縁はこうして切れてゆく
出先の宿でTVをつけたら、またNHKで「無縁社会」のスペシャル
番組が流れていた。今日は「無縁死」らしい。そういや以前自宅の
隣に住んでいた一人暮らしのおっちゃんが死んだ時にネタを
UPした事があったっけ。要はそういう事だな。
自分自身、過去にそんな経験が2回もあるが、どうも最近は
こんな出来事が、あちこちで起こっているらしい。
これだけ家族や地域や、社会との繋がりが希薄な時代では
これからこういう死に方、弔われ方が、スタンダードになって、
家族に看取られて、遺族が弔うという今のスタイルが段々と
異端になってゆくような、漠然とそんな気がする内容だった。
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そういや先日、そのNHKの特集番組「無縁社会」についてチョロっと
書いてみた。
さらに最近どういう訳か、こんな所を訪れる人が増えているようで、
思うにそのキーワードを検索エンジンにかけて、この辺鄙なBlogに
飛んで来ている人が多い気がする。
ためしにGoogleで「無縁社会」で検索すると、最初のページの、
しかも上から四番目にこんな矮小なBlogがひっかかる。
あらあら、ごめんね、そうやってここに来てしまった皆さま。
単なる独り言の、大した内容じゃないBlogで本当にごめん。
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多分そのせいと思うけど、どうもNHKのこの番組の担当者もここに
辿り着かれたようで、自分にコンタクトを求める私信のメールが
一週間ほど前に届いていた。可能であれば連絡して欲しい、と
いう丁寧な内容のメールだ。
だが、残念ながら今の自分は地方の現場に島流しにあっている
ので、とてもそういう対応が出来るような状態じゃない。
なので大変申し訳ないけど、その話を丁重にお断りをさせて頂いた。
折角声をかけて頂いたのにすみませんm(_ _)m>NHK担当者殿
もしネット上の著作権問題とかの特集を作る機会があればこんな
セコいネタでよければ素材がありますぜ<ばき
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でも、その事で、ふと思った。
まるで宇宙空間のように広いネットの中でこんな地味なBlogを見つけ
コンタクトを取ってもらえたって事が、まさに一つの「縁」であるんだ。
でも、その「縁」を仕事が忙しくて対応出来ない、という事を言い訳に
して、その貴重な機会を自分はあっさり破棄してしまっている。
…もしかしてNHKの言う「無縁社会」っていうのは、番組を見ていると
主に家族という「縁」の喪失であるようだけど、それらを細分化して
分析してみると、実はこういう事の積み重ねと連鎖の果て…じゃ
ないのかな?って気もするのだ。
家族と離別し、独りで暮らしていたって、毎日行くスーパーのレジの
人に気楽に声をかけていればおなじみになり、お得意さんになり、
その店が行き着けの店になって、もしかしたら客同士で交流が
生まれるかもしれない。スーパーでなければ病院でもいい、今も
通っている某病院には、その「縁」目当てに?毎日通っているらしい
老人が沢山いるぞ(^^;)。それだって立派な「縁」じゃないか。
なのに、なぜ人は最期には「無縁状態」になって孤独で死ぬのか?
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こんな自分でも生きていく中で、本当はもっともっと今以上に沢山の
人や物事との「繋がり」を紡ぐ機会が、実は本人がびっくりする程に
沢山あるんだと思う。それは多分死ぬ瞬間までね。でも今の自分は
そんな「縁」を、今回は「仕事が忙しいから」、と言って、ざっくりと
切ってしまっている。
でも、折角の「縁」で結ばれた元カミさんともブッツリと切れたように
今自分を社会に強固に繋ぎ止めているかのように見える仕事という
「縁」も、強固なようで実は相当脆くて、いざ寄りかかるとあっという
間に切れてしまう、まるで蜘蛛の糸の如く細く弱いモンなんだろう。
そういう場合に本当に強いのが「家族」という「縁」なんだろうな。
夫婦という「縁」は二人で大切に育てないと強くはならないが<ばき
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今自分は、「生きるために働いている」けど、そのために新しい縁を
紡ぐ事が出来ないでいるのかもしれない。今の縁を保持するために
新しい縁を拒絶しているのかもしれない。そう考えると、現状から
脱出するためには、本当は今の縁と同じくらい、新しい縁を求める
努力をすべきなんじゃないか?
少なくとも自分は一度は結婚してみたから「生涯未婚」ではないが
残念ながら結婚して家族を持つという選択肢は自分にはもう無いし
子供もいないから、結局未婚者の将来と何ら変わらない。
ではこれから生きるために必要な、今自分が手にしている以外の
「新しい縁」、「新たな絆」って、具体的に一体何だ?
それは今の仕事の「縁」の中にあるのか?
それともそことは全く別の場所にあるのか?
不惑の歳になったのに、まだそれが判らない自分は未熟だ_| ̄|○
ただ、それが仕事の方ではないような…そんな感じだけはする。
仕方ないから、それをもう少しだけ手探りしながら生きてみよう。
多分、こんな自分にだってもう少しくらいの時間が、そして今とは
違う何かしらの「縁」がきっとあるはずだから。
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