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2012.07.10

参った、お前は「モタード」だ

自分のラインナップの中で一番新しいバイク、DR-Z400SM

Drhighseat

入手してから新車販売されていた状態に近づけるべく行って
いたファインチューンが無事終了。マフラーはヨシムラ(フジオ)
管だけど、それ以外は細かい所まで手を入れて工場出荷時に
近づける事を目標として、若返らせた。

新品になったタイヤや、ブレーキパッド、ハブダンパー、プラグ、
分解整備グリスアップされたリヤサス、オーバーホールして
細かく調整を取り直したキャブレター、純正でオプション設定
されている、という事はそれが本来の姿であるのだろう、
ハイシートも入れてみた。スズキのツートーンシートは裂けて
しまうので、それが無いように一枚皮のDR-Z400E純正品。

Drhighseat02

ノーマルシートで両足のかかとが同時に接地するくらいの
足つきだったのでハイシートにしたらもう少し悪くなるだろ、と
思ったのだがハイシートでも両足のかかとが同時に接地する。
・・・あれれ?

うるさ過ぎて頭痛がするくらいだったフジオ管は、板橋にある
某ショップにて完全バラバラにされて手を入れられ、パワーを
殆ど落とさずに、けたたましい炸裂音のような、スロットルの
開け始めの時に漏れる猛烈な爆音だけを落とすという魔法の
改造が施され、スロットルの開け方次第で音量をコントロール
出来るようになったため、街乗りでも近所に迷惑をかけずに
普通に走れるようになった。

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さて、あらためて走ってみるか。若い頃からずっと通い慣れた
峠に行って走ってみた。ドドドドドド・・・・

高速道路の加速レーンで、リッターバイクに付いて加速したら
100km/Hまでは殆ど同等の加速をするな。高速の巡航は
猛烈な風圧を感じるので90km/Hくらいで流すが、5速で
そうやって一定速度を保ってずっと走ると緻密な精密機械が
希薄な燃料をきっちり燃やしている感覚がある。

下道に下りて一般道を走る。中間加速は本当に自由自在だ。
意のままに加減速が出来る。コレが本当に400ccなのか?と
思ってしまうくらい圧倒的加速力、そしてoff車ではありえない
強烈な減速力。何もかもがパワフルな作り。体脂肪が少ない
筋肉質のアスリートって感じだ。

峠に入ると、今まで押さえに押さえていた闘争本能に火が
入る感覚に襲われる。まるで、鋭い動きで逃げ回るインパラを
それ以上の動きをして狩る草原のチーターのように走るのだ。

今まで、この峠で、自分的に最高!、と思ったのは十数年前に
乗っていたDT200WRに、IRCのGP110を履かせた、セミロード
仕様のoff車だった。SRXTZRでもそれ以上の「切れ味」を
感じる事は無かった。なので、「速いoff車に、on寄りタイヤ」と
いう組み合わせが自分が峠を走るなら最速なんだと思ってた。

…はっきり言おう、それは間違ってた。それを今回思い知った。
このDR-Zが自分史上で間違いなく、この峠の最速のバイクだ。

SRXやXTのような古臭さをまったく感じさせない高回転型の
トルクフル&パワフルなブンブン回って伸びてゆくエンジン、
(このエコな時代にスズキはよくぞこんなエンジン作ったな)

off車のon用タイヤとは次元が違うコーナーリングのグリップ、
そしてストッピングパワーを生み出す前後17インチでF120、
R140のモタード専用タイヤ、ダンロップのD253。暖まると
まるでトライアルタイヤのように柔らかいコンパウンドだ。
ドリフト状態まではしなかったけど、どこまで倒していっても
グリップする感覚で、そんなバンク角からアクセルを開けて
行ってもしっかり路面に食いつき、フルバンク近い状態から
矢のような加速をする事が出来る。

そのグリップ力を真正面で受け止め、まったくブレない強固な
フレームと、レベルの高い前後サスペンション。ストローク量は
ありそうだけど、走る時の挙動は明らかにoff車のそれと違い
ブレーキングしてもズルズルと沈んでいかないon車の剛脚。

off車ベースということで車重も軽め。昔のDT-WRの羽根の
ような軽さは感じないけどエンジンとタイヤのポテンシャルから
するとあきらかに軽い作りの車体が操る楽しさを増す。シートは
高く薄く、ノーマルでも純正ハイシートでも尻が痛くなるが(;_;)

そのタイヤと、サスと、フレームを最大限使いきれるくらいに
強力なブレーキも備わっているので減速することも楽しい。
やろうと思えばジャックナイフし放題でやんの(^^;)<ばき

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コイツはoff車の格好をしているけど、onを走るためのバイクだ。
かつてYUZOが、3MA-TZRをベースに作った究極のコーナー
リングマシン、YSSMのことを、レプリカじゃない、ベース車に
使っただけだ、と言っていたけど、これにはそれに近いモノ、
つまりoff車のDR-Z400Sをベースに使っただけで、最初から
onのタイトコーナーを踊るように走り抜けるために作られた、
そんなスペシャルモデルだ。

今まで、コイツを「スーパーバイカーズ」だと思っていた。

D-トラッカーはそういう味付けだったから。でもコイツは違う。
off車にonの脚をつけただけのキメラじゃなくて、素のままで
十分完成されたコーナーリングマシンだ。これが「モタード」と
言うジャンルであるならば、それはスーパーバイカーズとは
明らかに違う(より高い次元の)世界だ。

…参ったよ、オマエがこんなにスゲェ乗り物だったとは(^^;)

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ある程度走り回って、コイツを堪能しきって帰ってきて、
そこで気が付いた。以前これと同じような感覚の乗り物に
乗ったことがあることに。

それは、レガシィのエンジン交換の際に代車で乗っていた
スバルのインプレッサWRX-STI。

どこからでも加速し気持ちよく伸びるトルクフルな2Lターボ
どんな速度でもクルクルとコーナーを駆け抜る4WDシステム
街中での自由自在な加速感と、峠を走った時の気持ちよさ、
それがこのDR-Z400SMの乗り味に良く似ている気がする。

WRX-STIに乗った事がある人なら、DR-Zはそういうバイク、
DR-Zに乗った事のある人なら、WRX-STIはそういう車、

そう言えば、ちょっとだけ理解してもらえるかもしれない(^^)
コイツはそのくらい凄いし楽しいよ、ただシートはよくなくて
少し乗ると尻が痛くなるのが玉にキズだけどね。
 

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「乗り物道楽」カテゴリの記事

コメント

(=´・ω・`=)・・・

投稿: (= ̄ω ̄=)ノニャッ | 2012.07.14 19:37

ぬこさん:

こいつはとても面白いですが、日用品というよりは兵器なので公道で使うには自制心と体力が必要です(^^;)

最近の中型バイクはおとなしいのしかないかと思ってましたが
こんな豪快なモノを出すとはホントに大したもんです。

でももう絶版車ですけどね。残念です。

投稿: ino | 2012.07.19 07:52

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