モチはモチ屋に任せるのがベスト
去年、莫大な費用を投じて21世紀にリビルドされた
我がコーナーリング最終兵器(…という称号はどうも
DR-Z400SMに持っていかれつつあるが…)のTZR、
ここ最近、エンジンをかけて軽く吹かすと、回転が
落ちてくる時に、スロットルにはっきりとした衝撃を
伴う『バキっ』、っという音がエンジンから聞こえてくる
ようになった。
リビルド後からまだ1000kmくらいしか走ってないのに
(一年間でそれしか走ってないことは突っ込まない
ようにお願いしまっす)、ナニが起きたんだろうか?
不安な気持ちを押し殺して走ると、普通に走れるし
何の支障も無い。でも3000rpmくらいからアイドリング
に戻るときにはっきり耳に聞こえて、ステアリングに
反動を伴う衝撃が走るのは気になってしかたない。
そうこうしているうちに、今度はエンブレ時にエンジンが
「ウォン、ウォン、ウォン、ウォン…」
と、まるでエンジンが息つくように、タコメータが波打つ
ように上下しながら回転が下がるようになった。これは
キャブの不調だろう、そして多分左右のシリンダーで
バランスが崩れてきていると見た。
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単気筒ばっかりの我が家で、2気筒以上のバイクは
4stパラツインのTDMと、2stVツインのTZRだけだ。
通常ツインエンジンはおのおの同じセッティングにして
同じスロットル開度になるように同調をとらないと
エンジンの調子が悪くなる。
ただ、TZRは左右のシリンダーのセッティングが
完全バラバラで、メインジェットに至っては左右で
100番も違う。つまり右と左で、ぜんぜん別の2stの
125cc単気筒が、同じクランクでつながっている
といった佇まいのバイクなのだ。
なので、キャブレターの同調が狂ったり、不調の時に
素人が手を出すと、多分メチャクチャになる。
TDMなら左右を同じにすればいいのだけど、TZRは
違う。だからせっかく中身が新品になっているので
ヘタな事をやって壊したくなかった。
そこで一年ぶりに、千葉の松戸のドッグファイト
レーシングの門を叩いた。エンジンからの異音と
キャブレター不調と、フルOHの一年後に以上や
不調が無いか、いい機会なので点検してもらおう。
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一年ぶりの訪問だったが、頭のテッペンと印象の薄い
滑舌の悪い自分をDFRのメカニック、通称「メガネ」こと
Yさんは覚えていてくれた。ご無沙汰してます~(^^)/
現状はこれこれこういう状態なんですよ、と説明して
TZRを渡す。するとエンジンをかけてパンパン!TZRを
ふかしまくって、…Yさんはこのコの状態がもう大体
判ったらしい。
「このバキ、というのはハンチングですね」
「キャブは同調がとれていないようです」
「同調を取るとこのハンチングも薄くなると思います」
「ただ完全には消えないと思いますが問題は無いです」
自分の知りたかった情報はこの時点でほぼ全てが
明らかになった。なるほど、じゃあ今すぐ壊れちゃう
ような状態じゃ無いって事ですね?、良かった~(^◇^)
ならば、3XVマイスターのDFRさんに、ウチのコを預けて
いきますので、キャブレターのメンテナンスお願いします。
このコの主治医に任せられれば、こちらも安心ですので、
と、言って一年ぶりにウチのTZRをDFRに入院させた。
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そこから数日。電話が鳴った。
「DFRです。TZR、作業終わりましたよ」
なんと!、もう終わっちゃったんですか、さすが早い!
じゃあ、フルOH一年経過記念に、DFRさんの出してる
ステンレス製のアレもついでに買うので付けておいて
もらえますか?
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たった一週間のショートステイでTZRは絶好調に戻った。
しかもサビない、軽い、パワーもあがる、という現時点で
最高クォリティを誇るDFR謹製のステンレスチャンバーを
身に付けてバージョンアップも果たしていた!
左側にDFRが今年の8耐で走らせたパトレイバー仕様の
R1がいるのが判るかな(^^)?
エンジンをかけると、ノーマルマフラーと違う、薄い金属板を
内側から叩く「チャンチャンチャンチャン!」という2st乗りが
狂喜乱舞する快音と、吹かすと甲高い(でもうるさくない)
2stサウンドを奏でる。ステンレスの地肌も美しく、まるで
管楽器のようだ、というとホメ過ぎかな?、でもいいものは
いい、これはいいぞ!(^^)/
難しい3XVのキャブ調整も工賃としては安いし、チャンバーも
少し値引いてもらったし、不安も消えたし、これでまた安心
してTZRに乗ってやれる。どうもありがとうございました~♪
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新しいアイテムが付くと、しかも性能に直結する機能
パーツが付くと、それをすぐ試したくなるのはライダーの
性だ。なので受け取ってきてから次の休日にはTZRで
あちこちに出かけてみた。
秋の紅葉がすばらしい~、高速に乗って山の中を走り、
峠道をクネクネと走りたくて某四輪漫画で出てきた狭い
峠道を落葉に怯えつつだけど、楽しく走ったりしてきた。
その昔、若かりし頃には小排気量の2stにチャンバーを
入れて走ったりもしたけど、往々にして下がスカスカに
なって、狭くなって使いにくくなったパワーバンドに入ると
少しはパワーアップしてたけど、回るもんだからピストンに
穴が開いたり、エンジンが焼きついたりしてひどい目に
あってきた。ノーマルに戻すとその使いやすさと音量の
低さにさすがメーカーが作るモノはやっぱり考えて
あるなぁ、と感動したもんだ。
でも、このTZRに関して言えば、チャンバーを入れたのは
正解だった。かなり意地悪なテストも繰り返してみたけど、
確かに入れるときにDFRから言われたように3000rpm
以下ではノーマルよりトルクが細くレスポンスも鈍くなる。
でもその回転数でトルクを期待するのはジムカーナ的な
走り方をしないとまずない。一般公道や、超タイトな峠で
それが無いと困る、みたいなシチュエーションは無かった。
シグナルダッシュの時は半クラッチを気持ち長めにね♪
それで万事解決。あとは、純粋なメリットしかないのだ。
こんなに狭い峠道だとパワーバンドに入れて走るなんて
芸当は出来ないけど、その手前の4000〜6000rpmの
辺りに、すごく楽しくバイクを操れる領域がある。それを
使って相当クネクネと走り回ってみたが、この辺りだと
チャンバーの膨張室が奏でる反響音が本当に管楽器
のように心地よい音をステレオで聞かせてくれるのだ。
馬力はそんなにビックリするくらい出てくる訳じゃない。
でもはっきりと「おっ、速くなったな!」、と思えるくらい、
そうだな、元々が45馬力だとすれば50馬力チョイ?、
くらいは間違いなく出てると思う。パワーバンドが元の
ままの上昇カーブのまま1000rpm以上持ち上がって
いると思ってもらえば間違いない。
ステンレスという事で錆びないことはすばらしいメリット
だけど、それよりもナニよりも、一番の効能は軽量化だ。
何か重たいものがぶら下がってたけどそれが無くなった
という感じがすごくある。これだけで支払った価値がある。
馬力アップは正直無くてもいいけど、この軽さはイイ!
こんなにデメリットが少ないチャンバーは初めてかも。
これはもう、TDMの初期OVER管や、SRXのサンパーと
同じく、ino的純正仕様として認定せざるを得ない(^^)
それなりに高い買物だったけど、支払う金額で買えた
モノが十分満足の行くものだったのでお買い得だった。
…あ、繰り返しになるけど、DFRから宣伝してくれ、とか
宣伝してくれたら安く売りますよ、とか、そういうステマは
一切無いのであしからず。
安くない自腹を切ってる以上、個人的にいいものは
オススメするし(Hit-airがそのいい例だ)、悪い物は
徹底的に糾弾するのでご安心アレ<ばき
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そうそう、MSボンバーさんに頼んでいたXTのリムの
再アルマイト化、これもすばらしい出来栄えとなって
無事帰ってきた。
これが(比較的色の濃い側が見えてるので一見キレイに
見えるけど、脱色の進行はスゴイ状態)
これもわずか一週間ほどで仕上がってタイヤも新品に
したのでこんなに美しくなったよ(^◇^)♪
…ああ、なんて美しいんだろう…ホントいいねぇ(うっとり)
何色にせよ、アルマイトはバイク乗りのロマンだ!
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これらの仕事は、別にわざわざ遠方の店に出向いて
依頼をしなくても、近場のバイク屋でも出来なくも無い。
でもやっぱりモチはモチ屋、自分は依頼したい仕事が
得意なところ、数をこなしてノウハウがある所に依頼を
出したい。なのでこうやってあまり距離を気にせずに
あちこちのバイク屋をハシゴする。
命を削って得た資金を投じるんだし、バイク乗りにとって
バイクの整備を任せるというのは命を預けるのと同じだ。
だから時間や経費や工賃がかかっても、そこに出す。
そうやって、色々な車体や項目毎に主治医や調律師を
見つけて繋がっておくこと、技能技術ノウハウがある
ところにはそれに見合う費用をちゃんと支払ってプロに
プロとしての仕事をしてもらう。
今回のDFRとMSボンバーさんは、十分費用対効果の
高い仕事をしてくれたので自分としては十分満足♪
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・・・で、現在はここにシートを預けて、ワガママ言い放題の
一品モノのシートを作成依頼中。どんなモノが出来るかな、
今から楽しみ~、高いけど、高いなら高いなりに見合う
品質や性能があれば、自分はそれに費用を支払う事を
厭わない。まぁ年間予算という自分が決めた枠の内で、
だけどさ<ばき
ここも、知る人は良く知ってるけど多分知る人ぞ知る所。
今回はじめて仕事を依頼してみた。もし費用対効果が
あるのなら、自分はシートに問題をいくつも抱えている
ので、しばらくは何個も何個も仕事を依頼する事になる。
でも、今頼んでいるものが万が一あまりよろしくなかったら、
悪いけど、もう頼まないし、なぜそうなのかをちゃんと書く。
でも、多分スゴイのが出来ると思う。年内くらいに出来ると
いいなぁ!、よろしくお願いしま~す(^◇^)
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ちなみに、爪に火を灯すような貧乏生活者でありながら、
何でこんなにバイク関連に金を投じるのか?、という疑問を
持たれる方も居ると思う。
自分は乗り物費用に関しては年間予算制度をとっていて、
その枠は一年間で使い切ってもいい、という割り切りを
して家計管理をしている。
実は今年はその枠がまだもう少しあるので、それならいっそ
消費税増税前に買ってしまえ!、という事で、枠を超えない
ように慎重に慎重に買物をしている。
でも消費税は延期っぽいし、政治の世界はどうも最近キナ
臭い話ばっかりだ。政治家なんて政治が出来ない集団
なんだから、そっちも官僚や役人といったモチ屋に任せて
おいた方が、政治のアマチュア集団である選挙で選ばれた
政治家が引っ掻き回して破綻させるよりもきっと上手く
日本を回してくれると思う(^^;)<ばき
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コメント
満足のいく仕上がりで、よかったですね。
既製品は万人向け=誰にもしっくりこない・・らしいですから、必要によっては、ひと手間かけるのもありですよね。
シート加工もいい仕上がりになることを願っています。
投稿: 剣片喰 | 2014.11.17 20:01
剣片喰さん:
すっ、すみませんすっかり返信が遅れてしまいました!
こういう仕事を依頼する場合、想像していたような状態に
仕上がるとそれだけで幸せな感じがします。小さい小さい
幸せ感ですが、そういうセセコマシイものを積み重ねて
日々生きている喜びにしているので今回は大成功です(^^)/
シートは事務所で打ち合わせた色見本での指定色と、
DRの色がどうも違う予感がして、あわてて電話して
表皮の色見本を送ってみらったら、案の定ちょっと違う
色を指定していました。外装パーツを一部外して持って行けば
よかったのですが、そこまで知恵が回りませんでした(^^;)
こういう高額な出費の化粧は思い切ってやると楽しいです。
でもそれだけでなく最近はダイソーの商品でSX200Rを彩ったり、
DFをよりDFらしくするためにあるモノを手に入れて遊んでます。
もし良かったら、右サイドバーにリンクがある画像掲示板を
覗いてみてください、その遊びの画像をUPしておきますので。
投稿: ino | 2014.11.24 23:48
突然のご連絡、失礼致します。私、月刊誌の編集をしている深川と申します。
ぜひinoさまにお願いしたい取材がございまして、先ほどメールを差し上げました。
ご確認いただけますと幸いです。突然の不躾なご連絡で申し訳ございません。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
投稿: 深川 | 2014.11.25 13:31
掲示板、拝見しました。
カモフラミラー、NC700X-LDの限定グリーンに似合うかも??
もうちょっと配色が大柄のほうがいい気もしますが。
108円リムテープも、なかなか使えるんですね。
いろいろあって、なかなか楽しめますよね。
投稿: 剣片喰 | 2014.11.25 21:27
深川さん:
コンタクト頂きありがとうございました(^^)
今はここの更新もままならぬ状態なのでちょっと
ご提案に乗ることが難しい状態なのでその旨
ご了承ください。
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剣片喰さん:
なかなかドンピシャ!、の色合いは難しいです。
画像の方にちょこっとだけ移ってますが、
DFのリムにカモフラ柄のステッカーを
貼っています。
http://bonsaimoto.jp/amr/design/digicamo.jpg
でもこれが、上記URLの色合いなら良かったのですあ
ぜんぜん違って蛍光緑といってもいい目に痛い明るい
緑色で届いてしまい、やむなく張りましたがしいて
言うなら5月の若草のような迷彩でタンクの濃緑森林
迷彩と、ミラーのそれとぜんぜんマッチしません(^^;)
そういうアンマッチも含めて遊ぶしかない状態です。
投稿: ino | 2014.11.26 23:42