身をどこまで
律して、制御しきれるか、というような英国スポーツの
ような面白さがある。そして家計も助かる、という実利も
ちゃんとある。

------------

さあ、老若男女問わず、まずは家計簿をつけてみよう!
そこからがこのゲームの始まり。ワクワクドキドキの
ワンダーランドが始まるよ~♪<ばき
 

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