先々月の事故る前の話だ。バイク仲間から中古のデジカメを格安購入した。
それ以降、ここで使う画像は殆ど全てそれで撮影したものを使っている。
物はCASIOのEXILIM、型番はEX-S20、パンフォーカス最終型のヤツだ。
800万画素の一眼レフデジカメや、安い500万画素の3倍ズームなどが
ザラにあるのに、今時一年前の200万画素でAFもズームも無いってのは
一見すると使い物にならないシロモノのようだが…このカメラは凄いのだ。
常に身に着けて持ち歩き、芸術作品としての綺麗な画像ではなく、
その場にあるものをともかくバシバシ撮って、画像メモや、日常スナップや、
「ヘタな鉄砲数打ちゃ当たる」的に使うには、今も最強最速最小スペックだ
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そんな用途ならイマドキの携帯電話のカメラでも十分なのかもしれない。
最近のは200万画素でAFまで付いて、メモリーカードに画像を保存出来る。
でも自分の使っている携帯電話(N504iS)に付いてる30万画素のカメラは
「画像メモ」取りとして使うには実用にならず、撮影までに数回ボタンを
押さないとカメラモードにならず面倒だし、画像サイズも小さいし、
撮った画像のPCへの転送もきわめて面倒・・正直、使う気になれなかった。
でも携帯電話よりも小さく軽いこのエクシリムは違う。
取り出してボタン一発で瞬時に起動、ピント合わせ機構が省略されてる
パンフォーカスなのでシャッターを押せばもう瞬時に撮影は終了。
200万画素は実用上必要にして十二分で、近距離撮影もそれなりに使えて、
512MBのSDカードを突っ込んでおけば最高画質ででも438枚も撮れるし、
画像メモとして十分実用になるVGAの最低画質ではなんと5082枚もの撮影が
可能で、日常使っている分には残枚数を気にせず「無限に撮れる」イメージだ。
しかもバッテリーの持ちが抜群にいい。フラッシュを多用しない日中なら
ヘタすると400枚近く撮影、つまり512MBのメモリーを埋めることも出来る。
フラッシュを使うと途端に落ちるけど、それでも200枚は余裕で撮影可能だ。
さっとポケットから取り出してすぐ撮れて、バッテリーも持つ、ってのは、
自分にとってはズームよりも、800万画素よりも、レンズが交換出来るよりも
もっと重要な「性能」なのだ。これを犠牲にしても欲しい機能はただ一つだけ、
「ヘビーデューティー」
自分が心底信頼しているカメラは、デジカメでも一眼レフでもなく、実はこれ
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これはコニカ製初代現場監督、単車のTW200同様、自分の「愛機」だ。
このあたりを語るとまた長くなりそうなので(苦笑)、また後日にでも。
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で、このデジカメ、持ち帰ったその日の夜にもう異常に気が付いた(^^;)
明るいところを撮影すると分からないのだが、暗いところを撮ると
常に画像のど真ん中に、赤い点が写るのだ。
これはそのサンプル画像、フルサイズの画像から分かりやすいように
トリミングしてある。猫の左側の目頭に、その赤点が写りこんでいる。

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撮影時にファインダーとして使う液晶や、再生時にも常に同じ場所に写るので、
最初は液晶のドット抜けだと思っていた。それならば別に気にならない。
でも画像データをPCに持ってきてもその点がはっきり残ってる。
つまりこのカメラで撮影すると必ず画像のど真ん中に赤い点が写るのだ。
・・こりゃ使い物にならん(^^;)。
中古個人売買だから仕方ないかな、とも思ったが保障期間が一週間残っていた!
翌日カシオのサービスセンターに電話して、翌々日には午前半休を取って
県内某所にあるサービスステーションに持ちこんで修理を依頼した。
なんと、県内に一ヶ所だけで、しかも平日の、日中しか受け付けてないのだ。
だがそこのサービスの応対は礼儀正しくこちらの主張を聞き、異常個所を確認して
保障期間内であることもきちんと確認してくれて、修理を受け付けてくれた。
こういう時にこんなに気持ちの良い応対をされると製品トラブルで
嫌な感じになっていた気持ちがカラッと綺麗に晴れる。カシオやるねぇ。
それでも平日の昼間しかサービスセンターがやっていないのは要改善だが<ばき
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数日後、修理完了との連絡が入る。修理品を取りに行かねばならないかと思ったが
なんと元払いの宅配便で修理品を送ってくれるとの事。なんてサービスいいんだ♪
嘘偽り無く、翌日送料元払いの宅配便で修理品が到着した。作業報告書を見ると
レンズ部に異物が入っていたので分解後洗浄して再組み立てました、との事。
レンズを手で塞いで光が入らない状態にして写しても赤い点が出るので
てっきりCCDの欠陥だと思ってたけど(苦笑)。まあ綺麗に写れば何でもいいや♪
試し撮りすると確かに赤点は消えていた。おおカシオ万歳!
翌日カメラを手に通勤。途中の風景を気の向くまま何度もバシバシ撮る。
帰宅後、その画像をPCで見てみたら、何かおかしいことに気が付いた。
「右側のピントが合ってないな、左より常にボケているような気がする」
一枚の風景の画像(原本はここ)の左右の一部を切り出して並べるとこうなる。

元々甘いパンフォーカスなんだし、コレは仕方ないのかな、とも思ったが、
修理前の赤点が出た画像を見てみたら、左右同じようなピントになってる。
つまり、赤点対策でレンズ部を分解した後の組み立て精度に問題がある。
翌日カシオのサービスセンターにその旨を問い合わせた(クレーマーやな)
保障期間はこの時点でもう過ぎていたが、修理品の不具合は再保障される
(3ヶ月)のだ。そしたら再修理するので着払いで送ってください、との回答。
おお、ここでも送料をユーザー負担としないのか、カシオ、さすがだ。
修理後不具合の不満も一発で吹っ飛ぶこの対応に関心しつつカメラを送った。
一週間後、再び送料元払いで修理完了品が帰ってきた。
今回はレンズユニット全体を新品に交換、との修理報告が添付してあった。
パンフォーカス系エクシリムはレンズユニットとCCDが一体化した設計のはず。
そうすると光学系が全部まとめて一式新品になって帰ってきた事になる。
試し撮りすると、赤点は当然無いし、ピントも十分満足出来る画像。OKぇ!
最初の赤点でそうしてくれれば二度手間にならなかったような気もするが(^^;)、
この手の対応についてはカシオのそれは十分納得行く誠意あるものだったので
正直、カシオとこのカメラの良い印象しか残らなかった。
そう、メーカーの『本当の実力』は、華々しい新製品ではなく、
修理やクレーム対応をしたときに分かるのだ。
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それは製品とメーカー、サービス部門の関係ではなく、
人間の実力を量る場合も同じだ。表面を華やかに飾っていても、
トラブった時の対応を見ると人間の本質と実力が一目瞭然になる。
自分が悪いことをした場合、それを素直に認め謝るのはごく当たり前のことだ。
だけどそれが出来ない人、つまりそれをつっぱねて自己弁護して
いかに正当化するのか、それを出来るのが「強い人間」だ、そうでないのは
「弱い人間」だ、っていう人も世の中にはいる。架空の設定ではあるが
「白い巨塔」の財前五郎などがそういうタイプだ。
これを製品の不良品を持つユーザーとメーカーの対応に当てはめてみると
・・・そんな対応を一度でもされたら、どんなに良い技術を持っていて、
魅力ある製品を作っていたって、もう二度と買わないよ。
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人間は失敗する生物だ。失敗したことを素直に認めて教訓として反省し
未来への糧にするのなら失敗することに必ず意義がある。
その教訓を生かさず自己正当化に勤しみ同じ失敗を繰り返すようじゃダメだ。
失敗するのは悪いことじゃない、恥ずかしくもない、「みっともない」事でもない。
大切なのは、失敗したことをまず素直に認めて、それを二度としないように
「努力」する・・・ことなんよ。
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