こっちの現場に来て、初めての休日。去年は足がなくて出来なかった
被災地追悼のために、走り出した。
海から離れた繁華街は、まるで地震や津波が無かったかのように
繁盛していて、人も多く、車も沢山走っている。でも海沿いに行くと
それまで住宅地だっただろう場所が、相変わらず広大な空間と、
一階が津波にブチ抜かれた廃墟が転々と残っていた。
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そのまま製紙工場の脇を抜けて海沿いに出て、海岸線を走る。
去年は津波でやられた廃車の山があったが、今年もまだそれが
あった。台数は減ってはいるけど、それでも莫大な数の廃車が
一年間の時間を湧き出た赤錆で語りかける。
…なんだよ、一年間でまだこれしか片付いてないのか…
そして去年は気が付かなかったけど、その横にバイクもあった。
日和大橋を越えたところにある全国的に有名だった、巨大な
鯨の大和煮の缶詰を模したつぶれたタンクは無くなっていたが
巨大なガレキのピラミッドはあいかわらずだった。
一年もたてば、もっと改善しているのかと勝手に思っていた。
でも、ここはあれからわずかしか変っていない。
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その近所にある中学校の跡地に行ってみた。
この通り、一階を津波にブチ抜かれた、そのままの姿だった。
ここに一体どれだけの津波が来たのだろう?、ちょっと薄暗い
所に来たら、その壁にその爪あとがそのまま残っていた。
一番高い所は、地面から4~5mくらいだ。つまりこの一帯は
すべてそれだけの水で水没した、って事だ。ジワジワじゃなく
猛烈な勢いを持った津波で、だ。想像しろったって、想像できる
シロモノじゃない。
その近所の石の森曼画館は11月末に再開するべく工事中だった。
ここは健在な頃に一度行ったことがある。…頑張れ!石巻!
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牡鹿半島を金華山方面に向けて走る。
途中、津波で更地になってしまった集落の真ん中に
古い作りの蔵だけが残っていた。蔵って、強いんだな。
しかし、蔵ほどの強度がない普通の家は何もかもが
流されてしまっている。津波って、本当に恐ろしいな。
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震災復興予算に、シーシェパード対策費が盛り込まれた
理由が、石巻にある捕鯨という産業を守る、と、ここの出身の
民主党の誰かが言っていた。なので、捕鯨で有名な鮎川に
寄ってみた。大昔、ここのホエールランドを見学したことがある。
でも、行ってみたら、ホエールランドは廃墟のまま放置されてた。
シーシェパード対策する前に、まずここの人たちの日常生活を
取り戻すために、その金を使えよ!!!!
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金華山が望める展望台に行ってみたが、ここも震災被害が
そのまま残っていた。駐車場はまだこの有様で、公衆便所も
つかえないままだ。震災復興のための予算を無関係な事に
無駄使いする民主党のやり方に、心底腹が立ってきた。
よくまぁこんな厚顔無恥なポスターを無神経にも被災地に
あちこちに嫌になるほど張りまくるもんだ。恥を知れ、恥を。
漁港から、高台に上る坂道にあるガードレールが、途中まで
へし折られている。津波がここまで押し寄せた、という証拠。
こんなのがそこかしこに残っている。被災直後の景色じゃなく
これは昨日の景色だ。
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色々な思い出がある、女川に入った。
津波にやられて、更地になった姿は一年前に見ていた。
今年は、去年残っていたマリンパルが無くなって、さらに
更地化していて、昔を思い出させるものが減っている事が
少し寂しかった。
更地になってしまった、おんまえやの跡地や、七十七銀行の
跡地には、遺族が沿えたのだろう、花束が…泣けた…
その横を、女川町のガレキを積んだコンテナを輸送する
トラックが通り抜けた。女川町だけでは処理できないそれを
東京に輸送するためのコンテナだ。自分は女川町民では
ないけれど、ありがとう東京。津波だけでなく、偏見と差別の
セカンドレイプで女川をさらに苦しめる地方自治体が多いのに
東京は女川を救ってくれた。
その後で、町立病院の高台に向かう坂道にこんな表示が。
DR-Zに跨ったまま、泣けて、泣けて、しかたなかった。
今後女川の町は、これだけ嵩上げされる計画があるらしい。
果たして何年かかるんだ?、やるなら本気でやれよ、政府。
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その後、仮設の店舗を回ってみた。そこにかつて何度も
行ったことのある店があることを見てちょっと安心した。
かぐらも、おしか食堂も行ったことある。健在だった(^^)
県立高校の校庭に作られた仮設商店街にも、なじみの
店が何店も入っていた。でも見つからない店もある。
廃業したのか、それとも…
仮設のマリンパルに入って、以前良くサンマかりんとうを
買っていた店があったので、そこで色々な話を聞いた。
すると、自分が知ってる人が津波で何人も亡くなってた…
…悔しいなぁ、悲しいなぁ。なんだか無性に泣けてきた。
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でも、生き残った人たちは、みんなここで頑張っている。
家や店が津波で流されても、こんな感じで頑張ってる。
今を生きているだけで、それには意味があるんだよな。
生きることを一生懸命頑張ろう、謙虚にそういう気持ちに
させてくれた一日だったよ。
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