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2022.05.08

コスパ最優先ではない観点が必要になった時代

新型コロナが猛威を振るい始めたころ、どういうわけか、令和にもなって昭和のオイルショックと同じロジックでトイレットペーパーが買い占められ品不足になるという事態が生じた。

人間の本質は結局いつになっても変わらないんだな、と実感させられた事件だった。なお自分はトイペの在庫はそこそこあったので騒動(ブーム?)には巻き込まれず(乗らず)、何の実害も無かった。もっと激しい品補足が生じた紙マスクも、その当時保有してた在庫であの期間を余裕で乗り切ってた。まぁ洗ってみたりして頑張ってはみたんだけどね。

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…で、その時に思ったのは、生きてる限り必ず使うものは、やはりある程度備えて持ってなくてはダメだという事。
食料、水分(飲食用と洗濯清掃便所等の生活雑用水)、燃料、衣類、トイペもその一つだと思い知った。

それまでトイペは常に最安値であるものを買っていた。安値とは、1円で何m買えるのかという単価で最安値、という事。通常シングル巻は1本60m。それが12本入ってるのが税込218円が当時の最安値(超特価セールとかではなく通常価格で)だったと思う。それを最大3set分保持して、収納に12本が収まるくらい減ったらそれを一つ買い足して補充する、というサイクルだった。つまり最大で36本、最低でも23~24本は持ってる計算。自分の生活だとトイペはトイレだけでなく鼻紙とかのボックスティッシュや油汚れ拭き取りのキッチンペーパー替わりにも使うので、これで2~3カ月くらいの備蓄量だった。貧乏節約生活としてはこれが最もコストパフォーマンスが良かった。

だが、令和のトイペ騒動以降、その考えを改めた。そしてそれ以降はこれを買ってる。

Toipe01

高密度巻きタイプのトイペ。1本で従来の1.67倍の長さの100m。これが12巻で税込470円。通常巻きは再生紙100%なんだけど、これは高密度巻きするためかパルプ100%なのが唯一気に食わない。紙として最終用途でリサイクルしようがないトイペは再生紙100%であるべきだと思うので、コスパ最優先、または資源有効利用という観点で考えればコレは無駄遣いだ。事実1円あたりの単価で言うと

 最安値:(60m×12本)/218円=3.3m/円
 高密巻:(100m×12本)/470円=2.55m/円

つまり1円あたりでいうと1.29倍高いので約30%割高なものを買ってる事になる。貧乏節約生活からすればこの行動は無駄な贅沢であって生活破綻行為ともいえる。…じゃあなぜこんな贅沢をするのか?、それは『収納するスペースが無限ではないから』、だ。限られた空間に最も多く保持するためにその30%増しのコストをかける価値があると自分は判断した。

Toipe02
Toipe03

ウチにはトイペをスッキリと収納する空間がこれしかない。家中のどこにでも積み上げればいいというのなら、まだまだ置けるけど生活の質感を下げてまでトイペを抱え込む事はしたくない、人生はバランスだからね。限られた狭い収納に可能な限り多くの量を保持する、そのために30%増しのコストをかけるのだ。

常に安価な最安値でいつでもこれが手に入るのなら、こんなことはしない。最安値単価のモノを買うのが正義だと思う。でも今のご時世はちょっとしたことですぐ物不足が生じたり、世界情勢の変化で物価が上がったりする。ミニマリストという生き方は社会が完全に安定して成熟してる場合には正立するけど、そうで無い時にはちょっとしたことで即死する生活だ。体脂肪率で考えれば判りやすい、絞りに絞ると美しいかもしれないけど何かあったら備えが無いから餓えて死ぬしかない。貯金に置き換えるともっとわかりやすい。収入を全て使い切った贅沢な暮らしをしていると何買ったら備蓄が無いから破綻する。脂肪は悪じゃない、蓄財も同じ、そして備蓄もそうだ。それらが多すぎる(そのために犠牲にするものが多い)のならばそれは悪といってもいいかもだけど、その時々で必要量は変わる。今はそれを再見積すべき世界情勢、社会変化の時代が来たといっていいと思う。

今回の話はたかだかトイペだろ?、というなかれ、あの時無くなるという焦燥感を味わった人ならゼロになってもいい物じゃないはず。そりゃ昭和のオイルショック時代と違って洗浄便座が当たり前の時代だけど、ゼロには出来ない。そういうものは日常生活を見渡すといくつもあるんじゃないかな?

備えるべき対象は人それぞれで使うモノやその人なりの価値観によってガラリと違ってくるのでこれをしろ、とは明言できない。仮にそう言えたとしても最適量は人によってまた変わるからこれだけあればいいなんてことも言えない。そういった事を個人個人が加味した上でさらに社会情勢と未来予想図も含めた複合的判断(言い方を変えれば前向きなバクチとも言っていい)が必要になった。

少なくとも自分自身にとってはどんなものでも1円でも安ければそれが絶対正義じゃない時代になった事は忘れず自覚して生きてゆくよ、当然だけど、自己責任でね。
 

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コメント

 安いに越したことはないけれど、安物買いの・・も嫌だなあというのが正直なところ・・・ 境界線に悩みますね。(@貧乏人)
 キャンプ装備である程度は何とかなりそうに思いますが、足らないものも多そうだなあ・・・
 

投稿: 剣片喰(けんかたばみ) | 2022.05.10 13:54

剣片喰さん:

いつもコメントありがとうございます(^^)

確かにその境界線の見極めが難しいですよね、いや少し高い物を常に買っていれば余裕で越せるんですが、そこを突き詰めたい、と考えるとついつい変なモノを買ってみて、そして失敗する、をやったりします。最近は百均でたまにそれをやります。まぁ安いから…と思ってると意外とチリツモだったりしますので(年間2~3千円)、無駄コストだと判っていながら、それでもやってしまうという悪癖(苦笑)

なのでその過程で「これだっ!」となったモノはハードローテーションで行きます。

今回は質を上げてコストをかけることで有限空間利用率向上を図っています。約3か月分の備蓄が約5か月分になるんですが、そんなにため込んでどうする?、と思われるかもですが、どうせ必ず使うものですからね(^^ゞ


投稿: ino | 2022.05.16 01:07

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