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2012.12.19

教訓は「生かす」もの

先週までは中日本のあたりにいたが、今週からまた
津波被災地の現場に復帰した。

年末の手前での場所換えなので、ちょっとドタバタして
いるけど、だんだん落ち着きつつある。

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そんな中、ちょっと所用で長くタクシーに乗る機会があり
地元のタクシー運転手さんと長く話す機会があった。

自分がこっち来る前に、津波警報が発令された比較的
大きな地震があった。ここいらへんは津波警報が発令
されて、その当時中日本のビジネスホテルに居た自分は
緊迫感をもってそれを伝えるNHKのニュースを食い入る
ように見ていた。

(あ、自宅にテレビの受像機は一台も無いけど、出先には
宿に備え付けのTVがあれば、こういう時は付けてみるよ)

強い調子で避難を呼びかけるアナウンサーにただ事でない
雰囲気を感じていた。なので津波被災地ではそのニュースや
津波警報は相当に緊迫感をもって受け入れられたんだろうな
と、思ってその話をタクシーの運転手さんにしてみた。

すると、意外な答えが返ってきた。

 「私は歩いて避難場所の小学校までいきましたけど、
  途中の道が避難する車で大渋滞でしたよ。あそこを
  津波が来ていたら、みんな死んでいたでしょうね。」

 「でもその時に車が無かったから歩いていったけど
  車があったら私も車で移動していたかもしれません。」

この運転手さん、女川町が津波で壊滅するありさまを
駆け上がった高台から目の前で見続けていたそうだ。
それだけのすごい経験をした人でも、とっさのときには
車で移動することを考えたとのこと。

前の震災で車に乗ったまま津波に流される惨状が
報道で何度も流されていた、1.5tもある車が、簡単に
水に浮いて、あっという間に流されて行ったっけ。

でもそんな状態をニュースや、リアルタイムで肉眼で
見て、家を流され、寒い夜を過ごした人でさえも、
寒い夜の大きな地震とそれに伴う津波警報には車で
避難する事を選ぶ、という事に、ちょっと驚いた。

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これは地震の当夜、寒い夜を過ごした記憶や、津波で
全てを失って今まで頑張ってきた経験がきっと影響を
与えていると思う。それに自分らがどうこう言えるとは
思わない。

でも、それだけの想いをした人ですら、もしかしたら
津波で車ごと流されていたかもしれませんね、という。

だから、あの映像を食い入るように眺めていた、でも
単なる傍観者であった他の地域の人なら、同じ状態に
なったときに車を避けて、徒歩で何も持たずにすぐに
高台に避難出来るだろうか?

…自分だってそれが出来るかどうか自信がない。

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でも、あの震災では多くの命が失われて、その結果、
本当に貴重で大切な教訓を生き残った我々に与えて
くれた。

 「それを活かして、お前らは命を繋いで生きろ!」

という教訓、とっさに使えるかどうかは判らない、
でも、それを活かすことが、失われた命を繋いで
その命を本当の意味で生かす事になる。

…大事にしたいね、本当に。

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コメント

 避難指示解除後は、GSが給油待ち車両で大混雑だったそうですね。
 どんな教訓でも、生かすのって難しいですね。

投稿: 剣片喰 | 2012.12.20 20:36

剣片喰さん:

そういう教訓(ガソリンが無くなるぞ!)は生きているんですよね(^^)

教訓っていうのは人の営みの結果です。どんな惨劇でも時間がたてば
どんどん色が抜けて輪郭がぼやけてしまいとっさのときに生かすことは
難しいです。

そう考えると今回の津波警報はあの震災からさほど時間が立ってないのに
上手く働かなかった、でもガソリン渇望の教訓は生きた、という事ですね。


投稿: ino | 2012.12.23 19:31

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