被災地から、撤収
先日UPした、社内ジョブチェンジだが、ついにそれが
本決まりとなり、結婚する少し前から手掛けはじめた
そして足掛け10年近く働いていた、某プラントの業務
から足を洗う事になった。
個人的には、このままずっとこの仕事を続けるのかと
思っていたんだけど、まぁ人間万事塞翁が馬、という
事だわな、オレは仕事人である前に、単車乗りだし、
旅人であるからして、新しい出来事やイベントには
物怖じしないタイプなので、この新しいチャンスを
最大限楽しんでやるさ(^◇^)♪
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で、今月末をもって、津波被災地の仮設の宿舎からも
撤収する。大震災の後の2011年の9月から12月まで
そして去年の10月から今年の3月末まで、仮設で
暮らし、ここで仕事していた。
直接、そして間接的に少しは震災復興に貢献出来た
かな?、個人的にはもう少し関わっていたかったな。
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最終日、ふと思い立ってまた被災地に行ってみた。
最初はバイクで出かけたのだけど、猛烈な寒さで
とてもじゃないが走り続けられない。3月末なのに
一体この寒さは何なんだ?、道路脇にある温度
表示が0℃とか、-1度でやんの。
それでも頑張って走ってはみたが、1時間も走らない
うちにダウン、道の駅で暖かい飲み物を飲んでから
来た道を戻った。
気を取り直して、今度はサンバーで再出発!<ばき
そしたら空からなんと!、雪がチラホラ降ってきた!
そんなに寒かったのか、スタッドレス履いたサンバー
にして正解だった。これも臨機応変の成果(^^;)<ばき
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だんだん濃くなる降雪の中を淡々と走ると、こういう
看板が出てきて、その先には国道の脇が開けていて
そしてポツンと、フレハブ建てのコンビニが立ってる。
…そう、ここは津波で流された集落のあとだ。
住宅は全て無くなり、住民は高台の仮設住宅に、
コンビニは国道脇の、元の位置で仮設影響して
こういう形になった。それがあちこちに…切ない。
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南三陸にやってきた。
まだガレキピラミッドがいくつもあって、石巻や
女川よりも復興作業が進んでいないような気が
する。そんな津波で切り開かれた更地の町に
有名になった骨組みだけになってしまった防災
対策本部跡が。
左側が海側だ。よく見ると建物の骨格が津波に
左側からグイグイ押されて右側に傾いでいる。
この建物を水没させて、さらに歪ませる水流が
ここを襲った、と考えると津波の恐ろしさがよく
分かる。遺族にとって身内が命を落とした悲劇の
現場だけど、テレビやネットで流れている物を
見るのとまったく違うリアルな感覚がここにある。
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歌津の町も壊滅状態だった。でもその町に入る
前に、こんなものがあった。
「 全 世 界 の み な さ ん あ り が と う 」
という文字の下には千羽、いや万羽の折鶴が…
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気仙沼の市街地にも入ってみた。手持ちのPSPの
カーナビでは街並みがあることになっている、でも
爆心地や大空襲の跡のように土台の枠だけが
残る港の町並みの中を走る。
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そして、今日の目的地に到着。それはこれ。
気仙沼の港から津波に乗って市街地に流され
ここに座礁した、第十八共徳丸。更地になった
街中に、巨大な船が鎮座するという現実では
ないような迫力ある風景だ。
復興が進んで電線が張られているのでどうやって
ここに流れてきたのか、ちょっとだけ不思議に思う。
更地となった空間にポツンとある船…なんて景色だ。
よく見ると、艦首の下に車が一台潰されている。
そこから火がでて、焦げた跡もある。こういうのは
直接見に来ないと分からないよな…。
これだけのものがここまで流されてきた、ということは
それだけの水深と水流が無いと無理だ。つまりこの
場所はそれだけの津波の直撃を受けたという事だ…
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この船、ちょうど今、少しだけ話題になっている。
震災モニュメントとしてこのまま残したい市側に対し、
船の所有者は撤去する決意を固めているという。
先ほどの南三陸町の防災センターの時も思ったが
現物でないと判らない迫力が確かにある。
でも、持ち主が解体したい、という気持ちがあるなら
それは持ち主の意思に沿う形で事を進めるべきだ。
だからここにこれが公式に置かれている最終日に
この船に会いに来た。今までお疲れ様、そして
今までありがとう(^^)/
さあ!、オレも明日から新しい世界に進むぜ!
でも必ずまたこの地に来るよ。何年後になるか
判らないけど、今よりも元気になっているだろう
ここに、また必ず!
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被災地って、一つの地域や町じゃなくて、それが
何十キロ、いや何百キロに渡っているので走っても
走ってもいつまで続くんだろう、と不安に思うくらい
走っても走っても、津波被災地が続く。ものすごい
広域災害だ。しかも高低差でガラリと変わる。
高い所はまるで何事もなかったかのような街並みが
続くのに、低くなると壊滅状態となる。鉄道や橋は
寸断され、街並みは消えている。この差が凄い。
一度も直接見た事が無い人は、ぜひ一度訪れて
被災地の空気を吸って、被災地の温度を感じて
被災地の風を受けて、被災地に影を落としてみて
欲しい。テレビ越しでは見えないものが、感じられ
ない事が、必ず判るから。
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