あの感動を、もう一度(ちょっと違うかも)
長期滞在しているビジネスホテルの洗面所の鏡に写る
自分は、どこをどうみても冴えない不細工なオッサンだ。
養う家族も居ないのに、自宅から遠く離れて、仕事仕事。
毎日自分の人生は消耗して短くなって行くというのに、
何も生み出せず、何も成せず、ただただ、ひたすら磨耗し
ひたすら疲労してゆくだけ。仕事では何かを成している
のかもしれないけど、それは自分一人の成果ではなくて
かつ自分でなくても誰かが成していただろう役割と結果。
そう考えると、自分の人生はきっとすでにもう詰んでいて、
なすすべもない滑り台のような枠にハメられて、決まった
方向にだけしか、もう生きられないんだと思う。
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今となってはそういう人間に成り果てた自分ではあるが
こう見えても昔は好奇心と発見に満ちていた少年時代を
生きていた事もある。
なんであんなに色々な事が楽しくて、面白くて、ワクワク
していたんだろうな。豪雪に閉じ込めらて職場とビジホの
往復しかしないこの数ヶ月間の間考えていた。
それは幼い短い人生経験ゆえに毎日が発見と挑戦と
その結果新しい知見知識、技能技量を積み重ねて行き
自分の世界を広げながら自分が成長して世界が広がる
事が体験出来たからだと思う。
それを重ねて行くうちに、積み重なったそれの方が多く
なって、新しい発見や成長がだんだん感じられなくなって
なのに新しいことにチャレンジする事がどんどん億劫に
なって、ますます一度出来上がってしまった生き様から
脱せなくなって、その悪い連鎖反応がどんどん分厚い
『 自 分 の 殻 』
を自分で勝手に形と大きさを決めて固めていったから、
だと思うようになってきた。
その『自分の殻』は、自分自身を支えている外骨格でも
ある。考えようによっては、それ=自分自身、をじっくり
作り上げるのが人生そのものなのかもしれない。
でもその『殻』を突き破って開ける世界、それが自分の
成長でもあって、その瞬間の感情こそが、『感動』という
ものなんだろうな。そういえば『感動』する事が歳を
重ねる毎に減っている。でも本当は自分はそれを求め
それに飢えているんだろうな。抑圧されたビジホ生活の
果てにそんな感情を抱くようになってきた。
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…お前、何を言ってるのか判らないよ、という人だらけ
だと思う、なので判りやすい例えをしようか。
子供の頃に、自転車に乗れるようになった時のことを
思い出して考えてみて欲しい。それまで全然乗れなくて
絶対乗れるようになんてなれないよ、と思いつつ、でも
乗ってみたくて、練習して、失敗して、でもあきらめずに
練習して、練習して、フラフラしながら毎日練習を重ねて、
ある瞬間、何かが起きてついに乗れるようになる。
そうすると今までに感じた事のない未知の速度域や、
バランス感、今まで出来なかったことが出来るように
なった喜び、そういったワクワクや成功体験の感情が
爆発したかのような熱い想い。それが自分が表現して
いる所の『感動』というもの。
凡人ではたどり着けないけれど、例えば甲子園に
出られた高校球児や、メダルを手にしたアスリートは
きっとそういう感情の高ぶりを感じているのだと思う。
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今の自分には出来る事は少ない。でも今の環境で
やれることにチャレンジして、マスターして、自分の
世界を少しでも突き破って新しい世界に到達したい。
そこには以前は感じていて、今ではもう殆ど感じられ
なくなってしまった『感動』がきっとあるはず。
でも完全ゼロベースから難易度の高い物に挑戦して
みたり、手当たり次第に手を出してやってみるのは
失敗して挫折するのがオチだ(苦笑)。
下地があって、でも成し遂げていられなくて、自分が
今でもやりたいと思っていて、頑張れば成し遂げられ
そうで、雪に閉ざされたホテル住まいで可能なモノ。
考えて考えて、昔挫折したコレに挑戦してみる事に。
何で?、何の役に立つのさ?、とは聞かないように。
少年の嗜みに一つや、サバイバル技能の一つとして、
この技能をマスターして使いこなしたい、と古くは
小学5年生のころからずっと思っていたんだよね。
これこそが無線通信だと思っていたし、何より暗号を
即座に解読するかのようなスタイルにカッコ良さを
感じていたしね(笑)
中学校~高校時代にハマっていたアマチュア無線、
電話級を取って中古のポータブル機で開局したけど
ステップアップしないまま局免は切れて今に至る。
だけどいつかは電信をやりたいと思っていたのだ。
今は不特定の同じ趣味人と会話する、という世界は
無線通話からネットにほぼ100%役割が置き換わって
いると思う。なので電信級あらため3級免許を取って
電信通信をしたい、という訳じゃない(チャンスが
あれば挑戦したいけどね)。まずちゃんとモールス
信号を聞いて内容を理解出来るようになりたい。
電鍵で打つことは(美しい周期で打つのはとても
難しいけれど)それほど難しくはないので、符号を
暗記して、そこからひたすら聴いて、聴いて聴いて、
耳に入る短音と長音のリズムが何を意味しているか
言葉のように脳に入るようになるまで鍛えてみる。
今は低速で筆記でなら大体コピー出来る。でも少し
速度を上げたり、暗記で理解しようとすると10文字
くらいで追いつかなくなる。もっと練習が必要だ。
そしていつかは、かつて自転車に乗れるように
なったあの時のような『感動』の瞬間が訪れる…
はずだ。それまでトン・ツーで遊んでみるよ(笑)
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コメント
中防の頃、電話級に興味があって関連書籍数冊買ったこともありましたが、免許取得までは至らずでした。
まあ無線機はとても買えませんでしたし・・
モールス信号と聞くと、真っ先に思い浮かぶのが「ト連送」・・父が戦争世代だったので。
投稿: 剣片喰 | 2018.02.24 12:01
剣片喰さん:
中学生の頃に電話級を取りました。
次に電信級に行きたくて少しモールスを
勉強したのが高校生頃だから30年前(汗)
自分の叔父が電気屋の仕事をしていたので
そのツテで中古の144MHzのポータブル機を
安く譲ってもらいました。
日本電装(現デンソー)のND-1200という
無線機です。実はまだ持っています。
…が、もうそれが何かを知る人は殆ど
いないでしょうね(^^;)。
昔はデンソーも(NDシリーズ)、NECも(CQ
シリーズ)、ナショナルも(RJXシリーズ)
アマチュア無線機作ってたんですよ(^^)
投稿: ino | 2018.03.04 20:24
National RJX-715、持ってますw。
父が戦争中、部隊の通信兵だったので、敗戦連絡をまっさきに受信したわけですが誰にも言えず、辛かったそうです。
局免許再交付、いまはネット経由総務省で、できたりしますが、無線機の登録管理とかもうわけわかめ。
投稿: らいおん | 2018.03.05 07:05
らいおんさん:
おや、奇遇ですね(^^)。
RJXシリーズは601にあこがれましたね~
610の巨体とデジタル表示もよかったです。
715はその筐体を使った21MHzの12V駆動機
でしたよね。
HF帯に出るなら21MHzだ!、と思ってモノ
バンド機を探している時にしりましたが、
なかなか実物には会えませんでしたね。
結局ミズホのピコ21Sの中古を買った頃に
バイク熱が猛烈に発熱するとともに無線
熱が下がって、そこで滞ってしまいました。
今ならヤエスのFT-817NDを買えば一台で
何でも出来ちゃいますが(大出力よりも
小さい無線機でQRPの方が好きなんですよ、
そっちの方がアマチュアらしくって)
古い無線機には古いバイクと同じ匂い、
同じロマンを感じるんですよね(^^;;)
投稿: ino | 2018.03.05 21:40