備え有ったので憂い無し(あくまでも幸運である前提)
先日、秋の好天の休日、気持ちよく人里離れた、さびれた狭いワインディングロードを気持ちよく走ってた。
空の紅葉にはまだ少し早い、朝は肌寒いけど日中はしっかり着込んだウェアでちょうどいい気温で、エンジンも冷却されてきっちり放熱していい感じ。路面温度も下がりきってないのでタイヤのグリップも悪くない。つまりバイク乗りにはすごくいいシーズン。あ~楽しいなぁ~(^^)♪
…と、気持ちよく走ってて、左の緩いブラインドコーナーに入ったら、バンクさせた一番深い所で、路面に落ち葉がやたらおおく落ちてるゾーンに無警戒で突っ込んでしまった。
バイクと言う乗り物は、フロントタイヤのグリップに全てを賭ける乗物だ。フロントタイヤさえグリップしていれば、リヤグリップが怪しくてもバイクはそれなりに走れる。でも逆は無理、真っすぐならば走れるけどそもそも止まれないし、少しでも曲がっている状態ではフロントグリップを失ったバイクはコントロールするのはほぼ無理なのよね。
なので、あっさりとフロントタイヤからスリップダウン!、なすすべもなく車体とともに緩い下りを反対車線側に膨らみながら路面を滑って行って、最後は反対側のガードレールにチョコン!と当たって止まった。ほぼ止まる寸前だったので全く衝撃はない感じ。
あちゃー、コケちゃったよ、オフロード走行では転倒は日常茶飯事だけど、公道ではクルマに突っ込まれるような事故が2010年が最後なので、バイクを倒して路上に転がるのは実に12年ぶり(冷汗)
自分の身体にダメージはないか、確認しながらゆっくり立ち上がる。不思議と身体のどこも痛くない。ほぼ必ずある、転倒した時に身体が地面に打ち付けられる打撲を受けたような感じはないし、どこもかしこも痛くないし、どこからも流血もしてない、当然だがホネも折れてない。立ち上がって腕が上がって歩けて屈伸が出来る。うん、大丈夫だ。とりあえず倒れたままのバイクを立て起こしして、道路わきに寄せて、人間と車体の損傷をもう一度確認する。バイクは軽症だ、左ウィンカーが捥げて、シフトペダルの先端が折れて、ミラーとクラッチレバーとハンドルが少し削れて、カウルががりがりと削れて、一部割れたくらい。走行に必要な機能は失われてない。エンジンもかかった、大丈夫だ。
身体はケガしてる感じはないけど、ウェア類は見た目はスゴイことになってた。
左足はスリップダウンした車体と路面に挟まれたまま滑走したため、左足はアスファルトでかなり削られてた。現場作業用の足先を鉄製のカップで保護するSimonの長安全靴と、ごく普通のデニムの中に仕込んだガード類が、役目を果たしてガッツリ身体を守ってくれてた。
安全靴はこの通り表皮は削れて無くなり、その下の金属カップも結構削っていた。摩擦熱で焼けた痕があるから相当火花散らしてただろうな。これが無かったら足の小指あたり削れて無くなってたかもな。膝とスネを守るプラガードも結構削れて、摩擦熱も喰らった痕があったけど、それのおかげで無傷で済んだ。画像はないけど上半身も左半身がかなり削れた痕があった。でもエルボガード、胸部プロテクタ、脊髄プロテクタ入りなので身体は完全無傷だった。
…これが普通のスニーカーで単なるデニムだけ履いてペナペナのジャンパーだけだったたらどうなってただろうか?多分左足は大ダメージだ。足先は削れてホネが出ちゃうくらい、くるぶしも削れてたかも。膝も外側が削れて横から皿が見えちゃうような状態になってただろう。上半身もあちこち削られて、血まみれになっていただろうことが容易に想像出来る。
刃物で切った切傷は傷のふさがりが早いけど、外力で無理やり裂けた裂傷や、削られて無くなった部分の再生はすごく時間がかかるしガッツリケロイド化するから、ケガとしてはアスファルト滑走で負う擦過傷は最低最悪の部類なのでホント無傷で良かった(^^;;)。
自分はもう若くないバツイチ独り身だ。なのでケガすると治りが遅いし、それだけ日常生活に大きな支障が出る。ゆえにケガは絶対にしたくないのでバイクに乗る時は上から下からがっちりガード類を装着して、ある程度の転倒や事故でのダメージを防ぐ備えは常日頃からしていた。また今までバイクで自分自身が怪我したり、大切な友人を失ったりしているので、常に危ない乗り物である事は理解してるし、それによるアクシデントが避けられないことも覚悟してる。
だけど、最後にバイクでケガした2010年の事故以来、ずっと無転倒無傷でいられたから、覚悟して、備えて、注意しているつもりだったけど、少し慢心と驕りと油断が出ていたんだろうな。でなければ秋の山道で落ち葉があるというリスクを理解しないはずがない、過去にそう言うシチュエーションで滑ってコケかけたりしたから今までそうやって走ってきたからね。それが今回読めなかった警戒が薄れた、ということは自分が老いて判断力即決力が衰えた、という事も加わり、今まで無転倒無事故だから生じた慢心、それらが全て加わって生じた油断が生んだ必然的な事象だった、という事だと自己分析する。反省しよう。
それに今回はいくつもの幸運に恵まれた。それは自分が努力したからじゃない、あくまでも偶然であり、そしてそれは本当に幸運だった。
それなりの速度で15mくらい路面をコントロール出来ずに滑走したから、以下の幸運が無かったら大変なことになってた。
・並走してる四輪車やバイクが無く、巻き込みで無関係無過失な人を巻き込まず済んだ。
・対向車が走ってこなかったのでそっちの巻き込みもなかった(来てたら自分は死んでたかも)
・よって他者を傷つけなかった(自分の過失なので相手を巻き込む事は絶対悪)
・そして他者の物を何も壊さなかった(ガードレールもコツン、で済んだ)
・自分自身もケガしなかった(防備はめんどくさがったら終わりなのよね)
・【おまけ】車体も大きく壊れず、自走可能な状態で致命傷はなかった(帰宅後すぐ直した)
モノは壊れても直せる。再起不能になっても買い直せる。
でも身体は一度ケガするとなかなか元通りに治らない。
先に書いたけど質の悪いケガだとなおさらだ。今回の慢心と油断を猛省するとともに、今までの防御策は間違ってなかった事の確信を持てたし、幸運にも感謝出来た。そう考えるとこのタイミングで軽微な損害でこういう体験ができたのはこんな事言うと怒られちゃうかもだけど、ある意味ラッキーだった。危険性に関する感度は体感したことで最高レベルに上がるし、これ以上歳とってからだと、ガードしまくって同じ事象であっても無傷で済まなかったかも、だしね(^^;)
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