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2012年10月

2012.10.31

出張先から、出張する事に

一ヶ月ほど前に中日本の仕事を終えて、次は去年行った
被災地にそれなりの期間で行く、と決まった時に、それなりに
覚悟を決めてバイクまで担いで出張って来たのだけれど、

…諸般の事情で、9月に出張っていた現場からオファーが
入って、形としてはそっちに呼び戻される状態になって、
一旦被災地から撤退して、直接そっちの現場に出張る事に。

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長い出張人生でも、こういう移動パターンはあまりない。

大体はそこで担ったタスクを果たして、意気揚々と凱旋する、
そして新たに次の任地へ、というパターンだった。

他の現場にスポットで数日間だけ飛ぶことはあったけど
一旦腰をすえた場所からまた長い間別の現場に行くのは
初めてだろう。

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一度自宅を離れて現場モードを荷造りしていったのだから
それをそのまま持っていけばいい、と思う人もいるかも。

でも、長期の出張の場合は仕事だけじゃなく生活も背負って
動くので、行く先の場所や、宿の環境、仕事の状況、いつまで
居るのか、それによってどういう季節を過ごすのか、によって
実は出張に持ってゆくものは結構違う。

同じなのは下着類とPC、それ以外の衣類や日用品は結構
ガラリと変わる。

たとえば、被災地の宿だと、寮の食堂で安価で良質な飯が
強制的に出るのと、部屋で火気を使えないので自炊する事は
出来ない。また、管理者と交渉することでバイクを持ってゆき、
出先で乗る事が出来た

でも今度の宿はビジネスホテルだから、逆に宿の飯を自腹で
食うと食費だけで大変な事になるので、ほぼ100%自炊となる
また地域的な問題からバイクを持ってゆくことが出来ない。

なので、全ての荷物を(バイクも含めて)積み込んで、一旦
自宅に寄って、その全てを吐き出して、次の任地で使う道具を
チョイスして荷造り、そしてバイクを積まない&高速で長距離
移動する、という状況からクルマもサンバーからレガシィに
変えて積み込んで出発、という忙しい段取りをする羽目に。

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…でも、実はそれをも楽しんでいる自分がいる(^~^)

目的はあくまでも仕事、なんだけど、荷造りして、出発して、
出先に向かって、目的地に着いて、そこで非日常的な生活を
するのは、間違いなく一種の『』、だからさ(^◇^)<ばき

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2012.10.21

被災地は、まだ傷付いたままだ。

こっちの現場に来て、初めての休日。去年は足がなくて出来なかった
被災地追悼のために、走り出した。

海から離れた繁華街は、まるで地震や津波が無かったかのように
繁盛していて、人も多く、車も沢山走っている。でも海沿いに行くと
それまで住宅地だっただろう場所が、相変わらず広大な空間と、
一階が津波にブチ抜かれた廃墟が転々と残っていた。

Hisaichi01

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そのまま製紙工場の脇を抜けて海沿いに出て、海岸線を走る。

Seishikoujyou

去年は津波でやられた廃車の山があったが、今年もまだそれが
あった。台数は減ってはいるけど、それでも莫大な数の廃車が
一年間の時間を湧き出た赤錆で語りかける。

Haisha

…なんだよ、一年間でまだこれしか片付いてないのか…
そして去年は気が付かなかったけど、その横にバイクもあった。

Haibaiku

日和大橋を越えたところにある全国的に有名だった、巨大な
鯨の大和煮の缶詰を模したつぶれたタンクは無くなっていたが
巨大なガレキのピラミッドはあいかわらずだった。

Gareki

一年もたてば、もっと改善しているのかと勝手に思っていた。
でも、ここはあれからわずかしか変っていない。

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その近所にある中学校の跡地に行ってみた。

Minatodaini

この通り、一階を津波にブチ抜かれた、そのままの姿だった。
ここに一体どれだけの津波が来たのだろう?、ちょっと薄暗い
所に来たら、その壁にその爪あとがそのまま残っていた。

Tunamiato

一番高い所は、地面から4~5mくらいだ。つまりこの一帯は
すべてそれだけの水で水没した、って事だ。ジワジワじゃなく
猛烈な勢いを持った津波で、だ。想像しろったって、想像できる
シロモノじゃない。

その近所の石の森曼画館は11月末に再開するべく工事中だった。
ここは健在な頃に一度行ったことがある。…頑張れ!石巻!

Ishinomori

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牡鹿半島を金華山方面に向けて走る。

途中、津波で更地になってしまった集落の真ん中に
古い作りの蔵だけが残っていた。蔵って、強いんだな。

Tunamikura

しかし、蔵ほどの強度がない普通の家は何もかもが
流されてしまっている。津波って、本当に恐ろしいな。

Tunamishuuraku

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震災復興予算に、シーシェパード対策費が盛り込まれた
理由が、石巻にある捕鯨という産業を守る、と、ここの出身の
民主党の誰かが言っていた。なので、捕鯨で有名な鮎川に
寄ってみた。大昔、ここのホエールランドを見学したことがある。

でも、行ってみたら、ホエールランドは廃墟のまま放置されてた。
シーシェパード対策する前に、まずここの人たちの日常生活を
取り戻すために、その金を使えよ!!!!

Ayukawa13

Ayukawa2

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金華山が望める展望台に行ってみたが、ここも震災被害が
そのまま残っていた。駐車場はまだこの有様で、公衆便所も
つかえないままだ。震災復興のための予算を無関係な事に
無駄使いする民主党のやり方に、心底腹が立ってきた。

Kinnkatennbou

よくまぁこんな厚顔無恥なポスターを無神経にも被災地に
あちこちに嫌になるほど張りまくるもんだ。恥を知れ、恥を。

Minshutou

漁港から、高台に上る坂道にあるガードレールが、途中まで
へし折られている。津波がここまで押し寄せた、という証拠。
こんなのがそこかしこに残っている。被災直後の景色じゃなく
これは昨日の景色だ。

Guradrail

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色々な思い出がある、女川に入った。

津波にやられて、更地になった姿は一年前に見ていた。
今年は、去年残っていたマリンパルが無くなって、さらに
更地化していて、昔を思い出させるものが減っている事が
少し寂しかった。

更地になってしまった、おんまえやの跡地や、七十七銀行の
跡地には、遺族が沿えたのだろう、花束が…泣けた…

77bank

その横を、女川町のガレキを積んだコンテナを輸送する
トラックが通り抜けた。女川町だけでは処理できないそれを
東京に輸送するためのコンテナだ。自分は女川町民では
ないけれど、ありがとう東京。津波だけでなく、偏見と差別の
セカンドレイプで女川をさらに苦しめる地方自治体が多いのに
東京は女川を救ってくれた。

39tokyo

その後で、町立病院の高台に向かう坂道にこんな表示が。
DR-Zに跨ったまま、泣けて、泣けて、しかたなかった。

Onagawareborn

今後女川の町は、これだけ嵩上げされる計画があるらしい。
果たして何年かかるんだ?、やるなら本気でやれよ、政府。

Onagawakasaage

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その後、仮設の店舗を回ってみた。そこにかつて何度も
行ったことのある店があることを見てちょっと安心した。
かぐらも、おしか食堂も行ったことある。健在だった(^^)

Kasetu01

県立高校の校庭に作られた仮設商店街にも、なじみの
店が何店も入っていた。でも見つからない店もある。
廃業したのか、それとも…

Kasetu02

仮設のマリンパルに入って、以前良くサンマかりんとうを
買っていた店があったので、そこで色々な話を聞いた。
すると、自分が知ってる人が津波で何人も亡くなってた…

Marinpal7

…悔しいなぁ、悲しいなぁ。なんだか無性に泣けてきた。


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でも、生き残った人たちは、みんなここで頑張っている。
家や店が津波で流されても、こんな感じで頑張ってる。

Sobakasetu

今を生きているだけで、それには意味があるんだよな。

生きることを一生懸命頑張ろう、謙虚にそういう気持ちに
させてくれた一日だったよ。

009

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2012.10.15

再び、仮設の街の中で

最近ドタバタする事が多くて、なかなか尻が座らない。

スッタモンダの末に、今日、一年前に生活してた、津波被災地の
現場の寮にやってきた。以前来た時より街は復興が進んでいる
ように見える。ただ、いまだに高速道路は震災で傷んだ場所を
直しているように、生傷からの出血が止まっただけで、まだまだ
この街は痛みを背負っている。

今回の仕事は、今まで自分が得意としていた領域とは別の職種に
チャレンジすることになる。この歳で新しい仕事にチャレンジ出来る
事は、幸運なことだと思う。だって同じ仕事しか出来ずに定年まで
働く人が、なんだかんだ言ってもまだ居るからね。

新しい世界へのチャレンジという事は、また初心からのスタート、
という事だ。謙虚に、地道にがんばろう。過去の経験や知識が
そしてそれまでの仕事で知り合った人々が、きっと色々と自分を
助けてくれると思う。だから本当の新人とは違ってかなり恵まれた
スタート地点に立っている。

当然それは単に優位に働くんじゃなくて、そのリソースを持つ
人間である、という期待もされている。だから甘えは許されない。
結構シビアな世界なんだ、ここは。

色々な形はあるけど、究極の目的は震災復興に間違いない。
だから、自分は自分が出来る形で東北の復興を手伝って行こう。

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去年は復興途中の仮設の街には車が持ってこれなかったが、
今回は車の乗り入れが許された。なので、ついでにバイクを
一台詰め込んで持ってきたよ<ばき

Carandbike_2

仕事も、余暇も、一生懸命&精一杯がんばろう p(^◇^)q
  

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2012.10.06

空を飛ぶ生き物の死

さっき、バイクを置いてある軒先の辺りで、カサコソと音がした。

何だろう、野良猫でも来たのかな?、と懐中電灯を照らしてみたら、
表に出してある工具を雨粒から守る養生のポリ袋の上に小さい黒い
モノが乗ってゴソゴソ動いてた。

カエル?、かと思って真近で良く見たら、夕方にこの辺りをパタパタと
飛んでいるコウモリだった。どうも飛んできて、ここにポテっと落ちて
ポリ袋の上でジタバタしていた。

Koumori

手にとって見ると、もう飛べる状態じゃなかった。獣医じゃないけど
長年生き物を見て、その死も見てきた経験からするとこいつは瀕死の
状態みたいだ。若くして病でなのか、年老いてなのかは判らない。でも
空を飛ぶ生き物が死ぬときにはやっぱり地に落ちて命を落とすんだな。

もう飛べないだろうけど、家の中で死を迎えるのは野生の彼(彼女?)に
とってたぶん不名誉な事だろう。なので、手に乗せてそのの暖かさを
感じ取ってから、その軽く小さい体を庭の芝の上にそっと置いた。

もしここから頑張って夜空に飛びたてるのならば、頑張って最期まで
その命を全うするよう祈ろう。…でも、もしもこのまま明日の朝になって
冷たい骸となっていたら、土に埋めて地に還してやろう。
 
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10/7追記:

翌朝は冷たい雨が降っていたけど、芝生の上に彼(彼女?)の姿は
無かった。色々な事が想像出来るが、でも再び空に飛び立てたのだ、
…と信じたい(^^)
 

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2012.10.05

巷でウワサのDR-Zのユーザー車検に挑む

とりあえずリアルタイムネタもUP(^^;)

9月は久々に劇的に忙しくて、DRの車検がその間に切れる事が
判っていたけど、どうすることも出来なくて、そのまま切らした。

なので、帰宅後、過労で体調をモロに崩してしまったけれども、
乗れないけれど、車検を受けるべく軒下でDRを少し弄っていた。
その過程でちょっとだけカラーリングが変わって今はこんな姿。

Drrenew

以前、自転車のリッジランナーをこういう色に変えたっけ。
好きなんだよね、こういう感じがさ(^◇^)

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DR-Z400SMは2007年式と、ウチにあるバイクたちの中で圧倒的に
新しいバイク。なんと唯一の21世紀製のバイクだったりする。

だから、どこをとっても最新鋭なんで、約30年前のXT600Zとかの
ユーザー車検と違って、検査を受けるにあたって不安な点は
ほぼ皆無だ。

近所迷惑なくらい爆音だったフジオマフラーは某ショップにて完全
分解されて、ウールをHRC製の質のいいものに詰め替えインナー
パーツも少々加工を施してもらって程よい重低音を響かせるだけ
なので、騒音測定をされても全然問題が無いよ(^~^)

でも唯一不安なのがプラスチックレンズにPH8の35W/36.5Wという
昔のoff車とまったく同じスペックのヘッドライト。ネットで調べると
新車ですら車検をクリアするのがギリギリ、経年劣化するともう
駄目、他車のライトを移植してH4バルブ化、とかいうネタ話が
いくらでも出てくる。

こんなに高性能な新しいバイクなのに、なんでヘッドライトだけが
こんな古いスペックなんだろ?、20年前に乗ってたDT200WRとか、
その後乗り換えたKLX250SRとかと殆ど変わらないでやんの。

ま、スズキの事だから、きっと後先を考えず、ただ1gでも軽くする
ことしか考えてなかったんだろうな(^^;)

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なので、今回自分が入手してから初めてのDRの車検を受けるに
あたって、一通りのメンテナンスをして、さらにヘッドライトにも
一応手を入れた。

とはいえ、ガラスレンズを入れる等の根本解決を図る事はしない。
せっかくスズキが軽く作ってくれたバイクだ。ならば今付いている
プラスチックレンズのまま、車検をクリアしてやる。

ウチのDRは生産終了型であるK9の一個手前のK8モデルだ。
その前のK7からヘッドライトにはメーカー側で改善されたモノが
付いている…はずだ。だからこのレンズとPH8の球で車検を取る。
そのためにちょっとだけ手を入れた。

PH8というライトの電球には、俗に言う高効率バルブという
モノがある。35W/36.5Wで60W/60W相当の明るさ、という奴だ。

Ph8365w

でも実は、この上がある。それがこれ。PH8の高効率バルブ、
それの40W/41.5W版だ。ちょっとだけど確実に明るくなる。
これを入れた。

Ph8415w2

これの45W/45Wの標準もあるよ。ただプラスチックレンズが
ちょっと溶けるかもしれないので今回は避けた(^^;)

Ph8415w

あとは、このバルブを最大限に生かすためにヘッドライトの
電源をバッテリーから直に引くリレー回路を適当に組んで
自作した。

Relay

さて、やれることは全部やった、さあ、車検を受けよう。

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車検切れの車体は仮ナンバーを借りて自走する手もあるが
せっかくトランポを持ってるんだから、それに積んで持参する。

Drinsamber

おっと、その前に自賠責に入らなくっちゃ。どこで入っても
同じなんだけど、世話になってるハヤシカスタムで入る。
そしてそのまま、その近所にある相模の陸運局に向かった。

Rikuunn_2

降ろした車体を手で押し歩いて陸運局を出て、その近所の
テスター屋に持ち込み車検前に光軸と光量を計測した。
これでもし光量不足で車検に通らない、と言われたら…

Yobiken

でも計測器が出した光量は想定外の3万カンデラもあった。
車検クリアの条件は15000カンデラ以上だ、なので楽勝♪
このテスター屋でもDRの光量不足の話は良くあるようで、
ノーマルのレンズでこんなに光量があるDR-Zは珍しい、
と関心されてしまった(^^;)

よし、ならば正々堂々と検査を受けてやる!、受け付けだ!

Uketuke

そして検査ラインだ!

Line

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…検査はあっけなく終了。何一つ問題なく、懸案のライトの
光量もテスター屋の結果どおり、この状態で一発でクリア。
今までで一番ラクなユーザー車検だったような気がする(^^;)

Finish

ぢつはもう少しヘッドライト周りで波乱万丈がライン上で
あるんじゃないかと期待していたんだけどな(笑)
 

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