あれは12月の第二週、普通に出勤して、普通にサラリーマンらしい事務的な仕事を淡々としてた。
そしたら、夕方くらいに、何故かだんだん両方の膝が痛くなってきた。普通に歩いて、普通に階段上り下りして、ごく普通の日常の動きしかしていない、運動らしい運動とか、ハードに使うようなことは全くしてないのに。
最初は軽い痛みだった。なので「なんだろう?」くらいしか思わなかった。でも定時の終業のカネが鳴る頃は、気のせいを通り越して明らかに痛みを感じた。とはいえまだ歩ける。何だか理由は判らないけど、だんだん痛くなってるから、早く帰ろう、と定時きっかりで仕事を切り上げて帰路に就いた。
…駅に着く頃にはズキズキした痛みになってた。できるだけ痛みを感じない様に、ゆっくり、かつ膝の確度を変えないように、ぎこちなく動く。駅のホームに上がる階段を上ると痛みが一気に増してゆく、うぉ~!痛てぇ!、
そのまま電車に乗って席に座る。座っていても痛みは感じる。そして自宅の最寄り駅に付いた時にはもう立ち上がるのも必死になってた。ホームから改札のある階面まではエレベータを使って、改札をようやく出たけど、そこからもう殆ど歩けなくなってた。自宅まで歩くのはどう考えても無理だ、スタスタ歩けば数十秒のタクシー乗り場まで行って、自宅までタクシーで移動、どうにかして帰り着いた。
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この時点では、両足が痛かった。痛いけど腫れてはいないし、熱も持ってない。ただ左膝は曲がりにくくなっててああ水が溜まって来てる、という事が体感出来た。とりあえずこのまま極力動かないようにして、その日はトラムセット飲んで寝に入る。…途中寝返りで激痛で目が覚めた。一体何なんだ(冷汗)さっぱりわからないけどどうにかそのまま寝た。
朝になったら、右膝は痛みがかなり軽くなってた。代わりに左膝はもう激痛で、左足に体重をかける事すら困難だった。とても出勤出来ないので、その日は終日在宅勤務として、極力動かさず、様子をみることした。午後になっても痛みは変わらず、左右の膝関節の形状が肉眼で明らかに左が膨れているような状態(水が溜まってる)感じでこりゃ耐えてても仕方ない、と判断して、過去の交通事故の際に世話になって膝関係のカルテも残る中規模病院に電話して、翌日午後に診察を受ける予約をいれた。
結局その日は午後も痛い、夜も痛い、で自宅から動けなかった。なにせ玄関のタタキに降りる動作すら激痛で、郵便物を取りに行くこともできない有様だった。自宅がフルバリアフリーの平屋で平面移動だけで生活できることがこんなに楽だったのか、としみじみ実感。
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翌朝も痛みは変わらず、というかかえって強くなってて脂汗流しながら午前中在宅勤務して、午後通院。しかし何で整形外科は元気いっぱいの老人であふれかえってるんだろう?、そういう足腰が良く動くご老人たちを眺めながら診察を待って呼ばれて入って、…炎症してない、腫れてない、だけど水が溜まってる、なので水を抜いて様子を見ましょう、となった。ブットい注射針を膝の皿の下に突き刺して、かなりの寮の薄黄色いリンパ液が抜けた。痛いけどちょっと痛みが和らいだかな、膝も曲げられるようになった。

これで良くなればいいかな、数日たてば治るだろ、とその時は思ってた。
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だが、激痛はその後も続く。抜いたリンパ液はキレイで、炎症や負傷の兆候みたいなものもないので関節内に何か明確な異常が起きたわけじゃなさそうなのに、一体何なんだろう?
ともかく動かさないこと、痛み止めとシップで痛みに耐える、これしかなかった。これが数日続いた。一週間後くらいにやっとビリっとくるような生傷感が消えて、ハードに痛めた関節の痛みみたいな状態になったけど、それでも階段の上り下りやちょっと捻りが加わるとズキっ!とした鋭い痛みが走るので、身動きなかなかできない日々が続く。なにせイスに座ってても痛いから始末に負えない。ただ特定の角度に保つとそこだけは痛くないというポイントを発見したので、その角度を上手く保ちながら片足引きずって歩くことは出来るようになってた。
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10日たった辺りでもまだ同じくらい痛みがあって、これ動かさないから変わらないのかな?、試しに出勤してみるか、と朝にいつもより30分くらい早く駅まで歩いて行ってみたけど、少し歩いて階段を上ると痛みがかなりぶり返して、これは職場にたどり着けても帰れなくなるかもしれない、と思って結局自宅に戻ってきてしまった。こんなに歩けない動けないのは過去にバイクで事故って両膝の関節内骨折で身動き取れなくなった時以来だな(約19年前)…今回は原因が全くわからないので何がトリガーでまた起きるか判らないのがツライところ。もしかするとあの頃の古傷が何か影響してるのかな、と思ったりもするが、真相は判らない。
…で、今朝になって、やっと普通の姿勢で平面が歩けるようになった。20段くらいの階段なら手すりに荷重を預ければ上り下り出来た。おそるおそる30分くらい歩いてみたけど、緩い痛みは感じるけどそれが悪化して行くようなことはなさそうだ。どうにか治る方向にベクトルが切り替わった。
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人の身体で、首、肩、腰、股関節、膝、踝、は痛めて動きが制限されると日常生活するのが困難になる。
原因があればそれを繰り返さなければいいけど、今回の膝痛は、正直全く原因がわからず始まった。これを防ぐ方法は判らない。
たまに原因不明で腰痛になることもあったけど、それでも3日くらいおとなしくしてれば快方に向かったけど、今回は2週間くらい生活に大きな支障が出たのがちょっとショック。新型コロナ以降在宅勤務と言うスタイルを取れるようになったからまだ働けたけど、それが無かったらこの期間は丸々休まないといけなかったと思う。とはいえ2回くらい座り姿勢でも発する痛みに耐えかねて午後から休んで寝転んでたりもしたけど
今回のトラブルの原因が、例えば加齢によるもの(いわゆる『五十肩』と同じような)、とすれば、今後生きてゆく過程で同様のことが何度も起こりうるという事になる。腰痛だって起こるだろうし、以前の事故で痛めた首だってまた何が起きるか判らない。そう考えると元気に動けるってことがこれからは貴重になってゆくし、またいつ身動き取れないくらいの痛みに襲われるかもしれない、という事になる。
例えるならば、地雷源を歩くようなもんだ。いつ何が起きるか判らないし、今までは低かった爆発の確立は加齢とともにどんどん高くなってゆく。極力それを踏まないように、踏んで痛い目にあってもそれを乗り切っていけるように、覚悟と、準備を固めて生きて行こう。
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