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2017年7月

2017.07.19

旅2017・4日目 意力

ライダーハウス・クリオネの快適な夜は近くで
寝入る他者のイビキをシャットアウトする耳栓に
よってもたらされた。

北海道の旅に耳栓は必須なのでこれから行く
人は悪い事いわないからダイソーで耳栓を購入
することをオススメする(^^;)<ばき

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結構深く寝れたので、目覚めは早かった。

6時前に目覚めたので便所に起きたら、前夜に
色々話をした女性がもう荷造りして出発しようと
していた。これから小樽まで一気走りして今夜
フェリーで関西に戻る、と昨夜聞いていたので
出発を見送った。道中気をつけて(^◇^)/

よし!今日は天気もいいから自分も早く出よう!
そそくさと荷造りをして、ポンコツに積み込む。
ここで知り合った何人かと別れの挨拶を交わし
早朝のクリオネを出発!、さらば、もう二度と
泊まる事はないのが残念だけど、泊まれて
良かったよ、ありがとう!

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斜里町に東から入ったし、反時計回り方向に
これから北上しようとしているんだけど、朝から
すごく天気がいいので、絶景を見たくて、少し
逆行して国道334をまっすぐ東に走った。

昨日の朝か午前の前半に出たXTの不調は
まったくなく、空は雨が降る気配もない晴天!

04sharichokusen

まっすぐの道を10kmくらい走って、辿り着いた
のはこんな景色。さっき走った道が全部見える。
ここは通称、「地平線まで続く道」と紹介される
ライダーにだけ知られた絶景の名所だ。
(画像の解像度を少し高めでUPしてみる)

04chiheisennmichi

この空の下を走りたくて、ライダーは北海道に
来るんだよね、もう最高ゥ!!うぉおおおお!!

そこからすぐ右を見るとこれまたこんな北海道
らしい景色が広がっている。それを見るために
こじんまりとした展望台があるほどいい景色だ。

04yeahhhhh

この絶景の下で朝飯でも食おう、モグモグ。

04meronpan

そんな事をしてたら、さっきクリオネで別れの
挨拶をしたばかりの赤CBR250Rなワカモノが
やってきた。やっぱりここに来たかぁ(^^)♪

04redcbr

ついさっき、こんなシャッターを押してもらった
ばかりなのに、また遭遇するとは(^^;)<ばき

04clionemae

少し話しをしてから、ご安全に!と旅人同士の
挨拶を交わして自分は出発。この道を下って
西へ向かう。

初日といい、二日目といい、天気に散々やられ
バイクの不調なんかもあっていい所が無かった
けれどこの日は違うぜ♪、なんていい天気だ!

04seaskyblue

色々なモノが一気に報われるような、気持ちが
次々と溢れてくるような高揚感を感じながら、
XTは快調に走る。ただXTはやっぱりTWよりも
速すぎて、快調快適ではあるけれども、景色を
楽しむというより、快適な走りを楽しむような
「旅」ではなく「ツーリング」になってしまっている
けれど、まぁそれはそれでいい、それもまた実に
楽しいからさ(^^)。

そういう点でビッグシングルならではの低速の
鼓動を楽しめるXTで良かったよ。同じ空冷600の
ほぼ同じエンジンのSRXやTT-Rはもっともっと
飛ぶように加速して速い速度で巡航してしまう。

でもXTはもっと低い2000rpm以下で使えるから
ズダダダン!、という低周波パルスを心地よく
思う存分に楽しめる。

青い空、青い海、心地よく力強い怒涛のトルク感に
満ち満ちた意のままのクルージング感覚、(TWで
感じる最高の幸福感までは得られないけれどね)

バイクに乗って、こんな気持ちいいワクワク感は
そうそうないよ、なぁXT、北海道に来て良かった
だろ(^◇^)?

04finerun

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5年前には海岸線の斜里国道244号を走らずに
少し内陸側の斜網広域農道を走ったけど今回は
海岸線を走って、そして鱒浦の駅の手前で農免
農道、通称「感動の路」で内陸に入ってみた。

でも、正直そんなにいい景色が楽しめる道じゃ
ないような…まぁ美しい事は美しいけど電柱と
電線がすごく邪魔なんだよね。

04kandoumichi

内陸に入ったから、とりあえず女満別に行こう。

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天気は良いまま、どちらかというと暑いくらいだ。
走り始めて大して経ってないけれど、道の駅の
看板を見たら猛烈に便所に行きたくなったので
道の駅メルヘンの丘めまんべつに入り用を足す。

蛇足だけど、女満別は自分が始めて北海道に
足を踏み入れた場所。学生の頃に所用があって
飛行機で羽田から女満別に降り立った。
バイクじゃないし、一泊二日の超ショートステイ
だったけどね。おっと話を元に戻そう。

最近の道の駅はキャンピングカーが車中泊する
場所、という状態になりつつあって、この道駅も
キャンピングカーだらけだった。
 
今回はバイクで来たけど、老後はバイクじゃなく
サンバーでビンボー車中泊をしながら北海道を
回ってみたい、という願望もあるので、ちょっと
だけ様子を観察する。でも家のように立派な
キャンピングカーに家族や犬まで連れて旅を
するこの人達と、サンバーの荷室に最低限の
荷物を積んで、鉄製のテントを背負った状態で
ヤドカリのように走りたい自分の目指す車中泊
ライフはかなり違いそうだな、と実感。あまり
参考にはならないや。バイクと同じで自分の
力と経験を積んで自分なりの車中泊スタイル
(=四輪での旅生活)を作らないとね。

さあ行こう、ガンガン!行くぜっ!

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前回(2012年)と前々回(2007年)とは違う道を
行きたいので、地図を見て、まず網走湖の南を
走り、道道248号で少し北上して道道104号に
乗り換えて西へ進む。大空町のあたりだ。
そうすると、道道104号はすぐにこの辺りの大
動脈、網走道路という別名のある国道39号に
ぶつかるので、それをさらに西に進んだ。

すると右側に通称「遠軽国道」の通り名の国道
333号があるので右折してそちらに入り、淡々と
西へ向かう。すぐ北側にはサロマ湖があるけど
そっちは過去二回で散々走ったのでパスだ(笑)

04engaruroad

どこを走っても、天気がいいので最高の気分♪
そのまま遠軽まで行って、さらに国道333号を
行く。でも333号ま丸瀬布で南側に曲がるので
そこから北上方向に舵を切るために、道道305
号に入って、滝上方向に進む事にした。これは
サロマや紋別といったオホーツク海岸線をパス
する裏ルートだ。普通バイクだったら走らない
地味なルートだけど、今回はそれを進む。

途中、金八峠とかいう愉快な名前の峠と、同じ
名前の金八トンネルとかいう名前のトンネルを
抜けた。陽射しが暖かいを通り越しているので
メッシュジャケットで走っているので、トンネルに
入ると涼しくて、いや寒い、と言った方がいいな。

04kinpachi

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道道305号は、それほど長く走ることなく次の
道道137号に突き当たって終わるのでその道を
さらに北西方向に行く。あ~キモチいい~♪

いい道なんだけど、自分以外にだれも走って
いない。同じ方向に進む車も皆無、対向車も
殆どいない。最高の天気と最高の緑、最高の
路面を全部独り占め!!!

あ~北海道来て良かった!!

04doudou137

全てを独り占めしたまま、XTは滝上に入る。
道の駅・香りの里たきのうえ、があるので
そこに止まった。

04michiekitakinoue

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特筆すべき事は無いんだけど、ちょっとだけ。
この道の駅では車中泊対応だと思うけど、
外来者のゴミの持ち込みを許容していた。
ただし有料のゴミ袋を買ってね、という形で
だけど。これはもしかすると不法投棄される
くらいならいっそ、という苦肉の策なのかも
しれないけど。

でも数十円のゴミ袋だけじゃなくて、処理費と
いう形で+100円とか300円くらい徴収しても
いいんじゃないだろうか?、堂々と出せる方が
旅する側しやすいと思うんだけどな。

04takinouegomi

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地図を見ながら、これからどう進もうか考えて
いた。基本的には北上して、いけたら宗谷岬を
経て稚内に行くつもりだった。天気が良く、XTも
快調で、自分の体調やメンタル、全てがオール
グリーン!、じゃあ行くか、と思ったところでふと
気がついた。そういえば厚岸で給油してから
まだ一度も給油してない事に。

気持ちよく走れたからすっかり忘れていたけど、
前回給油してからこの時点ですでに550kmほど
走っていた。そしてそれだけ走ってもまだコックは
リザーブになってない。

XTの燃料タンクは30L。そしてリザーブは約7L。
ということは550km走ってまだ23L使ってない、
という事になる。燃費で言えば24km/Lだから
悪くも良くもないフツーの状態。とはいえ、燃料が
減ると、液体偏り防止のバッフルが気中で共振
して嫌な音を立てるので(まるでXTが空腹だよ!、
と腹の虫を鳴化しているようにも思える)、どこか
適当なところでそろそろ給油してやるか。

このまま道道137号を北上していけば、西興部に
ホクレンがあるようだ。そこまで行けばホクレン
フラッグも道北Verになってるだろ、よしそこまで
ゆくぞXT!

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相変わらずバイクはおろか四輪車も殆ど走って
ない道を気持ちよく心地よく淡々t走って風で
魂の洗濯をしながら、西興部に着いた。町に
入るところでこの景色に見覚えがある事に
気付く。二十年くらい前に確かにここに来た。
たしかこの先にセイコマートがあったはず…
あるじゃん!、やっぱり!

記憶って覚えていないようで忘れてないモン
なんだよね。少し戻ってホクレンで給油給油♪

04kyuuyuhokuren

そして道北Ver青いホクレンフラッグもget!
やっぱりセルフより、こうやって人の手で
給油してもらって、色々しゃべるのが楽しい。

570kmで22.8L…24.9km/Lくらいか。まぁ
34年前の600ccと考えれば頑張ってる方。
これで逆算すると、リザーブ分7Lもフルに
使って走ると、約25km/Lとして30Lだから、
無給油で750kmくらい走れる計算になる。

…北海道旅としてはこんな容量必要ない。

長くてもせいぜい300kmくらいで一度給油
する方が、身体も休まるし、地元の人との
コミュニケーションも取れる。自分はそういう
旅のスタイルなので、XTのアイデンティティ
であるビッグタンクは個性として必要では
あるけど、旅の道具として必需品ではない
と今回つくづく思った。そう考えるとテネレは
この後どんどん燃料タンクの容量が減って
行くけれど、メーカーも必要以上に大きくする
事はないよね、と気付いたという事なのかも。

0430ltank

いい所も悪い所も全部ひっくるめたこいつの
全てが大好きなんだけどね(^◇^)♪

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西興部からは道の選択肢が西に行くか、
それともオホーツクに出るか、しかない。
国道239号を天北峠方向に行くと、前回の
北海道旅のときに怪我して消防署の人達や
病院などで思い出深い、名寄に入る。

この時点で実はまだ11時30分くらいだった。
天気がいいのとスタートが6時台だったので
結構な距離を走っているのにまだ時間が
たっぷりある。なので、前回散々走った名寄
方向には出ず、久々に走れるオホーツクの
方向に行くことにする(^^)

04besttenki

緑が目に染みる~、青い空が高~い♪

心地よい道を興部の方に向かって進むと、
オホーツク海沿いを行く国道238号に出る。
そのT字路の赤信号で止まっていたら、
突然大音量で牛の鳴き声?が街中に響き
渡った。何だぁ?、と思ったら12時だった。

つまり、12時の時報。興部といえば酪農が
盛んなところだけど、こういう所で町の特徴を
出してるのね、ちょっとホノボノしたよ(^◇^)

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オホーツク海沿いに出ると、雄武の街中を
抜けたらその後の景色はずっとずーーっと
左が山で、右が海。それが延々続く直線道。

さっきまで美しい景色だ~、と思っていたのに
それが延々変わらないと、まるで放送事故の
TVのようなもので、徐々に飽きる。というより
イライラしてくる。そして思い出した。

雄武から枝幸に入るこのあたりは、過去に
一度走ったけど、その後は懲りて、次からは
近寄ると風烈風林道とかを使って内陸側に
入り込んで、いつも枝幸市街をバイパスして
内陸側に行ってた事を。そしてそっちはいい
景色が楽しめるお気に入りのコースなのだ。

でも今回は走ったことが無い道や出来るだけ
久々の道を行きたかったので、判っていたが
そのまま国道238号を宗谷方向に向け進む。
気分を変えるためと便所に寄るため、近くに
ある道の駅・マリーンアイランド岡島に入った。

04okajimamichieki

ここに、自分が来た方向に行きたがってる
外人のヒッチハイカーが居た。大きな紙を
抱えて、道の駅の入り口あたりでそこを
通りかかる車にそれを差し出して乗せて~
とやっている。

大変だろうけど頑張れよ!、と思って便所に
行って、戻ってきたら、もうその外人さんが
その場から消えていた(^^;;)

こんな短期間でクルマをキャッチ出来るのか
ならヒッチハイク旅も悪くなさそうカモ、と
ふと思ったり<ばき!

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その道の駅を出ると、枝幸市街地は目の前。

何回も北海道を走っているけど、枝幸市街に
入ったのは二十数年前に一回だけだ。当時は
まだ親友と一緒に北海道を走っていたよな。

そうしう、たしかヤマハのバイク屋の二階に
あったライダーハウスのえさしYOUの全盛期
だったはず。でもそこに恐れをなして泊まらず、
近くにあるウスタイベ千畳岩のキャンプ場に
テントを張ったな(風が強かったなぁ)、そして
えさしYOUの隣の銭湯に入って、そこのコイン
ランドリーを使ったっけ、むちゃくちゃ懐かしい。

そんな昔の記憶を、あちこちにあるカンバンで
思い出しながら、枝幸市街地を抜けたら、また
同じ景色が続いた。途中で神威岬があって
ああ!、これは覚えてるぞ!、なんてちょっと
喜んだりもしたけど、この辺りから空に雲が
出てきて、だんだん気温も下がってきた。
そして進む先、宗谷岬方向はもっと雲の色が
ドス黒くて、行ったら絶対に雨にやられるな、
と思える雰囲気になってきた。

ここからしばらくの間の感情は、正直なところ
北海道を長く走って旅してきた自分の経験で
多分初めてのものだと思う。

同じような景色をただダラダラと走ってきて
晴れ空に雲が掛かって進む先が真っ黒い
雲に覆われてきて暖かった気温が下がって
きた。そして向かう先は5年前には物凄く
強い目的意識を持って突き進んで目指した
宗谷岬、でもその目的を大願成就し叶えた
今となっては、自分にとっては大した目標
ではなくなっていた。

要はただのテッペンであって大衆ウケする
普通の観光地という事だ。しかももう何度も
行ってる。別に行かなくてもいいなぁ、と
だんだん思い始めた。

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つづく

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2017.07.18

旅2017・3日目 温情

前日散々雨にやられて寒さに震え上がった日の
夜、そして朝の釧路はやっぱり寒かった。15℃
くらいしかない。そしてシトシトと雨が降っていた。

心底ガッカリしながらも、でもこの日の昼からは
道東は晴れる、という予報だったので、それなら
最初だけ頑張れば、きっと事態は好転する!、と
前向きに考えて、仕舞い支度を始めた。

使ったシュラフをパリッ!、と干したいけれども
そうもいかない。前日に濡れた服類は完全では
ないけれど、泊まった部屋に全部吊るして置いて
いたら、悪条件にもかかわらず結構乾いた。

悪い事ばっかりじゃないさ~、何事もきっと良い
事につながってゆくさ~、と心の中で口笛を
吹きながら支度を終えてカッパも着込んで荷物を
全てバイクに持って行き、さあエンジン始動!、と
思ったところで保護めがねを食堂に忘れた事に
気がついた。

自分はシールドつきのヘルメットであってもそれを
開けて走ることもあるので眼球を保護するために
度の無い透明の保護めがねを必ず着用する。
目は保護するに値するものだし、仮に外傷を負う
事がなくても例えば埃や羽虫が目に入るだけで
下手すると何秒か視界を奪われるかもしれない。
バイク運転中にそれは命にかかわる事なのだ。

そんな保護めがね、前日夕食を食った時に食堂に
置いたまま部屋に戻って寝てしまったので回収
するのを忘れた。カッパも着てブーツカバーまで
装着した状態なので、それを一旦解除しないと
取りにいけない…運がやっぱり無いのか…、と
思ったら、同室だったライダーさんと、宿の主人が
二人でやってきて、自分の保護めがねを持って
きてくれた。ありがとう!、助かりました(^^)

せっかくなのでその同室ライダーさんにカメラの
シャッターを押してもらってこんな写真を(^^)

03kusiroyadomae

ヒットエアはカッパの外側に着ないと意味が無い
ので、こんなチグハグなカラーリングになった(汗

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小雨がシトシト降ってはいるけど、出発だ!

キックペダルを蹴り飛ばし空冷600ccの燃焼室に
火を入れる。小気味良く走り出して一路向かうは
根室方向!、…と、100mもいかないうちにXTは
突然不調になって、エンジンが止まってしまった。
燃料コックがoffのままだったかな?、と思って
見てみたがちゃんとonになってるし、ガソリンの
残量もちゃんとある。なんだ?、と思って数回の
キックを繰り返すと、突然銃の発射音のような
「パン!!!」、と言うアフターファイヤーが。

…んん?、これは混合気が薄い時にXTが出す
症状じゃないか、何でだ?、と思って気がついた。
そうだ、出発前に夏セッティングで薄くしたんだ。
なのに今は15℃しかないので空気が冷えてて
酸素濃度が濃い状態。つまり空燃比としては
薄い方向になってしまっている。

ためしに工具無しで調整が可能なアイドリング
回転数を上げてみたら、ちゃんとかかる。回転
数を上げてゆくとちゃんとついてくる。つまりは
スローの領域で燃料が薄い状態。PNを少し
戻してやれば、どうにかなる。

でも、PNを調整する工具を積んでない_| ̄|○
精密ドライバーセットを百均で買えばどうにか
なるけど、今はまだ7時半、コレは困った。

アイドリングを上げればどうにかなるけど、でも
エンブレが効かないし、信号待ちでウルサイし
それでもやっぱり止まってしまう。

出発15分で、走行不能になるとは…なんて
ついてないんだ…、とXTを歩道にあげ、雨に
打たれながら途方にくれてた。

------------

すると、作業服を着た人が横断歩道を渡って
きた。自分に「どうかしましたか?」、と声を
かけてくれた。

ino:「いや~、不調になっちゃって…」
  「工具がなくて手も足も出ないんです」

するとその人は交差点のはす向かいのビルを
指差して、

 「そこがうちの会社なのでそこに入れて
  ください、どうにかなると思います」

と言ってくれた。その人はそのビルに入って
いる会社の若社長さんだったのだ。

途方にくれていた状態だったので、ありがたく
XTを押して会社の駐車場まで持っていったら
倉庫の扉を開けて「この中に入れてください」
と社員の方も声をかけてくれた。

ino:「ありがとうございます、こちらに精密
   ドライバーのマイナスはありませんか?」

するとみなさんがあちこち探してくれて、ついに
自分が欲していたそれを見つけて貸して頂けた。

  「直るんですか?」

ino:「ええ、大丈夫だと思います、ここを
   チョイチョイと…半回転緩めてやれば…」

出発前に調整したPNを元に戻す操作をして
祈るようにキックペダルを踏みおろすと、XTは
何事も無かったかのように普通に始動して
規則正しいビートを刻み続けた。アクセルを
あけてもちゃんと回転が付いてくる。しばらく
そのまま様子を見ながらそこの会社の皆様と
少し会話をさせて頂き、エンジンも支障が無い
様子なので、これならイケル!、と再スタート
することに。最後に社長さんが、自分が現場の
人な事もあってか、OS-1のペットボトルを一本
差し入れてくださり、困ったライダーを助けて
くれただけでなく、もう感謝感謝&感謝(T_T)

03kusirotamura

釧路の株式会社村田の社長さん&皆さん、
始業前のお忙しい時間なのに、こんな流れ
者に何から何まで良くして頂き、本当に
ありがとうございました!

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空燃比の調整により快調となった昭和生まれの
ポンコツXTは、だんだん強くなる雨に打たれ
ながらも快調に走る。寒いのは寒いけど、でも
最初からカッパを着込んでいたし、さっきの不調で
その服装のまま何度も何度もキック始動を試みて
いたので服装の中は結構熱が篭っていた。

でも雨に打たれながら30分もすると、どんどん
冷えて、寒さになってゆく。

そして、釧路と根室のちょうど中間くらいまで来た
所で、ポンコツXTは突然失火⇔着火を繰り返し
始めた。おいおい今度は何だ!、さっきのように
スローの燃調があっていないだけならアクセルを
開けて高回転に保てば走れるはずだが、今度は
低回転でも高回転でも、アクセルも低開度でも
高開度でも、どこでも失火を繰り返している。

これは点火系のトラブルだぞ…一体何が不満
なんだよXT、雨に打たれているけど夢の北海道
ツーリングじゃないかよ。

走行中にチョークを引いたり、回転数を変えたり
しながら回復を待ってみたけど、国道44号の
厚岸湖を少し過ぎた辺りで、ついにXTは完全に
沈黙して止まってしまった。

0344gouenkobasho

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さっきの不調は街中だったし、ご厚意によって
助け舟を頂いたのでどうにかなった。でも今度は
野っ原の真ん中を走る国道の脇。雨も降ってる。
どうすりゃいいのさ?、JAFを呼ぶのか?、でも
こんな場所じゃ何時間待たされるか判らないぞ…

さっきの不調はキャブレターのセッティングを
出発前に戻すことで解決出来た。今度のはそれ
とはちがう事象で起きてる。出発前にオレは何を
やった?、そこにきっと原因があるはず…失火、
つまり点火しない…そうか!、プラグだ!、
猛暑対策で1番プラグの熱価を上げてきたけど
今の気温、そして雨に打たれてプラグが冷える
状態なのでそれが何か悪さしてるとしか思えん。

偶然だが、出発前に熱価の高いプラグを買った
際にどうせ秋にはまた戻すんだから、と通常の
プラグも同時に買って、車体の工具箱に入れて
いたため、交換することは可能だ。よしやろう!
どうせダメでもまずはやれる事を全部やろう!

通りすがりのダンプカーのタイヤから水はねが
バシャ!っと掛かるような道端で、そそくさと
プラグキャップを外し、プラグレンチを立てて、
数日前に交換したばかりのプラグを外す。

8番のプラグ、見た目で特に異常は無いように
見えた。でも交換するのだ。ノーマルの7番の
新品プラグをセットして、復旧した後に祈る
ように所定の作法をしてキック始動してみた。

 「ダダダダダダダダ!!!!」

さっき村田さんのところで復活した時と同じように
あっけなく再始動し規則正しい打音を奏でるXT。
恐る恐る再発進すると、さっきの不調は完全に
消えていた。

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そこからしばらく行ったところでホクレンを発見。
北海道に上陸してから初めての給油をする。
もしもそこで再始動が出来なければ工具を借り
少しバラしてみるか、それともJAFを呼ぶかして
この旅をここで終えねばならない…

と、思ったが、給油してからの再始動は問題が
全く無かった。…な、直ったのか(^^;)?

快調なので根室まで行く事に。おっとその前に
せっかくホクレンで給油したんだから、ホクレン
フラッグください!、はい100円!、…え?今は
150円なの?、はいはい、いいよ~買うよ~♪

大洗で給油して、ここまで366km走って17.5Lの
給油。21km/L?、不調もあったけど悪いじゃん。

03hokurengreen

今年度のホクレンフラッグ(道東Ver)を無事入手して
一路根室を目指した。もう止まるなよ~XT!

------------

そのまま国道44号を東に向かい、厚床にある
交差点で左折すれば別海羅臼方向で、直進
すれば根室納沙布方向、というカンバンを見る。

根室方向はドン詰まりなので直進してもまた
ここに戻ってこなくてはならない。なので無駄な
感じもした。でも5年前の前回はこっちは来て
いないし(過去には何度も行ったけど)、XTは
初めての場所なので、ここまで来たら端っこに
XTをつれていってやろう、と直進する事に。
最悪根室は大きな町だからそっちでエンジンが
止まってもどうにかなるかな、という気持ちも
少しあったのはナイショだ(^^;)

このあたりから雨は止み、そして空が東に
行くにつれてどんどん明るく、青くなっていった。

直進して目に入った道の駅「スワン44ねむろ」に
入り、カッパを脱いで荷物のレインカバーも取る。
これまでたっぷり冷や汗をかいてきたので
低い気温とあいまって寒いが、な~に大丈夫!

03nemuromicheki

さあ、先に進もう!

03nemuro44gou

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浜中街を走っていたら、途中でルパン三世
云々、な看板をいくつか見たような気がする
けれど、何でだろう、と思ったら、作者である
モンキーパンチ氏の出身地なのね(^^;)

ごめん、あまり興味ないや、と通過し根室へ。
前回根室に来たのは20世紀の終わり頃…
だったような気がする。今回も末端に行く
ために通過するだけで一度も止まらずに
通過してしまった。回復してるとはいえ不調
の恐れのあるXTが沈黙してもらっては困る
から、走れるうちに走り続けたかったため。

根室半島を反時計回りに回り、ポンコツXTは
ついに(事実上の)日本の東端についた。
本当は北方領土だけどね。

03nosappu

や~!、XTよ、ここまで来ちゃったぞ(笑)

時刻はちょうど昼、ツーリングマップルには
ここの鈴木食堂という所でサンマ丼が名物
とあったので、じゃあ折角だからそれを食って
みるかな?、と入ってみた。だが、ちょうど
昼時で時間がかかります、と言われたので
じゃあいいや、とそのまま出た。先に行く!

03suzukishokudou

帰りは根室半島の北側を回ったけれど
実はこれは初めて走る道。前回来た時は
すごい濃霧で危なくて走れなかったけど、
今回は大丈夫だった。ぐるっと回ってきて
根室市に戻って、さっき走ってきた国道
44号を戻って、さっき通り過ぎた厚床の
分岐路から国道243号に曲がって北上、
そして海沿いを走る国道244号に移って
淡々と海岸線を走っていった。

野付半島は過去に走ったからもういい。
通過したら国道244は西に曲がってゆき、
5年前に走った野付国道、そして5年前に
行かないとした羅臼や知床方向に進む
国道335号の分岐に出た。

03torausu

となると、当然十年ぶりに行くだろ!羅臼
知床方面にさ(^◇^)

------------

しかしこのあたりから、気温がどんどん
下がっていった。羅臼に近づくにつれて
もう耐え切れないくらい寒くなっていた。

この時点で着ていたのは

Tシャツ+夏用長袖シャツ+モトジャージ
+ウィンドストッパー+夏ジャケット+カッパ

手持ちで着れる服を全部着ていた。でも
羅臼に着いた頃に、気温は夏とはとても
思えない数値になっていて、耐え切れず
道の駅の屋内に飛び込んだ。

0313degree

ガチガチ震えながら自動販売機でホットの
缶コーヒーを買って、震える指先で開封し
体内から暖めるべくそれを啜った。
おや?こんな所にメロンパンが…買おう。

03kitameronpan

ちょっと身体も温まったので頑張って知床に
抜けよう。曇り空の羅臼を出発し、知床峠を
登り始めたら、すごい濃霧で視界が10mも
無い状態。しかもシールドに水滴がびっちり
着いてしまうくらいウェットな霧。コレは辛い、
身体も冷えるからね。でもどうにか知床峠を
登りきった。…霧で何も見えないけどさ(泣)

03siretokotouge

これは知床側から登って来たKLX乗り女性に
話しかけてシャッターを押してもらったもの。

この女性、天候の良かった知床側から来て
途中でクマを見て、上ったら霧が凄くて
羅臼に抜けるのを断念したそうな。知床は
天気がいい、という有益な情報を得たので
とっとと下る事にした。すると霧が晴れて
空が明るくなってきて、気温もどんどんと
暖かくなってきて、青空まで見えてきた。

03siretokoharema

03siretokohizasi

十年前と全く同じ
状態だね(^^;)<ばき

------------

知床の道の駅の前のセイコマートで停まり
暖かい陽射しの下では暑さにしかならない
着込んだウェアの一新を図る。カッパを脱ぎ
ウィンドストッパーを脱ぐとちょうどよくなる。

この季節に太陽の暖かさが嬉しい、という
のはある意味贅沢だよなぁ。でも助かった!
さあ、陽射しを浴びながら先に行こう!

03atatakaihizasi

------------

この時点で時刻はもう16時近かった。

今夜の宿は釧路の宿で聞いた、50歳以上の
オッサンはお断り!、というライダーハウス、
クリオネ。それは知床のすぐ隣の斜里町に
ある。途中で何度も来て、見たことのある
オシンコシンの滝を一旦路肩に停まって
そこから眺めたりもしたけど、

03osinkosin

ここから斜里はあっというま。目的地である
クリオネに到着。凄く有名なライダーハウス
だけど、今まで一度も使った事がないので
しかも、もう少しすると利用上限である50を
越す自分としてはこれが利用出来る最初で
最後のチャンス!<ばき

03clione

ライダーハウス利用者に年齢制限を加える
事は賛否両論があるんだろうけど、自分は
全面的に賛成。善意でやってもらっている
ライダーハウスはオーナーの意向がもっと
入ってもいいと思うし、今のライダーの高齢
化は誰の目にも明らかで、こういう対策を
しないとおっさんの集団だらけの異様な
場所になってしまう。かつて自分がそうで
あったように、若者にもっと北海道のバイク
文化を楽しんでもらう為にオッサンを排除
する作戦は悪くない。たとえ自分がこれから
排除される側になるとしても、だ。

受付の女性と出身地が近いですね~等と
少し会話が盛り上がってから、その話を
したが、でもボクはギリギリセーフですよ!
と言ったらオヤジボケなんだけど、これが
意外にウケた(^^;)<ばき

------------

クリオネは寝具があるので寝袋が無くても
寝れる。値段も安く、フロもあっていい所だ。

03clioneheya

03clionehuro

ベッドルームには、こういう怪しいグッズも
あったけど、まぁ男子部屋でワカモノ限定
ならブラックジョークという事でいいだろ(^^;)

03kuukiyome

荷物を置いてから、近所の食堂に夕飯を
食いに行く。マップルにつぶ貝のカキアゲ
丼が美味い、という店があるとあったので
店に入り躊躇わずそれを発注して待つ。

03kakiagedon

こういう所はケチらない~美味しく頂いた。
ごちそうさま~♪

------------

戻ってきてからは、食堂空間で話をしている
グループから離れて第三のビールでチビ
チビ一人飲みしてた。そしたら女性部屋から
若い女性がやってきて自分に話しかけた。

 「明日の天気予報が知りたいのでスマホ
 があったら見せてもらえませんか?」

はいどうぞ、こんなのでよかったら御自由に
お使いくださいな。Wifiルータ経由の白ロム
だけどね~

一人で旅をしているというその女性と天候やら
北海道旅のアレコレや、野生動物の行く末、
なぜか自分らの飼い猫の話まで、話がずっと
途切れる事なく1時間程?延々しゃべってた。

自分の旅の途中でこういうシチュエーションに
なるのは珍しい(苦笑)。でも自分は若くない
ので、会話は凄く楽しいだけで十分満足だ。

キレイな女性だったので、もしも自分があと
10歳若かったらなぁ…、などと一瞬思ったりも
したが仮に自分が10歳若くてもあまりにも年の
差がありすぎるし(自爆)、そもそもどっちかと
いうと、今の自分に娘がいたら、このくらいの
歳かしら?、というくらい若い人なので、完全に
親世代として若い旅人を見守っているつもりに
なってしまった。

こんなオッサンと話すより別にいた若い連中と
仲良く話しをしたほうが、旅の出会いとしては
夢のある話なんだろうけど、その機会を初老の
オッサンが奪ってしまったのだとすれば申し訳
ない話だ。やっぱりライダーハウスはワカモノ
限定の方がいいな(^^;)<ばき

------------

…しかしまぁ、この一日は色々濃かったなぁ。
色々な人と出会って会話して、色々なトラブル
にも見舞われて、雨から晴れから寒い所から
暖かい所を色々走って、美味しい物を食って…

少し疲れたかな?、もうオレもトシだな<ばき
それでは、おやすみなさい…


本日の走行距離:400km

 「旅」のエッセンスをを一日と言う短い枠に
 沢山押し込んだ、濃厚で長い一日だったよ。
 

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2017.07.17

旅2017・2日目 敗走

波もなくほとんど揺れない大型フェリーでの睡眠は
きわめて快適。ただ困ったことに、少しの揺れで
船倉に積んだ乗用車の盗難防止センサーが働く
ようで、突然クラクションが断続的に鳴り出す事が
あった。実は出航前に、そういう設定の四輪車の
持ち主が船内放送で呼び出されて、アラームを
切ってくれ、という依頼をされているのをロビーで
聞いてたが、こういう事か…迷惑だなぁ(-_-;)

それでも朝の目覚めは悪くない。まずは昨夕に
ものすごく混んでいて入る気がしなかった風呂に
行き、朝風呂を頂く。北海道に向かう場合、男湯は
東側を向くので、朝日がキラキラと湯船の水面に
輝いてなかなかいい雰囲気だ。まぶしいけどね。

フロの後には使ったタオルと適当な手すりに干し
食堂の近くで北海道の地図を見ながら朝飯の
バイキングが始まるのを待つ。貧乏ライダーとは
いえ、フェリーを運航してくれる商船会社に少しは
利益を落とさないとね、航路がなくなって困るのは
利用者側だからさ。なので朝飯だけはちゃんと
1050円を正々堂々と払って食うのさ、モリモリと
食って昼飯を食わなくてもいい位にね(^◇^)<ばき

02asamesibiking

これをペロリと頂いた後に、ご飯をもう一杯と
サバをメインにおかずをもう一回り食って満腹♪
ごちそうさまでした~(^^)/

------------

この時点で時刻は0830。下船までタップリ時間が
ある。なのでここから作戦タイム。北海道の地図と
たまに陸地からの電波を拾って繋がるタブレット
端末の天気情報を見ながら、今回はどういう旅を
するのか検討する。

この時点で北海道の北側は雨確定。南側も雨模様。
これから到着する苫小牧は70%の降雨確立_| ̄|○
でも、東側の下側、釧路~根室だけはどうにか曇り
から晴れが見込めるようだ。

その後の週間予報を見ると、道東の天気が良くて
道南が悪い。道北は2日後あたりから良くなるようだ。
そして週末は全域で大雨、予定している最終日は
晴れるみたいだが、一週間後の天気なんてアテに
ならない。重要なのは今日の行動だ。それが命運を
分ける!

自分が今まで、苫小牧に上陸してから移動する
パターンは大きく分けてこんな感じ。

 1)北東に進み夕張~富良野方向へ(2007年
 2)支笏湖方面に進みGo westで羊蹄山~積丹へ
 3)南東に進み日高~襟裳~大樹方面へ
 4)室蘭方向に進み長万部を経由して大沼公園へ

なのだが、5年前は

 5)支笏湖方面に進み千歳で一泊、翌日日高へ

という変則的な動きをした。これは過去のネタ
ある通りだ。

今回はどうするか?、まずそれほど長大な休みが
あるわけじゃない。そして雨はやっぱり避けられる
ならば避け続けたい。そして今回の相棒はいつもの
非力で楽しいTWではなく、過去にプライペーターが
パリダカに何台も持ち込んで走っていた600ccもの
排気量を持つ大型ラリーレイドマシン、XT600Zだ。

となると、答えは一つだ。14時に上陸したら、一路
釧路方面に突っ走る。…どうやって?、高速道路を
使うのだ。

過去に北海道で高速道路を使ったのは一度しか
ない。それは十年前の旅で、帰りを急ぐあまりに
最短かつ最速コースを選んで走った、その時だけ。

北海道で高速に乗って長距離を突っ走る、と
いうのは正直自分の旅のスタイルから逸脱が
激しい。…でもね、北海道の高速道路なんて、
こんなチャンスがなければバイクで走るなんて
機会はもう無いかもいれない。一度も走った事が
無い道ならば、一度は走ってみたいじゃん(^^)

よし、決めた!、船を下りたら、一気に釧路だ!
苫小牧から釧路までは約290kmくらい。XTに
掛かればなんてことない距離だ。帯広くらいまで
雨にやられるかもしれないけど、まぁいいだろ、
明日からはカッパ要らずの旅にしてやるぜ!

…と、この時点で北海道を反時計回りする
大方針を決めた。道東の天気が今後ずっと
良ければ、道東のみの旅でも十分OKだしね。

じゃあ後は最新北海道ガイドを見て過ごそう。
昨日ツーリングマップルを買った時に一緒に
こういう雑誌を買っておいた。自宅で直ぐに
ナイフで裂いて、北海道ネタのページだけを
持ってきた。タンクバッグに上手く入らないので
フェリーのロビーのおねぇさんにハサミを借り
面取りしたのでこんな感じ。必要なのは情報。
媒体はどんなにみすぼらしくてもいいのさ(^^)

02bikezassi

ちなみにこれは今後の道中も持っていたけど
ページをめくったのはこの行きのフェリーの
中だけだった。情報としてはほぼ全て知って
いることばかり、あまり参考にならなかった。
途中で捨てていれば少し身軽になれたな。

------------

船が苫小牧に近づくにつれて、快晴だった空が
どんどん曇天になってゆく…勘弁してよ(-_-;)。

02kaijyodonte

陰々滅々な気持ちでベッドに戻る。下船の準備を
するよう、船内放送が流れたため支度を整えて、
着岸した状態でもう一度甲板に出たら…

02tomakomaiminato01

路面は完全に濡れているので、雨が降っていた
ようだが、空が…空が青い!晴れてるじゃん!

02tomakomaiminato02

よし!よし!、幸先いいぞこれは(^▽^)!
しょっぱなからカッパを着て上陸かと思っていた
だけにちょっとうれしい。晴れた状態で無事に
上陸を果たせた。

02tomakomaiminato03

苫小牧港の回りは5年ぶりだというのに馴染みが
あるのでちっとも懐かしい感じがしない。そこから
北東に向かう国道234号に乗り早来方面へ進む。
ここから約290kmを突っ走る、あまり懐かしんでは
いられない。でもついついうれしくて、5年前と同じ
場所で停まってXTで来たぜ!、と記念写真(苦笑)

02tokiwacamp

青空はあっというまに曇りになったけど、でもまだ
雨は降ってない!、行ける!、行ける!行け行け!

ここで、初めて自分は5年前と今との大きな違いを
体感する事になった。タンクバッグに収めた北海道
ツーリングマップル、この地図がなかなか読めない。
どういう事か、と言うと単純な話なんだけど、巨大な
30Lタンクの上に載せたマグネットマウントのタンク
バッグ、その地図を入れる面が小さいタンクのTWと
違ってかなり顔面に近くなる。そして自分は5年間で
確実に手前が見えにくい老化現象を発症していた
ようだ(つまりこれって老眼ってやつですか?)

02mapmienai

その二つがあいまって、地図の小さい文字が全然
見えない!、国道なのか道道なのか、マークの形
だけでなく、その形の中にある3桁の小さい数字が
見え~~ん!!!(T◇T)<ばき

でも、この画像にあるように、今回はハンドルに
秘密兵器を仕込んできた。それは知人から借りた
白ロムスマホ。以前使っていたやつでもう使わない
というのでこの旅のために借りた。マウントは電源
付きのやつをamazonで1500円程で買って配線済。
これにフリーのカーナビアプリを入れ、Wifiルータで
地図情報を読み込んで現在位置をリアルタイムで
判るようにしてきた。これはやって正解だった。

なにせ地図よりも遠くにあるので良く見える(^^;)

表示が小さければ拡大も出来るしね。いや~、
科学技術の進歩に感謝だな(^^;;;)

------------

追分町から初めて走る道東自動車道に入る。

02kousokuiriguchi

昭和のポンコツのXTだけど、ETC化してあるので
休日割引がちゃんと適用される。さあ、行くぜ!

02kousokusoukou

…判ってはいたが、ちっとも楽しくないな(^^;)

高速道路は内地も道内でも大体同じ造りで景色は
確かに北海道なんだろうけど、それを楽しめる筈の
「旅の速度」をはるかに超した速度で走れば視界に
入るのはこんな景色ばかり。

これを延々と続けて走るのか・・・せっかく北海道に
来たというのに、一体何やってんだろう、オレ、と
今までで最も北海道らしくない場所を走りつつ自問
自答していた。

でも、雨にやられるよりはマシだ>。そして短い
日程では、これは辛抱我慢するステージなんだ。
そう言い聞かせて走っていた。そしたら段々気温が
下がってきた。走り始めは大洗と同じメッシュの
ジャケットだったけど、夕張から占冠に向かう頃は
とてもじゃないがそんな薄着じゃ寒い!と思える
くらいに体感気温が下がってきた。

あれ?北海道は暑いんじゃなかったの?

さっき上陸した苫小牧も確かに少し涼しかったけど、
今は寒いくらいだ。20℃あるか無いかくらい?でも
まだ耐えられるな。長いトンネルに入ると暑さを
感じるしね。などと考えていたら、ついに小雨が
降り始めた。涼しさを感じる気温で小雨で湿った
メッシュジャケットは正直寒い。

でも長いトンネルに入って出ると、小雨は止みまた
段々ジワジワと小雨っぽくなると、再びトンネルに
入って、出ると小雨が止んでいて…、を繰り返して
いた。このまま小雨程度でカッパを着ないで最後
まで行けるかな?と思ってたら、ある所で突然
豪雨
になった。

あひゃひゃ~1、これはダメだ。でも停めてカッパを
着れるような場所が全然無いよ!、仕方なくズブ
濡れのまま少し走って、やっと安全に停められる
場所まできた時には相当に濡れてしまっていた。

この状態でカッパを着るのもなんだけど、着ないと
もっと状態は悪化する。なので大雨のなかカッパを
着てブーツカバーをつけて、荷物やタンクバッグに
レインカバーをはめて、再スタート。

…結局雨にやられるのか、まぁ覚悟はしてたけど、
でも出来ればズブ濡れになる前にカッパを着る
タイミングが欲しかったなぁ。

------------

そこからさほど離れていない本別を過ぎたあたりで
雨は止み、無料区間に入った頃は路面が乾いて
いた。なので上浦幌PAに入りカッパを脱ぐ。その
状態で走れば走行風でズブ濡れた服が乾くからだ。
そう思って走り始めた。外気温はこの時18度くらい。
そしたら濡れたメッシュジャケットが走行風を浴びて
気化熱で一気に体感温度が下がる!、

まるで冬のよう、というと大げさだが、正直耐える
のがキツイくらいの寒さ!、手が悴んで指先が痛い。
そして次に全身が寒さでガタガタしだした。

でも濡れた服が乾けば少しはマシになるはず…
そう思って寒さに耐えつつ、腕と膝が震えながら、
白糠あたりまで来たらまた突然の豪雨!
せっかく服が乾き始めたのに再びズブ濡れ!、
チクショー!完全に裏目!泣く泣く再びカッパを
着て阿寒まで走り切る。カッパのおかげで下は
ズブ濡れだけど寒さは少し緩和したので釧路
までがんばれそう。でも寒い寒い!

阿寒で国道240に右折して入り、そのまま釧路
市街地に向けて走る。寒いよ~寒い~寒い~。
この時点でもう18時、北海道を楽しむ余裕など
全く無いのでとっとと今夜の宿に入る事にする。

02kusiroginrin

市街地の外れにある民宿の銀鱗荘がやってる
ライダーハウスを、さっきのPAに居る時に電話で
予約しておいたのだ。こんなに天気が悪い時は
ライダーハウスに逃げ込むに限る。釧路は都会
だから小奇麗なビジネスホテルも沢山あるけど、
こういう場末感ある(失礼)、相部屋のライダー
ハウスの方が自分の旅には適しているのさ(^^)

荷物を降ろし、他のライダーとの相部屋になる
着替えて濡れた装備をそこらへんじゅうに吊るし
干してから、一階に下りると食堂で夕食。これも
事前に電話でお願いしておいた。

02kusiroginirinnmesi

花咲ガニ丸々一匹と、刺身等々、そしてこの後で
鯨肉等も出たりそれなりに美味しいご飯を頂けた。
お値段は…まぁそれなりだけど、十分満足。

ライダーハウスは宿代自体が格安故にこうやって
そこで夕飯を提供してくれる所ではちゃんと夕飯を
食って利益を得てもらうのさ。無くなったら困るのは
ライダーや旅人だからね。

------------

他のライダーや電車旅の人、宿のご主人らと旅人
らしい会話を一通り楽しんでから部屋に戻って、
キャンプ用のエアマットを膨らませて寝袋を取り
出して展開する。このライダーハウスは民宿の
一部屋を寝具無で相部屋利用するのがルール、
自分はそれらを持ってるので問題なく利用できる。

しかし苫小牧から釧路まで、寒いわ雨にも散々
やられるわ、で完全に負け戦だったな、普通
ならば二日間くらいかけ移動する距離をたった
4時間弱で一気に走りきってしまった。反省反省。

じゃあもう寝よう、今回相部屋となったNC750Xの
ライダーさん、おやすみなさい~(^^ゞ

明日の天気予報だと曇り→晴れらしい。ならば
明日からやっと北海道らしい旅になる…はず。

------------

本日の走行距離:290km

 ま、こういう弱り目に祟り目みたいな日も
 人生にはあるよね。代わりに明日からは
 いい日になりますように …(-人-)
 

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2017.07.16

旅2017・1日目 出発

ドタバタ事前準備をした前日から明けた出発当日。

普通に起き、目覚ましタイマーで鳴るNHKの第一
AMラジオ放送を聞き流しながら、普通に朝飯を
作って食うごく当たり前の日常からその日を始めた。

この日の旅の行程は夕方に大洗からフェリーに
乗るだけ。

そこまでの距離は自宅から高速を使って約200km、
非力なTWにとってそれは遠距離だが、ラリーレイド
レーサーレプリカのXTにとってはショートツーリング
レベルの距離にすぎない。

なので午前中はまだ旅の準備段階だった。

そのため朝イチで歩いて行ける最寄の本屋に行き
最新の北海道版ツーリングマップルがあったので
無事購入。レジ打ちしてた若い女性店員に、

ino:「今から北海道行くんですよ、あってよかった」

と言ったら、かなり驚いてた(笑)

そうそう、北海道は暑いらしい。大洗までも暑い。
じゃあ夏セッティングにしないとね、ちょっと濃い
目な感じがするから、と買い置きしてた熱価を
1つ上げた新品プラグに交換して、PNを薄めに
セッティングした(これが後で大きな裏目と
なる事を、この時点の自分は知らない…)

------------

地図を入手して、これで用意すべきモノは全部
揃った。まだパッキングしていないリビングに
広げた愛用の旅道具を見て、色々考えてみた。

今回は5年前の前回より旅していられる期間が
短いので、これだけ荷物を持って行く必然性が
無いよな、もう少し削って荷物の量を減らそう。

理由は簡単。低重心で広大なキャリアのTWと
比較すると背が高くて、ビッグタンクのために
シートが短いXTは、積載能力そのものに大きな
差がある。さらに背の高いXTでは重量物を高い
位置に括らざるを得ないため、積載後の重心の
変動が大きすぎる。平たく言えば危ないのだ。

朝のラジオの天気情報でも北海道で30℃超の
真夏日が連発、とか言ってる。じゃあ通常用意
している寒さ対策品は不要、バイクに乗らない
日を想定した「一般民間人変身セット」も不要。

キャンプ用品を一式持って行かなければ大幅な
ダイエットになる。でもキャンプ出来ればするのが
自分の旅のスタイルなので、たったそれだけの
こだわりのために、(少しだけ減らした)キャンプ
用品は持ってゆく。

そうやって少しずつパッキングを進めて最終的に
ほぼ完成の域に達した。

01xtpacking

タンクバッグはフェリー内や宿泊先で使う最小の
生活用品とフロセットと下着1set、そして走行中、
宿泊先で電子機器を充電をする為の電気小物、
地図、その他等々を詰めた。平たく言えば宿泊
先で必須のものを詰めた地図の台、という事。
宿泊先にこれを持ち込めばいい状態になってる。
(約4kg)

シートの後端に積んだ青い防水スタッフバッグは
キャンプ用品一式。テントから折りたたみ椅子から
グランドシートから、煮炊きや照明も含めて全てが
このワンパッケージに詰まってる。キャンプをしない
宿泊先は、この青いバッグは車体から下ろさない。
荷物の中で一番重い(約12kg)

赤ラインの入ったカーキ色のバッグはクラウザー製
K2ソフトトップケース。主に着替や寝袋といった布系の
軽い荷物をまとめた。車体の一番末端なので重量の
あるものは入れない。ただし出先で買う食材や、
雨降りの際に身に着けているウェストバッグ等を
必要に応じてここに積載するので容量に余裕を
持たせた。防水性は無いので、中の布類は3重の
ポリ袋養生をして、さらに雨天走行時は専用の
分厚いレインカバーをかけて対策をする(約7kg)。

その上にすぐ使えるようにカッパを載せて、大きい
ゴムネットをかけた。こうしておくとバッグとの間に
色々な物が挟めるし、北海道に渡ってからホクレン
フラッグを取り付けたりも出来るからね(約1kg)

これに携帯電話やWifiルータ等々の通信機器と
デジカメと書類等々を収めたホルスター型の
ウェストバッグを身につける。(約1.5kg)

少し削ったけど、それでもこれだけあれば1泊でも
一ヶ月超の長旅をしろと言われれば対応できる。
よし、これで行くよ。大丈夫、みんな使い慣れてる。

着るウェアも車体に合わせていつもの青系では
なく、赤系のメッシュジャケットと、赤いヒットエア。
ヘルメットは白ベースに赤バイザーの旅メット。
準備完了!、じゃあ行こう。
道越しに見えたご近所さんに声をかけた。

ino:「ちょっと旅に出てきます、留守になります」

思い立ってから、この時点でまだ約28時間。
自分自身を旅モードに盛り上げるには、まだ
時間が足りてない感じがする。なので、まるで
普通の日帰りツーリングに行くように、自宅を
後にした。

------------

…とはいえ、ついつい早く家を出すぎた(^^;)

このまま高速に乗ると、大洗に相当早く着いて
しまいそうだ。なので時間の余裕を生かして
かなりの距離を下道で走った。真夏の暑さで
エンジンからの熱気が凄い。非力なTWならば
絶対感じられない熱量。これがさらに旅気分を
減速させる。

とはいえ、夏セッティングが施されたポンコツな
XTは年式を感じさせないで快調に都会を走る。

01ippanndou

結局かなりの距離を一般道で走ってから高速に
乗った。乗って直ぐの常磐道の守谷SAでトイレ
休憩。暑い!!!

01moryasa

停めた隣には結構な大きさのオイル漏れ跡が。
昨日ハヤシカスタムでXTのオイル漏れ修理を
しなければ自分がこうなっていたかも(-_-:)
…というか、この油を漏らしたバイク無事なの?

01oirumorekon

------------

いつもの非力な16馬力しかないTW200では
高速道路は過酷なステージ。でも40馬力も
ある600ccのXTだと、普通にクルマの流れに
乗って走っていられる。あんなに遠いと思って
いた大洗まで、それほど時間が経過したと
思わずに到着してしまう。

あ、それでも最高でメーター読み100km/H
までしか出してないよ、そこに達するまでと、
その速度を維持するのが排気量3倍という
圧倒的なアドバンテージがあるXTの余裕に
よって、肉体的な疲労感や物理的距離感を
感じさせにくい、という事なんだよね。

途中あまりドラマのないまま、大洗に着いた。
街中のスーパーで、フェリー内で食う食材を
買い出して、

01ooaraiecos

フェリー乗り場に向かうと大洗の町中には
不思議なくらいワカモノ達とオッサン達が
大きめのデジカメやタブレット等を持って
デーバッグを背負って沢山ウロウロしてた。

???

5年前にも入ったフェリー乗り場の最寄の
ガソリンスタンドで、渡道前の燃料満タンを
行うべく給油。都会の一般道と高速を走り
約23km/Lの燃費。まぁいつもの感じだね。

店員に街中にウロウロしてる連中が沢山
居たけど何かイベントでもあるの?と聞いて
みたら、いえコレです、とガソリンスタンドの
洗車機側の壁を指差した。

ああ、こういうの何か確かに大洗を舞台に
あった…んだっけね(^^;)?、オタク世界から
遠ざかって、もう何十年だからオヂサンは
さっぱり判らないや(元高橋留美子オタク)

01ooaraigarupan

------------

大洗のフェリー乗り場に到着。

5年ぶりなのに、ちょっと前に来ていた気が
してならない。岸壁には乗る予定の船も。

01ferisapporo

受付を済ますと、こんなテレホンカードの
ようなモノを渡された。今はこれが乗船券
らしい。バーコード管理するそうな。
これは5年前に無かった新しいシステム。

01jyousenken

そして待機所で待つ。

すると自分より上の年齢層のライダー2名に
話しかけられた。ワカモノには理解しがたい
存在であるXT600Zも、こういう年代のライダー
にはやっぱり興味をもたれるらしい。

01taikibasho

古いバイクならではの楽しさや、とはいっても
不人気絶版車を今の時代に維持することの
難しさなどをその2人と別々に続けて話しを
していたら、もう乗船案内が。あわててメット
をかぶり、キックでエンジンを始動して乗船
口まで移動し、乗り込みの指示を待つ。

01jyousennmae

そして船内へ。ここに来るのは5年ぶりなのに
ホントにほんの少し前にTWとココに居た気が。
やっと旅気分が盛り上がってきたかな(^^)?

前回の旅から、たった5年間、ちょっと一休み
いていただけで、今回のそれは前回の旅と
結構太い何かで繋がっているんだなぁ、と
フェリーの船倉で船員にショーリング材で
展翅されたXTを見てようやく感じられた(^^;)

01sensou

------------

狭いいつものベッド席に荷物を置いて展開し
照明脇のコンセントから手持ち機材の充電を
仕掛ける。このベッドや空間もマイテリトリー。
5年の時を一気に駆け抜けたウラシマ効果?
とても不思議な気分。

身軽な短パンTシャツ姿になり、手持ちの
ダイソーサンダルを履いて甲板に出た。
船はもう大洗港を出ていた。

01huneentotu

ino:「さらば~大洗ぃ~旅だぁつ~船はぁあぁあ~」
      ↑
 うる星やつら2・ビューティフルドリーマーの
 中盤で立ち食いソバ屋マッハ軒から面堂の
 ハリヤーで飛び立った時にパーマが街を見て
 歌った、あの音程をイメージして(^^;)<ばき 

------------

さんふらふぁ・さっぽろ今まで何回乗ったろう?
どこに何があるのかが、見取り図を見なくても
全部判る。とても5年ぶりだとは思えない(^^;)
まさにマイホーム感覚だ。これは長期出張で
馴染みの現場に戻った時のそれとほぼ同じ。
…そっか、ここも自分の世界の一つなんだね。

ラウンジの座席と机を確保してからスーパーで
買出ししてきた食材と第三ビールで旅の再開を
祝して一人で乾杯♪

フェリー内の食材はなんでもかんでも高いから
夕食はこうやって買い込んで持ち込んで船内で
食うのも自分の旅スタイルの一つ。

01kapurame

普通サイズカップヌードル一個216円(税込)…
無理、ボクにはとても手が出ないよ(;_;)

------------

船に乗って、飯を食って、アルコールが少量
入っただけで、すっかり弱って、眠気が沸いて
ラウンジの席に座ったままで30分ほどだけど
少し寝こけた。

その間に、少し夢を見た。それはこの5年間に
あった出来事の超早回しのようなモノ。色々
あったよなぁ、でもこうやって振り返ってると
たった30分うたた寝して見れる夢くらいに
要約されちゃうのか(無論全部じゃないよ)

目覚めてから少しボーっとしながら船内TVを
見てたら、北海道の天気予報が流れてきた。

曇り…雨…大雨…気温低下…、なにぃっ!

ぢつは、思い立ってから一度も北海道の
天気を調べてなかった。渡る日程で大雨が
連続しそうだ、なんて事前に知っていたら
もしかするとこの旅には出なかったかも
しれない。でもそういう事前調査をしないで

ino:「まぁ、行けばどうにかなるべよ」

と、直感行動を優先して、ここまで来たのだ。
でも北海道の週間天気予報はそんな楽天的
気分を冷酷にふっ飛ばすインパクトある内容。

…うーん、これは困った、そもそも向こうに
行ったらどう動いて何をやってどこに行こう、
など一切考えずにここまで来たけど、これは
まじめに雨対策を考えないとダメじゃん(--;)

まぁ今はフェリーの船内だ。酔っ払ってるし、
もう寝るしかない。寝よう、明朝に考えよう!

じゃあまだ21時だけどお休みなさ~い(^^)/

------------

本日の走行距離:230km

 無茶苦茶暑かったよ、この日まではね

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2017.07.15

旅2017・0.5日目 発覚

ウチのポンコツXT600Zは昭和58年製、1983年生まれ
だから、今年で34歳。バイクを人間に例えると、勝手な
自己判断だけど、実年齢に3を掛けると大体合うと
思っているので、34×3=102歳、という超高齢者。

愛機TWに次ぐ、自分の中ではNo.2の地位から揺らがない
大好きなバイクではあるが、TWで行くような何泊もする
ロングツーリングに使ったことは、実は一度も無い。
(最長2泊3日まで)

それは乗って楽しい600単気筒が、旅の道具として
考えると疲れてしまうのと、こまめに給油して旅先での
コミュニケーションを取りたい自分と、30Lという巨大な
燃料タンクがマッチしないからだ。常に30Lのガソリンを
背負って、3~4L減ったらまた給油、ではバイクとして
常に重たい状態を強いられるのでそれは困る。

一番楽しいのは燃料が半分以下になったあたりだからね。

そんなポンコツ君を長旅で使うために、少々の追加装備を。
長年かけて仕込み続けたTWほどの仕込みは出来ないけど
電気系をイジって、走行しながら色々なモノを充電出来る
ようにした。

さあ試運転だ!、クラウザーのK2ソフトトップにダミー
ウェイトを15kgほど詰めて、タンクバッグにも4Lほどの
水をPETボトルに入れて積んだ。ガソリンも満タンにして
走り出す。ズドドドドド

自分がかたくなに信じている「旅の速度」は上限60km/H。
XTの場合それは5速で2000rpm。これがちょうど心地いい。
TWよりはるかにパルシブなビッグシングルで杭打ち機か
削岩機のようにドドドドド、という低周波の鼓動を刻みつつ
田舎道を流すのはTWに勝るとも劣らない快感。

ただTWと違うのは、そこからアクセルを開けると旅の
景色がふっとんでしまうような加速を得られること。
これがね、正直過剰だと思うんだ。旅に使うならこんな
トルクも馬力もありすぎて要らないよなぁ、と思う。

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ある程度走って、急に決めた事なので色々不足するものが
多いため買出しをする。今年のツーリングマップルを買おうと
本屋に行ったが北海道のだけ3件まわったけど無かった。
しゃーない、5年前のマップルで行くか(^^;)

3件目の本屋から出てきて、駐輪場に止めたXTに近づいて
気がついた。エンジンの下に油滴がある。ほんの2~3滴。

なんだ?、前にここに止めたバイクから垂れたものかな?
でもちょっとやな予感がして、アルミのアンダーガードを
触ってみたら、ヌルリ、としたエンジンオイルの感触が…

この油漏れはウチのXTからだ!

うわ~、北海道出発前に油漏れかよ、フェリーもこのコで
登録予約してあるのに!。

油漏れは極小、だからこのまま行って、油量をチェックつつ
足りなくなってきたら足して走る、と言う方法も無くもない。
でも油が漏れたままで向うに渡って悪化したらそれこそ
もう手の施しようが無くなる。

少し考えたが、これはXTが発した危険信号と考えた。

危険因子なら取り除かないと旅を楽しめない。ここでふと
気がついた。ここはハヤシカスタムさんの近くじゃん、と。

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そのまま走っていきつけのハヤシカスタムに駆け込む。
工具を借りてアルミアンダーガードを外してみると、
右側のクランクケースカバーの合わせからの油漏れ。

2017xthayasi01

増し締めしてだましだまし走るか?、でもそれは全然
直った事にならない。一度カバーを外して面を手入れして、
新品ガスケットにしてやらないと直ったとはいえない。

ここでハヤシカスタムという店がSRXチューンで名を馳せた
SRXの専門店ともいえる店である事のメリットが発揮される。
なんとハヤシさんにはXT4バルブ系エンジンのこういうった
ガスケット類が常備されているのだ。そしてこのエンジンに
関して日本一のエキスパートといっていい社長にかかれば
カバーを外してガスケット交換なんてお手の物。

カバーを外すということは、オイルも抜くことになる。
じゃあツーリング前のオイル交換も兼ねて、この修理を
お願いします、明日出発なんです、と頭を下げると、
社長は快くすぐに作業にかかってくれた。

ありがとうございます(^^)/
そういえば5年前も出発時にTWで押しかけましたっけ(笑)

2017xthayasi02

出血が止まらないXTを手術台に乗せる。頑張れ!

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気さくな社長と楽しいバイク話をしながら少々の時間で
XTはあっけなく復活した。オイルも新品、フィルターも
ついでに交換したのでこれで絶好調になった♪

ありがとうございました!、これで安心して北海道に
行ってこれます(^◇^)

2017xthayasi03

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自宅に帰ってきて、引越しで埋もれてしまった旅の
道具を家のあちこちを捜索して引っ張り出した。
一通りあったので、パッキングは明朝に行う。

ここで、旅の魂の引継ぎを行う。TW専用ヘルメットを
模して、XT用ヘルメットのCT-Zにモデナレッド塗装の
特注赤CT-Zからバイザーだけを移植した。色分けした
バイザーのジェットヘルメットは自分の旅スタイルの
アイデンティティなのでね(^^)。

2017helmethikitugi

朝に思い立って、ここまでまだ14時間しかたってない。
でも少しずつ旅モードになってきた。さあ明日は出発だ。
フロに入ってしっかり寝よう

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本日の走行距離:80km
           ↑
   この日に給油したのでここからカウントする。
   なにせタンクがデカイので給油回数がかなり
   減るのでね(^^;;)<ばき

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旅2017・0日目 覚醒

せっかく買った新居に戻ってわずか数ヶ月間で再び、
しかも今度ははるか彼方の遠方へ、かつ年単位に
わたる長期出張指令が出てから、はや一ヶ月超、

気分はもう「沈まぬ太陽」の恩地元がテヘランから
ナイロビに飛ばされる時とほぼ同じ感じ。どうしようも
ない絶望感、いっそこの仕事をもうやめようか、とまで
色々と考えたりもした。私生活が完全に成り立たなく
なってまで仕事をやる意味が無いからね。 _| ̄|○

でも、苦しい胸を押さえながら踏ん張る。もう少しね。

自分に残るのは誰かがやらねばならない仕事なら、
それを自分が出来るのならば、それを手がけるのが
自分がこの世に生まれた意味、そしてそれをやる事は
自分の命の尊厳そのものだから。

限界が来たら、悪いけど辞める。でも、それまでは
頑張る。生きるって事はラクな事を選ぶ事じゃなくて
そういう事だと思うからさ(^^)

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だが現場の仕事の進捗状況、受け入れ方の諸事情、
当方の私情もほんの少しだけ加味されて、出張開始が
少しずつ後ろ倒しに変わっていって、最終的に今月末の
着任が今週初めにやっと確定した。

…と、すると、少し時間がある。ならばこれから先には
もう取れないだろう有給休暇をフルに使って休ませて
もらおうか!、と啖呵を切って来週を全部と、その少し
先までを、急遽まとめて連休とすることに成功した。

最初はこれから暮らせなくなる自宅でゴロゴロしながら
バイクたちに全部乗って別れを惜しもうかと思ってた。

でも、今朝のNHKのラジオで、こんな事を言ってたのを
聞いて、一念発起!、その後すぐにフェリー会社の
HPを開いて、北海道への往復のアシを確保した。

 「仲代達矢さんが『75歳はまだ若い、50代なんて
  青年だよ』  とおっしゃられてました、『85歳から
  やっと余裕が出来たのでようやくブロードウェイに
  行って芝居をいくつか見てこれた』、だそうです。
  そうですよね、75歳なんてまだ元気ですから」

…そうだ、未だに40代、そしてこれから50代に入ろうと
している自分なんて、まだまだ尻が青いワカゾーだ。
今後の人生で今が一番若くて元気なんだ、それならば
「やりたいこと」がやれる今にそれをやらなくてどうする!

今後仕事でそれが当分出来なくなるのが判ってるんだ。
ならば5年前に行った旅の続きを、やろうじゃないか!

…ってね。

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ただ、一つだけ問題がある。

旅の相棒、バイク乗りとしての自分を体現化したと
行ってもいい最愛の愛機TW200が、急な連休突入の
ために冬眠から脱する手続き(任意保険加入と整備)
が間に合わなかった。

なので、今回は自分の北海道旅のポリシーからは
外れてしまうけど、このコで行くことにした。ウチの
中で一番の御老体で、あと何年乗れるか判らない、
だから一度は北海道を走らせてやりたいな、と。

Xt2017

非力で軽くセル始動で気楽にとまれてどこにでも
入っていけて、静かに心地よく走れるTWと違い、
600のパワーで重くキック始動でドゴドゴうるさい
このバイクで行く北海道、実は全く想像がつかない。
もしかすると苫小牧の港でキックしてもエンジンが
かからなくてそこで延々キックしまくって、それで
終わってしまうかもしれない(-_-;)<ばき

まぁ旅は筋書きのないドラマ、プランも全く立てて
いない、行き当たりばったりの珍道中を、明日から
いつもより短い日程ですが、行ってきます(^^)/

今回はリアルタイムでここを更新するのが難しい
と思うので後日まとめて過去のようにUPする形に
なると思うので、その点は御了承くださいませ(^^ゞ


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2017.07.01

留守番は任せた(^^)

次回現場出張は先月末からの予定だったのが色々あって
少し延期となり、まだ自宅生活中。

バイクたちに乗ったり、しばらく長期保管モードとなるため
あるバイクは一度ナンバーを返納したり、バッテリーを
外したり、キャブのガソリンを抜いて、ガソリンタンクを
満タンにしたり、サビそうな部品は高粘度グリスを手で
塗りたくったりする、保存モードにして対応している。
外したバッテリーは下駄箱の中で保存。

Battry2017

困ったことに、これで全部じゃない(^^;;;)<ばき

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植物が生える庭先は、徹底的に雑草を毟って、落ち葉を
集めて、庭木も梅雨前の晴天の太陽を浴びてかなり大きく
繫って枝葉が伸びていたので、申し訳ないと思いつつ
大胆に剪定して、トータルで20kgぐらいの剪定くずを
まとめて可燃ごみとして出した、大変だったよ(^^;)。

そうやって作った、太陽がさんさんと当たる庭の地面を
少し耕して、台所で水耕栽培していたサツマイモの
切れ端から生えた芽を、ど真ん中に植えた。

Imo201701

この子が順調に育って、もしもイモヅルが延びていき
御近所さんの庭や道側に侵蝕して行ってしまったら
すみませんがウチの庭に押し戻してくださいm(_ _)m、
とすっかり仲良くなった御近所のおばちゃんたちに
報酬はこのイモが収穫できたらおすそ分け、という
事でお願いしたら、快く引き受けてもらえた(^◇^)♪

長期保管モードのバイクは成長しないけど(劣化はする)
命ある植物たちは親ならぬ持ち主の自分ががいなくとも
ぐいぐい育つから、なかなか大変だけどそれも楽しい。

イモよ、留守中よそ様に迷惑をかけないようにしろよ、
そして庭と家を見守っていてくれ、頼むぜ(^◇^)/
 

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